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Making Magic -マジック開発秘話-

デザインファイル:『ミラディン』その1
2026年3月3日
2024年、私は「デザインファイル」という新シリーズを始めた。昔は、『マジック』セットのファイルを引き継ぐ(提出する)たびに、引き継いだデザインの最後の時点のファイルをコピーして保管していたのである。デザインファイルでは、そのファイルを見返し、そこに入っていたカードを紹介していく。デザインの一部は(多くの場合変更を加えて)実際にそのセットで印刷したカードになり、また別のカードは忘却の彼方へ消えた(あるいは未来のセットで登場した)。
これまでに扱った3つのセットは以下だ。
- デザインファイル:『テンペスト』(その1、その2、その3、リンク先は英語)
- デザインファイル:『ウルザズ・デスティニー』(その1、その2、その3)
- デザインファイル:『オデッセイ』(その1、その2、その3、その4)
今回は、私がデザイン・リードを務めた4つ目のスタンダードで使用可能なセット、『ミラディン』について語っていく。『ミラディン』ブロックは、私が「マジックのデザイン第3期」と呼ぶ時代における、最後から2番目のブロックであった。この時代、各ブロックには中核となるメカニズム・テーマがあった。『インベイジョン』ブロックのテーマは多色、『オデッセイ』ブロックのテーマは墓地、『オンスロート』ブロックのテーマはタイプ的であった。私は(ウィザーズに来る前に一番好きだったセットが『アンティキティー』であったことからもすぐ察せられるだろうが)アーティファクトに焦点を当てたブロックを作りたかったので、当時の首席デザイナーであったビル・ローズ/Bill Roseに、私がブロックのリードを務めてもよいかと頼み、彼は快諾した。なお『ミラディン』が作られたのは、今日の「先行デザイン/展望デザイン/セット・デザイン/プレイ・デザイン」という体制が整う前、デザイン・チームとデベロップ・チームの時代であることを覚えておいてほしい。
始める前にもう1点。このシリーズのやり方を変えることにした。カードを複数のセクションに分けるのではなく、提出ファイル全体を順番どおりに掲載し、読み進めながらカードについて語っていく。すべてのカードにコメントするわけではない。
このファイルは4本の記事に分ける。今回は、『ミラディン』デザイン・ファイルの白と青のカードをすべて見ていく。
「ベーコン」デザインファイル
2001年7月28日
『ミラディン』ブロックのセットは、開発コードネームとして「ベーコン」「レタス」「トマト」と名付けられていた。
CW01_BCN
〈従者の兵士〉
{W}
クリーチャー ― 兵士
1/2
[カード名]は装備しているかぎり、+0/+2の修正を受け、先制攻撃を得る。
これは、装備されている間は強化されるコモン・クリーチャーのサイクルの一部であった。最終セットでは白のカード(《空狩人の若人》)だけが残ったが、数値は異なっており、先制攻撃の代わりに飛行を得る。
CW02_BCN
〈胞子の兵士〉
{1}{W}
クリーチャー ― 兵士
1/3
{W}, [カード名]を生け贄に捧げる:このターン、クリーチャーが与えるすべての戦闘ダメージを軽減する。
このカードはセットから削除された。のちに『神河謀叛』で《偽りの希望の神》として、少し小さくなって復活することになる。
CW03_BCN
〈魂なき守護者〉
{1}{W}
クリーチャー ― クレリック
1/1
アーティファクトが1つ戦場に出るか戦場から墓地に置かれるたび、1点のライフを得る。
このデザインは《レオニンの古老》になった。死亡誘発(戦場から墓地へ置かれたとき)は、このカードには不要だと判断されて削られ、そのぶんマナ・コストを下げることができた。
CW04_BCN
〈ハイガード〉
{5}{W}
クリーチャー ― 兵士
2/3
飛行
[カード名]は攻撃時にタップされない。
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
製品版では、親和(アーティファクト)は青のカードと無色のアーティファクトにのみ存在した。だが、このデザイン提出ファイルでは、緑以外のすべての色に入っていた。我々は、緑を「最もアーティファクトを嫌う色」にしようとしていた。
CW05_BCN
〈磁気の騎士〉
{3}{W}
クリーチャー ― 兵士
3/2
{W}:[カード名]へのダメージを1点軽減する。
昔の白は、ダメージ軽減効果がもっと多かった。明らかに、この頃にはそれを減らし始めており、だからこそこのクリーチャーは採用されなかったのだろう。
CW06_BCN
〈グロムリング〉
{W}
クリーチャー ― 兵士
1/1
{W}, {T}:アーティファクト1つを対象とする。それをタップする。
