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木曜マジック・バラエティ
行弘賢の「MOを遊びつくせ!」第7回:キューブドラフト
読み物
木曜マジック・バラエティ
2012.07.26
行弘賢の「MOを遊びつくせ!」第7回:キューブドラフト
著者紹介:行弘 賢(ゆくひろ・けん)
「deathsnow」の二つ名を持つ、気鋭のプレイヤー・デッキデザイナー。
マジック歴は時のらせんブロックからと短いながら、プロツアー・京都09での《ミストメドウの魔女》デッキ、プロツアー・アムステルダム10での「オリスチャント」など、特異なデッキデザイン能力は海外からも注目を集める。
高いレベルで安定した成績を残し続け、主な戦績にプロツアー・アヴァシンの帰還 4位、グランプリ・神戸2012 準優勝、The Finals 2011 トップ8などがある。
また、「ニコニコ生放送」で配信を行うなど、ネットを使った積極的な活動でも知られている。
皆さんこんにちは!
すっかり日も高くなり、蝉の鳴き声もチラホラ聴こえて夏を感じる今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
マジック基本セット2013(M13)が参入するまでマジック・オンライン(以下MO)でやること無いなーと暇を持て余してた方もいらっしゃるかもしれませんが、僕はキューブドラフトに熱中していました!
キューブドラフトって?
通常販売されているパックを剥いて遊ぶのが通常のドラフトですが、キューブドラフトはそれとは違い、個人が好きなカードを集めた束(キューブ)をパックの中身として扱い、15枚ずつの束にして通常のドラフトのように遊ぶやり方がキューブドラフトです。
どんなカードでもいいですし、先々週の射場本さんの記事にあったように、いらなくなったレアだけ、というものもできます。
だいたい6人以上でプレイすると仮定して、一人頭45枚必要なので、最低限270枚以上の束でプレイするのが望ましいです。8人でプレイするならば360枚必要ですが、500枚ぐらいの束にして、そこからランダムで15枚の束を作ることで、毎回新鮮なドラフトをすることも可能です。
MOのキューブドラフト
MOのキューブドラフトは720枚のカードプールよりランダムにカードが選出され、15枚のパックが3個×8人分生成されます。7月度のキューブのカードプールは以下になります。
白のカード(クリックで表示)
青のカード(クリックで表示)
黒のカード(クリックで表示)
赤のカード(クリックで表示)
緑のカード(クリックで表示)
多色カード(クリックで表示)
アーティファクト・カード(クリックで表示)
土地カード(クリックで表示)
無色カード(クリックで表示)
ちなみに、参加費は7チケットで、ドラフト中にピックしたカードは全て返却になります。このカードプールでのドラフトは残念ながら終了していますが、またしばらくすると新たなプールでのキューブドラフトができるようになると思われます。
次回も今回のカードプールを軸にしたカードプールになると思われますので、これから解説する内容は次回の参考にしていただけたらと思います。
キューブドラフトのコツ
まずはキューブの「傾向」を見つけましょう。
何回かキューブをプレイしているとそのキューブの「傾向」が見えてきます。
例えば今回のキューブで言えば、《タルモゴイフ》や《石鍛冶の神秘家》等の低マナ域のクリーチャーが強いので、ビートダウン戦術が取りやすいと考えられます。
そういった「傾向」を読み解くことで、様々な戦略に応用することができます。
ビートダウンが多いと分かっているならば《神の怒り》等の全体除去が入ったコントロールはそれらに対して効果的で、更にそういったコントロールに強い「恒久的なアドバンテージソース」である《未来予知》や《ファイレクシアの闘技場》なんかは是非ともデッキに入れたい、といった風にデッキの完成系を見据えてピックすることができるようになってきます。
そのためにも一回カードプールをざっと見渡してみて、どのようなカードがあるかぐらいの確認はしておくと良いですね。
MOのキューブは「歴代の強いカード」が基準に組まれていますので、通常のドラフトと違い、必然的に強いカードばかり集まることになります。ということは「ピックしたカードが余りやすい」ということでもあります。
このカード強いと思ってピックしたけど、それより強いカードが多くてデッキに入らない、といったことが往々にしてあるので、そうならないように「強いカード」ではなく、「デッキに必要」なカードを意識しながらピックするようにしましょう。
これはあくまでMOのキューブのカードプールの話で、他のカードプールではカードパワー優先でピックするプールもあると思います。キューブによって様々な戦略がありますので、自分なりにキューブを攻略していくのもまたキューブの醍醐味ですね。
こまけぇこたぁいいんだよ!
