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『ゼンディカーの夜明け』の伝説たち
2020年9月15日
これは公式記録です――『ゼンディカーの夜明け』(とその統率者セット2つ)には、計19枚の伝説が収録されています。これによって、マジックの伝説クリーチャーはついに1,000体に到達しました!
統率者として運用しているにしても、ドラフトで即座にファーストピックしたのだとしても、あなたがプレイしているのは何者なのか、それを知ることは大切だと考えます。今回の記事はこのセットの伝説のクリーチャー全員のちょっとしたバックストーリーと、また参考になると思われる関係記事へのリンクを紹介しています。
海門の伝説的な人型生物たち
恐れなき探査者、アキリ
《恐れなき探査者、アキリ》 アート:Ekaterina Burmak |
アキリは間違いなくゼンディカーでも最高の綱投げであり、その技で新たな道を切り開き、即死するはずの落下を生き延びてきました。過去、彼女はコーの巡礼団の案内人を務めていました。ですがある時、一体のエルドラージが彼女の仲間の生命を奪う様を無力に見ていることしかできませんでした。この出来事によってアキリは感情を失い、自らの力だけで生きていくと誓いました。
エルドラージが打倒されると彼女は目的を探し、いつしか海門の再建に加わりました。そして街を完成するための珍しい素材を求める冒険家のパーティーに関わりました。その中にはマーフォークのザレス・サンの姿がありました。彼や他の冒険家との触れ合いは今一度彼女の心を開かせ、自分ひとりで生きていくという思いはゆっくりと、親しい者たちを守りたいという願いに変わっていきました。海門の再建は完了し、彼女は今や探検協会とスカイクレイブを行き来する日々を過ごしています――今や家族とも言える仲間たちとともに。
アキリ関連記事:
トリックスター、ザレス・サン
《トリックスター、ザレス・サン》 アート:Zack Stella |
ザレスはゼンディカー全土でも最高のならず者に数えられます。もしあなたが何か盗品を必要としているなら、ええ、おそらく既に彼が自分のものにしているでしょう。人生とは不公平なものであり、成功するには嘘をつき、奪い、欲しいものを全て手に入れる以外にないと彼は信じています。貧しい育ちであった彼はエルドラージとの戦いでも、失ったものはわずかでした。
人混みの中では物を無くすのもよくあること、そう考えて彼は海門の再建に加わりました。ザレス自身も驚いたことに、いつしか彼は心から再建に力を注いでいました。街が完成したならすぐにでも去るつもりでしたが、留まらざるを得ない理由ができました。再建の間、彼はアキリやカーザ、オラーといった仲間と真の友情を育んだのです。新たな仲間たちとともに働くことでザレスは、長く忘れていた目的意識や帰属意識を得ることができたのでした。
ザレス関連記事:
乱動追い、カーザ
《乱動追い、カーザ》 アート:Ekaterina Burmak |
カーザはスリルの探求者であり、熟練の魔術師でもあります。彼女は間接的な魔法を見下し、大きいことは良いことだと信じています。爆発や火の玉や大岩で問題を解決できないなら、他の誰かをあたる方がいいでしょう。彼女はまた工匠術にも少々覚えがあり、スカイクレイブで発見した技術を用いて空飛ぶ杖を急造しました。
ザレスとアキリが彼女をエレメンタルの攻撃から救った(彼女いわく、完全に支配していたようですが)ことから、カーザは海門の修復活動に加わりました。たくさんの仲間といれば物事はもっと面白くなると気づき、彼女は探検に加わることに合意しました。驚きだったのは、自分が仲間と上手くやれて、彼らを守るためなら何でもするとまで思っていることでした、力で解決できる限りは。
カーザ関連記事:
スカイクレイブの秘儀司祭、オラー
《スカイクレイブの秘儀司祭、オラー》 アート:Heonhwa Choe |
オラーはコーの司祭であり、その古代文明と深く結びついています。彼は過去への畏敬とともに生き、さまざまな遺跡から学んでいます。時間をかけて彼は熟練の司祭として大いに力をつけ、ゼンディカーでも最高水準の人物となりました。皮肉にも、その過去が彼からすべてを奪ってしまいました。エルドラージが覚醒すると、彼の家族はその戦いにおいて失われてしまったのです。
