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戦略記事

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

第60回:日本選手権予選総ざらい?新環境のTier1

読み物

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

2011.06.29

第60回:日本選手権予選総ざらい 前編~新環境のTier1


 こんにちは!

 先週は禁止発表から記事の締め切りまでに時間がなかっため、禁止カード適用後の環境についてはおざなりになってしまいました。
 そんなわけで、今週はそれを掘り下げていこうと思います。世の中は「基本セット2012(M12)」入りのデッキの話題で盛り上がっているので、自分でも微妙な内容かとは思うのですが、「基本セット2012」入りのデッキは、全てのカードリストが出た後にしっかりと特集していくつもりなので、まずはそれまでの環境をしっかりと把握しておきましょう。

 まずは今後のメタゲームの予想を。


禁止適用後のメタゲーム

Tier1

「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」
「赤単」(ゴブリン型含む)
「《欠片の双子》」

Tier2

「吸血鬼」
「ボロス」
「青黒コントロール」
「青白コントロール」
「緑白ビートダウン」
「青黒Tezzerator」
「青赤《紅蓮術士の昇天》」

Tier3

「緑単エルドラージ」
「緑単(orタッチ青)感染」
「白単アーマー」
「白単《鍛えられた鋼》」
「《出産の殻》」 
etc...

 Tier3以下は種類が多いので省略しますが、だいたいこんな感じではないかと思っています。禁止になったカードが《石鍛冶の神秘家》だけなら青系のコントロールデッキもTier1に位置するでしょうが、《精神を刻む者、ジェイス》も禁止になってしまったので、「世界選手権2010」の時のような勢いはないでしょう。そうなってくると禁止カードの影響を全く受けない「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」が必然的に王座に返り咲くことになります。

 これに続くのはこれまた禁止カードの影響の少ない、それでいてデッキパワーの高い「《欠片の双子》」や「赤単」系のデッキだと思われます。どちらも様々なバージョンがありますが、どれもそれなりに強く、当然ながら形を変えれば得意、不得意も変わってきます。
 Tier2以下のデッキの多くは、《石鍛冶の神秘家》と《精神を刻む者、ジェイス》の禁止によって弱体化を余儀なくされたものがほとんどです。そのため、禁止カードの影響を全く受けなかったTier1のデッキと比べると、勝ち組に入るまでの時間はかかるとは思いますが、禁止カード適当後の環境でも十分に通用する強さを秘めているというのが僕の見解です。

 今週は日本選手権予選を突破したものの中から、Tier1~2に位置するデッキをピックアップして、今後の展望を述べていきたいと思います。
 トップを飾るのは久しぶりの特集となるこのデッキから。


「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」

川田 千洋
日本選手権2011予選・川崎2次 1位[MO] [ARENA]
11 《
5 《
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート
2 《新緑の地下墓地
2 《進化する未開地
2 《広漠なる変幻地
1 《怒り狂う山峡

-土地(27)-

2 《ムル・ダヤの巫女
4 《原始のタイタン
3 《業火のタイタン
1 《ゼンディカーの報復者

-クリーチャー(10)-
4 《稲妻
4 《カルニの心臓の探検
4 《探検
3 《砕土
3 《耕作
2 《成長の発作
3 《召喚の罠

-呪文(23)-
2 《最後のトロール、スラーン
2 《ガイアの復讐者
3 《自然の要求
4 《紅蓮地獄
2 《転倒の磁石
1 《内にいる獣
1 《召喚の罠

-サイドボード(15)-


 このリストは非常によく練り込まれており、このまま新環境に持っていっても問題ないくらいの出来栄えだと思います。

 このデッキで唯一懸念されるのは、緑マナの総数が12枚なことくらいでしょうか。今まで「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」を特集する際には毎回書いていますが、やはり僕は可能な限りマリガンを減らしたいので、土地の総数を28枚にしてでも緑マナソースは13枚にしたいですね。

 メインボードの《ムル・ダヤの巫女》は「Caw-Blade」に強く、過去のメタゲームならば良い働きをしたでしょうが、これからはビートダウン系のデッキの使用率が増えると思うので、新環境に変わるにあたって、ここだけは変更を加えたいですね。
 このスロットを追加の土地、《》か《広漠なる変幻地》1枚と、4枚目の《砕土》か《業火のタイタン》にしたいですね。
 「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」に関しては、第34回の連載で解説したことの多くが現在でも応用できると思うので、お時間のある方はこちらも読んでみてください。

