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『イニストラード:真夜中の狩り』の伝説たち 再来編

Doug Beyer, Ari Zirulnik, Grace Fong
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2021年9月17日

 

 イニストラードへの帰還は、お気に入りのキャラクター何人かとの再会を意味する。もし見逃しているなら、昨日掲載の「『イニストラード:真夜中の狩り』の伝説たち 新規編」をぜひともチェックしていただきたい。今回紹介するキャラクターのうち、数人は既に何枚かのカードになっており、他はフレイバーテキストに登場していたところに初めてスポットライトが当たったものだ。さあ、出演者たちと対面だ!

ネファリアのグール呼び、ジャダー
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 かつて小さな町の外科医であったジャダーは、珍しい疫病に対処するために屍術に身を投じた。最後の村人が斃れると、ジャダーは屍術が焚きつける狂気に屈した。彼は町人すべてを蘇らせるとグールの全員に無条件で健康の法令を発した。今やジャダーは非常に悪名高いグール呼びとなって、多くの時間をモークラットの沼地から死体を引き上げることに費やしている。そして彼はその屍を動かし、単純な仕事へと送り出す――通常は彼自身の楽しみのために。

素晴らしき復活術師、ギサ
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 ギサ・セカーニはイニストラードでも最も強大なグール呼びのひとりだ。彼女は弟の縫い師ゲラルフと友好的な競争関係を続けている……「友好的」という言葉の定義を建前上はひとつかふたつ満たすような。

 大患期の終わりとなる戦いにおいて、プレインズウォーカーのリリアナ・ヴェスはゾンビの大群を呼び起こし、エムラクールの軍勢と戦わせた。幸運にも、彼女のアンデッドの下僕たちが戦いの流れを変えた。不幸にも、彼女のゾンビたちは神聖なる都市スレイベンの廃墟を今もうろついている。ギサはこの見捨てられた都市にやって来て、ここを自分だけのアンデッドの遊び場にしている。アヴァシン大聖堂の相当に豪華な司祭の私室に住まい、ギサはやりたいことをやっている――それでも弟に死の脅威を送り込むための時間は確保し続けている。彼女にとって、家族は重要なものなのだ。

堕落した司教、ジェレン
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 ジェレンはシガルダの司教であり、月皇議会の現構成員でもある――だが同時に彼は秘かに、悪魔崇拝教団スカースダグに加わってもいる。

 大患期以前、ジェレンは悪魔グリセルブランドの帰還に人生を捧げていた。リリアナがグリセルブランドを倒すと、ジェレンは次第に意気消沈し……無防備になった。悪魔オーメンダールがその耳に囁きかけ、教団を自分に捧げよとジェレンに命じた。教団員たちはありがたくそれを受け入れた。オーメンダールが隠れ場所から姿を現すと、ジェレンは月皇議会の地位を辞し、その悪魔へと権限を譲り渡した。だがオーメンダールはエルドラージの堕落に屈し、ジェレンはスレイベンでの戦いのさなか、月皇議会の者に殺された。

堕落者、オーメンダール
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 アヴァシンが獄庫から脱出した際、全てのデーモンが殺されたわけではなく、無傷のまま残るカルト教団もあった。それらの中でも最も重要なものが、他でもない教会の聖職者たちの中に潜伏していたスカースダグ教団である。彼らが第一とする悪魔王のグリセルブランドが死亡すると、スカースダグはその信仰を死神オーメンダールへと転じた。このデーモンは大聖堂の地下深くの洞窟に身を潜め、天使の粛清を生き延びていたのだった。

 地上に帰還すると、オーメンダールは自らの影響を熱心に広げ、アヴァシンの月皇議会までも腐敗させた。しかしながらその力はエルドラージには及ばず、大患期が始まると、野心あるオーメンダールもエムラクールの影響に屈し、自身を失った。

忘れられた大天使、リーサ
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 あらゆる大天使の中でも、敵を理解しようとし、そうすることでそれらの邪悪を和らげようとしたのはリーサだけである。その知識があれば怪物とより効率的に戦えて、邪なものに善なる行いを成すよう取引できると彼女は理由づけた。

 ある日、新たな天使が何処からともなく現れた。アヴァシンである。その正義は決して揺るがず、その力は何者にも止められなかった。彼女はリーサの手法を認めず、そしてある時リーサが一体の悪魔王と契約を交わすと、アヴァシンは彼女を異端とみなし、リーサ自身とその天使部隊の全員を滅ぼした。

