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『イクサラン』カード盗難の背景

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『イクサラン』カード盗難の背景

Scott Kelly, Blake Rasmussen

2017年8月28日

原文はこちら

 スコット・ケリーは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社製品開発部の部長です。印刷工程とその保護を含めたマジックのカード製造の責任者です。


 数か月前、普段目にすることのないあるものによって、マジック・コミュニテイは騒然となりました――発売前の『イクサラン』のアンカット・シートを映した画像がインターネット上に拡散し、まだ『破滅の刻』が発売されていないにも関わらず、多くの新カードが人の目に触れることになったのです。

 マジック・ファンの皆さまにおかれましては、新カードへの興奮と好奇心、そしてあまりにも早い段階でこのようなことが起きてしまったことに対する失望が混ざり、複雑な思いをなさったことでしょう。『イクサラン』の作成に携わった者たちにとっては壊滅的な出来事であり、私たちのマーケティング・チームが1年にわたって築き上げた計画と数千時間にもおよぶ仕事は、台無しになりました。

 ウィザーズ社内では、本件を受けてさらに多くの作業に追われている者もいます。本日は、本件がいつどのように起きたのか、そしてそれに対する私たちの対応と、私たちが基本的にリークに対して反応しない理由を、可能な限り皆さまにお伝えいたします。またブレイクより、『イクサラン』のプレビュー・シーズンに対する本件の影響をお話しさせていただきます。

 まずは、本件の経緯をご確認ください。

『イクサラン』のアンカット・シートがオンライン上に公開された経緯と私たちの対応について

 現在も訴訟手続きが継続中のため、すべての情報を明かすことはできません。以下にお話しできる限りのことをお伝えいたします。

 私たちは、カードの印刷施設のセキュリティ面に極めて慎重に取り組んでいます。しかし本件においては、ある印刷施設の元臨時職員に、その施設の移行作業中『イクサラン』のアンカット・シートを手にセキュリティを抜け、施設を出た容疑がかかりました。その様子は防犯カメラに記録されていました。

 その後さまざまなウェブサイトで、そのアンカット・シートを販売する旨の広告が見受けられるようになりました――問題となったシートを映した画像付きで。その画像をご覧になった方もいらっしゃることでしょう。画像は不鮮明ではっきりと読み取れるわけではなく、全カードが映っているわけでもありません――しかしそれは、実に「リアル」でした。

 カード・セットの情報を含めたビジネス上の機密情報のリークが発生するたびに、私たちの不正対策チームは調査を行います。リーク元が不正を行ったわけではない場合もありますが、そうでない場合もあります。どちらにしても不正対策チームは調査を行い、その結果に基づいて機密情報の保護について助言をしてくれるのです。

 今回の場合、私たちはアンカット・シートがオンライン上に公開される前に状況をしっかりと把握していました。その後さまざまな連絡先を通して、誰かがシートを売ろうとしていることやその画像が出回っていることなどの情報が私たちのもとへ寄せられました。

 その時点をもって、私たちは対処に乗り出しました。個人の探偵からサプライ・チェーン専門の調査会社、サイバーセキュリティの専門家、警察当局など、個人団体を問わずさまざまな方にご協力をいただきました。

 調査団の総力と地元警察の尽力により、私たちは極めて早い段階で画像の出どころを突き止めることに成功し、貴重な財産を取り戻すことができました。そして容疑者は逮捕され、刑務所で重大な告訴を受けることになったのです。現時点で、訴訟は継続中です。

 残念ながら、インターネットの性質上、アンカット・シートを取り戻しても画像は拡散されたままです。

 それでもこの場をお借りして、シートやその画像が出回っていることをご連絡くださいましたすべての方に、お礼を申し上げます。皆さまからいただいた情報の断片や注意喚起の声は、今回の盗難事件を解決する助けになりました。

 世の中には、情報のリークを大いに歓迎する人がいます――彼らは可能な限り多くの情報を求めているのです。しかし同時に、リークは新セットの本当の魅力を損なう残念なことだと考える人もいます。多くのプレイヤーにとって、プレビュー・シーズンの興奮はクリスマス・シーズンに似ていることでしょう。クリスマス・プレゼントを3か月早く開封してしまうと、その特別感が薄れてしまうと思う人はいます。全員がそうではありませんが、確かにいます。私たちがそうなのです。