 そしてこのデッキを選んだ最大のポイントはサイドボードにあります。このデッキを使うなら必須とも言える《紅蓮地獄》をきちんと4枚搭載していますし、それ以外の選択もすばらしいの一言に尽きます。

 サイドボードだけは詳しく解説したいので、1種類ずつ見ていきましょう。


3 《自然の要求

 「Caw-Blade」が環境にいた関係上、このカードの採用は避けることのできないものでした。これからの環境でも「《欠片の双子》」デッキ対策として重要なカードですし、このデッキをメタって環境に増えるであろう《広がりゆく海》や《神聖の力線》を割ることができるので、最低でも2枚は入れるべき類いのカードでしょう。
 青系のコントロールデッキが多いのならば《酸のスライム》でも構いませんが、「《欠片の双子》」デッキの存在を意識するのなら、やはりインスタントである《自然の要求》に軍配が上がるでしょう。


4 《紅蓮地獄

 このデッキはクリーチャーを大量に並べられるとメインボードでは対処ができません。そのため、後述の「吸血鬼」や「赤単ゴブリン」のような横に並べるデッキに対して、メイン戦ではあまり勝率がよくないと考えています。
 しかし《紅蓮地獄》はそんな展開を好機に変えてくれる僅か2マナの全体除去です。よほどビートダウンが少ないと確信がある時以外は、ぜひとも4枚採用したいカードですね。


2 《転倒の磁石

 このカードは、《反逆の印》系のスペルに対するアンチテーゼです。個人的にはこれからの環境と、「Caw-Blade」が環境にいた以前の環境との最も大きな違いがその《反逆の印》の数にあると思っています。

 第57回の連載で紹介した、グランプリ2位の中島さんの「ボロス」デッキが良い例で、当時は「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」が少なかったため、中島さんのように《反逆の印》系のスペルを全く使わない構築が許されていました。しかしこれからは「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」は環境で最も多いデッキになると多くの人に認識されています。
 これが意味するところ、今後は《反逆の印》系のスペルが増えると予想されます。

 実際に対峙してみると分かりますが、対戦相手が《反逆の印》を持っていると仮定すると、大抵の場合は《原始のタイタン》も《業火のタイタン》もキャストできない状況に陥ります。これらを普通にキャストすると返しのターンの《反逆の印》で負けてしまうので、こうなってしまうと《ゼンディカーの報復者》を待つか、《召喚の罠》でインスタントタイミングでクリーチャーを出すか、9マナ溜まるまで我慢して《カルニの心臓の探検》か《砕土》+《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》で自殺できるようになるまで待つか、という不毛な展開になってしまいます。
 せっかく《稲妻》や《紅蓮地獄》で相手を減速させても、こうなってしまっては減速させた意味があまりなくなってしまいますが、《転倒の磁石》さえあれば話は別で、相手の《反逆の印》系のカードを全く気にしなくてもよくなるんです。《原始のタイタン》などを出すまでの時間稼ぎにもばっちりのカードですし、これからは必須と言えます。今後は3枚目の投入を検討してもいいでしょう。


1 《内にいる獣

 ミラーマッチや「《欠片の双子》」デッキ、はたまた「《出産の殻》」と、実に幅広く使える万能除去。僕自身はまだ実際にこのデッキに入れて試してはいないのですが、「《欠片の双子》」デッキ対策は絶対に欠かせない要素なので、このカードの採用は良い選択だと思います。
 「《欠片の双子》」デッキだけを見ると、《焼却》や《四肢切断》の方が優れているのは当然なのですが、《内にいる獣》の優れている点はその汎用性にあります。これもまた、今後は増量を検討してもいい1枚ですね。


1 《召喚の罠

 これは見たまんま青系のコントロールデッキ対策兼ミラーマッチ用ですね。ミラーマッチでは《原始のタイタン》を早く出した側が圧倒的に勝利に近づくので、《原始のタイタン》と同じ6マナで、それをサーチできるのは《緑の太陽の頂点》には出来ない芸当です。


