今日のコラムは、私のトリビア・シリーズ「Trivial Pursuit」の続編となる。以下は、『イニストラード・リマスター』に登場する22個のメカニズムだ。それぞれのメカニズムを、下にあるトリビアと一致させてみてくれ。
バトル
n. 展望デザイン中は、土地のみが持っていた。
『機械兵団の進軍』の展望デザイン中、私たちは戦争に巻き込まれた様々な次元を表現するカード群を作りたいと考えていた。新しいカード・タイプを導入することも視野に入れていた。しかし、ここで採用されたのは両面の土地カードだった。第1面は通常の土地のように機能し、タップすることでマナを出す能力を持つ。ほとんどはタップ状態で戦場に出る。そして変身し、その次元へ「プレインズウォーク」する起動型能力を持っていた。第1面は、その次元へ繋がるポータルを表していた。
裏面は、土地の新しいサブタイプの「次元」を持っていた。『プレインチェイス』で「次元」というカード・タイプが既に登場していたが、この問題は後で解決する予定だった。次元は、第1面と同じ色のマナを生み出し、その次元に関連した常在型能力を持っていた。また、それぞれの次元はその次元へプレインズウォークする起動型能力を持っていた。更に、次元が変身したとき、またはプレインズウォークしたときに誘発する誘発型能力を持っていた。
以下がサンプルだ:
アモンケットへの門
土地—砂漠
これはタップ状態で戦場に出る。
{T}:{B}を加える。
{2}{B}, {T}:これを追放し、変身した状態で戦場に戻す。その後、これにプレインズウォークする。これの忠誠度がなくなったなら、これはマナ能力でないすべての能力を失う。起動はソーサリーとしてのみ行う。
/////
次元、アモンケット
土地 —砂漠・次元
{T}:{B}を加える。
あなたがコントロールしているクリーチャー1体がブロックされた状態になるたび、防御プレイヤーは 1点のライフを失う。
{4}{B}, {T}:これにプレインズウォークする。
あなたがこれにプレインズウォークするたび、白の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークン1体を生成する。
忠誠度 — 2
このデザインには多くの問題があったため、セットのデザインはまったく新しいアプローチを採用した。そう、セットに最終的に収録された、包囲戦を持つバトルだ。
血・トークン
l. 最初のバージョンは、クリーチャーに+1/+1カウンターを置いた。
《》
私たちが最初に血で試したのは、対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを置くものだった。これは、新鮮な血が吸血鬼を若返らせることをイメージしていた。しかし、これはプレイバランスの問題を含む2つの大きな問題があった。一つ目は吸血鬼が血を飲むことで一時的な強化を得るという、別の使おうと思っていた効果と重複していること、二つ目は狼男と似たり寄ったりなプレイとなること。狼男は、小型クリーチャーを大型クリーチャーへと成長させることを重視していた。その後、様々な他の効果を試したが、最終的にはかき回し(捨ててから引く)効果に落ち着いた。
集会
u. キッカーの亜種として、コストでクリーチャーをタップするところからスタートした。
最初のバージョンは呪文に付随しており、クリーチャーをタップすることでその呪文を強化するというものだった。これは結局、私たちが考えていたよりもコストが重くなってしまったため、単に3体以上のクリーチャーをコントロールしていればよいバージョンを試してみた。しかし、これは簡単すぎることがわかったので、どんな条件を着けるべきか模索した。クリーチャーが同じサブタイプを持っている、マナ総量が同じである、パワーが同じであるなどだ。最後の条件を逆にし、集会の最終的なバージョンはクリーチャー達が異なるパワーを持っていることとした。
昂揚
q. このメカニズムの名称は不適切であるとの懸念から、オリジナルの名称から変更された。
《》
昂揚のオリジナルの名称はinsanity(精神病、狂気)だった。精神的な健康問題を軽視したくなかったので、名称を変更した。
降霊
r. 展望デザインによってこのメカニズムの初期バージョンはデザインされた。シンプルなバージョンが一番最初に収録され、初期バージョンは次のセットに収録された。