このカードは《オーリオックの貫通者》として印刷に至った。ほぼ同一だが、タイプが人間・スカウトになっている。ここで注目してほしいのは、このデザイン提出ファイルには人間が登場しない点である。これは当時、クリエイティブ・チームがまだ「種族と職業」というクリーチャー・タイプ提案を出していなかったからだ。多くの人型クリーチャーに「種族を表すタイプ」と「仕事や役割を表すタイプ」を1つずつ与える、というあの提案である。提案が出たのはデベロップメント中であり、その副作用として人間というクリーチャー・タイプが導入された。それ以前、ほとんどのクリーチャーはタイプが1つだけだったため、人間を描いたクリーチャーは常に「職業」がタイプとして記載されていた。これは当時かなり論争的で、開発部内では人間の追加について大規模な議論がいくつも起きた。我々は最終的に、「人間のタイプ的カードは作らない」という条件付きで合意した。だが、この決定も後に『イニストラード』で覆すことになる。
CW07_BCN
〈魂の先達〉
{2}{W}
クリーチャー ― クレリック
1/4
[カード名]がブロックしたとき、@を得る。(このエネルギーは消費するまで失われない。)
エネルギーは、『ミラディン』のデザイン提出ファイルにおいて最も目立つ要素の一つでありながら、印刷に至らなかったものでもある。@がエネルギーの記号である。のちに『カラデシュ』のデザインでは、エネルギー・シンボルがこのエネルギーを表すために使われることになる。『ミラディン』はアーティファクト・セットであるため、私はアーティファクトで新しいことをしたかった。『ホームランド』の《鋸刃の矢》に触発され、回数制限のあるアーティファクトを作った。さらに、その使用回数をアーティファクト同士で共有できるようにするという発想に至り、そこからエネルギーにつながった。
しかしデザイン提出ファイルには詰め込みすぎており、ビル・ローズから「何かを削れ」と言われた。見ていけば分かるが、アーティファクト関連とエネルギーが2大テーマであり、アーティファクトは我々の中核であった。エネルギーは構造的な相乗が薄く、最も外しやすかったので、私はそれをファイルから抜き、後に適切な居場所を見つけるつもりでいた。実現まで10年以上かかったが、実際に実現したのである。この提出ファイルでは、エネルギーを使うのはアーティファクトだけだが、エネルギーを得ること自体は全色に許していた。明らかに当時は、エネルギー経済をまだ解き切っていなかった(それはデベロップメントで詰める部分であるため)。エネルギーを導入した『カラデシュ』では、エネルギーを使うカードのほとんどがエネルギーを生みもする。さらに無色カードだけでなく有色カードにも登場し、アーティファクトだけに限られなくなった。
CW08_BCN
〈遺産ハンター〉
{2}{W}
クリーチャー ― 人間
2/2
[カード名]が戦場に出たとき、あなたの墓地のアーティファクト・カード1枚を対象とする。それをあなたの手札に戻してもよい。
このカードは黒へ移り、《モリオックのゴミあさり》になった。当時、これはこのセットの《グレイブディガー》枠だと判断した。皮肉なことに、(現代の観点から見れば)この提出ファイルの配置のほうがカラー・パイとしては正しい場所だったのである。
CW09_BCN
〈正義の目的〉
{5}{W}
インスタント
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。
『ミラディン』の親和(アーティファクト)カードは8枚しかない。だが、このデザイン提出ファイルにはもっと多く入っていた。
CW10_BCN
〈救済の恩寵〉
{1}{W}
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。次にそれに与えられる3点のダメージを軽減する。この方法で軽減されたダメージ1点につき、あなたは@を得る。(このエネルギーは消費するまで失われない。)
デザインは、色の枠内でエネルギーを得るさまざまな方法を試していた。
CW11_BCN
〈追放〉
{2}{W}
インスタント
アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とする。それを追放する。
これは、私がカラー・パイを少し整理していた時期である。私がやったことの1つは、アーティファクト破壊(とエンチャント破壊)を白ではなく緑へ寄せることであった。その一環として、『オンスロート』で《解呪》の置き換えとして《帰化》を印刷した。『ミラディン』が印刷へ向かう頃には、緑をアーティファクトとエンチャント除去のメイン色にすることに成功しており、その結果セット内の白の《解呪》系カードはすべてカットされた。何年も後になって、白と緑のどちらもアーティファクトとエンチャントを除去できる、という方針に落ち着く。
UW01_BCN
〈聖なる救世主〉
{2}{W}
クリーチャー ― ?