失意の中、彼はこの世界をさまよいました。スカイクレイブが上昇すると、彼はそれを自らも立ち上がる時だと受け取りました。スカイクレイブの中に入るには海門の再建に加わるのが一番の近道です。彼らは資材を求めてしばしば遺跡に探検家の一団を送り込んでいるためです。彼はアキリのパーティーに空きを見つけ、そしてそれだけではありませんでした。アキリとザレスとカーザに、失った子供たちの面影が重なるのです--そのためオラーは彼らを守ると誓いました、まるで実の子供のように。
オラー関連記事:
遺跡の盗人、アノワン
《遺跡の盗人、アノワン》 アート:Magali Villeneuve |
ゼンディカー中のあらゆる宿営地で、アノワンは高名な魔道士かつ熱心な学者として知られていました。弟子たちの力もあって、彼は知識人という印象を確立しました--奇妙な遺物と難問を持ち歩く人物です。プレインズウォーカーたちをウギンの目へと導き、エルドラージ解放に繋がった後に見つけたその回答は、彼の好みではありませんでした。
エルドラージが現れてからの年月、アノワンの運は傾き名声は衰えるばかりでした。おびただしい数の冒険家が、アノワンは自分たちの貴重な発見物だけでなく、遠征や発見の手柄を盗んだと主張していうのです。古代のコーのスカイクレイブが上昇してから、アノワンはこの失われた文明の秘密を解き明かすという新たな目的に打ち込んでいます……そして自らの力と名声を回復することにも。
アノワン関連記事:
- ストーリー記事(近日公開)
- Journey to the Eye(英語記事)
- Awakenings(英語記事)
- Enter the Eldrazi(英語記事)
- Zendikar: In the Teeth of Akoum(英語小説)
- Consortium Report: 'The Incident at the Eye'(英語記事)
ムル・ダヤの祖、オブーン
《ムル・ダヤの祖、オブーン》 アート:Chris Rallis |
ムル・ダヤのエルフにとって、精霊の世界と定命の世界は同等に重要で、現実的で、日々の生活に存在するものです。死者の霊はムル・ダヤ共同体の主要な一員であり、オブーンはその最初の一人です。
数世紀前に遡るその生前、オブーンはエルフたちを率いてバーラ・ゲドのスカイクレイブに反旗を翻しました。死後は、共同体の指導者である議長ハザーンの重要な助言者となっています。死して久しいながら、彼の影響力は何ら衰えていません。それどころかこの古代のエルフの霊は、精霊の世界と自然の力の両方において比類なき支配力を持ち続けているのです。オブーンとの密接な関わりにより、議長ハザーンは大きな影響力を持っています。ですがもしオブーンと仲違いをしたなら、もしくは命令に背いたなら、その栄誉ある地位を失うことでしょう。
オブーン関連記事:
- ストーリー記事(近日公開)
団結の標、タズリ
《団結の標、タズリ》 アート:Chris Rallis |
若いころ、タズリは瀕死の天使に遭遇しました。吸血鬼との戦いで負傷したその天使は、苦しみを終わらせてほしいとタズリに願いました。彼女は慈悲の心からその天使を殺し、その行為を決して忘れぬように、許さぬように光輪を受け継ぎました。
十九年後、タズリは海門のヴォリク司令官の副官となっていました。エルドラージが覚醒すると、彼女はギデオン・ジュラとともに戦うことになりました--それは喜ばしいことではありませんでした。ヴォリク司令官は死の床で、ギデオンを後任として指名したのです。それは自分だと思っていたタズリは憤慨しました。
彼女はエルドラージとの多くの戦いに参加し、究極的には光輪の力とその内にある天使の柔らかな、寛大な力によって猛攻撃を生き延びました。天使の恩恵とともにタズリは海門の司令官という正当な地位を得て、エルドラージに対する最終決戦を率いました。彼女はその戦いで破壊された海門の再建も率いました。天使リンヴァーラの助力もあってタズリは各探検協会に協力を要請し、海門は今ふたたび輝いています。
探検の新時代が幕を開けています。タズリはそこに、海門の街と世界が繁栄する様を見ることでしょう。
タズリ関連記事:
海門の擁護者、リンヴァーラ
《海門の擁護者、リンヴァーラ》 アート:Wayne Reynolds |
