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『モダンホライゾン』プレリリース入門

Gavin Verhey
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2019年6月6日

 

 『モダンホライゾン』は実に派手なマジックのセットだ。

 久しぶりに登場するメカニズム! スリヴァー! 氷雪! ウルザ! さまざまな次元から集まったカードの数々! まさにマジックへのラブレターとも言うべきセットなのだ。

 さらにこのセットは、史上初めてモダンへ直接カードを供給する。

 これは最初のコンセプトから最終的な製品になるまで、驚くべき進化を遂げてきた。そして今こそ、そのすべてを味わうときだ――お近くのプレリリースでね!

 だがたとえ君が何度もプレリリースを経験していても、今回のプレリリースはこれまでに経験したことのないものになるはずだ。(ネタバレ注意:今回はドラフトも楽しめるぞ!)今回はこれまでと違うことがたくさんある。早速見ていこう!

地平線を探して

 プレリリースは数あるマジックのイベントの中でも私のお気に入りだ。

 私はこれまでの人生の中で、その時々で世界中のどこにいても、近くで開催されるプレリリースに参加してきた。何も私だけの話じゃない――長年のベテランから始めたばかりの初心者まで、きっと多くのマジック・プレイヤーがそうだろう! プレリリースは最も人気のあるイベントなんだ。

 それはなぜかって? プレリリースはマジックを楽しむ最高の手段のひとつだからさ!

 こんなイベントは他にないよ。全員が一斉に席について、新しいカードの数々を手に取り、それらの使い道を見出す。みんながカジュアルな雰囲気で楽しみ、マジックの最新セットへの興奮と、あふれんばかりのエネルギーを共有するんだ!

 私が初めてプレリリースに参加したのは11歳のときで、このイベントはたちまち私を夢中にさせた。それから18年を経た今でもまだ、その想いは変わらないよ――それに、プレリリースはもっとすごくなってる!

 このイベントの素晴らしいところは、使われるセットがまったく新しいもので、参加者は初めてそのセットに触れることになるため、スタート地点が全員同じになる点だ。初心者にとっても経験者にとっても、たっぷりと楽しめるものなんだ!

 すでにプレリリースの経験を積んでいる方は、次の項まで読み飛ばしてくれても構わない。飛ばした先では、最寄りのお店で楽しめるであろう 『モダンホライゾン』ならではの特別なことについて語ろう。だがプレリリースを楽しめる店舗を探すところから初めてだという方は、ぜひこのまま読み進めてくれ!

 何はともあれ、プレリリースへ行けなければ楽しめないからね。どうやって行けばいいのだろう?

 特に行きつけの店舗がないなら、店舗イベント検索を使って、最寄りの店舗を探すのがおすすめだ! 店舗では事前登録も行なわれているかもしれない。プレリリースは私たちが提供するイベントでも最も人気のあるもののひとつなので、その店舗で参加するのに事前登録が必要かどうかを確かめておくことをお勧めしよう。イベントが満員だとわかるのが、会場を訪れてプレイできないことを知ってからというのでは全くもって遅すぎるので、先を見ておくに越したことはない。

 参加できる店舗は見つかったかな? 素晴らしい!

 それじゃあ今度は、イベントに向けて準備を進めよう。このイベントではその場で手に入れたカードを使ってデッキを組むことになるのだが、それだけではなく、やれることはたくさんある。

 存分に『モダンホライゾン』を楽しむために必要なものをすべて用意するんだ! 例えば、ラウンドの合間に遊ぶためのスタンダードのデッキやモダンのデッキ、ライフを記録するためのペンと紙、そして飲料水もあるといいかもしれない。

 プレリリースの1回のイベントは約4~5時間を要するから、当日はイベントを最後まで楽しめるように、しっかり時間を確保しておこう。それから、「腹が減っては戦はできぬ」と言うし、リンゴやプロテイン・バー、スリヴァー・ジャーキーのような軽食を持っていくのもいいアイデアだね。(軽食については、行く予定の店舗の確認もしておこう――もしかしたら会場で販売しているかもしれないぞ!)

