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企画記事
『ダスクモーン:戦慄の館』「ジャパン・ショーケース」アーティストインタビュー:TAPI岡
English Title: Special Interview with TAPIOCA Illustrator of “Enduring Tenacity” from Duskmourn: House of Horror’s Japan Showcase
本記事では、本日発表となった9月27日発売セット『ダスクモーン:戦慄の館』に収録される「ジャパン・ショーケース」のカードアートをご担当いただいた、TAPI岡 先生へのインタビューを掲載いたします。
※本記事の内容は本日発行の弊社プレスリリースと同一のものです
※取材日:2024年4月5日
※The English version is available at the bottom.
担当アート《永劫の不屈》(Enduring Tenacity)について
「《永劫の不屈》(Enduring Tenacity)」というカードテーマに対する第一印象は?
淡々と「その時」を待っているみたいな、燃えているようなイメージが沸きました。光の魂みたいなものがあり、それが。ただピカピカした光というよりは、炎みたいに揺らいでいるイメージが描く前にありまました。
「光霊」と呼ばれる新しいクリーチャー・タイプという設定に対する第一印象は?
光霊の説明を見た時に、「人やモノの思い出が光霊になる」という説明があって、物質そのものがなくなっても光霊自体は輝き続けるみたいな設定がすごく素敵だなと思いました。実際の生き物にはない、命の輝きみたいなテーマだなと思いました。
作品の色使いは、今回は金色が印象的ですが、どのように決定したのでしょうか。
光霊自体が輝いている魂みたいな存在なので、キラキラした感じを1番に出したいと考え、金色を選択しました。
描いていく中で、頭の中に浮かんだイメージや、先生ならではの解釈・補完したポイントがあれば教えてください。
今回は蛇の光霊を描くということと、背景のイメージだけはいただいていて、そこからイメージを膨らませていきました。蛇を神々しくみせるために、従者がいるような感じに見せたかったので、鹿やキツネを周りに描きました。なぜ、キツネかというと私が好きな生き物だからです(笑)。また、背景がボロボロの館のようなところなので、イスなども光の炎にして描いています。
制作する中で意識されたことはありますか
構図は、蛇をメインに主に見えるようにしました。威厳や堂々としている雰囲気を出したかったので、 眼差しが遠くを見据えている感じにしています。
特に頭を悩ませた・苦労した点があれば教えてください。
光霊は、光の物体なので、光自体を表現するのに苦労しました。ただピカピカ発光しているだけにはしたくなかったので、あえて蛇やその周りを光なのに実態があるかのように描きました。光というと、蛇の後ろから光らせるエフェクトを入れたりしがちなのですが、あえてそういう表現は入れずに、構成しました。
製作期間はどのくらいかかりましたか?
トータル2週間ほどで完成しました。最初に構図を構想するのですが、私は最もここに時間をかけています。構図が決まれば4、5時間くらいでラフを描き上げて、塗り込むのに10数時間かかったといった流れです。今回は指示書をいただいた時にぱっとイメージが出てきたので、比較的早く描き上げられました。
ラフ時のイラスト
イメージが固まった際のきっかけは?
指示書にあった参考画像の蛇の写真です。その蛇が正面を向いている可愛い蛇だったのですが、その顔を見て、蛇の顔を正面から描くと、かっこいいなと思って、まずそこがすぐに決まったのです。そこから、体はどうなるのか、背景はどうなるのか、のようにどんどん他の構成要素を考えていきました。描きたいキャラクターやシーンを固めたあとに、そのバックグラウンドや、 細かい要素を詰め込んでいきました。
特にお気に入りのポイントや見どころがあれば教えてください。
見てほしいのは、やはり光の表現ですね。かなり頑張って、ウロコ1枚1枚をこだわって描いていますので、細かいところは見ていただきたいです。
こんな隠しポイント・遊び心を入れていますなどあれば
蛇のまわりにいる6種のモノたちですね。蛇の設定を自分の中で作り上げたポイントです。キツネや鹿は鬼ごっこみたいな、追いかけっこをしています。そして手前のイスは、蛇のお気に入りのものだったもので、後ろに浮かぶパイは、好きな食べ物だったというストーリーを盛り込んでいます。私の勝手な妄想なのですが、生前というか、元々はそういうものが好きだったのではと感じ、入れてみました。魚やコウモリもいます。魚に関しては、光の炎を描いている中で、魚に見えたので魚にしました。
今回は動物がモチーフですが、動物を描くときに気を付けているポイントはありますか?
私は、もともと人より動物を描くのが好きで、動物を描いている方がテンションは上がります。人とは違い、動物は表情がつけにくいところが難しいです。また人間は肌ですが動物は毛皮や鱗など全体的な部分が違うので、その表現の違いを楽しんで描いています。
「マジック:ザ・ギャザリング」について
「マジック:ザ・ギャザリング」については、ご存知でしたか?
イラストレーターを目指していた時期に、たまたま「マジック:ザ・ギャザリング」のイラストを見かけて、こんなにすごいイラストがあるのかと思って、ルールも知らないのにパックを買ったのがきっかけでした。私の好きな油絵や絵画のようなイラストが多く、「マジック:ザ・ギャザリング」の絵に憧れるようになり、画集も買いました。「マジック:ザ・ギャザリング」のイラストは、密度がありつつ、見せたいところははっきりしている美しいイラストが多いので、とても参考になっています。
先生ご自身のお気に入りのキャラクターを教えてください
名前の響きが好きなのですけど、《のたうつウンパス》や《狩り立てられたウンパス》ですね。初めてこのカードの名前を聞いて、すごい印象に残っています。調べると、ちょっと面白くて、カワイイ感じの印象がありまして。獰猛な感じのクリーチャーなのですが、印象に残って、すごく気に入っています。
トレーディング「カード」のイラストを描くという点で、意識されている点はありますか?