 それでも今回の件があったからといって、私たちは『イクサラン』プレビュー・シーズンを特別なものにする努力を放棄するつもりはありません。ここからはブレイクにバトンタッチして、『イクサラン』プレビュー・シーズンの予定を語ってもらいましょう。

――スコット・ケリー

ウィザーズ・オブ・ザ・コースト、製品開発部部長


本件の『イクサラン』プレビュー・シーズンへの影響について

 ご存知の方もいるかと思いますが、最新セットのプレビューは私の仕事です。そして私は、スコットが言った「アンカット・シートの画像がオンライン上に拡散されたことを残念に思う人」のうちのひとりです。今回のリークは実に大きなものでした。事前にオンライン上で話題になっているカードへの通常時の対応を含め、プレビュー計画を見直すことになりました。

 私たちは、発売前のセットの情報のリークには基本的に反応しません。うわさ話にいちいち反応するのは「もぐら叩き」のようなものであるため、言及を避けているのです。どのリークにも、誤ったうわさ話がたくさんあります。誤ったものを否定し正しいものに対して沈黙していては、それが正しい情報だと認めているようなものです。また、私たちが認めるか否定するかを確かめるためにうわさ話を広げる人が現れる状況も望ましくありません。以上の理由から、私たちは基本的にうわさ話に対して沈黙を守らなければいけません。認めたくなっても反応してはならないのです。

 ですが今回の件は違います。リークが発生したタイミングは、計画を練り直すのに十分な時間が取れるものでした。また今回の件はその結末もはっきりしています――誰かが逮捕され、現在訴訟が継続中です。私たちは今回起きた知的財産の盗難を非常に重く受け止め、さまざまな視点からその影響を検証しました。その結果、プレビューの計画を変える余地があると判断しました。

 そうと決まれば、そこへ全力を注ぐのが私たちです。

 まず、今回の件によってリークされたカードならびにほぼ解明されているカードをすべて公開します。それらは本日、この記事の最後に掲載します。あわせてメカニズム記事も本日公開しますので、この記事に掲載されたカードの効果も理解できるでしょう。

 それから、今回のプレビュー・シーズンでは通常より深く収録カードを紹介していきます。つまりプレビュー計画の中に、より多くのアンコモンやコモンを含めていくということです。

 そして、今回はこれまでと異なることも行います。通常、プレビュー・シーズン中は毎日DailyMTGで2本のプレビュー記事を公開し、別のどこかで3~5枚のカードを公開しています。 『イクサラン』プレビュー・シーズンでは、DailyMTG以外の場所で公開するカードの枚数を1~3枚にします。その代わり、プレビュー・カードを掘り下げる内容の記事を同時に公開していきます。アートに注目したりカード・デザインに注目したり、通常ならセット発売後に語られる内容をお届けします。

 今回の件で『イクサラン』プレビュー・シーズンが盛り上がらないなんてことはありません。イクサランで戦いを繰り広げる海賊や恐竜、マーフォーク、吸血鬼。この記事の末尾に公開されているカードたちはちょっと早いお目見えとなりましたが、どれも素晴らしいものばかりです。また本日公開のメカニズム記事では、盗難に遭ったアンカット・シートとは別のシートだったためリークを回避した「両面カード」の姿も見られます。それから、今回は「geocaching」を利用したイベントもご用意しています。プレイヤーたちは現実世界を実際に「探検」し、『イクサラン』についての知識を深めていくのです。レアと神話レアはまだ未公開のものが半分残っており、素敵なコモンとアンコモンも目白押しです――皆さんが予想していなかった驚きの再録カードもあります。

 まだご覧になっていない方は、どうぞ本日のプレビューをお楽しみください。私たちが今回の件を乗り越えて再びプレビューを盛り上げようと取り組んでいることを、知ってもらえたなら幸いです。

――ブレイク


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