1/4
{W}, {T}:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに次に与えられるX点のダメージを軽減する。Xは[カード名]のパワーに等しい。
完成したセットでダメージ軽減効果を持つカードは4枚しかない。現代基準では多いほうだが、提出時点よりはかなり少ない。ここで指摘しておきたいのは、クリーチャー・タイプ行の「?」である。通常はカードのあらゆる要素を何かで埋めるが、そうしないこともあったのだ。
UW02_BCN
〈純潔のデルヴィッシュ〉
{2}{W}
クリーチャー ― デルヴィッシュ
0/0
飛行
[カード名]は+1/+1カウンター1個が置かれた状態で戦場に出る。
[カード名]が他のプレイヤーにダメージを与えるたび、これの上に+1/+1カウンター1個を置く。
『レジェンド』には《疾風のデルヴィッシュ》というクリーチャーがいて、対戦相手に戦闘ダメージを与えるたび大きくなった。
私はこのカードの大ファンだったので、『ミラディン』のデザインでは白と赤に「デルヴィッシュ」を作った。元のデザインでは0/0として+1/+1カウンターを1個置いて戦場に出る形にしていた。追跡が容易になる、という狙いである。デベロップメントはこれを5枚サイクルへと広げ、新たなクリーチャー・タイプである「スリス」を作った。
UW03_BCN
〈栄光の鷲〉
{1}{W}{W}
クリーチャー ― 鳥
1/3
飛行
{2}{W}, [カード名]を生け贄に捧げる:アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とする。それを破壊する。
《解呪》効果を白から外す流れの中で、これもカットされた。
UW04_BCN
〈フー・ファイター〉
{1}{W}
クリーチャー ― 兵士
2/1
先制攻撃
クリーチャーでない発生源が[カード名]に与えるダメージはすべて0になる。
これは、プロテクションの要素を別の形で捉えようとした試みを示している。
UW05_BCN
〈攻撃するグリフィン〉
{W}{W}
クリーチャー ― グリフィン
2/2
飛行
UW06_BCN
〈不動の砦〉
{6}{W}
クリーチャー ― 砦
2/5
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
対戦相手がコントロールする呪文や能力が、あなたがコントロールするアーティファクト1つを対象とするたび、あなたは2点のライフを得る。
親和(アーティファクト)は大量のアーティファクトをプレイすることを要求するため、我々はアーティファクトとの相互作用をいろいろ試した。
UW07_BCN
〈考古学者〉
{3}{W}
クリーチャー ― 人間
2/3
[カード名]が防御プレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたの墓地にあるアーティファクト・カード1枚を対象とする。それをあなたの手札に戻す。
『アンティキティー』の《Argivian Archaeologist》は私の好きなカードの1枚であり、ここではそれを少しアレンジしたバージョンを作ろうとしていた。
最終的に、白にアーティファクト版《新たな芽吹き》効果を持たせるのはやめた。だが何年も後、色の評議会はこの決定を覆すことになる。『アンティキティー』への私の愛は、このデザイン提出ファイル全体の大きなテーマである。
UW08_BCN
〈農耕送り〉
{5}{W}
インスタント
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
攻撃クリーチャー1体を対象とする。それを追放する。
白の親和(アーティファクト)除去呪文を作ろうとした試みである。
UW09_BCN
〈減少〉
{1}{W}
インスタント
以下の能力から1つを選ぶ。畏怖、飛行、先制攻撃、速攻、土地渡り、プロテクション、再生、トランプル。すべてのクリーチャーはターン終了時まで選ばれた能力を失う。
問題になりうるクリーチャー能力への回答策を作ろうとしたカードである。だが、カード枠を割くほどの強さに届かなかった。
RW01_BCN
〈友好的な天使〉
{9}{W}
クリーチャー ― 天使
5/5
飛行、プロテクション(アーティファクト)
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
親和(平地)(戦場にあるあなたの平地1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
