スワン・コントロール（モダン）

Melissa DeTora

2015年5月26日

　本日のデッキは、ここしばらくその名を耳にせず、すっかり意識されなくなったあるカードに注目したモダン・デッキです。そのカードとは《ブリン・アーゴルの白鳥》です。かつて、今はなきエクステンデッドでコンボ・デッキの鍵として活躍したこのカードは、単純に「スワン（白鳥）」とも呼ばれています。当時のデッキは《プラズマの連鎖》と《ブリン・アーゴルの白鳥》による無限コンボを搭載し、デッキすべてを引き切ることができました。今回ご紹介するRaptureReadyのスワン・デッキには無限コンボはありませんが、火力呪文の数々でたくさんのカードを引くことが可能です。

　《ブリン・アーゴルの白鳥》について、私はマジックのカードの中でもハイリスク・ハイリターンなカードであると考えています。このカードを戦場に出し、その後に火力呪文を撃ち込むことができれば、瞬く間に大きな有利が取れることでしょう。しかし、対戦相手も火力呪文を持っていたり、あるいはブロッカーがいたりすれば、同様に《ブリン・アーゴルの白鳥》の恩恵を受けることができるのです。私はこのデッキをMagic Onlineで回してみましたが、「親和」デッキを使う相手が私の《ブリン・アーゴルの白鳥》に《感電破》を２枚撃ち込み、合わせて８枚ものカードを引きました。当然の結果ですが、私はそのゲームを落としました。

　あなたが《ブリン・アーゴルの白鳥》のようなリスクの高いカードを楽しめるプレイヤーなら、このスワン・デッキがうってつけです。《ブリン・アーゴルの白鳥》と《稲妻》の組み合わせは、驚くべきドロー・エンジンとして働くことでしょう。また、《謎めいた命令》や《瞬唱の魔道士》など、モダンに存在する強力な青の呪文が使えるのも魅力です。そしてこのデッキの色の組み合わせは、《石のような静寂》や《血染めの月》、《神聖の力線》など、モダンで最高のサイド・カードたちを駆使できるのです。

　この「スワン・コントロール」には、「氷雪」メカニズムも組み込まれています。スタンダード当時、私も「氷雪」を大いに楽しみました。《雪崩し》や《占術の岩床》のためなら、「冠雪の」土地を満載したマナ基盤にも頷けるというものでしょう。ただこのデッキには、ひとつだけ足りないものがありますね。それは《白鳥の歌》です。決して強力なカードではありませんが、「白鳥」のデッキに相応しいことこの上ない１枚ですよ！