2 《最後のトロール、スラーン》、2 《ガイアの復讐者

 禁止カードが発表された影響で、我らが期待の星こと《最後のトロール、スラーン》さんがついに第一線級のカードになりそうです。この2種類が入っているからこそ、このデッキを紹介したと言っても過言ではありません。
 「青白コントロール」、「青黒コントロール」の流行り方次第ではありますが、これからの青対策はこの2種類が抜けて強いです。なにしろ、もう《石鍛冶の神秘家》がいないので、任意のタイミングで《饗宴と飢餓の剣》や《肉体と精神の剣》を持ってこられるなんてことがないですからね。今まで溜まった鬱憤を晴らす時期が、とうとうやってきたというわけです。
 《記憶殺し》対策という意味合いでも、サイド後にフィニッシャーを増やすという行為が持つ意味は大きいので、この2種類には要注目です。


 「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」の解説は以上になります。海外では、《絡み森の大長》を4枚採用して、1ターン目から《探検》や《カルニの心臓の探検》をキャストできるようにしているリストも見受けられます。個人的には《絡み森の大長》自体が単体であまり強くないので好きになれませんが、結果を残すようであれば、追って報告させていただきたいと思います。

 それでは、次のデッキにいってみましょう。


「赤単」

永山 盛之
日本選手権2011予選・那覇 / 1位[MO] [ARENA]
12 《
4 《沸騰する小湖
4 《乾燥台地
4 《ぐらつく峰

-土地(24)-

4 《ゴブリンの先達
4 《トゲ撃ちの古老
4 《燃えさし運び

-クリーチャー(12)-
4 《稲妻
4 《噴出の稲妻
4 《焼尽の猛火
4 《燃え上がる憤怒の祭殿
4 《よろめきショック
4 《槌のコス

-呪文(24)-
4 《電弧の痕跡
3 《焼却
4 《四肢切断
2 《躁の蛮人
2 《攻撃的な行動

-サイドボード(15)-

 こちらは古典的な火力過多のリストです。「Caw-Blade」がいなくなってアーティファクトメタが緩和されたことで、このデッキのキーパーツである《燃え上がる憤怒の祭殿》が破壊されづらくなることが追い風となるでしょう。
 クリーチャーが少ないので、相手の除去1枚で攻めが止まってしまうこともありますが、《燃え上がる憤怒の祭殿》と《槌のコス》の圧倒的なダメージ量のおかげで、長期戦にも強くできています。

 《燃え上がる憤怒の祭殿》の登場で「青黒コントロール」などには相当に相性がよくなっているのですが、《稲妻》1枚だけで大幅に減速してしまうこのタイプは、メイン戦の対「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」の勝率が悪く、メインの勝率は4:6くらいだと思います。
 ですがサイド後は《反逆の印》系のカードが入って相性が改善されます。《原始のタイタン》や《業火のタイタン》を奪えば10点以上のダメージが期待できるので、こちらはたった10点削るだけで、あとは相手が《原始のタイタン》やらを出すのを待てばよくなりますからね。

 メインボードは基本セット2012が出るまではこのままでも十分な強さだと思いますが、環境の変化を受け、サイドボードには少し変更の余地があるでしょう。とは言っても《攻撃的な行動》の枚数を増やしたいだけですね。
 「《欠片の双子》」デッキ対策には《四肢切断》4枚、《焼却》3枚は少し多すぎる感があるので、《焼却》1枚は《攻撃的な行動》にした方がいいと思います。

 最後に《攻撃的な行動》と《反逆の印》の比較ですが、《攻撃的な行動》は「《欠片の双子》」コンボにも通用することが利点として挙げられます。
 対戦相手が《詐欺師の総督》に《欠片の双子》を付けるのにスタックで《攻撃的な行動》をキャストすると、ターン終了時までこちらにコントロールが移ります。もちろん、《欠片の双子》付きで、です。ターン終了時に「相手にコントロールが戻る」前に、こちらが無限トークンを出せば、その時に出したトークンはこちらのターン終了時まで残っているので、タップ状態の《詐欺師の総督》を返せば、自身のターンでこちらが無限トークンでアタックできるという仕組みです。