基本土地タイプへの親和は『ダークスティール』で初登場するが、元々は『ミラディン』に入れる予定だったのである。
RW02_BCN
〈クールな猫〉
{1}{W}
クリーチャー ― 猫・兵士
2/1
すべての白のクリーチャーは「{W}{W}, このクリーチャーを生け贄に捧げる:アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とする。それを破壊する」を得る。
過去の提出ファイルを見返すたび、私は特定の効果がいかに頻繁に現れるかに驚かされる。これはたしか3つ目の《解呪》効果であり、結局どれも印刷されなかった。
RW03_BCN
〈祝福された守護者〉
{1}{W}{W}
クリーチャー ― クレリック
1/3
[カード名]が戦場に出るに際し、色を1つ選ぶ。
あなたのすべてのアーティファクトはプロテクション(選んだ色)を得る。
提出時点では自分のアーティファクトを守る、という白のテーマがあった。だが、このデザインの多くは印刷されなかった。
RW04_BCN
〈太陽歩き〉
{3}{W}
クリーチャー ― クレリック
1/2
{1}{W}{W}:あなたか対象のクリーチャー1体に、選んだ発生源が与えるすべてのダメージを軽減する。軽減したなら、これにより軽減されたダメージ1点につき@を得る。(このエネルギーは消費されるまで失われない。)
これは、エネルギーを生むもう一つのダメージ軽減効果である。
RW05_BCN
〈減速〉
{W}
エンチャント
[カード名]が戦場に出たとき、カードを1枚引く。
各ターン、アーティファクトは1つしか唱えられない。
RW06_BCN
〈中性子爆弾〉
{3}{W}{W}
ソーサリー
すべてのエンチャントと、すべてのアーティファクトでないクリーチャーを破壊する。それらのクリーチャーは再生できない。
印刷したセットには全体除去(《陽光の潮流》)とエンチャント一掃呪文(《光の大嵐》)はあるが、両方同時に行うものはない。
RW07_BCN
〈栄光の軌跡〉
{1}{W}{W}
インスタント
このターンに墓地に置かれたすべてのパーマネントを戦場に戻す。
これは《第二の日の出》になった。いわゆる「脳内印刷/brain to print」に近いカードで、デザインしたものがほぼそのまま完成カードへ到達した例である。印刷版では、戻すパーマネント・タイプが列挙されている。現在ではパーマネント・タイプが増えたため、この点が重要になった。
RW08_BCN
〈神託の賢者〉
{X}{W}
エンチャント
[カード名]が戦場に出る際、数を1つ選ぶ。
マナ総量がその数に等しい呪文は唱えられない。
ゲイリー・ワイズ/Gary Wiseは「マジック・インビテーショナル」で《虚空の杯》のデザインを提出しており、我々はそれを『ミラディン』に入れることにした。これは杯に近すぎたのでカットした。
RW09_BCN
〈改装〉
{1}{W}
インスタント
すべてのアーティファクトを追放する。ターン終了時、それらをそれぞれのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
私は『ウルザズ・デスティニー』で《ちらつき》をデザインした。長年にわたり、全体《ちらつき》カードを作ろうとし続けた。何枚かは後年に実現したが、『ミラディン』では実現しなかった。
RW10_BCN
〈戒厳令〉
{2}{W}
エンチャント
土地は、コントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。
各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは自分がコントロールする土地1つをアンタップする。
少し弱い《停滞》? これがカットされてよかった。
CU01_BCN
〈魔術師の従者〉
{U}
クリーチャー ― ウィザード
1/1
[カード名]は装備しているかぎり、+1/+1の修正を受ける。
これは「装備されている間強化される」サイクルの青のクリーチャーだ。
CU02_BCN
〈ホーンズウォグラー〉
{4}{U}
クリーチャー ― ウィザード
1/1
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
{1}{U}, {T}:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは@を失う。失った場合、あなたは@を得る。(このエネルギーは消費するまで失われない。)