『イニストラード:真夜中の狩り』の展望デザイン・チームは、元々は降霊カードの裏面をオーラにしていた。このバージョンは『イニストラード:真紅の契り』で見ることができる。『イニストラード:真夜中の狩り』のセット・デザイン・チームはよりシンプルな、つまり第1面は生きているクリーチャーで、第2面はスピリットのバージョンが必要だと考えた。彼らはそのバージョンをデザインし、オーラ・バージョンは『イニストラード:真紅の契り』のセット・デザイン・チームへと引き渡した。彼らはこの交換で、『イニストラード:真紅の契り』展望デザイン・チームが作成した腐乱メカニズムを入手した。
現出
s. 最初に登場したとき、無色のカードのみが持っていた。
《》
現出は『異界月』で初めて登場した。物語では、エムラクールがクリーチャーを歪めてエルドラージへと変えており、これをメカニズムで表現する方法を探した。クリーチャーを生け贄に捧げてカードをプレイする仕組みは、生け贄にしたクリーチャーがエルドラージへと変貌する様子をうまく捉えている。現出を持つカードはそのクリーチャーの最終形態を表すため、このメカニズムを持つカードはすべて無色のエルドラージとしてデザインされた。
威光
a. 登場するカードは5枚のみ。
《》
威光は、『統率者2017』における統率者戦で初めて登場した。このメカニズムを持つカードは、統率領域にある間も戦場にある間もその効果が適用される。追加のもう1枚の威光カードが、『機械兵団の進軍』統率者デッキの《》として登場した。
増呪
e. 青いカードが持ったことはない。
《》
増呪は『異界月』で初登場した。このセットは増呪をサイクルで登場させるのではなく、個々でカード・デザインした、プレイ体験が優れているカードを印刷した。その結果、増呪を持つカードは白のカードが3枚、赤のカードが3枚、黒のカードが2枚、緑のカードが1枚、そして青のカードが0枚となった。
青はインスタントやソーサリーと最も関連性がある色である。このメカニズムがインスタントやソーサリーにのみ存在しているにも関わらず、このメカニズムのカードが青に存在しないのは少し奇妙に思う。
濫用
m. 最初はある勢力のメカニズムとして登場した。2回目の登場はあるイニストラードのセットであり、大きく取り扱われた。
《》
濫用は『タルキール龍紀伝』において、青黒のシルムガル氏族の勢力のメカニズムとして初登場した。その後、『モダンホライゾン』でもカード1枚にカメオ出演した。次に大きく取り扱われたのは『イニストラード:真紅の契り』の青黒ゾンビのメカニズムの一部としてだった。以降『モダンホライゾン2』、『Fallout』統率者デッキ、『「ジュラシック・ワールド」コレクション』、『モダンホライゾン3』で再録されている。
窮地
f. MagicCon: Las Vegasで発表した"The 20 Worst Mechanics of All Time(史上最悪のメカニズム20選)"パネルで選出された。
《》
窮地は、「The 20 Worst Mechanics of All Time(史上最悪のメカニズム20選)」で6位にランクインした。ライフが5以下であるという条件は、実用的なデザインを行うにはデザイン空間が狭すぎることが判明した。「The 20 Worst Mechanics of All Time(史上最悪のメカニズム20選)」パネルは10月のMagicCon: Las Vegasで行われた。 パネルはここから見ることができる(英語)。
フラッシュバック
g. プロツアーのフィーチャー・マッチでジャッジをしているとき、思いついた。
《》
フラッシュバックは、MagicCon: Chicagoの私のパネルで私が史上最高のメカニズムに選んだ。 ここからパネルが見れる(英語)。初めて知る人のために、その起源を紹介する。
プロツアーが始まってから最初の8年間、私はすべてのプロツアーに参加した。スイスラウンドはフィーチャー・マッチを運営し、最終日はビデオ・カバレージの解説を担当していた。
時折、ゲームが一方的になり、片方のプレイヤーが大きな優位を得る状況となることがあった。このようなとき、私は劣勢になったプレイヤーが使える能力があったとしたら、どんな能力が面白いかを考えて想像することがあった。その内の一つの能力が、自分の墓地からインスタントまたはソーサリーを唱える能力だ。私はこのアイデアがとても気に入ったため、私がリードを務めた『オデッセイ』のデザイン中、これをメカニズムとして提案した。このセットは墓地がテーマだったためだ。
