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マジック組織化プレイの変更について

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マジック組織化プレイの変更について

アーロン・フォーサイス / Translated by YONEMURA "Pao" Kaoru

2011年11月2日



 ここ数ヶ月にわたり、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの組織化プレイ・チームは、プレインズウォーカー・ポイントの導入とプレミア・プレイの再構築に取り組んできました。この2つの変更の時期が重なっており、多くのイベントが影響を受けるので、この2つのプログラムは密接に絡み合って切り離すことのできないものであるかのように思われていますし、実際にそうだと思います。組み合わせて、この組織化プレイの変更は非常に興奮できるものになりましたが、様々な疑念がソーシャル・メディアや掲示板、その他のウェブサイト上で上がっているのも事実です。今日のお知らせも同じように熱烈な反応を生み出すでしょうが、その声を聞かせて下さい。

 マジック開発部長として、私はプレイヤーの声に耳を傾けます。プレイヤーのいるところであれば、それこそ家の台所からカードショップ、プロツアーのライトの下まで、すべてが私の職務です。私は、プレイヤーの皆さんが幸せになるような決定をしたいと思っています。もし幸せでなかったなら、最悪の場合でも、納得してもらえるような説明をしたいと思っています。私も、皆さんも、そしてウィザーズの全員が、同じことを思っています。

 そういった人々の中の一人が、組織化プレイのディレクター、ヘレン・バーゴット/Helene Bergeot です。これらの変更を設計したのは、ヘレンと彼女のチーム(と、開発部やブランドからの意見)です。この変更に関する疑念を解決するために、ヘレンは私がプレイヤーから聞いてきた、組織化プレイがこの新システムで何を目指しているのかという質問に答えてくれることになりました。

Q: プレインズウォーカー・ポイントを導入した時に、プロツアーのシステムに影響を及ぼすのではないかという危惧が囁かれていました。プレインズウォーカー・ポイントは、技術に基づく招待を決めるのには不十分であり、高いレベルのイベントで成績を残すよりも小さいイベントに大量に出て勝ち続ける方がプロツアーに招待されやすくなるというように認識されています。このあたりはどうなんですか?

HB: プロツアーの目標は一つです。高いレベルのプレイを盛り上げ、世界最強のプレイヤーたちを褒賞するのです。従って、プロツアーは競技プレイヤーにとっての最高レベルの場所であり、世界中の何百万というプレイヤーが夢見るのです。

 (FNMで勝ちまくるとか)プレインズウォーカー・ポイントを貯めることでプロになれるという認識は理解しています。しかし、私たちはそうは考えていません。小さなイベントにだけ出ていても、プロツアーにまでは手が届かないでしょう。また、このことについては私たちも注視しています。プロツアー「闇の隆盛」への招待を見て、もし小さなイベントでばかり結果を残しているプレイヤーが招待されているようでしたら、システムを変更することになるでしょう。

Q: ウィザーズはこの変更で、プロツアー・プレイヤーをどうしたいのでしょう?

HB: 世界最強のプレイヤーたちを褒賞するということを踏まえて、私たちのプロツアーに関する意図には、もっとも優秀なプレイヤーたちが再び予選を通過することなくプロツアーに招待したいということがあります。2011年に関しては、プロ・プレイヤーズ・クラブがその役を担っていました。2013年にプロ・プレイヤーズ・クラブに代わって発足する新しいシステムは、マジックの強豪たちが毎回大イベントに参加できるようにするという目的を持っています。当面の話をすれば、プロ・プレイヤーズ・クラブの特典は2012年の間は有効です。

Q: フライデーナイト・マジックのイベント倍率が3倍であるということが混乱を招いています。プロ(や、上を目指すプロ)はプロツアーに招待されるためにFNMに参加しなければならないということでしょうか?

HB: ここで明確にしておきたいのは、FNMはプロツアーへの招待を決めるものではない、ということです。プロ・プレイヤーがプロツアーに出続けるためにFNMに参加しなければならないようにするという意図はありませんし、FNMを次々と回って勝ったとしても、それだけでプロツアーに出られるようにするつもりはありません。フライデーナイト・マジックは楽しみのためのものであり、プロレベルの競技会ではありません。プレインズウォーカー・ポイントのせいでFNMがぎすぎすしたものになっているのだとしたら、システムを変更することになるでしょう。

Q: FNMといえば、もう一つ。なぜレガシーはFNMで使えないんでしょうか?

HB: レガシーは、組織化プレイへの入り口としてふさわしいフォーマットではありません。FNMはマジックのプレイヤーが地区のイベントに参加する入り口として用意されていて、レガシーはその目的にふさわしくないのです。

 FNM以外にも無数のイベントが存在しますし、WPN店舗の中には地区のプレイヤーの要請に応えてレガシーを強くサポートしているところも多くあります。

Q: プレインズウォーカー・ポイントに関してですが、プロツアーへの近道は何でしょう?

