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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.09.15

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:白単エルドラージ(スタンダード)

by 岩SHOW

 『破滅の刻』環境のスタンダードもいよいよ終わりを迎える。この環境、皆にとってはどのようなものだったのだろうか。僕にとっては、環境にあるデッキのどれもが一長一短があって、それぞれの魅力にあふれた実に楽しい環境だったのだが......皆も楽しめていると嬉しいね。

 強いデッキは確かに存在するものの、それらが無敵ってわけじゃないのがミソ。付け入る隙はあるので、そこを狙ったデッキをタイミングよく使用すれば戦果が得られる......競技プレイヤーにとっては、この「どのデッキを使うのか」という点が楽しかったりしたんじゃないかなと。

 本日紹介するのはグランプリ・トリノ2017で13位につけたルーカス・ブロホン/Lucas Blohonの「白単エルドラージ」だ!

Lucas Blohon - 「白単エルドラージ」
グランプリ・トリノ2017 13位 / スタンダード (2017年9月2~3日)
11 《平地》
4 《シェフェトの砂丘》
4 《繁殖苗床》
3 《霊気拠点》
3 《屍肉あさりの地》

-土地(25)-

4 《スレイベンの検査官》
3 《無私の霊魂》
4 《作り変えるもの》
3 《変位エルドラージ》
4 《難題の予見者》
4 《大天使アヴァシン》
4 《歩行バリスタ》

-クリーチャー(26)-
2 《歪める嘆き》
2 《次元の歪曲》
1 《石の宣告》
3 《停滞の罠》
1 《排斥》

-呪文(9)-
3 《陽光鞭の勇者》
2 《保護者、リンヴァーラ》
2 《歪める嘆き》
1 《次元の歪曲》
3 《厳粛》
1 《排斥》
2 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《屍肉あさりの地》

-サイドボード(15)-
グランプリ・トリノ2017 イベントカバレージ より)

 以前にも紹介した「白単エルドラージ」。その時点でも堅い盤面を作り上げることができる骨太さには定評があったのだが、いったんトーンダウン。しばしの沈黙を経て、今再びスタンダードにおける良い選択肢として浮上してきた。

 そもそも、以前のリストはまだ世に放たれたばかりで完成度が高いものではなかったようで、それを世界中から選りすぐりのエリートプレイヤーが集うチーム「Genesis」のメンバーが調整を施し、総帥ブラッド・ネルソン/Brad Nelsonがルーカスに託したのがこの完成版「白単エルドラージ」だ。TOP8進出をかけた試合には負けてしまったが、12勝3敗で最終順位13位はさすがの一言。

 また、時を同じくして開催されたグランプリ・ワシントンD.C.2017にて全く同じリストを用いたコーリー・バウマイスター/Corey Baumeisterは最終順位4位という素晴らしい成績を残している。彼はブラッド・ネルソンの兄弟であり、ここのところ兄弟そろってグランプリTOP8入賞を繰り返していることでも話題となっていた。キャリアは長く、ルーカスに負けず劣らずのプレイヤースキルの持ち主で......すなわち、結果を残した両名とも「マジックむちゃくちゃ強いヤツ」であるのは確かだが、それを差し引いてもデッキ選択が正しかったゆえの勝利なのではないかな。

 以前紹介した形から、《栄光半ばの修練者》というやや不安定なクリーチャーを取っ払い、《無私の霊魂》の枚数も調整した上で、妥協なき《歩行バリスタ》《大天使アヴァシン》4枚体制というクリーチャー布陣。

 アヴァシンは、今でもとにかく強い! 対戦相手の攻撃を損失ゼロで受け止めて蹴散らす、まさしく守護天使。これを《変位エルドラージ》で使いまわすことで、戦闘を支配するのはもちろんのこと、全体除去への耐性もアップさせているのがニクいね。小型から中型まで、ズラリとそろった有用クリーチャーを展開しつつ、《変位エルドラージ》でアドバンテージを得ていこう。着々と盤面を作り上げて相手の心を折ってやろうというデッキだ。

 呪文も、以前紹介したものには見られなかったカードが加わっている。2マナの除去として能動的に唱えられる《次元の歪曲》も便利だろう、しかしそれ以上に働きそうなのが《歪める嘆き》だ。

 パワーまたはタフネスが1以下のクリーチャーを追放する除去としても使えて、かつソーサリーに対する打ち消しとなる。エルドラージ・末裔・トークンを生み出すモードは、まあオマケくらいに考えても良いが、この2つのモードは現在のスタンダードでは有用だ。

 「ラムナプ・レッド」のクリーチャーはタフネス1が多いため、序盤を耐えるカードとしては十分。そういったクリーチャーがいない「赤緑ランプ」「副陽コントロール」には、それらのキーカードである《約束の刻》《副陽の接近》を打ち消すことで時間稼ぎをさせない。この嘆きをどれだけうまく扱えるかが、このデッキをプレイする際の腕の見せ所となるわけだ。

 サイドボードの《厳粛》について、以前にも紹介したが改めて。

 最近のスタンダードで暴れているクリーチャーといえば《牙長獣の仔》《逆毛ハイドラ》。それらを用いる、青赤緑の3色中速デッキ「ティムール・エネルギー」は、現在のスタンダードにおいて最も安定感があり、細かいカスタマイズによりさまざまなデッキに対応できるという点で大変人気が高く、使用者は「ラムナプ・レッド」よりも多いんじゃないかというくらいの一大勢力だ(日本選手権ではどうなったんだろうね、記事をチェックだ!)。

 このデッキを相手に《厳粛》をプレイすれば、対戦相手はもうエネルギーを得ることができなくなる。《蓄霊稲妻》なんて、2マナ払って何もしなくなるんだぞ! このデッキはエンチャントに触れることを苦手としているため、一度貼ってしまえば割と安泰。何の能力も発揮できないクリーチャーを、エルドラージとアヴァシンで踏みつぶしてやろう!

 増えるデッキは狩られる運命にある。この「白単エルドラージ」も標的となる番が来るか? 否、残念ながらその前に、《変位エルドラージ》らエルドラージ勢はローテーションによりスタンダードから去ることとなる。うーん、遊べる期間はあとわずか! ここはフライデー・ナイト・マジックにでも持っていくしかないな!

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