フラッシュバックの初期バージョンでは、墓地から呪文を唱える際に同じマナコストをコストとして使用していたが、これは呪文の魅力を薄めてしまっていた。代わりに、最初に唱える際のコストを通常通りに設定し、フラッシュバック・コストをより重く設定することにした。
マッドネス
h. ストーム値8だったが、復活した。
《》
私のブログで、ゲームのメカニズム的要素がプレミア・セットに再録される可能性を私が測ったストーム値を紹介した。10は可能性が極めて低く、1はほぼ確実に再録される。詳細を知りたい人のために、最新のストーム値(その1とその2)の記事へのリンクを置いておく。その1の記事には、他のすべてのストーム値の記事へのリンクがある。マッドネスは、『オデッセイ』ブロックの第2セットである『トーメント』で初めて登場した。
マッドネスは、セット全体の構成を大きく変える必要があり、そのバランスを取るのも大変である。そのためプレイヤーからスケール値がいくつか聞かれたとき、私は8を付けた。マッドネスが再録されるかどうか、私はとても疑問に思っていた。しかしその後『イニストラードを覆う影』を作ることになり、このセットはイニストラードの住人が徐々に狂っていくテーマがデザインの大半を占めていた。そしてマッドネスはこれにぴったりなメカニズムだった。そのため非常に驚くこととなったが、マッドネスは再登場を果たすこととなった。
調査
p. 指定されたリソースの半分を与えるようにデザインされている。
《》
『イニストラードを覆う影』は、コズミックホラーをテーマにしていた。このサブジャンルの物語は、誰かが謎を解読しようとする地点から始まることが多いため、調査というメカニズムを作ることを検討した。カードを引く行為は調査のテーマに合っていたが、セット内に存在するカードを引く行為が多くなりすぎるのではないかと懸念していた。そこで、「カードを1枚の半分引くことはできないか?」といった疑問が生まれた。
知識を渦まかせた結果、アーティファクト・トークンのアイデアにたどり着いた。マナを払い、そのトークンを生け贄に捧げることでカードを引くことができる。カードを引くために追加でマナを払う必要があるため、これはまさしくカードを半分引いているように感じる。調査は非常に人気があり、優れたデザインだったため、ここから宝物・トークン、食物・トークン、血・トークンなど、アーティファクト・トークンをセットの中核として用いる道が開かれた。
合体
j. 『Unglued』の最も評価の高いメカニズム的要素からインスピレーションを得た。
最初の『Un~』セットである『Unglued』のデザインを始めたとき、社内のさまざまな部門に足を運び、境界を押し広げるためにどのような方法があるかを相談した。相談したチームのうちの1つが、カードのレイアウトや印刷を担当するプロダクション・チームだった。彼らは、2枚のカードが印刷シート上で隣り合っていれば、イラストをその2枚のカードに跨って表すことが可能であると教えてくれた。これが次のカードを作成するきっかけを与えてくれた。正確に言うと「次のカード群」だ。
《》
(Big Furry Monster, Left Side)
《》
(Big Furry Monster, Right Side)
《》は、1枚のカードには収まらないほど巨大なクリーチャーだ。これを唱えるには、2枚のカードを一緒にする必要があった。B.F.M.は、『Unglued』で最も評価の高い「1枚のカード」だった。
Ken Nagle/ケン・ネーグルはB.F.M.にぞっこんであり、『マジック』に同じようなものを取り入れる方法を何年にもわたって模索してきた。多くの試みがデザイン・ファイルから削除されてきたが、最終的にケンは両面カードを利用することでこれを実現する方法を見つけた。2枚の両面カードの第1面が通常のカードであれば、それらの第2面を、巨大な2枚で表されるカードの半分としてデザインすることができる。こうしてケンは『異界月』でこのメカニズムを合体として実現した。『異界月』では、エムラクールによって引き起こされた変貌を再現した。
奇跡
k. これは禁断/forbiddenメカニズムの代わりとなるものであり、どちらもブライアン・ティンスマン/Brian Tinsmanが作り出した。
《》