これは親和(アーティファクト)とエネルギーを混ぜたカードである。また、このカードが示すように、当時の青には「対戦相手からエネルギーを奪う」ことを許していた。だが、エネルギーが実際に登場した『カラデシュ』では、これは実装されなかった。
CU03_BCN
〈ヴィダルケンの追放者〉
{3}{U}
クリーチャー ― ヴィダルケン
2/2
あなたの手札からアーティファクト・カード1枚を捨てる, {T}:クリーチャー1体を対象とする。それをオーナーの手札に戻す。
繰り返しクリーチャーをバウンスするのは、あまり楽しくないことが分かった。このカードはアーティファクト・カードをリソースとして使う小さなテーマを示している。
CU04_BCN
〈ヴィダルケンの回転者〉
{1}{U}
クリーチャー ― ヴィダルケン
1/2
アーティファクト1つが戦場に出るたび、パーマネント1つを対象とする。それをタップする。
この提出ファイルには、いわば「アーティファクト上陸」、つまりアーティファクトが戦場に出たときに誘発する効果をもつカードが何枚もある。完成版セットにも同種のカードはあるが、出力が変更されているものが多い。
CU05_BCN
〈旋風〉
{5}{U}
クリーチャー ― ヴィダルケン
3/2
飛行
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
ヴィダルケンがドローンになったこと以外、これはそのまま《厳粛な空護り》である。
CU06_BCN
〈テクノメイジ〉
{2}{U}
クリーチャー ― ウィザード
2/2
防御プレイヤーがアーティファクトをコントロールしているかぎり、[カード名]はブロックされない。
これは《ニューロックのスパイ》になった。デザイン的には、土地渡りになぞらえた「アーティファクト渡り」を作ったようなものである。
CU07_BCN
〈霊気のバウンス〉
{7}{U}
ソーサリー
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
クリーチャー最大2体を対象とする。それらをオーナーの手札に戻す。
親和(アーティファクト)は青に残ったが、この効果自体はカットされた。
CU08_BCN
〈故障〉
{U}
インスタント
アーティファクト呪文1つを対象とする。それを打ち消す。
私はこのカードがとても好きだった。『ウルザズ・サーガ』で初登場した《無効》の完全下位互換であるが、アーティファクトが重要な環境なのだから、完全下位互換であっても許されると私は考えていた。私は『ミラディン』を通して、「再録は環境次第で強さが変わりうる」という点をいくつも示そうとしていた(《恐怖》と《粉砕》の話は後ほど)。弱いが、それでも使えるかもしれない呪文、というアイデアが気に入っていたのである。デベロップメントは「それなら《無効》にすべきだ」と主張し、我々は何か月も議論した。結局、私は負け、〈故障〉は《無効》になった。
CU09_BCN
〈亀裂研究〉
{2}{U}
ソーサリー
カードを3枚引き、その後カード2枚かアーティファクト・カード1枚を捨てる。
これは《知識の渇望》の原型である。私は、アーティファクトを多くプレイすることに報いる青のドロー呪文を探しており、これが当時の最良案だった。興味深いのは、これは「脳内印刷」ではないのに、そこから一連のデザインが生まれていった点である。
CU10_BCN
〈置き換え〉
{U}
インスタント
アーティファクト1つを対象とする。それをオーナーの手札に戻す。
〈故障〉と同様、既存カードのより限定されたバージョンを作ろうとしていたが、結局はアーティファクトだけを戻すのではなく、パーマネントを戻す通常のバウンス《逆行》になった。
CU11_BCN
〈ごちゃつき〉
{U}
インスタント
呪文1つを対象とする。それのコントローラーがあなたがコントロールするアーティファクト1つにつき{1}を支払わないかぎり、それを打ち消す。
この呪文は《踏みにじり》になった。興味深いことに、我々はコストを{2}にしており間違いだった。
UU01_BCN
〈ヴィダルケンの発明家〉
{X}{U}{U}
クリーチャー ― 鍛冶屋
2/2
[カード名]が戦場に出たとき、あなたはあなたのライブラリーからマナ総量がX以下の装備品カード1枚を探し、それを戦場に出してもよい。
