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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座
第29回:『基本セット2019』発売! 新環境ドラフト攻略
皆さんこんにちは!
『基本セット2019』発売から間もなく1週間となりますが、皆さんドラフトやってますか! 今週末はグランプリ・千葉2018も開催となっていますので、シールドやドラフトの練習に余念の無い方もいらっしゃると思います。
発売前からプレリリース参加でボックス購入ができるようになったこともあり、僕も今日までにたくさんドラフトの練習をすることができました。
というわけで、今回はいつもの「新環境リミテッド:発売前ファーストインプレッション」ではなく、「新環境リミテッド:スタートダッシュ攻略」です。
また、今回のプロツアーはフォーマットにドラフトが含まれていないため、後編はグランプリ・千葉2018とグランプリ・ミネアポリス2018の2つのリミテッドグランプリを経ての「新環境リミテッド:2GP参加を終えて」とさせていただきたいと思います。
基本的にはブースタードラフトに関する内容の記事とはなりますが、カードの評価などはシールドデッキでも応用できる点もあるかと思いますので、リミテッドが好きな方のお役に立てたらと思います。
それでは、まずは新環境についてどのようなゲーム展開になるか解説していきます。
1.新環境~『基本セット2019』のドラフト
『基本セット2019』のドラフトは、『基本セット2019』3パックを使用します。
基本セット2019の環境
今回の『基本セット2019』の環境は、
- 強力なアーキタイプとして1マナ域から始まるビートダウンが存在し、回避能力持ちのクリーチャーも多いため受ける戦略が成立しにくい。
- 低マナ域の優秀な除去が少なく、エンチャント・オーラでクリーチャーを強化することが正当化されやすい。
- 地上は受けるクリーチャーが多くと止まりやすいため、攻める際は回避能力が必須。
- 受けのデッキを組む際には明確なゴールが必要。中途半端なフィニッシャーや呪文群ではビートダウンや相手のレアには太刀打ちできないことが多い。
と、ビートダウン優位な環境です。
攻めのパターンが回避・オーラ・全体強化とバリエーションも豊富で、受ける側はさまざまな攻めを意識して受けなければいけません。
ですがもちろん受けにも利点はあり、序盤さえ凌げば相手よりカードの質で勝る分優位に立ちやすくなります。そのため、オーラ戦略や回避クリーチャーに対応するカード(《萎凋》や《光明の縛め》など)は意識してピックするようにしましょう。
また、カードの質で勝てなければ本末転倒ですので、強力なレアを引いてから受け側に回る選択肢を取りたいところです。
さて、いつもはこの後新キーワード能力について見ていくところなのですが、今回は基本セットということもあり新キーワード能力は収録されておりませんので、今回は割愛させていただきまして、注目カードの方を見ていきたいと思います。
2.『基本セット2019』の注目のカード
それではここからは色、レアリティ別(コモン・アンコモン)で、僕が強力だと思うカード・トップ3を挙げていきたいと思います(3枚の中での順位はつけません)。皆さんも最初はカードの強さがいまいちよく分からないと思うので、ぜひ参考にしてみてください。
白・アンコモン
《秘儀術師の檻》:範囲の広い完全除去として非常に重宝します。
《民兵のラッパ手》:オーラで強化しても良し、サーチしてきたクリーチャーを並べて全体強化してもよしと、白のやりたい戦略の要となるクリーチャーです。
《抗戦》:損をする可能性が低く、攻めでも守りでも相手の盤面を壊滅させることができる、強力なコンバットトリックです。
白・コモン
《暁の天使》:全体強化+警戒とおまけ能力が非常に強力なだけでなく、自身も3/3飛行と盤面にインパクトを与える、コモンとは思えない強力な飛行クリーチャーです。
《ペガサスの駿馬》:地上が固まりやすい環境を、いともたやすく解決してしまう、強力な飛行クリーチャーです。
《星冠の雄鹿》:クリーチャーで受けることを困難にしてしまう、白の攻めの軸となるクリーチャーです。
青・アンコモン
《排斥する魔道士》:相手のクリーチャーをバウンスするクリーチャーで弱かった試しがありません。こちらも例にもれず非常に強力なクリーチャーです。
《睡眠》:膠着した盤面をこじ開けてもよし、ダメージレースを制するのに使っても良しと、ゲームへの影響が非常に大きい呪文です。
《旅立った甲板員》:あらゆる呪文で死亡してしまうのが玉に瑕ですが、それでもほぼブロックされない能力は極めて強力です。
青・コモン
《飛行の先駆者》:アーティファクトのトークン生成能力が全体強化やアーティファクトシナジーカードと噛み合うため、あらゆるアーキタイプで重宝する優秀なクリーチャーです。
《噛みつきドレイク》:単純明快、高クロックを兼ねそろえた優秀な飛行クリーチャーです。