HB: プロツアー予選で勝ち抜くか、あるいはグランプリのような大型の競技イベントでプレインズウォーカー・ポイントを稼ぐかすれば、プロツアーに参加できます。

 プロツアーへの招待の大半は、プロツアー予選によるものです。次とその次のプロツアーに関しては、(マジック・オンライン予選に加えて)プロツアー予選による招待枠が200人、プレインズウォーカー・ポイントによる招待枠が100人となっています。この割合は将来変更するかも知れませんが、来年に関してはこう予定されています。プロツアー予選とプレインズウォーカー・ポイントによる招待のどちらにも、トラベル補助が提供されます。

Q: グランプリはプロツアーへの招待を与えなくなりました。これによって、プロツアーの参加者数は大きく減るのではないですか?

HB: プロツアーはマジックの競技の頂点であり、それを満たす参加者数は今よりも少なくなります。グランプリとプロツアーを切り離したことで、プロツアーに悪影響をもたらすことなくグランプリを増やすことができるようになりました。これはプレイヤーにとっても望ましいことです。

Q: 一見すると、プレインズウォーカー・ポイントはプレイヤーがイベントからドロップしないように薦めています。加えて、会場を離れたいときには、公式にドロップしなくてもレーティングを失うことなく離れることができます。これは問題ないのですか?

HB: いいえ、問題がないとは考えていません。それは意図していませんでした。このシステムは参加することを推奨するようにデザインされており、イベントの他の参加者に無礼を働くことを推奨するつもりはありません。主催者は、イベントから退出したプレイヤーの履歴を取っておくべきで、それは良いトーナメント運営の一部になります。このことが実際に何らかの問題を引き起こしたなら、これも改善することになるでしょう。

Q: 生涯プレインズウォーカー・ポイントは何の役に立ちますか?

HB: 現在、生涯プレインズウォーカー・ポイントはあなたのPWPレベルを決定するのに用いられています。これはあなたがマジックにどれだけ取り組んできたかを示してくれます。生涯プレインズウォーカー・ポイントは、あなたがマジックでどれだけ実績を積んできたかの総合計を見せてくれる唯一の手段なのです。

Q: このシステム全体があまりにアメリカ中心的です。アメリカには多くのプレインズウォーカー・ポイントが得られる大きなイベント(StarCityGames.com Openなど)がたくさんあり、グランプリもヨーロッパや日本に比べてあまりにも多くなっています。また、小さい国は、世界選手権への招待を受けることもなくなりました。なぜですか?

HB: 各地域ごとのグランプリの上限を、プレイヤーの人口に応じて定めました。各地域のチームは、その市場規模に合わせて数を変更することができます。

 WPNプレミアムトーナメント(StarCityGames.com Openなど)はどの地域でも開催できますし、今後この種のイベントを多くの組織が開いてくれることを期待しています。興味があるプレイヤーは、自分の行きつけの店で相談してみて下さい!

Q: これらの変更を踏まえて、プレインズウォーカー・ポイントが組織化プレイのありかたをかき乱していることは明らかです。この展望についてどう考えていますか?

HB: プレインズウォーカー・ポイントは、参加することを奨励する新しいレーティング・システムです。組織化プレイのあり方をかき乱すのではなく、組織化プレイが必要な理由を問い直しているというべきでしょう。そして、あらゆるレベルのプレイヤーが参加に向かうようにしているのです。組織化プレイの方針をぶれさせているわけではありません。プロプレイヤーと非プロプレイヤーが存在するのはかわりありませんし、システムを監視し、バランスを適正に保つことを約束します。


 今回の変更は世界中のプレイヤーに影響を及ぼしますし、ここで述べきれるものでもありません。

 いいニュースは、今やっていることはもうほとんど問題なく動いているということです。プレイヤーから、今回のシステムでやる気が出たという声は沢山届いていますし、コミュニティが活気づいたという声も、参加者数が爆発的に増えたという声も届いています。さらにいいニュースとしては、私たちはこの現在のシステムよりも良いシステムを常時求めているということをお伝えできます。そのために、皆さんの意見が必要です。

 実際のところ、私たちは皆さんの意見を募集するためのプレイヤー・アンケートを始めました。アンケートにお答え下さる方は、こちら(リンク先は英語)にお進み下さい。アンケートの結果が出たら皆さんにお伝えします。ツイッター(@mtgaaron)でのご質問も承っております。(編訳注:英語にてお願いいたします。)

 ヘレン・バーゴットと、ここまでお読み下さった皆さんに感謝します。

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