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実践的歴史

Luis Scott-Vargas
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2018年4月10日

 

 ドミナリアは私がプレインズウォーカーとしての旅を始めた場所(プレインズウォーカーのカード・タイプが印刷される14年ぐらい前のことだ)なので、私はドミナリアへの帰還を心待ちにしていた。『ドミナリア』は伝説的な感じで、一見するとそれはリミテッドでは大した意味がないように思えた。伝説のパーマネントはレアリティが高い傾向にあり、そのため伝説性のテーマをドラフトに変換することはほとんど不可能になっている。

 しかしながら、『ドミナリア』は歴史を作る気でいて、今日のプレビュー・カードからそれがどのようなものかが分かるだろう。『神河物語』以降は伝説を焦点にしたことはなく、そして今回はその網がはるかに広く投げられている。そのメカニズムは「歴史的」と名付けられ、その形と大きさは多岐にわたる。

 歴史的カードとは、以下の3つをまとめた呼び方だ。

  • 伝説 ―― タイプ欄に「伝説の」とあるカード
  • アーティファクト ―― そう、アーティファクトだ。これはとても分かりやすい。
  • 英雄譚 ―― 特定の出来事についての物語を伝える新しいエンチャントのことだ。これらはアンコモン以上に存在する。

 新しく得た歴史的というカードの分類で、我々はどんなことをするか? このメカニズムはとても自由度が高いので、歴史的なカードには大量の相互作用の手段があり、そして私はこの空間を活用するいくつかの例を用意した。

より良くする

 できることのひとつは、自分の歴史的呪文をより良いものに、つまりこの場合より軽くすることだ。

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 この小鳥は控えめな2/2飛行だが、幅広い範囲のカードを割引してくれて、デッキを実際に回るものにしてくれる。

 他にどうやって歴史的なプレイをできるだろうか?

それらでパワーアップする

 歴史的カードを良いものにするのもいいが、他の方向に向かうのもまた素敵だ。歴史的なカードを使えるようになればより良くなるカードが多数存在し、《ミシュラの自己複製機械》もそれに含まれる。

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 この複製機械は重いが、一度動き出せば止めることは難しい。コピーもそれぞれ自分を複製する能力を持っているので、十分なマナ(と歴史的カード)があれば屈強な軍勢をすぐに揃えられるだろう。対戦相手がこれをすぐに除去できなかった場合、完全に手に負えないことになり、私はそれを引き起こす方法は難しすぎることはないと確信している。

 2/2を作るのが柄ではないと言うのなら、《ウルザの秘本》のようなカードを使って昔ながらのカード・アドバンテージを得ることもできる。

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 《ウルザの秘本》は相手に差をつける効果的な手段であり、それ自体をどんどん活性化させる。まず歴史的カードを捨てて、次の起動ではそれを追放する。これは自然なプレイパターンで、もし先に歴史的カードが死亡していたら最初にカードを捨てなくてもこのパターンに入ることができる。これはすごいことで、私はリミテッドでこれを起動するのが楽しみだ。

 さて、歴史的の恩恵が両方向に向かっていることを考えると、次の質問は「それらが十分にあるのか?」となる。答えはイエスであるようで、アンコモンに伝説のクリーチャーが現れたことによって強化されている。《フェメレフの誇り、クェンデ》を取り上げよう(ちょうど現実で――これをドラフトで取るのと同じように)。

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 これのテキストやタイプ欄は通常レアで見かけるものだが、『ドミナリア』ではアンコモンで出てくる。これは歴史的カードが金色(のレアリティ・シンボル)だけのためのものではないことを示していて、そのことはこれらのテーマをドラフトすることに対して私を楽観的にしている。

歴史は君に目を向けている

 ここまで、さまざまな歴史的カードの相互作用と、その出現頻度の高さについて見てきたわけだが、これはつまりどういうことだろうか?

 これらのメカニズムはさまざまな方法で現れ、それらが参照する特徴(歴史的であるということ)を持つことに加えてさまざまなことを行うことができるので、私はこのセットは自由度が高いと見ている。これらはカード・アドバンテージ・エンジン(文字通りにも比喩的にも)だったり、ランプ要員だったり、アグレッシブだったり、単純に強力だったりする。この手の柔軟性は私の好みであり、どれかの方向性が他のものより強いのは間違いないが、歴史に触発されたものなら何でも作り出せるというこのアイデアは気に入っている。

 結局のところ、歴史は勝者によって記されるものであり、君がその力を操ることができれば、簡単にそうなるだろう。

LSV

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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