 うん、こんなところかな。行くべき店舗は地図上に見つけたし、必要なものはすべて詰め込んだね。それからもちろん、『モダンホライゾン』カードイメージギャラリーには目を通して、素晴らしいカードの数々を確認しておこう。またイベントへの参加自体が初めての方は、私が書いた「初めてのイベント」という記事をぜひ読んでみてくれ。

 これで全部揃ったね! それじゃあ次は、実際にパックを開封しよう!

ドラフトを味わう

 『モダンホライゾン』プレリリースは実にユニークなイベントだ。今回はシールドやドラフトが楽しめるぞ!(どちらで行われるかは店舗に確認しよう――両方楽しめるかもね!)

 通常、プレリリースは「シールドデッキ」と呼ばれるフォーマットで行われる。ブースターパック6個を受け取り、それを開封して出てきたカードでデッキを組む遊び方だ。この遊び方には君たちも慣れているかな。

 一方の「ブースタードラフト」は、少し違った遊び方だ。でも簡単に楽しめるし、マジックで最も面白い遊び方のひとつだから、ぜひ学んでみよう!

 ではまず、シールドの方から話を進めていこう。

 シールドデッキでは、最初に6パックを受け取る! こんな感じにね。

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 これらをすべて開封し、出てきたカードに基本土地を好きなだけ加えて40枚デッキを構築するんだ。(ただし、氷雪土地を好きなだけ加えることはできない――氷雪関連のカードをサポートする土地は、パックから出てきたものだけ使えるぞ!)

 さて、デッキの組み方についてもすぐに教えるけれど、まずは少しだけ複雑なドラフトの仕組みについて説明しよう。

 ドラフトのプレリリースに参加すると、『モダンホライゾン』ブースターパックを3個受け取る。

 それらの中には、マジックのカードが合計45枚入っているんだ。そして手に入れたカードで40枚のデッキを構築する。(基本土地も加えられることを忘れずに。)でもドラフトでは単に開封してデッキを組むわけじゃない――「ドラフト」をするんだ!

 まずは他の7人とともにテーブルを囲む。それから、パックを開封する! 出てきた15枚をよく見て(ドラフト経験者へ:氷雪土地もドラフトできるぞ!)、デッキに入れたいカードを1枚選んで取る。単純に強いカードでもいいし、試してみたい色のカードでもいいし、気軽にやろう。(おっと、ただし 『モダンホライゾン』イラストコレクション・カードはよけておいてくれ。それは開封した君のものだ!)

 さて、ここからがドラフトならではの部分だ。隣から渡されたカードの束からまた1枚選んで取り、また次の束から1枚取る!

 これをすべてのカードがなくなるまで繰り返すんだ。次に2パック目を開封し、同じようにカードを取って渡す。ただし今度は右回りだ。そして3パック目はまた左回りに戻る。

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 この、即興でデッキを組んでいく感じが本当に楽しい! 次にどんなカードが来るかわからない中で、1枚ピックするごとにデッキが完成していくんだ。

 ブースタードラフトについてもっと詳しく知りたい?それならこちらに詳しい説明があるから、読んでみてくれ。

 あとは、マジック・プロリーグ選手のリード・デューク/Reid Dukeによる、ブースタードラフトの基本が詰まった素晴らしい記事もある。ドラフトの経験がないなら、ぜひこちらを読んでくれ!(リンク先は英語)

 さて、ドラフトでもシールドでも、私は2色でデッキを組むのをおすすめしている。ドラフト序盤で異なる2色のカードをピックしてその色を中心にドラフトを進めていくと、全体的にまとまったデッキになるだろう。ときには3色目を「タッチ」することもあるけれど、基本的には2色をデッキの核にするべきだ。

 使う色を決める基準としては、以下のようなものが挙げられるだろう。

  • 心惹かれる本当に強力なレアがある
  • 対戦相手のクリーチャーに対処できる、「除去」カードが多くある
  • 優秀なカードがたくさんある
  • 「マナ・カーブ」が優れている――つまり、さまざまなコストのクリーチャーが豊富にある。
 

 これら4つがすべて満たされていれば理想的だけれど、2つか3つでも十分だろう。

 それでも、使うカードは絞る必要がある。どうやればいいだろう? プレリリース中に困ったことがあったら、周りのプレイヤーに気軽に声をかけて教えてもらおう。(プレリリースでは周りのプレイヤーに教えてもらうことができるんだ――このイベントに参加しているプレイヤーは、みんなでイベントを楽しむために力を尽くしてくれるはずさ!)