『ミラディン』は装備品の初登場セットであったため、各色が装備品とどう相互作用するかをいろいろ試した。最終的には「全色が装備品と関わる必要はない」と判断した。完成版では、白に《タージ=ナールの剣鍛冶》で装備品のサーチを与えている。
UU02_BCN
〈スマブラ〉
{5}{U}
クリーチャー ― ウィザード
1/1
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
{T}:呪文1つを対象とする。それのコントローラーがあなたがコントロールするアーティファクト1つにつき{1}を支払わないかぎり、それを打ち消す。
これは、アンコモンのタップすることでコモン呪文と同じことをする能力である。良い教訓:繰り返し使える打ち消しは、あまり楽しくない。
UU03_BCN
〈工匠〉
{3}{U}
クリーチャー ― ヴィダルケン
2/2
あなたがコントロールするアーティファクト・装備品は、装備コストが{1}少なくなる。
この効果は最終的に白へ移り、カードは《オーリオックの鋼打ち》になった。我々は、装備品を気にする色は白であるべきだと判断したのである。
UU04_BCN
〈鳥の予見者〉
{1}{U}
クリーチャー ― 鳥
1/1
飛行
[カード名]が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開する。それがアーティファクトなら、それをあなたの手札に加える。そうでないなら、それをあなたの墓地に置く。
このカードは《ニューロックの使い魔》として印刷された。振れ幅が大きすぎると懸念する開発部のメンバーがいたため、印刷される寸前まで外されかけていた。
UU05_BCN
〈変成者〉
{4}{U}
クリーチャー ― ヴィダルケン
1/4
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
{U}:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時までアーティファクト・クリーチャーになる。
このカードは姿を変え、『ダークスティール』で《ニューロックの変成者》として印刷された。
UU06_BCN
〈人工強化〉
{1}{U}
ソーサリー
ターン終了時まで、あなたの手札にあるすべてのアーティファクト・カードは「親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)」を得る。
『ミラディン』発売後に親和(アーティファクト)がどういう結果をもたらしたかを知っている身としては、これが印刷されなくて本当によかったと思う。
UU07_BCN
〈より深く知る〉
{7}{U}
ソーサリー
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
カードを3枚引く。
これは十分なアーティファクトがあるなら《Ancestral Recall》になるカードとして始まった。印刷版である《物読み》は2枚ドローだが、これで十分に強かった。
UU08_BCN
〈アーギヴィーアの修復術〉
{2}{U}{U}
ソーサリー
あなたの墓地にあるアーティファクト・カード1枚を対象とする。それを戦場に出す。
デザイン・チームは、ファイルに印刷したい再録も含めていた。《アーギヴィーアの修復術》は『ウェザーライト』のカードだが、印刷には至らなかった。
UU09_BCN
〈カウンター・チャージ〉
{2}{U}{U}
インスタント
呪文1つを対象とする。それを打ち消す。
打ち消された呪文のマナ総量に等しい@を得る。(このエネルギーは消費されるまで失われない。)
これは『レジェンド』の《マナ吸収》に触発された呪文である。見ての通り、我々は「無色ではない呪文で、エネルギーをさまざまな方法で得る」ことに強い関心を抱いていた。
RU01_BCN
〈クラッキー・マックラーケン〉
{8}{U}{U}
クリーチャー ― エレメンタル
*/*
飛行
親和(アーティファクト)(戦場にあるあなたのアーティファクト1つにつき、[カード名]をプレイするためのコストは{1}少なくなる。)
[カード名]のパワーとタフネスは、あなたがコントロールするアーティファクトの総数に等しい。
これは《ブルードスター》である。変更点は、エレメンタルがビーストになったことだけだ。
RU02_BCN
〈トレイリアの女魔術師〉
{1}{U}{U}
クリーチャー ― エンチャントレス
0/2
あなたがアーティファクトを1つ唱えるたび、カード1枚を引く。