 しかし何度か試した結果、これを実行するのは難しいと感じました。理由としては、対戦相手が《詐欺師の総督》+《欠片の双子》を使うまで《攻撃的な行動》が無駄カードであること、《詐欺師の総督》は「瞬速」持ちであるため、3ターン目以降は常に《攻撃的な行動》を構える必要があること=マナを残そうとするあまり、こちらの行動に制限がかかって効率よくダメージを稼げない、というものです。

 以上の理由から、僕は対「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」戦で確実に+1/+1を提供してくれる《反逆の印》をお勧めします。

 本当は4枚にしたいのですが、今のところ、他に抜くカードが思い浮かばない、というのが実情ですね。「Caw-Blade」がいなくなった以上、一見もう《躁の蛮人》は要らないように見えるのですが、ミラーマッチの《燃え上がる憤怒の祭殿》ゲーを制するためにも数枚はあった方がいいように思えます。
 《石鍛冶の神秘家》がなくなったとはいえ、《戦争と平和の剣》が出てこないわけではありませんしね。


「赤単ゴブリン」

後藤 洋昭
日本選手権2011予選・京都 / 3位[MO] [ARENA]
15 《
4 《乾燥台地
4 《ぐらつく峰

-土地(23)-

4 《ゴブリンの先達
3 《トゲ撃ちの古老
4 《燃えさし運び
2 《ゴブリンの戦煽り
4 《ゴブリンの酋長
3 《躁の蛮人
2 《オキシド峠の英雄

-クリーチャー(22)-
4 《稲妻
2 《噴出の稲妻
4 《焼尽の猛火
2 《電弧の痕跡
3 《槌のコス

-呪文(15)-
4 《呪文滑り
4 《ヴァルショクの難民
4 《四肢切断
1 《躁の蛮人
2 《攻撃的な行動

-サイドボード(15)-

 個人的な意見ではありますが、クリーチャーデッキが取れる戦略の中で、「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」に一番有効な戦略は数で押すことです。「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」側がメインに《紅蓮地獄》や《金屑の嵐》を取っていない限り、この戦略が裏目ってしまうことはありませんし、1ターン目から淀みなくクリーチャーを展開すれば、5ターンほどで対戦相手を倒すことが可能です。

 これは「ゴブリン」デッキに限った話ではなく、「吸血鬼」や「ボロス」もこの戦略を取れば対「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」戦の勝率がグッと上がるでしょう。メインから「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」に対してある程度高い勝率が期待できる、これこそが上で紹介した「赤単」との違いですね。
 サイド後は確実に《紅蓮地獄》が入ってきますが、こちらも《反逆の印》が入るので、そこまで不利にはなりません。

 クリーチャーが多めに入ったリストでお勧めのサイドカードに、《トンネルのイグナス》があります。《トンネルのイグナス》は、他の大量のクリーチャーで除去を枯渇させた後に出すクリーチャーとしては最上級のものであり、他のものとは違い、1体で戦線を支えてくれる優秀な逸材です。
 残念ながら昨年度のリストとは違い、現代の「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」には《業火のタイタン》が多めに採用されていることが多いので、以前ほどの信頼感はありませんが、もしもあなたの参加する大会に「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」が圧倒的に多い場合は、《反逆の印》に加え、《トンネルのイグナス》の採用も検討してみてください。


「青赤《欠片の双子》」

江崎 圭介
日本選手権2011予選・京都 / 12位[MO] [ARENA]
10 《
8 《
4 《沸騰する小湖
4 《地盤の際

-土地(26)-

3 《海門の神官
4 《詐欺師の総督
2 《業火のタイタン

-クリーチャー(9)-
4 《定業
2 《呪文貫き
4 《乱動への突入
3 《紅蓮地獄
3 《マナ漏出
1 《ジェイス・ベレレン
4 《精神を刻む者、ジェイス
4 《欠片の双子

-呪文(25)-
2 《呪文貫き
1 《圧壊
3 《呪文滑り
3 《瞬間凍結
1 《紅蓮地獄
2 《躁の蛮人
1 《ジェイス・ベレレン
1 《聖別されたスフィンクス
1 《業火のタイタン

-サイドボード(15)-

 先週紹介した「Ascention Twin」のような派生系も含め、このデッキも間違いなくTier1に位置してくるでしょう。《精神を刻む者、ジェイス》の抜けた穴を埋めるカードは《予感》が適任でしょうか。第58回の連載で紹介した後に、何度か使って気付いた点を紹介させていただきます。


