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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.04.21

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Gush Tinker(ヴィンテージ)

by 岩SHOW

 最近気付いたことが、同じエターナル環境でもヴィンテージとレガシーには大きな違いがあるということ。何を今さらと言わずにまあ聞いておくれよ。禁止・制限カードが異なるためにデッキがまるっきり異なる。これはまあ当然なんだけども。最近気付いたのが、ヴィンテージの方が比較的新しいカードの影響を受けやすいんじゃないの? ということ。

 例えば『カラデシュ』の《高速警備車》、『霊気紛争』の《歩行バリスタ》などはレガシーにはさして影響を与えていないが、ヴィンテージではこれらを用いる新しいデッキが誕生し、活躍している。『アモンケット』でも《刻み角》がアーティファクトを中心としたデッキに効くため、これを採用するデッキが出てくるのではないかと囁かれていたり。一方、レガシー目線で同カードを見ても、少々物足りない。レガシーで禁止されているカードたちに、レガシーでは見向きもされていないカードが劇的に効く、というのはなんだか面白い。

 今日紹介するデッキの影の主役も、レガシーではあまり見かけないがヴィンテージでは強いカードの典型だね。

Rubén González - 「Gush Tinker」
LCV 2017-03 8位 / ヴィンテージ (2017年3月25日)
2 《島》
3 《Underground Sea》
2 《Volcanic Island》
4 《沸騰する小湖》
3 《溢れかえる岸辺》
1 《トレイリアのアカデミー》

-土地(15)-

3 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《概念泥棒》
1 《荒廃鋼の巨像》

-クリーチャー(6)-
1 《Black Lotus》
1 《Mox Pearl》
1 《Mox Sapphire》
1 《Mox Jet》
1 《Mox Ruby》
1 《Mox Emerald》
4 《精神的つまづき》
3 《定業》
2 《致命的な一押し》
1 《Ancestral Recall》
1 《渦まく知識》
1 《太陽の指輪》
1 《通電式キー》
2 《Mana Drain》
1 《Demonic Tutor》
1 《Time Vault》
1 《Time Walk》
1 《修繕》
1 《ヨーグモスの意志》
2 《精神壊しの罠》
4 《意志の力》
3 《噴出》
1 《時を越えた探索》
1 《宝船の巡航》
2 《ダク・フェイデン》

-呪文(39)-
2 《硫黄の精霊》
2 《鋳塊かじり》
3 《墓掘りの檻》
2 《紅蓮破》
2 《ハーキルの召還術》
2 《ラクドスの魔除け》
1 《貪欲な罠》
1 《山》

-サイドボード(15)-
themanadrain.com より引用)

 このデッキは「Gush Tinker」。デッキ名の通り《噴出》と《修繕》が採用されている、と言ってしまえばそれまでだが......青と黒、赤からなる3色デッキだ。

 とりあえず、《Black Lotus》とMox5種は嗜みで。まあデッキに合う色のやつさえあれば問題ないんだけども、それだったらこのデッキのように土地15枚までは減らさない方が無難。Power9、いつか全部揃えてみたいもんだね。

 0&1マナアーティファクトをばら撒きながらマナを伸ばし、《Ancestral Recall》、そしてデッキ名でもある《噴出》などのドロー呪文を連打してライブラリーを掘り進む。《修繕》を引いたら、適当なアーティファクトを生け贄に捧げて《荒廃鋼の巨像》を戦場に出して、ドシンッと一発重~い感染パンチで撲殺(《Time Walk》を唱えて隙をなくしたい)。あるいは《通電式キー》《Time Vault》を揃えて無限ターン。この勝利に直結するコンボを狙いにいくために、無駄な部分を極力そぎ落とした構築になっているデッキだ。

 クリーチャー除去は《致命的な一押し》2枚のみと抑えてあるのに対して、打ち消し呪文は合計12枚。コンボをめぐる打ち消し合戦には絶対に負けんという気概があふれている。コンボが決まれば、相手の戦場にクリーチャーが多少いようとも関係ないというのもあるね。

 序盤のアーティファクトフル展開や《意志の力》の代替コストで消費した手札を埋めるための《噴出》などドロー呪文であるが、これでもまだ足りない。ただ、これ以上実用的なドロー呪文もそうそうない。では、どうするのか? ここでヴィンテージでは無茶苦茶強い《概念泥棒》の出番だ。

 コイツは対戦相手の通常ドロー以外のカードを引くという行為をそっくり頂戴するかなりのワルだ。相手が《Ancestral Recall》を唱えた時はチャンス! 瞬速持ちのこの泥棒を滑り込ませて、お疲れさんとドローを美味しくいただこう。ここで泥棒をめぐる打ち消し合戦にもつれ込んだのであれば、上述の12枚仕込んだ暗器がモノをいう訳だ。一度喰らわされるとわかるが、《Ancestral Recall》吸い込まれはかなり絶望的、勝てっこない。どうせなら、相手を苦しめ自分は快楽の極みなデッキの方が良いよね?

 《ダク・フェイデン》も《概念泥棒》と強烈なシナジーを形成する。対戦相手がカードを2枚捨て、こちらは2枚引く。都合4枚分のアドバンテージ差は......さっさと投了して次のゲームにいきたくなる。泥棒キャラであるダクがラヴニカに潜むワルと相性が良いのは当然と言えるかも?

 サイドボードには《山》が積まれており、他には赤いカードが多数。個人的に注目してほしいのは《硫黄の精霊》かな。

 現在ヴィンテージ環境のデッキでも一、二を争う高い使用率と強さを誇る「ジェスカイ・メンター」。《僧院の導師》が生み出すモンク・トークンを、これ1枚でシャットアウト! 継続的に効果があるので、これはなかなか頼もしい。他には墓地対策とアーティファクト対策、さらなる打ち消しなど割と基本的なラインナップ。

 レガシーのメタゲームがここ数年で大きく動いていないのに比べれば、ヴィンテージは変化もあるしデッキも多い。古いカードばかりなので始めるのが大変という点だけを除けば、これほどお勧めしたいフォーマットもなかなかない。Magic Onlineならまだ気楽に始められると思うので、興味がある人は是非! こうやって、底なし沼にプレイヤーを引きずり込めと脅されながらこの記事を書いています(大嘘)。

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