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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Cabal is back!(スタンダード)

岩SHOW

 陰謀団。長らくドミナリアにて活動を行っている悪の秘密結社・犯罪組織だ。『オデッセイ』~『スカージ』までの一連の物語で主に悪役として、この陰謀団に所属するキャラクターが複数登場した。これを統べる総帥が死亡したことにより、この組織は消滅したものかと思われていた。

 しかしこの組織の根はドミナリアに蔓延り続けた。悪魔の王ベルゼンロックを崇拝する集団として生まれ変わった組織。率いるはアンデッドとなったジョス、リリアナの兄だ。

 陰謀団っていう響きがもう最高にクールで、個人的にはファイレクシアと並ぶ好きな勢力。なので復活は嬉しい限りだ。ちなみにマイベスト陰謀団カードは《サディストの催眠術師》。『ドミナリア』の中から選ぶのであればやはり《リッチの騎士、ジョス・ヴェス》になるかな。

 キッカー込みで10マナというとんでもないコストに威迫持ちのゾンビ・騎士トークンを8体も生成するという馬鹿げた能力。マジックをやっているのであれば一度は実戦の場で決めてみたいものである。

 10マナ捻出する方法……う~む。パッと思いつくのは《陰謀団の要塞》。

 《》の数だけマナを出すこの土地を、完全なる黒単デッキに組み込んで火を噴かせる。一度は誰もが考えたんじゃないかな。じゃあ実行してみたかというと、なかなかできていないのも実情だろう。今日はこの伝説のゾンビのフルパワー状態を引き出すことにチャレンジしたデッキを紹介しよう!

Mario Rodenas Lopez - 「黒単コントロール」
グランプリ・バーミンガム2018(スタンダード) 初日全勝 / スタンダード (2018年5月12~13日)[MO] [ARENA]
21 《
3 《陰謀団の要塞
-土地(24)-

2 《豪華の王、ゴンティ
2 《リッチの騎士、ジョス・ヴェス
1 《原初の死、テジマク
3 《歩行バリスタ
-クリーチャー(8)-
4 《致命的な一押し
2 《アゾールの門口
1 《喪心
1 《渇望の時
4 《大災厄
2 《バントゥ最後の算段
4 《ヴラスカの侮辱
2 《闇の取り引き
1 《不帰 // 回帰
1 《橋上の戦い
2 《霰炎の責め苦
4 《ウルザの後継、カーン
-呪文(28)-
4 《強迫
3 《没収の曲杖
2 《アルゲールの断血
1 《渇望の時
2 《失われた遺産
1 《バントゥ最後の算段
1 《黄金の死
1 《橋上の戦い
-サイドボード(15)-
 

 う~んこれぞ黒単コントロール! 黒コンじゃ! 優秀な除去、アドバンテージ獲得手段、必要最低限のクリーチャー、20枚を超える《》……『トーメント』の頃が懐かしいなぁ。とにかく除去りまくっていれば環境に溢れるクリーチャーデッキ相手に負けることはない、そんな信念を感じさせる。

 やりたいことは盤面を掌握してからのキッカー込みジョス・ヴェスでドンッ!とわかりやすい。返しで対処されなければ勝ち、というわかりやすいフィニッシャーが嬉しいが、それでも10マナはやっぱり重い。

 《陰謀団の要塞》を使って10マナを目指すのであれば《》を7枚並べる必要がある。これだけ聞くとそう難しくなくも聞こえるが、実際は《陰謀団の要塞》を2枚以上引くと苦しくなったりと、こればかりに頼るわけにはいかない。そこで採用されているのが《アゾールの門口》だ。

回転

クリックで変身します

 このデッキには1~7マナまで幅広いカードが採用されている。このアーティファクトの能力を数ターンに渡って起動していれば《太陽の聖域》に変身させることができるはずだ。そうなれば10マナなんて楽勝、イージー! お約束の《橋上の戦い》にマナを注ぎまくってライフを倍にしたり、単純に《アゾールの門口》の能力で手札を整えていくのが強かったりと、黒コンには必需品に見える1枚だ。闇の犯罪組織と太陽を崇める聖域なんて、ファンタジー度が高くてそそるじゃないか。

 《霰炎の責め苦》でのフィニッシュも決めてみたいところ。マッチに敗れてもジョスや霰炎で一本取ったのであれば満足度は優勝クラス!

 このデッキでも《ウルザの後継、カーン》が4枚ドカッと。

 黒単色のプレインズウォーカーとなると、現スタンダード環境には5マナ以上のカードしかない。そこに颯爽と現れた、4マナで黒単で使えてアドバンテージが取れるカーンは……使わない手はないよね!

 何も考えずにデッキに突っ込んだ場合、ただ土地をくれるだけのカードに成り下がってしまうことの多いカーンだが、このデッキではその土地をくれることがまず嬉しいのでその辺の心配は無用だ。このデッキではブロックしてやるクリーチャーを出してやることはあまりできないが、これだけの量の除去で捌きまくれば安全な戦場に出すことは難しいことじゃない。初期忠誠度も高く、それを活かしてうまくこちらを殴らせるように誘導すればライフを儲けることもできるだろう。

 とにかく使っていて楽しそうなデッキ、それに尽きる。《悪魔王ベルゼンロック》を採用するのも良いんじゃないかな。白いビートダウンデッキが多ければ《悪意の騎士》というブロッカーで応戦する手もある。各々、好きな黒いカードで固めて、陰謀団の勢力図拡大に貢献しようじゃないか。

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