《エイヴンの風魔道士》:3マナ2/2飛行だけで及第点をあげてもいいのですが、おまけのパワー/タフネス強化はおまけと言うには強力すぎます。
黒・アンコモン
《吸血鬼の君主》:実に6点のライフ差を広げる強力なドレイン能力だけで無く、自身のサイズも3/4と優秀な、強力すぎる飛行クリーチャーです。
《殺害》:環境最強の除去です。
《不吉な死霊》:確実にアドバンテージを稼ぎつつ、ディスカードシナジーも期待できる強力ナシステムクリーチャーです。
黒・コモン
《流血の空渡り》:サイズこそ平凡な飛行クリーチャーですが、戦場に出たときのドレイン能力も合わせるとダメージレースを優位に進めることのできる、強力なクリーチャーです。
《リッチの愛撫》:5マナと重めな除去ではありますが、確定除去かつ3点ライフゲインが嬉しい強力な除去です。
《異様な忍耐》:戦場に出た時の能力を持つクリーチャーを相打ちにして使いまわすと非常に強力なコンバットトリックです。相手の除去に合わせるのも有効です。
赤・アンコモン
《稲妻の一撃》:2マナで4マナ域まで対処できる強力な除去です。本体に打てるのもアグレッシブな色である赤からすると嬉しいですね。
《火山のドラゴン》:6マナと重めではありますが、ゲームを速やかに終わらせることのできる、強力なフィニッシャーです。守備的なデッキでは評価が下がるのでご注意を。
《斉射の古参兵》:除去内蔵クリーチャー。使う際はゴブリンの枚数にご注意を。
赤・コモン
《ボガートの粗暴者》:パワー3と高クロック、かつ回避能力を持つ優秀な3マナ域クリーチャーです。ゴブリンなのも地味に種族シナジーがあって嬉しいですね。
《ゴブリンの扇動者》:全体強化系のアーキタイプで重宝する2マナクリーチャーです。
《ショック》:除去できる幅こそ狭いものの、1マナとしては破格の性能のリミテッド定番の除去です。
緑・アンコモン
《緑探しのドライアド》:デッキの動きを安定させる優秀なシステムクリーチャーです。
《蔦草牝馬》:オーラが有効な環境にあって、そのオーラ戦略とベストマッチする呪禁を持つ強力なクリーチャーです。
《優位宣言》:盤面が膠着した際のフィニッシュとしての使い方が最も強力ではありますが、相手のクリーチャーを一掃するのにも役に立つ、強力な呪文です。
緑・コモン
《狂気の一咬み》:一方的にダメージを与える、緑の貴重な除去です。
《ケンタウルスの狩猟者》:攻めと守りどちらにも適した優秀な3マナクリーチャーです。
《樫変化》:どんなクリーチャーでもフィニッシャーへと変貌させる、強力なオーラ呪文です。
3.『基本セット2019』ドラフトの注目のアーキタイプ
注目のアーキタイプ・その1:赤白トークン
赤白トークンとは、《ゴブリンの扇動者》や《凛々しい騎兵隊》などのトークン生成クリーチャーを、《鼓舞する突撃》や《ラッパの一吹き》などの全体強化カードでバックアップし、一気に押し切るアーキタイプです。
トークンを生成するカードも重要ですが、《暁の天使》や《英雄的援軍》のような、戦場のクリーチャーを担保しつつ全体強化するカードはさらに重要なので、意識してピックするようにしましょう。
注目のアーキタイプ・その2:青白アーティファクト
青白アーティファクトとは、アーティファクト・クリーチャーを《霊気盾の工匠》と《技量ある活性師》でバックアップするアーキタイプです。
バックアップするアーティファクト・クリーチャーとしては、《空中走査器》と《飛行の先駆者》から生成されるトークンが飛行を持っているため、これらを主軸にしていきましょう。
また、《星学者》や《機械職人の神童》などアーティファクトの枚数次第では活躍できる青のクリーチャーも多く存在するため、アーティファクトが多く取れた場合はこれらも意識してピックしてみましょう。
注目のアーキタイプ・その3:黒白ライフゲイン
黒白ライフゲインとは、ライフを得ることで能力を誘発させる《血の美食家》や《威厳ある血王》などのクリーチャーを、《金剛牝馬》や《更生の泉》、《吸血鬼の新生子》などでバックアップすることで、ライフを得ながら少しずつ有利にゲームを進めることができるミッドレンジに属するアーキタイプです。
《悪夢の渇望》はこのアーキタイプだと《殺害》より強い瞬間もある強力な除去となりますので、意識してピックしてみましょう。
4.最後に
これで今回の記事は終わりです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が少しでも、皆さんが新環境のドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。
久々に帰ってきた基本セットですが、今回は各色バランス良くどの色でも戦える、リミテッドの観点から見ても非常に良いセットとなっております。
細かなシナジーも多く回数をこなせばこなすほど発見もあり、まだまだ研究する余地は多々あると思いますので、ぜひ皆様もたくさんドラフトしてみてはいかがでしょうか。
それでは皆さん、また次回の連載の記事でお会いしましょう!
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