カードは、イラストが実物になると小さくなるので、見せたい部分は大きく描くことや、下にテキストが入ることがあるので、なるべく下の方に重要なものは置かないようにしています。また色のコントラストは、前後感をはっきりさせないと、印象が出ないイラストになってしまうので、そういった点に気を付けて制作しています。
「マジック:ザ・ギャザリング」を手掛けるようになったのはいつからですか?
2021年発売の『神河:輝ける世界』の《大牙勢団の総長、脂牙》が最初に担当させていただいたイラストです。イラストの仕事を始めて1年ぐらいのころ、オファーをいただきました。「マジック:ザ・ギャザリング」のイラストを描くということは、1つの目標だったので、オファーをいただいたときは「こんなに早く、夢が叶っちゃった」と驚いたのを覚えています。
世界5千万人以上、70以上の国と地域にファンのいる「マジック:ザ・ギャザリング」のイラストを手掛ける魅力はいかがでしょうか?
「マジック:ザ・ギャザリング」は日本ももちろん、世界的に人気のあるカードなので、描いたイラストがいろんな世界の方に届くというのはすごく嬉しいですね。SNSで海外の方からイラストの感想をいただくことも増えました。また 「マジック:ザ・ギャザリング」は、カードにアーティストのサインを書く文化があるのですが、イベントに参加させていただいたときに、特に海外の方から書いてくださいといった声をいただいき、初めてサインをさせていただきました。そういった日本人の方はもちろん、海外の方からの反響や応援のコメントをいただけるのは「マジック:ザ・ギャザリング」ならではですし、ありがたかったです。
「マジック:ザ・ギャザリング」のイラストを手掛けてよかったことはありますか?
以前のサイン会の時に来ていただいた方が、私が描いたカードをデッキに入れて使ってくれていると言っていただいて、使いすぎてボロボロになるほどと言っていただいたのが嬉しかったです。
最後にファンへメッセージを頂ければ嬉しいです。
イラストを見ていただけるとすごく嬉しいですし、また自分の描いたイラストのカードを使ってプレイしてくれるととても嬉しいので、ぜひデッキに入れて楽しんでください。
<TAPI岡 先生 プロフィール(X:@wolftapioca)>
2020年4月、フリーランスイラストレーターとしての活動を開始。クリーチャー・モンスター・ケモノ等のジャンルを得意とする。
代表作:各種トレーディングカードゲーム、Fate/Grand Order 概念礼装、ライトノベル、JAM Project 20周年アルバムジャケット 等
Glimmer: Capturing Light with Substance and Elegance
In Duskmourn: House of Horror, the theme of “Glimmers” revolves around “memories of people and things becoming radiant spirits,” which I found to be a beautiful concept, akin to the brilliance of life. Instead of a shining light, the image I had in mind was more of a flickering flame. Since the glimmer itself is like a glowing soul, I chose gold as the main color to give it a sparkling effect. To give the snake a divine appearance, I surrounded it with attendants like deer and foxes. I chose foxes simply because they are my favorite animals. To convey this dignified atmosphere, I depicted the chair and other elements as flames of light.
Glimmers are light entities and expressing light itself was a challenge. I didn’t want it to just be a shiny glow, so I deliberately illustrated the snake and its surroundings as if they had substance, despite being light. I composed the illustration without adding any glowing effects.
WIP sketch of “Enduring Tenacity"
It took about two weeks in total to complete the illustration. I spent the most time conceptualizing the composition. Once the composition was decided, it took about 4-5 hours to draw the rough sketch and over 10 hours to paint. The reference image of the snake facing forward in the instruction sheet was striking, and it immediately inspired the image. From there, I quickly fleshed out the background and detailed elements, allowing for a relatively swift completion.
Magic: The Gathering: Artistic Inspiration and Insights
Since the illustration is smaller on actual cards, I drew the main points larger. Important elements are kept away from the bottom to accommodate the text box. I also paid attention to the color contrast to ensure the main illustrations stood out clearly and didn’t become indistinct.
When I was aspiring to be an illustrator, I was amazed by the incredible illustrations in Magic: The Gathering packs, even though I didn’t know the rules myself. I loved the oil painting and artwork styles and bought the art book. My favorite cards are 《Thrashing Wumpus》 and 《Hunted Wumpus》. The names left a strong impression on me. They are fierce creatures, but I find them amusing and cute, making them very endearing to me.
Illustrations from Magic: The Gathering are often dense yet clear in highlighting key elements, which has been very instructive. My first illustration for Magic: The Gathering was 《Greasefang, Okiba Boss》 from Kamigawa: Neon Dynasty. I received the offer about a year after I started working as an illustrator. Drawing Magic: The Gathering illustrations was a goal of mine, so I was surprised and thrilled that my dream came true so quickly. Magic: The Gathering is globally popular, so it’s exciting to know that my illustrations reach people worldwide and receive feedback on social media. It was also gratifying to hear at a Magic: The Gathering signing event that a player had used my card in their deck so extensively that it became worn out.
Message for the Fans
I would be delighted if you would look at my illustrations and it makes me very happy when fans play with the cards I have illustrated. Please include them in your deck and enjoy playing!
<Profile of TAPIOCA(X:@wolftapioca)>
• Started working as a freelance illustrator in April 2020.
• Specializes in creatures, monsters, and beast genres.
• Notable works include various TCGs, light novels, and the JAM Project 20th Anniversary album cover.
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