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翻訳記事その他
暴動始動
2019年1月3日
ラヴニカが舞台のセットにはほとんどの場合、使いでのある新キーワード能力がいくつも登場する。それぞれを使いこなしていくには少々時間がかかるものだ。
『ラヴニカのギルド』登場後、この数か月間で召集、再活、教導、諜報、そして宿根を活用してきただろう。それぞれお気に入りとまではいかなかったとしても、それらは他にない体験をもたらしてくれたはずだ。
そのように新しい能力がいくつも登場するという点においては、『ラヴニカの献身』もまた例外ではない。そしてあなたが赤や緑の魔道士ならば、ある物事について数多くの判断と決定を求められるだろう。それは簡単なことに思える――にもかかわらず、ややこしく思えることもあるんだ。
速攻か、それとも+1/+1カウンターか?
グルールのキーワード能力である「暴動/Riot」は、クリーチャーでの攻撃をサポートするものだ。しかし、スピードとサイズのどちらがより重要だろうか?
答えは、もちろん、「状況による」だ。
今日はこれについて詳しく見ていこう!
戦場には何がある?
暴動を用いるときに常に自問したい大事な質問は、「今、戦場には何があるのか?」だ。
戦場にクリーチャーがあふれて膠着している状況では、速攻を持たせて攻撃することで致命的なダメージを通せるのでもないかぎり、通常は+1/+1カウンターを必要とするだろう。そこで、クリーチャー数が1対1の状況について考えてみる。
まずはきわめて単純な例からだ。暴動持ちの3/3を持っていて、対戦相手が4/4をアンタップ状態でコントロールしているなら、速攻を持たせてはいけないのは明らかだ。(何らかの方法でクリーチャーを強化できるならともかく。)3/3では、いいようにやられるだけだろう!
しかし相手のクリーチャーが4/4ではなく3/3だとしたら? ああ、もう少し議論の余地が生まれる。
3/3速攻にして攻撃した場合、それは相打ちしてもよいということだ。対戦相手は攻撃を通して3点のダメージを受けるか、相打ちするかを選ぶことになる。
しかしながら、ここで重要なのはその選択は相手が選ぶという点だ――こちらで決めることはできない。
対戦相手は、相打ちのほうが都合がよいのであれば、相打ちにするだろう。ダメージレースを狙っているなら、ブロックしてこない。
ということは、この状況では基本的に大きさで上回るほうがよさそうに思える。そうすれば相手クリーチャーの攻撃から身を守れるし、次のターンに攻撃もできそうだ。
では、こちらが3/3の暴動持ちを手札に持っていて、対戦相手のクリーチャーが2/2だとすればどうだろうか?
さて、この場合は、ほかの要素を確認すべきだろう。現在のライフだ。
攻撃しているのは誰か?
「攻撃しているのは誰か?/Who's the Beatdown?」(リンク先は英語)というのはマイク・フローレス/ Mike Floresが生み出した有名な問いで、ここで最も重要な要素としてかかわってくる。
互いのライフによって、どのように攻撃的または防御的なプレイをする必要があるだろうか?
マイク・フローレスのコラムにあるとおり、各状況においてどちらが攻める側でどちらが守る側なのかを判断しておくのは、常に大事なことだ。攻める側はその攻撃優位性で圧倒できるようプレイすべきであり、守る側は――自分が守る側だと感じたなら――相手の攻撃優位性を抑えこむようにプレイすべきだ。例えば、お互いに2/2のクリーチャーをコントロールしているとき、自分のライフが4で相手のライフが20なら、攻撃に向かわせるのではなくブロックのために2/2を残しておくべきだろう。
この要素は暴動にも大きくかかわってくる。
自分が攻める側で、数ターンで決着がつきそうなら、速攻を持たせてダメージを与えていく意味はある。いま扱っている暴動の例の場合、ブロックされないのであれば、速攻による召喚ターンの攻撃分のダメージを+1/+1カウンターで補えるのは早くて3ターン後だ。
逆に序盤でまだまだゲームが続く場合や、次のターンに対戦相手が出してくるであろうクリーチャーよりもこちらの暴動クリーチャーのほうが強いはずだと判断したなら、サイズを大きくしたほうが役に立つだろう。例えば、対戦相手のデッキに4/4が多く採用されていることを知っているなら、速攻を選択して3点のダメージを稼ぐよりも、4/4にして相手のクリーチャーと渡り合えるようにしておいたほうがいいはずだ。
対戦相手のライフを常に確認しておくことが、暴動を正しく利用する上で重要となる。
相手が2/2をコントロールしていてこちらが暴動持ちの3/3を手札に持っている今の例では、対戦相手のライフがもっと減っていたなら――9以下なら――速攻を検討するだろう。そうでなければ、基本的には、+1/+1カウンターが長期的な成果を挙げてくれると思われる。そして、いつものように、ゲーム中にどんなことがあったか、自分のデッキに何が入っているかなど、考慮すべきほかの要素は数多く存在する。(例えば、対戦相手のデッキに除去呪文が多い場合は、除去される前に速攻を持たせてダメージを与えておきたいと考えることになりそうだ。)
アート:Zoltan Boros |
通常、暴動についての判断に悩む場合は、+1/+1カウンターを選ぶほうがいいかもしれない。そのクリーチャーで今のターンにダメージを与えないのなら、それがどの程度戦場に残り続けそうかが判断に影響してくるだろう。
暴動を控える
暴動が存在する環境は速攻クリーチャーが増えるので、赤や緑のデッキと対戦するときは、これまでよりも暴動クリーチャーと増える速攻に注意しよう。『戦乱のゼンディカー』にあった覚醒メカニズムがデッキに速攻持ちを増やしたように、普段よりも速攻を多く取り入れることができそうだ。
そして気をつけてほしい……対戦相手も暴動を使ってくる!