 イニストラードにおいては、デーモンは殺されてもいつか再び姿を得る。デーモンとの交友関係からか、天使とデーモンに共通する性質からか、リーサは生者の世界へと帰還した。リーサにとって、再び姿を得るのは地獄のような試練だった。数世紀に渡り、彼女は自らを形成するマナに引き裂かれようとする中、自らの精髄を保とうと奮闘を続けた。疲弊し弱体化しながらも彼女は遂に帰還した。イニストラードがかつてないほど大天使を必要としている、まさにこの時に。

確固たる討伐者、レム・カロラス
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 スレイベンの審問官たちの中でも最も恐れられ、尊敬される人物がレム・カロラスである。レムはこれまで全てを見てきた。彼は吸血鬼と、人狼と、天使と、果てにはエルドラージとも戦った。その全てでレムは準備万端であり、その全てでどんな敵も彼には及ばなかった。

 レムは戦いの中での栄光ある死を望んではいない。はっきりさせておくが、レムはとても人生を楽しんでいるのだ。長く生きれば生きるほど、より多く戦えるのだから。彼はただ、少し手ごたえのある挑戦を求めているだけなのだ。空に浮遊する巨大なエムラクールに手が届かなかったレムは、野生のグリフでも最大のものを発見して手懐けた。もはや空もレム・カロラスから逃れられない。しかしながら最近、彼は新たな挑戦に立ち向かうために招聘された――不死の生物をいかにして殺せばよいのだろうか?

屍術の俊英、ルーデヴィック
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 ウルムのルーデヴィックは屍錬金術師であり、イニストラードでも最も影響力のある商人でもある。長年に渡る薬品の使用と有毒ガスの吸入により、ルーデヴィックは早くの引退を余儀なくされた。それでも彼は若い頃の成功の記憶を振り払うことができずにいた――中でも、数年前に実験室から逃走した、二つの頭を持ち飛行するスカーブが。

 ルーデヴィックはスカーブ師のゲラルフを弟子にとり、知識を伝えた。だが彼はただ教えるだけでは満足しなかった。この高尚すぎる未来像は、他者が実行できるものではない。ルーデヴィックは研究室へと帰還し、「最後の創造物」と呼ぶものをいじくり回した。彼が生きて完成品を見届けられたかどうかはわかっていない。

不吉な首領、トヴォラー / 深夜の災い魔、トヴォラー
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 人狼の首領トヴォラーはかつて、モンドロネンの吠え群れを率いていた。アヴァシンが獄庫から解放された際、モンドロネンや他の吠え群れは散り散りとなって天使たちに追われ、狩られた。今、大患期から拡大を続ける闇の中、トヴォラーはふたたび首領の座につく機を見ている。人狼の獰猛な誇りに突き動かされ、彼は全ての吠え群れを自分の命令下に統一しようとしている。トヴォラーは内なる獰猛な獣に身を任せる自由をうたっており、多くの人狼が人間としての故郷を離れて彼のもとに加わっている。強大な吠え群れを背後に、彼はドーンハルトの集会と太陽を取り戻そうと奮闘するあらゆる者を止めるだろう。

光の勇者、シガルダ
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 シガルダは大患期の間にエムラクールの影響を全く被らなかった数少ない天使のひとりである。庇護や希望の与え手、また教会の象徴的な頂点としてのアヴァシンの役割を彼女は引き継いでいる。シガルダへの信念は、アヴァシンへの祈りと同じ力の幾らかをその信奉者へともたらしている。

 大患期から二年の間に、シガルダへの信仰はアヴァシン教内での新たな分派となった。教会には「シガルダ教の司祭」と名乗り始めた者たちも存在する。シガルダの教派はスレイベンの豪華さではなく、むしろ田舎町の教会に立ち返っている。大患期の間に狂気の天使がもたらした恐怖は多くの村人たちを高遠な聖印から遠ざけ、互いの結びつきを強めた。月皇議会は今も教会全体を統べているが、シガルダ教は教区の指導者たちや地元の共同体、伝統的な祝日と経験に重きを置いている。

おわりに

 再来の伝説たちはこれですべてだ。君のお気に入りが顔を出していなくても心配はいらない――『イニストラード:真紅の誓い』の方にいるかもしれないからね! もちろん、『イニストラード:真夜中の狩り』にはたくさんの新規キャラクターも登場している。彼らの物語はこちらで読むことができる。

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