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ギルド門の開放

2018年9月11日
2016年の秋に私が初めてウィザーズ開発部に加わったとき、今後2年間に発売されるすべてのセットの概要を教えられた。そこにはイクサランの未開の世界、懐かしき次元のドミナリアがあったが、私が最も興奮したのは『ラヴニカのギルド』だった。
ラヴニカはとても深い歴史と、とても多くの異なる種類のプレイヤーとのつながりを持っている。ギルドに所属することと、そのギルドの持つプレイスタイルはあらゆるプレイヤーをラヴニカの広大な次元に没頭させることができる。ラヴニカを再訪し、ギルド門を通り抜けるよりよい方法とはどんなものだろうか?
セット・チーム紹介
セット・チームの進化はマジックを作ることが始まって以来ずっと行われてきた。現在、すべての主要セットのチームは持っているスキルのバランスを取ることと、より専門的な助けが必要となったときに迅速に対応することを目標としている。
エリック・ラウアー/Erik Lauer

エリックは『ラヴニカのギルド』のセット・リードだ。彼は開発部内で一番多くのセットデザイン・チームをリードしている。彼は開発部の豊富な情報だけでなく、将来の全てのマジックのセットにもその足跡を見ることができる。またエリックは興味深い事実を無限に知っていることでも知られている。彼の好きなものは犬とステーキと数学だが、その順位が判明することはないだろう!
ケン・ネーグル/Ken Nagle

ケンは最も純粋なデザインの美学をこのチームにもたらした。ケンはベテランのデザイナーであり、色の協議会の緑担当メンバーだ。「なあ、彼はどうやってこんなすごいものを思いついたんだ?」というのが私が働き始めたことろの彼に対する通常の反応だった。それはすぐに「ああ、ケンにとっては当たり前のことなんだ」へと進化した。またケンはウィザーズ・オブ・ザ・コースト・キックボクシング・クラブも運営している。彼は真のルネサンス的人物だ。
アンドリュー・ヴィーン/Andrew Veen

私はアンドリューを開発部のスイス・アーミーナイフだと考えたい。彼は初期デザインの仕事をした経験を持ち、最高レベルの競技マジックでのプレイ歴を持っている。彼はその珍しいスキル構成によりあらゆるプレイヤーとの共感することができる。アンドリューは良き友人であり、我々が夏に使用する素晴らしいプロパン・グリルを所有している。
アンドリュー・ブラウン

そしてこれが私だ! しばらくの間マジックのプロとしてプレイした後、私はそのすべてをウィザーズ・オブ・ザ・コーストで働くために差し出した。プレイ・デザインの一員として、私のセットデザイン・チームでの主な役割はカードがリミテッドとスタンダードでバランスのとれたものであるようにすることだ。私はディミーア・カラーをプレイすることを楽しむボロスの人間なので、あらゆるものの寄せ集めだ。私はダジャレと浜辺をずっと散歩すること、そしてホッケーが好きだ。
門を開く
『ラヴニカのギルド』には2色で構成されたギルドが5つ存在し、その結果8人ドラフト環境ではギルドの振り分けは均等にはならない。初期のプレイテストでは、1つのギルドを独占してドラフトしているプレイヤーが2人いるということがしばしばあった。このことがゲームプレイの不均衡を引き起こし、そこでの支配的なドラフト戦略は「空いているギルドに向かう」だ。それらを学んだ後、我々は門の開封比を増加させた。
開封比とは開発部の用語で、ある特性のブースター内における出現比率を表している。開封比が1の場合、その性質のカードが各ブースターに平均1枚入っていると想定されていることになる(例えば多くのブースターでの基本土地だ)。1.5だとその性質のカードが平均で1.5枚入っていることになる。小数はすべてのブースターを平均しているために発生する。1枚入っているブースターが5つと2枚入っているブースターが5つある場合、1ブースターあたりの平均は1.5だ。
我々が門の開封比を増加させたことの狙いは、ギルドをドラフトするプレイヤー5人と3色をドラフトするプレイヤーを3人にする可能性を増加させることだ。これにより経験豊富なプレイヤーの創造性は大きくなるが、初心者にがギルドに固執する余地も十分残されている。またこれによりプレイヤーは連続したドラフトの中でどんなことが可能であるかを学び発見することができる。まっすぐなボロスのアグレッシブなデッキから始めることができ、赤をタッチしたディミーア・コントロールにアップグレードし、そして5色ギルド門コントロールに進む可能性もある。
5色ギルド門コントロール
門の開封比を増やしたとき、時々、プレイテスト時にドラフトした門を全部はプレイしないプレイヤーがいた。我々はその後そのプレイヤーに対してのいくつかの見返りを作りにかかった。以下は我々が試した最初の形だ。
ソーサリー
あなたがコントロールする門1つにつきカードを1枚引く。
これについて我々が最初にぶつかった問題は、門を引いたかかどうかにより落差だった。ある時にはこれはばかげたぐらいやりすぎなゲームを終わらせるカードになりうる。他の場合では、これを唱える気になるまで手札に居座り続ける。振れ幅の大きいデザインは楽しくエキサイティングなものになり得るが、我々は4色や5色の不安定な性質を考慮して、より確実性の高いもので行くことにした。
プレイテストの結果、我々は最終的にこのバージョンの 《ギルド会談》にすることに決めた! ご覧あれ。

《ギルド会談》はゲームの序盤と後半に適正な量の陰陽を持っている。序盤にプレイした場合、後続のギルド門ごとにカードを1枚引くことができる。その後ゲーム後半では、大量ドロー呪文として使うことで序盤にギルド門をプレイした報酬を受け取ることができる。
全部まとめてくっつける
競技プレイヤーとして、私は時々大きな見返りそのものよりも、見返りを回るようにするカードに惹かれることがある。ミキサーがなければミルクセーキは作れす、 《管区の案内人》がなければマナ基盤は成り立たない。

私は 《管区の案内人》の大ファンだ。私は健全な方法で通常のマジックのゲームの進行を助けるカードをとても好んでいる。 《管区の案内人》はデッキ内の1枚か2枚のギルド門を見つけてくる通常のクリーチャーとして、もしくは狂った多色デッキに必要な色を探してくるクリーチャーとして機能することができる。
ギルド門といえば、今回が全部をお見せする時だと思う! 『ラヴニカのギルド』の各ギルド門には、それぞれ2種のバージョンがある。一方は開かれたギルドそのものと一般的なイメージを描写している。他方は裏通りにある秘密の入り口で、隠された取引と陰謀にあふれている場所だ。










私の次の記事は『ラヴニカのギルド』集中期間のフューチャー・フューチャー・リーグについてのものになる予定だ。それまでの間、気軽にTwitterでメッセージを飛ばしてくれ! またほとんどのプロツアーとほぼ全ての西海岸のグランプリにいるので、声をかけてほしい。
—Abro
@murklurker
(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)
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