先程キューブドラフトのコツを解説させていただきましたが、実際にキューブドラフトをやる上で一番大事なことがあります。
それは「楽しむ」ということです。
懐かしいカードや好きなカードをプレイする喜びは「キューブドラフト」ならではです。なので、MOや実際にキューブドラフトをプレイする時は、細かいことを気にせず好きにカードをピックして良いと思います。その結果あまり強くないデッキができたとしても、それはそれで面白いものです。
もちろん、「競技」としてもやりがいのある非常に面白いフォーマットです。マジック・プレイヤー選手権の数あるフォーマットのうちの一つとして採用されていることからもそれが伺えますね。
最後に僕が今回初めてやったMOキューブのレポートをお届けして、締めとさせていただきたいと思います。
はじめてのきゅーぶ。
僕が初めて開封したキューブのパックの中にはパッと見で強いカードが《対立》と《チャネル》の2枚でした。
僕は《対立》は使ったことがありませんでしたが、その効果の強さは知っています。《チャネル》は以前MOのMasters Edition 4のドラフトでプレイしたことがありましたので、今回は《対立》を使ってみよう!ということで《対立》を中心としたデッキを組むことにしました。
《対立》と相性の良いトークンを生み出すカードや、序盤から後半に活躍できるマナクリーチャーが多い緑を相方の色にしてデッキを組んでいきました。
できたデッキはこちら。
8 《森》 6 《島》 1 《繁殖池》 1 《霧深い雨林》 1 《汚染された三角州》 -土地(17)- 1 《ラノワールのエルフ》 1 《極楽鳥》 1 《ジョラーガの樹語り》 1 《飛び地の暗号術士》 1 《翡翠の魔道士》 1 《水蓮のコブラ》 1 《漁る軟泥》 1 《パラジウムのマイア》 1 《永遠の証人》 1 《ヤヴィマヤの古老》 1 《エレンドラ谷の大魔導師》 1 《酸のスライム》 1 《曇り鏡のメロク》 1 《雲打ち》 1 《テラストドン》 -クリーチャー(15)- |
1 《適者生存》 1 《森の知恵》 1 《出産の殻》 1 《対立》 1 《時のらせん》 1 《原初の命令》 1 《起源の波》 1 《情け知らずのガラク》 -呪文(8)- |
《対立》を意識してピックしていたつもりが、いつの間にやらマナ加速から重い呪文をプレイするビッグマナのようなデッキになってしまいました。
恒久的にアドバンテージを取れる《森の知恵》や《出産の殻》等コントロールに強いカードが多く入っているので、コントロールには強い!と思っていたのですが思わぬ落とし穴が・・・。
1回戦:緑白黒ビッグマナ
相手のデッキもこちらと同じように重いカードをプレイするデッキでしたが、《対立》や《酸のスライム》が相手の土地を縛り、何もさせないまま勝つことができました。
2回戦:赤白ビートダウン
打って変わってビートダウンとの試合。《カルガの竜王》に苦しめられますが、《対立》が間に合い相手の動きを縛って勝ち。ビートダウンにも強い《対立》のカードパワーに惚れ惚れしました。
3回戦:青赤白コントロール
1本目は《金屑の嵐》でこちらのマナクリーチャーを含むクリーチャー陣を捌かれ、《ヴェンディリオン三人衆》にフィニッシャーを抜かれ残ったフィニッシャーを《不実》で取られ、虎の子の《対立》はこちらのターン終了時に毎回《転覆》バイバックで対処されるという完璧な動きで圧敗。
この時点でかなりの時間を使ってしまっています。というのも《森の知恵》、《出産の殻》、《適者生存》と山札からサーチしてくるカードが多く、更に《対立》によるクリックの回数が尋常ではないためです。これでかなりの時間が削られてしまいました。
そんなこんなで2本目の勝てそうな盤面で時間が切れて負け、というあっけない敗北で初キューブを終えることになりました。
ただでさえ知らないカードも見かけることがあるキューブでは時間を取られることも少なくありません。
皆さんも、もしMOでキューブドラフトやることになりましたら時間切れには注意してくださいね!
さて、今回はキューブドラフトの紹介をさせていただきましたが、いかがでしたか?
これを見て「キューブやりたい!けど今はMOではできないし...。」という方は、是非自分でキューブを組んでみて友達と遊んでみてはいかがでしょうか?
それでは皆さんまた来月、次回の記事でお会いしましょう!
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