土地構成

 それはずばり土地構成です。そうなんです、パッと見でも浮いている感のある《地盤の際》のせいでかなり事故ってしまうんです。Magic Onlineで僕がこのデッキを使った場合も、使われた場合もこのケースが多発したので、《地盤の際》を1枚、また1枚と減らしていき、最終的には0枚になりました。1枚か2枚はあってもいいかもしれませんが、せっかくメインボードが強いデッキなので、それを事故やマリガンで落としてしまうのはもったいないと感じたので、こういう結論に至りました。

 例えばなんですが、初手が《》×2、《地盤の際》《詐欺師の総督》《欠片の双子》、他2枚だった場合、先手でも後手でもマリガンしたくないですよね。

 僕はこのハンドは何回きてもキープするのですが、実際問題として、青マナが引けなければゲームには負けてしまいます。

 今後は「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」がメタの大本命と言うことで、《地盤の際》を減らしたくないという方もいるでしょうが、相手の行動を妨害するよりも、まずは自分のデッキが事故らなくなることの方が何倍も大切です。

 以上の理由から、現在の土地構成は以下のものにしています。

13 《
9 《
4 《沸騰する小湖

 これだと事故を起こす確率は相当に低くなっています。先週のリストも土地は《地盤の際》無しの24枚くらいが適正でしょう。

 このデッキも非常によく出来ていると思うのですが、《精神を刻む者、ジェイス》がいなくなった影響で他のデッキと比べると大幅な変更が必要となるので、新しいリストも載せておきます。
 ついでに先週のリストの改良版も合わせてどうぞ。

「青赤《欠片の双子》」[MO] [ARENA]
13 《
9 《
4 《沸騰する小湖

-土地(26)-

4 《詐欺師の総督
2 《海門の神官

-クリーチャー(6)-
3 《ギタクシア派の調査
4 《定業
3 《払拭
4 《乱動への突入
4 《マナ漏出
4 《予感
4 《欠片の双子
2 《ジェイス・ベレレン

-呪文(28)-
2 《業火のタイタン
1 《聖別されたスフィンクス
2 《変異原性の成長
3 《呪文貫き
1 《払拭
4 《紅蓮地獄
2 《焼却

-サイドボード(15)-

 ちょっとまだ使用回数が少ないのでサイドボードも含め構成が甘いですが、とりあえずはこんな感じのリストを使っています。《呪文滑り》を抜いたのは、これからは《四肢切断》ではなく《喉首狙い》だったり、サイド後の《焼却》だったりと、対象を変えられないものが流行ると思ってのことです。これからはメインは《払拭》で除去をかわし、サイド後の《焼却》には《変異原性の成長》で対処するといいでしょう。

 《ギタクシア派の調査》で手札を見られるので、仕掛けるタイミングが分かりやすくなっていると思います。《ギタクシア派の調査》は引いたらすぐにキャストするのではなく、勝負所や土地が止まりそうな時など、できるだけ引きつけて撃つように心掛けましょう。

 もう少しドローサポートを入れたいのですが、やはり抜くものがないという現状です。メタが絞れてくれば《乱動への突入》の枚数を減らしたりを検討できますし、カードの選択も楽になるので、これは少し時間が経てば解決できる問題ですね。
ドローサポートを入れる以外だと、江崎さんのように《業火のタイタン》のような1枚で勝てるカードをメインから採用するのもひとつの手です。

 入れ替えるなら《海門の神官》でしょうね。《ジェイス・ベレレン》は継続的なドロー手段として重宝するので、何か入れたいカードがあったとしても、抜かない方がいいと思います。

「Ascention Twin・改」[MO] [ARENA]
9 《
8 《
4 《沸騰する小湖
3 《ハリマーの深み

-土地(24)-


-クリーチャー(0)-
4 《ギタクシア派の調査
4 《定業
4 《稲妻
1 《噴出の稲妻
4 《紅蓮術士の昇天
4 《先読み
4 《マナ漏出
4 《乱動への突入
2 《思い起こし
3 《テゼレットの計略
2 《ジェイス・ベレレン