 まあそれはさておき、ここでも方法をひとつ伝授しよう!

 まずは、クリーチャーをマナ・コスト順に並べてやろう。こうすることで、ゲームのどの段階でそれぞれのクリーチャーを唱えられるのかが分かりやすくなる。(この時点では、必要なマナに届いたらすぐにプレイしたいようなカードでなければ、クリーチャーでないカードは並べないほうがいい――例えば、2ターン目に《持久スリヴァー》を唱えるのは普通だが、《奮起の演説》は2ターン目の行動として優先されるものではないだろう)。

 クリーチャーの「マナ・カーブ」を整えるのは、うまく動くリミテッド・デッキを作るにあたって極めて重要なものだ。(「リミテッド」とは、ブースタードラフトとシールドデッキの総称だ。その場で開封したカードでデッキを構築してプレイするものをこう呼ぶ。)カーブの1か所に大量のカードが偏らないようにしよう。序盤で軽いものを、終盤で重いものをプレイできるような良い配合にすることが大切だ。リミテッドのごく一般的な基準として、私はこのようにプレイしたいと考えている。

  • 1マナ:0~2枚
  • 2マナ:4~6枚
  • 3マナ:3~5枚
  • 4マナ:2~4枚
  • 5マナ:1~3枚
  • 6マナ以上:0~2枚

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 これが絶対というわけではないが、良い出発点にはなる。お気に入りを選んで、これらの数になるまでクリーチャーを絞り込もう。

 さて、核となるクリーチャーの基盤を見定めたね。次は呪文を加えよう! 選んだ色からお気に入りのカードを抜き出し、デッキを22~23枚にしていく。これで、呪文の準備もばっちりだ。

 数々の呪文の中でも、「除去呪文」と呼ばれるものは一番欲しいところだ――除去呪文とは、対戦相手のクリーチャーを恒久的に無力化するもののことだ。ダメージによって破壊するもの、タップしたままにするもの、もちろん直接破壊するものもあるぞ。リミテッドの中心になるのは、やはりクリーチャーだ。だから、選んだ色に合うカードで対戦相手のクリーチャーに対処できるものは、ぜひ採用しよう。

 マナ・カーブについてもっと学びたいなら、マナ・カーブの組み立て方について書いたこちらの記事を読んでみてくれ。

 もっとヒントが必要かな? 以下に、デッキ作成の際に心に留めておきたい事項をいくつか挙げておこう。

  • 40枚を超えたデッキを使うこともできるが、可能な限り40枚ちょうどに強くこだわるべきだ。41枚目以降のすべてのカードは、デッキに入れた素晴らしいレアを引く確率を下げてしまうだろう!
  • 検討すべき土地の比率は、概ね土地17枚と、それ以外を23枚にすべきだ。100%当てはまるものではないが、ほとんどのリミテッドのデッキはこの前後に収まり、大抵の場合、私もそうしている。
  • 低コストのカードと高コストのカードを組み合わせよう。軽く、小さいクリーチャーだけにした場合、たった1枚の大きなクリーチャーで止められてしまう。また全部を重く、大きなクリーチャーにした場合、それらを唱える前に勝負を決められてしまう恐れがある。2マナ、3マナ、4マナ、5マナのクリーチャーを含んだ構成にこだわろう。シールドやドラフトの勝ちゲームの多くは、第2~3ターンから毎ターン続けてクリーチャーを唱えることによって得られるのだ。
  • 回避能力が重要だ! リミテッドのゲームでは、両方のプレイヤーが大量のクリーチャーを持ちながらも、しかしどちらもうまく攻勢に出られない、という膠着状態に陥ることがある。飛行のような能力を持つクリーチャーは、こうした膠着状態を打破できるようにしてくれる。
  • 他のマジックのフォーマットと異なり、シールドデッキの試合展開は遅くなりがちだ。シールドで組み上げたデッキが長期戦で強いものなら、先攻より後攻を選んだ方がカードを1枚多く引けて有利な場合もある。
 