これは《ヴィダルケンの大魔道士》になり、マナ・コストは{1}多くなった。興味深いのは、この提出ファイルから印刷に至った青のカードは、白よりずっと多い点である。
RU03_BCN
〈準多相の戦士〉
{2}{U}{U}
クリーチャー ― 多相の戦士
2/2
{U}:クリーチャー1体を対象とする。[カード名]はターン終了時までそのクリーチャーのすべての起動型能力を得る。
これはすべての能力をコピーしない。ルール上、それは許されないからである。
RU04_BCN
〈ヴィダルケンの媒介者〉
{2}{U}{U}
クリーチャー ― ウィザード
2/2
{1}{U}{U}, {T}:あなたの墓地にあるアーティファクト1つを対象とする。それをあなたのコントロール下で戦場に出す。ターン終了時にそのアーティファクトを追放する。
このデザイン・ファイルでは、青に「墓地からアーティファクトを出す」手段がいくつも与えられている。だが、それらは最終的にはセットに残らなかった。
RU05_BCN
〈強烈なアーティファクト窃盗者〉
{3}{U}{U}
インスタント
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからアーティファクト・カード1枚を探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。
私は『メルカディアン・マスクス』で《袖の下》というカードを作っており、ここではそのアーティファクト版を作ろうとした。デベロップメントが止めてくれたが、それでよかったと思っている。できることなら《袖の下》自体も止めてほしかったが。
RU06_BCN
〈エネルギー・リーチ〉
{2}{U}
エンチャント
他のプレイヤーが@を得るたび、あなたは@を得る。(このエネルギーは消費されるまで失われない。)
@@@:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは@を失い、あなたは@を得る。
これは、青がエネルギーを盗む色である、という方向性をさらに押し進めたカードである。また、エネルギーを要求する起動型能力を持つ、数少ないアーティファクトでないカードでもある。
RU07_BCN
〈スイング・シフト〉
{3}{U}{U}
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、パーマネント1つと、それと同じタイプの別のパーマネント1つを対象とする。それらのコントロールを永続的に交換する。
私はコントロール交換が大好きである。我々は最終的に別のカード(ただし赤)でこの効果を実現した。《兵員の混乱》である。
RU08_BCN
〈浄化の思考〉
{1}{U}
ソーサリー
あなたのライブラリーから望む枚数のカードを探し、それらを追放する。カードを1枚引く。
RU09_BCN
〈混して乱する〉
{2}{U}{U}
エンチャント
すべてのプレイヤーは、自分のターン終了時ではなく、自分のターン開始時にカードを捨てる。
すべてのプレイヤーは、自分のターン開始時ではなく、自分のターン終了時に自分のパーマネントをアンタップしカードを1枚引く。
私はこのカードを、名前も含めて、のちに『Unhinged』で実際に作ることになる。ただし、アン・カードとしてさらに奇妙になるよう調整した。
RU10_BCN
〈神秘の予見〉
{1}{U}{U}
エンチャント
あなたがコントロールするクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開する。それがアーティファクトなら、それをあなたの手札に加える。
《ニューロックの使い魔》はまあ許容範囲だったが、これは一歩踏み込みすぎだった。
『ミラディン』を通して
『ミラディン』のデザイン提出ファイルから、白と青のカードを見ていく旅を楽しんでもらえたなら幸いである。いつも通り、今日の記事についてでも、私が語ったカードについてでも、あるいは『ミラディン』そのものについてでも、私はあらゆるフィードバックを歓迎している。メールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。
来週は黒、赤、緑のカードについて語る予定だ。
その日まで、あなたがデッキに加える『ミラディン』カードが見つかりますように。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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