数千年前、天使たちは虜囚のエルドラージを監視すると合意しました。時が流れ、彼女たちの警戒は緩み、エルドラージの脱走を許してしまいます。それらはナヒリによって再度封じられましたが、天使はその役割を果たせなかったのです。戒めとするために全ての天使は自らの光輪を目に下ろし、盲目であったことを示すとともに注意深くあれという不断の合図としました。リンヴァーラを除いて。
その光輪はゼンディカーの民が抱える日常的な問題へ向けるべき天使の目を遮っているとリンヴァーラは信じています。次元を空から眺め、潜在的な危険に目を向け、リンヴァーラは海門の都市へと降下して再建計画への助力を申し出ました。彼女は速やかにタズリ司令官と同盟し、天使の存在はタズリの統率力を十二分に堅固なものにしています。
その他の伝説的な人型生物
最後の血の長、ドラーナ
《最後の血の長、ドラーナ》 アート:Tyler Jacobson |
吸血鬼ドラーナはカラストリア家の血の長です。他の吸血鬼がエルドラージに服従させられた際、ドラーナはそれらに対する吸血鬼の抵抗を率いました。彼女は一時的にマラキールの都市を取り返しましたが、敵の軍勢によって奪われるだけでした。敗北に瀕し、彼女はギデオンやタズリと同盟を結び、最終的にはエルドラージ打倒を率いました。
エルドラージとの戦いにおいて壊滅した吸血鬼社会を立て直す中、初代吸血鬼の唯一の生き残りとして、ドラーナは疑いなき指導力を有しています。吸血鬼社会を再建する窮余の策として、ドラーナは新たな血の長を創造する手段を探しています。血の長だけが新たな吸血鬼を作り出せるためです。壊滅した種族を立て直したいという彼女の願いにより、グール・ドラズは吸血鬼以外にとってとりわけ危険な地となっています。
ドラーナ関連記事:
鼓動盗み、ザグラス
《鼓動盗み、ザグラス》 アート:Anna Steinbauer |
ザグラスはドラーナの右腕です。彼女に服従しており、絶対的な忠誠心を抱いています。彼は新たな血の長を創造する手段を探すため、スカイクレイブの捜索に身を捧げています。これは彼の忠誠心の源です――創造の秘密を発見できたなら、その恩恵を最初に与えるとドラーナは約束しているのです。
ならず者としての彼の能力を過小評価してはいけません。彼はスカイクレイブの危険な通路をいとも簡単に通り抜けてしまいます。多くの冒険家のパーティーが朝に目覚めると、彼らの仲間のならず者の姿が失われており、近くのザグラスが哀悼とともに助力を申し出ようとしているのです。
希望の死、タボラックス
《希望の死、タボラックス》 アート:G-host Lee |
エルドラージの覚醒をきっかけに、ゼンディカーの多くの人々は自分たちの神々に裏切られたと感じました。絶望の中で、すでに邪悪と腐敗へ傾いていた者は次第に悪魔崇拝へと傾倒していきました。あらゆる悪魔の中でも、タボラックスは最大規模の信奉者を集めています。タボラックスは独力で将来のエルドラージの再覚醒から自分たちを守ってくれる、彼の教団はそう信じています。時にタボラックスは「最も敬虔」な者たちへとわずかな力を与えますが、見返りの方が多いのは言うまでもありません。
アクームの怒り、モラウグ
《アクームの怒り、モラウグ》 アート:Rudy Siswanto |
モラウグのように、ミノタウルスは時に文明のあらゆる誘いを無視して獣性に身を委ね、荒野に生きます。彼は捕食者として生き、捕まえたあらゆる獣を食らいます――他に獲物がいなければ、人型生物も。
その角は豪快かつ荒々しく伸び、歴史上のどのミノタウルスよりも大きいかもしれません。ミノタウルスの角を売買する闇市場が存在しており、モラウグの角ほど巨大なものには一生食うに困らないだけの値がつくでしょう。その角を探し求める密猟者は多く、そして胸に荒々しく大穴を空けられて終わります。
伝説のエレメンタル
創造の座、オムナス
《創造の座、オムナス》 アート:Chris Rahn |
オムナスは純粋なマナによる存在、ゼンディカーの混沌とした始原の力の顕現であり、途方もない破壊を引き起こすことが可能です。エルドラージが目覚めた際、オムナスは変化を始めました。人の身体が病と闘うように、オムナスはエルドラージの脅威に対抗するために適応を始めたのです。オムナスはさらなるマナを吸収し、ただゼンディカーの森や密林だけでなく、山々の憤怒、厳しい海、生命豊かな平原の力を体現するようになりました。
今やエルドラージは消えましたが、オムナスは成長を続けています。その目的とは? オムナスが真にゼンディカーの化身だとしたら、この次元は何を求め……どのようにそれを手に入れるのでしょうか?
