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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.12.06

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:マルドゥ歓楽者(モダン)

by 岩SHOW

 最近モダンでは、型にはまらないタイプのデッキが活躍するのがちょっとした流行となっているようである。特にMagic Onlineにおいては突如としてリーグで勝ちまくったり、チャレンジやプロツアー予選などの大きなイベントで彗星のごとく現れ大暴れ、なんてことで一風変わったリストが話題になること多数。

 このコラムでもなるべく追いかけて行きたいが、まとまって出てくるとどうしても追いつけないのが実状。今日はそんな中から、個人的に好きな形のものがMagic Onlineのプロツアー地域予選で7勝1敗という結果を残していたのでピックアップしたいなと。まずはリストから!

buritto92 - 「マルドゥ歓楽者」
Magic Online Modern Regional PTQ #11012793 7勝1敗(権利獲得) / モダン (2017年11月25日)
2 《山》
1 《沼》
1 《血の墓所》
2 《聖なる鋳造所》
4 《血染めのぬかるみ》
3 《樹木茂る山麓》
3 《湿地の干潟》
4 《黒割れの崖》

-土地(20)-

2 《僧院の速槍》
4 《若き紅蓮術士》
4 《騒乱の歓楽者》

-クリーチャー(10)-
4 《信仰無き物あさり》
4 《コジレックの審問》
4 《稲妻》
3 《思考囲い》
2 《二股の稲妻》
1 《噴出の稲妻》
2 《稲妻のらせん》
2 《終止》
1 《戦慄掘り》
4 《未練ある魂》
2 《コラガンの命令》
1 《血染めの月》

-呪文(30)-
1 《配分の領事、カンバール》
2 《致命的な一押し》
2 《真髄の針》
1 《破壊放題》
1 《ドラゴンの爪》
2 《血染めの月》
4 《虚空の力線》
2 《摩耗+損耗》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Modern Regional PTQ より)

 どのように形容したら良いのだろうか。白黒赤の3色なので「マルドゥ~」と呼ぶのは確定として......ここはキーカードであり、4枚ズシンと採用されているのがインパクト大な《騒乱の歓楽者》の名をお借りしよう。ということで「マルドゥ歓楽者」である。

 このカード、書いてあることはとにかくパワフル。8マナ3/4というサイズは一見無茶苦茶にコストパフォーマンスが悪く見えるが、墓地にあるインスタントおよびソーサリーの枚数分だけ不特定マナが軽くなるので、最大値引きだと2マナ3/4。おぉ良いじゃない。そして果敢能力付きだ。ちょっとした《タルモゴイフ》くらいの打点が期待できる。

 そして戦場に出た際に、手札をすべて捨てた後にカードを3枚引くという能力を持っている。先述の通り、能力でコストを軽くするためにインスタント&ソーサリーは連打されている、すなわち手札がほぼ空の状態で唱えることになる1枚。2マナ3/4果敢3枚ドローって......ぶっ壊れじゃないですか! このMAXバリュー状態の歓楽者を目指そうよという姿勢が強く打ち出された、マルドゥカラーのデッキ、こういうわけだね。

 マルドゥカラーの特徴として、とにかくクリーチャーを排除する能力が高いことが挙げられる。赤は《稲妻》、これはモダンでも最高クラスの1マナ呪文だ。そして確定除去ということで《流刑への道》《致命的な一押し》と揃っている、これらを束ねて......あれ? 一押しはサイドに2枚あるからいいとして、《流刑への道》はとってないの? これが0枚なのである。

 ちょっと驚いたが、ここからデッキの実態が浮かび上がる。環境最高の確定除去よりも、《二股の稲妻》《稲妻のらせん》《噴出の稲妻》とダメージ呪文優先なライトニング祭り構築なのは、これらがいずれも対戦相手本体に撃ち込めるからという理由に他ならない。

 モダンでは、あまりクリーチャーを展開してこない、場合によっては0枚で勝利を目指すデッキも存在している。これらのデッキとのマッチアップでは役に立たないこと、そして序盤からクリーチャーを展開する相手には火力で十分であるということから、大胆にもこういう呪文選択になったというわけだ。確かに、せっかくの歓楽者3枚ドローも除去除去&除去では、オイシクないシーンもあるよね。これらが火力だったら引き込んで即投げてTHE END! と動けるわけよ。これでピッタリ削りきっての勝ちは気持ちいいもんだろうね。

 ただそうはいっても確定除去はあるに越したことはないので、《致命的な一押し》よりも対処できる幅が広く、《流刑への道》のように基本土地をプレゼントすることもない《終止》《戦慄掘り》がちょろっと採用されている。《ゴブリンの電術師》に流刑、ってちょっとアホらしいもんね。メイン・サイドともに《血染めの月》をとっている戦略とも噛み合わないことがあるだろうしね。

 これら軽量火力に、モダンのたしなみ《思考囲い》《コジレックの審問》といった手札破壊、そして《信仰無き物あさり》を連打しつつ、歓楽者の早期着地を目指していこう。

 物あさりではぜひとも《未練ある魂》を捨てたいね。このカードもコストの割に得られるものが大きすぎる最高のソーサリーだ。

 これらの呪文を唱える際に《若き紅蓮術士》を立たせておけば、トークンも大量に手に入る。スピリット&エレメンタルのトークン軍団と《僧院の速槍》とで序盤からライフを狙うもよし、トークンで相手の攻めを受けながら火力を投げ込んでいくもよし。臨機応変に戦っていきたいところだ。

 歓楽者はそのポテンシャルを最大限まで引き出してやると、こんなに強くてええんでっかと目を疑うレベルのことをしてくれる素晴らしいクリーチャーだ。その力を引き出せるかはあなた次第。個人的には、好きな音楽ジャンルにおけるCDのジャケットを飾っていそうなイラストが好きでね......ブルータルなサウンドのように、怒涛の呪文連打でサクッと勝ちたい、そんな欲を満たしてくれそうなデッキなので今後より洗練されることに期待大、ってところかな。Runnin' with the Devil!!

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