-呪文(36)-
4 《詐欺師の総督
4 《紅蓮地獄
2 《焼却
1 《四肢切断
4 《欠片の双子

-サイドボード(15)-


 先週と少ししか変わっていませんが、土地構成を綺麗にしてドローも少しだけ増やしました。
 1枚だけ入っている《噴出の稲妻》は5枚目の《稲妻》といった役割なのですが、仮にビートダウンが少ないようなら4枚目の《テゼレットの計略》にしてもいいですね。

 今のところはこのバランスが気に入っているので、しばらくはこれで様子見しようと思っています。《紅蓮術士の昇天》の入ったデッキは、「Caw-Blade」のおかげでエンチャントはアーティファクトに比べると対処されづらい、という利点があったのですが、これからはアーティファクトへのマークが甘くなり、このデッキへの風当たりも強くなっていくでしょう。「赤単」の隆盛のせいで《天界の粛清》が流行りそうなのもつらいですね。そういった意味では、このデッキもサイド後に《払拭》を取るべきかもしれません。

 ひとつだけルーリングの説明をしておくと、墓地に《テゼレットの計略》、戦場に《紅蓮術士の昇天》がある状態で2枚目の《テゼレットの計略》をキャストすると、《テゼレットの計略》をキャストしたので《紅蓮術士の昇天》にカウンターが1つ乗る→《テゼレットの計略》を解決して増殖ができるため、いきなりクエストを達成することができます。これは覚えておいてほしいです。

 とりあえず今はまだサイド後の《欠片の双子》コンボの奇襲性が高いので、ばれていないうちはこのままでも十分戦えると思います。


 今週の解説は以上となります。今までの復習のような感じになってしまいましたがいかがでしたでしょうか?

 最後に、いつも通りMOから変態なデッキをひとつ紹介して、お別れしましょう。


「今週の一押し」~「緑単エルドラージ・・・?」

Ramaira (3-1)
Standard Daily #2512099 on 06/25/2011[MO] [ARENA]
10 《
4 《カルニの庭
4 《エルドラージの寺院
2 《ウギンの目
1 《惑いの迷路

-土地(21)-

4 《草茂る胸壁
4 《巣の侵略者
4 《コジレックの捕食者
3 《大群守り
1 《コジレックの職工
1 《ウラモグの種父
1 《真実の解体者、コジレック
2 《無限に廻るもの、ウラモグ
1 《背くもの
1 《引き裂かれし永劫、エムラクール

-クリーチャー(22)-
4 《成長の発作
4 《目覚めの領域
3 《際限無き成長の祭殿
2 《全ては塵
4 《解放された者、カーン

-呪文(17)-
2 《酸のスライム
3 《ワームとぐろエンジン
1 《白金の帝像
3 《自然の要求
4 《召喚の罠
2 《全ては塵

-サイドボード(15)-

 デッキ名に嘘偽りはないのですが、今までは3種類しか見たことがなかったエルドラージクリーチャーが見事に勢揃いしております。厳密には少し足りていないのですが、流石にここまでいくと誰しもに納得していただけるでしょう。
 それに加え《解放された者、カーン》も4枚とやる気満々ですが、土地は21枚まで絞られており、しかもその内の2枚はマナの出ない《ウギンの目》です。

 その代わりと言ってはなんですが、《目覚めの領域》と、今まではあまり見かけることのなかった《際限無き成長の祭殿》というマニアックなマナ加速を採用していますね。

 《大群守り》というマニアック極まりないカードも入っていますし、めずらしいデッキ好きのみなさんにはたまらない一品に仕上がっていると思います。

 新環境の始まりには色んなデッキが現れますし、今まで以上にメタが混沌としているので、本当に様々なデッキにチャンスがありますよ!



 来週は日本選手権予選の中から、新環境のTier2に位置しそうなデッキを紹介しつつ、MOからその新環境バージョンをピックアップしていきたいと思います。


 それと日本選手権予選に参加したみなさまはお疲れ様でした。紙面の都合もあり、紹介できなかった素晴らしいデッキもたくさんありましたが、一応全てのデッキリストに目を通させていただきました。
 みなさんの構築の工夫の数々に僕も勉強させていただきましたし、それをこれから記事に活かしていければと思っています。本戦に参加なさる方や、直前予選に参加させる方の力に少しでもなれるよう、日本選手権直前には「基本セット2012」入りのデッキを紹介できるように頑張ります!

 それでは、また来週ー!

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