野生の魂、アシャヤ
《野生の魂、アシャヤ》 アート:Chase Stone |
アシャヤはエルドラージと戦うために、ニッサによって召喚されました。ニッサはこのエレメンタルをアシャヤと名付けました、「目覚めし世界」という意味です。他のエレメンタルとは異なり、戦いが終わってもアシャヤはゼンディカーに還りませんでした。ともに過ごす中、ニッサは自分がゼンディカーと一つであると悟り、アシャヤは彼女へとゼンディカーの力線や大地の力を操る方法を示しました。
世界を彫る者、ファイラス
《世界を彫る者、ファイラス》 アート:Victor Adame Minguez |
エレメンタルはゼンディカーを形成する根源的な自然の力の物理的化身です。多くはこの次元の一片です――高原、島、もしくはエルドラージと戦うために目覚めた広大な水域のような。エルドラージがこの次元を蹂躙するごとに、さらに活発で暴力的なエレメンタルが現れ、エルドラージによる破壊も彼らを完全に鎮めはしませんでした。
ファイラスは唯一の例外です。「誕生」の瞬間から、ファイラスは創造のみを行ってきました--決して何も破壊せず。ムラーサの奥深くで、ファイラスは一風変わった庭園を管理しています。そこにはファイラスが育てた、生ける植物が住んでいます。ファイラスはこの小さな社会を、エレメンタルが決して見せたことのないような優しさで世話しています。ファイラスは奇妙な変種なのでしょうか? それともゼンディカーそのものが変化しつつあるのでしょうか?
鎮まらぬ大地、ヤシャーン
《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》 アート:G-host Lee |
ヤシャーンはコジレックの帰還へと即座に反応して目覚めました。それはマキンディ溝の意志であり、覚醒している間は絶え間なく蹂躙を続けました。スカイクレイブの上昇は古のコーの遺跡を大いに注目させましたが、ヤシャーンの存在によってマキンディは全く手つかずのままです。
ヤシャーンが大地を踏みしめると、その足跡から新たな芽吹きが生まれますが、ゼンディカーでは見たこともない奇妙な果物や花がそこには見られます。それらはごく一時の間、極めて美しい一瞬に花開き、ですがヤシャーンは引き返して巨大な、新緑の蹄でそれらを踏み潰してしまいます。
伝説の怪物
分かたれし水流、ヴェラゾール
《分かたれし水流、ヴェラゾール》 アート:Daarken |
マゴーシはウマーラ川でも最大の滝で、切り立った崖から三百フィートの落下距離を誇ります。滝の頂上近くの上陸場は旅人の間で有名な休息場所ですが、安全な避難場所とはとても言えません。ヴェラゾール、巨大な二つ首の蛇が滝の背後の水中洞窟深くに生息しているためです。
ヴェラゾールは苦もなく滝を昇り降りし、両方で狩りを行います。上の口が無力な旅人を喜んで食らう一方、下の口は滝壺に生息する魚を好みます。
ヴェラゾール関連記事:
スカイクレイブの荒廃者、グラークマウ
《スカイクレイブの荒廃者、グラークマウ》 アート:Filip Burburan |
グラークマウは巨大なハイドラであり、落ちたスカイクレイブに何世紀も潜んでいました。完全な暗闇の中で生きてきたため視力は完全に失われましたが、他の感覚は極めて鋭敏です。グラークマウは主に遺跡の通路を這い回る大ムカデや他の昆虫を餌としています。
スカイクレイブが再び上昇すると、グラークマウは新たな食料源を発見しました――冒険家のパーティーです。グラークマウが守る入り口を昇って生き延びたわずかな冒険家が出口にたどり着けたことはありません。
グラークマウ関連記事:
- ストーリー記事(近日公開)
怒り狂う島嶼、キャリクス
《怒り狂う島嶼、キャリクス》 アート:Viktor Titov |
イオナがタジームのスカイクレイブを破壊した際、その巨大な塊が海へと落下しました。遺跡のとある一片、強大かつ忘れられたコーのアーティファクトを保持するそれはカニの卵塊の上に着地しました。卵は全て潰されました――ひとつを除いて。その卵は孵化し、通常の餌を拒み、そのアーティファクトのエネルギーを食らいはじめたのです。それは巨大に成長して周囲の遺跡を探索し、新たなアーティファクトを探しては食らいました。スカイクレイブが再び上昇すると、タジームの遺跡の多くも海から現れました。その生活環境と食料源に邪魔が入ったため、キャリクスは餌を求めて深遠から顔を出しています。
(Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori)
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- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
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- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
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