 最後に、プレリリースに参加すれば特別な別イラスト版《霊体の横滑り》も手に入る! おおー! 美しいね。

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 他のプレリリースではランダムに封入されていたプレリリース・プロモと異なり、このプロモはデッキに入れられない。だからイベント中は目で見て楽しみ、小さな子どもを抱くように優しく抱いてやるだけで我慢してくれ。リミテッドのデッキには入れないように気をつけて。(でもサイクリング中心の統率者戦デッキに入れるなら……? もちろん気軽に使って、パーティーを楽しんでくれ!)

双頭巨人戦

 いくつかの店舗では、シールドデッキの中でも双頭巨人戦と呼ばれる形式を開催している(しばしば略して「2HG」とも)。これは2人のプレイヤーがチームを組んで、他のペアと対戦するものだ。各ペアはパックを受け取り、そこからデッキを構築する。(最近登場した 『バトルボンド』 を体験した人は、すでによく知っているかもね!)

 どうやって作ればいいかって?

 チームメイトと協力して40枚のデッキをふたつ作るようにすれば、きっと楽にできるだろう。デッキ構築が終わったら、他のペアと1ゲーム先取の試合をする。

 双頭巨人戦のゲームはどうやって進めればいいのかって? 難しいことはないよ。クリーチャーや土地はチーム内で共有されないけれど、ライフは30点を共有する。ターンはふたり同時に進めることになり、それから攻撃やブロックもチーム単位で行うんだ! 双頭巨人戦の魅力は、勝つためにチームメイトとの協力が不可欠なところだ。

 今回は『モダンホライゾン』ドラフトのイベントもあるから、「双頭巨人戦ドラフト」が開催される可能性もあるぞ! チームメイトとともに6パックでドラフトを行い、デッキを2つ作って戦うんだ。これもすごく楽しいよ。

 双頭巨人戦について、もっと詳しく知りたい? ぜひこちらをクリックして詳細を読んでみてくれ。それから、双頭巨人戦に興味があるなら、お近くの店舗で双頭巨人戦のイベントが行われるかどうか確認しておこう。

ボックスを掴め

 モダンのデッキを一気に強化したい? ひたすらドラフトを楽しみたい? 比較的新たなプレリリースの特典として、イベントでブースターボックスを手に入れられるようになったんだ!

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 そしてもちろん、ボックス購入特典の《狼狽の嵐》ももらえるぞ。

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 いち早く家に持ち帰って(あるいはその場で開封を!)楽しもう! 詳しくは店舗まで確認してくれ。

メカニズム・ホライゾン

 とてつもない数のメカニズムが『モダンホライゾン』には登場する! 収録メカニズムは40を超えるから、学ぶべきことはたくさんあるね。さらに、すべてのパックに氷雪土地が封入される!

 これらのメカニズムがどのように機能するのか興味がある方は、『モダンホライゾン』のメカニズム用語集記事やリリースノートを確認してくれ! これらの記事を読めば、あらゆるカードに対するどんなに突拍子もない疑問にも答えてくれるだろう。

新鮮な視点で

 『モダンホライゾン』は私たちが作ってきた中で最もエキサイティングなセットのひとつだ。かつての名カードを思い起こさせるカードが詰まっており、モダンに直接カードが供給され、おまけに統率者戦のデッキの大幅な強化も望めるこのセットは(リミテッド環境の楽しさについては言うまでもないだろう)、大興奮間違いなしの傑作だ。みんなにもぜひ味わってほしい!

 友人を集め、もう一度カードイメージギャラリーを見て、お近くの店舗で事前予約をして、万全の準備で楽しもう!

 他に気になることはあるかな? 何かご意見、ご質問は? どうぞ気軽に私まで送ってくれ! みんなの話は大歓迎だ。いつものようにツイートを送るか、InstagramメールTumblrで質問してくれれば、必ずお答えするよ。ちゃんと全部読んでるからね!(編訳より:英語でお願いいたします。)

 それじゃあ、驚きに満ちた 『モダンホライゾン』体験を楽しんでくれ!

――ガヴィン

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