速攻持ちクリーチャーの中でも、特に暴動持ちについては別の選択肢が存在するため、常に意識しておきたいプレイがある。クリーチャーを出さないことだ!
どういうことかって?
対戦相手のライフが残り少ない状況だとしよう。相手は手札が無く、戦場には3/2のクリーチャーを出している。そしてこちらの手札には、暴動持ちの2/2がいる。速攻を持たせても単に相打ちを強いるだけになりそうだし、+1/+1カウンターを置いてもやはり相打ちになるだけだろう。
しかしこちらのライフに余裕があるなら、もうひとつの選択肢が存在する。
何もせずにターンを終了しよう。そうすると、対戦相手は攻撃してくるだろう。そして相手が追加のクリーチャーを引けずにいたなら、次のターンにあなたは暴動で速攻を持たせて2点のダメージを与えられるということだ。クリーチャーを引かれていた場合は、まあ、この機会を得るためだけに3点のライフを支払ったことになる。
このような状況は頻繁に起こるわけではないが、そういう状況に遭遇したなら、そういう選択肢があることを頭の片隅で覚えておくことは大事だ。それが、相手の最後のライフを削り切るか切れないかの差となるかもしれない。
荒ぶるワーム
あなたはおそらく、「なるほど、暴動に関する話は面白いね。だけど、この記事にはプレビュー・カードもあるんじゃなかったっけ?」(とか、あるいは単に「プレビュー・カードが出てくるまでスクロールしよう」)と思っていることだろう。
ああ、何を考えているかはともかく、次は私が紹介するプレビュー・カードを見てもらう番だ――大きなものをね! 《荒廃ワーム》をご覧あれ。
ああ、古き良き「ワームの命令」というやつだ。4つから2つを選ぶことになるが、それぞれに良さがある。
このクリーチャーは、アグレッシブ、ミッドレンジ、そしてコントロールの各デッキに対して、さまざまな使い方ができるように設計されたものだ。アグレッシブ・デッキやミッドレンジ・デッキに対しては、大型クリーチャーとしてプレイしつつ相手のクリーチャーを1体倒すことができる。コントロール・デッキに対しては、(おそらく《水没遺跡、アズカンタ》のような)土地を1つ破壊しつつ、速攻を持たせることで相手が全体除去を使ってくる前に攻撃することが可能だ。
ここでも、意識しておきたい興味深い要素がいくつか存在する。そのうちの1つは、お互いに《荒廃ワーム》を使っている対戦では、+1/+1カウンターを選びたいということだ。そうすれば、対戦相手の《荒廃ワーム》に格闘を選択されてもこちらの《荒廃ワーム》が喰われることはない。また、自分がマナ能力ではない起動型能力を持つ土地を使っているかどうかにも気をつかおう。相手の《荒廃ワーム》で土地を壊されて、こちらの《荒廃ワーム》を出すために必要なマナを支払えなくなるのはちょっときついからね!
グルールの強みは繊細さなどではない――そしてこのクリーチャーは登場すればクリーチャーを吹っ飛ばし、そのあと対戦相手も吹っ飛ばす。楽しいぞ!
暴動始動
単純に思えるグルールの暴動メカニズムにも、他のものと同様に奥深い思考や戦略が多く存在する。
もちろん、グルールだけの話ではない。『ラヴニカの献身』で登場した5つの新しいメカニズムそれぞれに、独自の特徴と習得のためのコツが存在する。それらを楽しんでもらえると嬉しいよ!
それから、あなたがプレリリース・イベントに参加して、暴動についての判断に迫られたら、この記事を思い起こして状況に適した決定を下せるといいね。
暴動の背後にある戦術のいくつかについて知ることを楽しんでもらえたなら幸いだ。さらなる考え、疑問、あるいは意見があるだろうか? ぜひとも私に教えてほしい! いつでもTwitterやTumblrでメッセージを送ってくれてもいいし、BeyondBasicsMagic@Gmail.comに(訳注:英語で)メールしてくれてもいいよ。
『ラヴニカの献身』のプレビュー期間を大いに楽しみ、プレリリース参加の計画を立てようじゃないか。また会おう。楽しんでくれ!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight
(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)
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