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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.02.15

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:純鋼ストーム(モダン)

by 岩SHOW

 スラムはドワーフの男性、次元カラデシュの最大都市・ギラプールのインフラ施設が潤滑に機能するようにバランスを保つのが彼の職務である。彼は何かを考える時に物を噛む癖があり、その様子は《上級建設官、スラム》のカードイラストにも見ることができる。

 このカードは2マナ2/2と平凡なスペックではあるものの、その能力は上級建設官の肩書に恥じないものとなっている。オーラ・装備品・機体のいずれかの呪文を唱えるたびにカードを1枚引くことができる。『カラデシュ』『霊気紛争』で猛プッシュされた機体はもちろんのことだが、これまで数多のカードがデザインされてきたオーラと装備品でも能力が誘発するのは驚きだ。

 装備品とドロー、と言えばAAさん(浅原晃)がいつぞや公式放送で回して話題になった《純鋼の聖騎士》デッキを思い出さずにはいられない。

 《純鋼の聖騎士》は装備品が戦場に出るたびにカードを1枚引く。これと0マナの装備品を合わせて、どんどんとカードを引いていって......というデッキだ。このデッキはキーカードである純鋼を引けないと、全く何もできないデッキというのが弱点だったが......ほぼ同じ能力を持ったスラムの加入により、キーカードを8枚投入できるようになった。これだけの枚数があれば、さすがに巡り合うことできる。コンボ始動の確実性が格段に増した「純鋼ストーム」、実にモダンらしいこのデッキの妙技を味わえ!

Finalnub - 「純鋼ストーム」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2017年2月7日)
2 《平地》
2 《神聖なる泉》
1 《聖なる鋳造所》
4 《湿地の干潟》
3 《吹きさらしの荒野》
2 《金属海の沿岸》
1 《地平線の梢》

-土地(15)-

4 《純鋼の聖騎士》
4 《上級建設官、スラム》

-クリーチャー(8)-
4 《オパールのモックス》
4 《撤収》
4 《血清の幻視》
2 《有毒の蘇生》
2 《白鳥の歌》
1 《ぶどう弾》
4 《調和者隊の盾》
4 《聖戦士の盾》
4 《極楽のマントル》
4 《蜘蛛糸の網》
2 《骨の鋸》
2 《卓越の印章》

-呪文(37)-
3 《砦の発明者》
3 《沈黙》
3 《残響する真実》
4 《神聖の力線》
2 《逆説的な結果》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Modern Constructed League より)

 0マナで唱えることのできる装備品が実に20枚。凄まじい。このデッキがたどるストーリーは以下のようなものになる。

1.純鋼 or スラム

 ゲーム開始時の手札に2種類のクリーチャーのうちいずれか1枚は欲しいところ。どちらもなければマリガンだ。求められているのは、ドローエンジンであるクリーチャーと、それを戦場に出すために2マナ生み出す方法。普通に土地2枚でも良いし、このリストでは採用されていないが《猿人の指導霊》から1ターン目に出せる手札なんか来れば最高だ。土地1枚エンジン1枚《血清の幻視》1枚、あとは装備品みたいな手札でもまあなんとかなる。とにかく、エンジン8枚積みだからといって油断しないように。

2.ドロー祭り開始

 いずれかのクリーチャーを戦場に出すことに成功したら、0マナ装備品を唱えよう。スラムなら唱えた時に、純鋼なら戦場に出た際に1枚ドローだ。この違いをちゃんと把握しておかないと、トラブルのもとになったりするので要注意。カードを引くと、それは約1/3の確率で0マナ装備品だ。それを再び唱え、引いては引く、ドロー祭りの開幕だ。どこまで続けられるかはわからないが、行けるとこまで行ってみよう。

3.祭りは終わらない

 2.でも述べたが、0マナ装備品を引く確率は1/3かそれ以下かというところなので、そう簡単に連鎖していくものではない。どこかで必ずストップすることとなる。祭りを続けるには、いったん《撤収》することが肝要だ。

 すべてのアーティファクトを自身の手札に戻して、そして再び装備品を唱え続ける。《オパールのモックス》が再び使えるようになるので、マナはこれで安心。またドローが行き詰まったら、おそらく手札にあるはずの《撤収》をもう1回。これを繰り返し続ける。途中、《有毒の蘇生》で《撤収》を回収することも忘れずに。こうやってグルングルン回せば、ライブラリーをほぼ引ききってしまうことも不可能じゃない。

4.締めは花火で

 祭りの最後は花火で締めくくるものと相場が決まっている。《ぶどう弾》を引き当てたら、対戦相手のライフを削りきれるだけのストームを稼いでから投げつけろ! 1枚挿しのこのカードを引く関係上、無茶苦茶な回数呪文を唱えなければいけないかもしれない。つまりストームの回数は莫大なものに膨れ上がる。

 Magic Onlineならば、《ぶどう弾》を唱えたら勝手にストームにより作られた呪文のコピーがワラワラと飛び出してそれで終わりだが、リアルだとそうもいかない。「ストームはいくらですか?」と聞かれた時に正しい数値が答えられないと......いろいろと面倒なことになる。メモに正の字でも書いて、ちゃんと把握しておくのが吉。ストーム20を越えたらダイスで管理とかも難しいからね。


 使ってみると、その見た目からイメージされるものよりも強いデッキであることが分かる。最高にブン回れば、1ターン目に勝ってしまうことも。2ターン目、3ターン目からコンボ始動も可能。多数の高速デッキを擁するモダンにあっても、その速度は頭1つ抜けている。1つ半くらいあるかもしれない。

 早くて強いコンボデッキだが、弱点もある。ドローを繋げていくのが大事な、いわゆるチェーンコンボなのだが......装備品でドローしまくっても《撤収》も《ぶどう弾》も見つからずに、土地ばっかり引いたりでコンボがストップすることもある。そういう時に、純鋼がすべての装備品を装備してターン終了、なんて光景はよく見る。お約束ってやつだ。

 また《稲妻》なんかの軽い単体除去で足止めされてしまうこともある。エンジンが1体しかいない状態だと、1枚だけドローしてターン終了を告げるしかない、ということも。そのため《白鳥の歌》が採用されているが、コンボの特性上、こういったカードを採用しにくいのは大きな弱点だ。これを補うために、サイドボードには《沈黙》がとられている。これを唱えてからドローエンジンを展開し、コンボを始動させれば......安全なままにソリティアを開始できるということだ。

 同じくサイドボードには即席クリーチャー《砦の発明者》の姿が。これはシブいね。勝ち手段を増やそうとクリーチャーをサイドインするコンボデッキは好物だ。

 《僧院の導師》を使用するタイプのリストも見られ、こちらもまた魅力的だ。《神聖の力線》をサイドインしてきそうな相手なんかにはこれらで立ち向かおう。

 この手のデッキを紹介する時のテンプレになっているが、大会に持ち込む前には一人回しを入念にやっておこう。《沈黙》からのコンボ、なんて対戦相手は膝に手を置いて見ていることしかできない。そこでもたもたやっちゃって時間切れ、なんてのはあまりにもったいないし、迷惑が掛かってしまう。サクサクと動いて、ゲームを楽しんだうえで円滑なトーナメント進行にもご協力いただけると嬉しい限りだ!

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