ブライアンは大胆なメカニズムを好んでいた。『アヴァシンの帰還』のデザインをリードしていたとき、ブライアンは禁断/forbiddenというメカニズムを考案した。禁断カードは非常に強力で、メイン・デッキに入れることはできなかった。プレイするにはゲームの外部からカードを探してくる教示者カードが必要だった。デベロップ・チームは禁断のバランス調整が困難だと感じたため、ブライアンに別のメカニズムを考えるよう依頼した。そこで、開発部が 『テンペスト』以降取り組んでいたドロー時に誘発するメカニズムのアイデアに触発されたことで、ブライアンは奇跡を作り出した。これは禁断がセットから外されたことで生じたスペースを埋めるため、採用された。
陰鬱
v. 『Un~』セット、複数の「ユニバースビヨンド」製品、統率者向けの製品、モダン向けの製品で収録。
《》
陰鬱のインスピレーションは、死が重要なメカニズムを作ることからだった。『イニストラード』はホラージャンルを再現しようとしていたため、ゲームプレイを通じて恐怖が増していく方法を模索していた。私たちはクリーチャーが「生き残る見込みがない状況で攻撃する」というアイデアを気に入った。通常の『マジック』では、このような攻撃は攻撃プレイヤーがコンバット・トリックを持っているという兆候だ。しかし『イニストラード』では、プレイヤーがわざとクリーチャーを死亡させ、陰鬱呪文を使いたいのかもしれない。戦闘に新しい魅力的な観点が追加されることになり、私たちはこれを気に入った。
果敢
i. セットのメカニズムでもあり、常盤木メカニズムでもあり、落葉樹メカニズムでもあった。
《》
果敢は、『タルキール覇王譚』の青赤白の勢力であるジェスカイのモンク達のメカニズムとして初登場した。この氏族は狡知かつ戦闘に長けていたため、私たちはこの2つの要素を組み合わせる方法を模索した。結果として、非クリーチャー呪文が唱えられるたびにクリーチャーが強化される能力となった。このメカニズムにより、インスタントをコンバット・トリックとして利用することが可能となった。
私たちは果敢を非常に気に入ったので、これはすぐさま常盤木入りした。青と赤のメカニズムを探していたところでもあり、果敢は完璧にフィットした。しかし、セットをいくつも作っていく中で、果敢が適さないセット構造もあることが発覚した。果敢が収録されないことがあった。そのため、果敢を落葉樹へと格下げした。言い換えると、果敢が収録されるのは必要だと感じたときになった。
結魂
o. プレリリースでジャッジへ最も多くの質問をさせたメカニズム。
《》
『アヴァシンの帰還』は、アヴァシンが獄庫から解放されて帰還し、イニストラードに平和を取り戻す物語をテーマにしたセットだった。2セットに跨ってモンスターに脅かされていた人間が、反撃に出る場面を描いたものだった。そこで、私たちは人間が協力して戦う様子を表すメカニズムを作りたいと考えた。初期の『マジック』にはバンドというメカニズムが存在しており、複雑さの問題から廃止されたが、このメカニズムのフレイバーは非常に魅力的だった。このメカニズムからの連なりで、結魂は2体のクリーチャーを組にし、能力を共有できるようにした。しかし、このメカニズムはあまり直感的ではなく、多くの複雑な問題やどう追跡するかの問題を伴った。
私たちはプレリリースで最も多い質問はなんだったのか、ジャッジから集めていた。『アヴァシンの帰還』のプレリリースのときの結魂が、最も多く質問されたメカニズムである。しかし、もし変容のときもデータを収集していたら、変容が上回っていたかもしれないと考えることがある。
連繋(秘儀)
t. 最も古いバージョンは、墓地にあるときのみ機能する能力だった。印刷バージョンでは、墓地は関係なくなっている。
《》
連繋の最初のバージョンは、印刷されたバージョンと同じように機能していた。インスタントやソーサリーに付いており、コストを払うことで、他の呪文に他の呪文にその効果を追加することができた。しかし、大きな違いが2つあった。一つ目は、手札ではなく墓地から連繋していたことだ。連繋を持つ呪文を唱えてそれが墓地に落ちた後、墓地から連繋することができた。もう一つは、連繋先に制限がなかったことだ。開発中に、連繋は手札からのみできるようにし、秘儀にのみ連繋できるという制限を追加した。
訓練
d. エリック・ラウアー/Erik Lauerは、別のメカニズムが「逆のことをしている」と考えたため、このメカニズムを作成した。
《》
教導は、『ラヴニカのギルド』でボロス軍のためにデザインされた。教導を持つクリーチャーが、よりパワーの小さいクリーチャーと共に攻撃すると、その小さいクリーチャーに+1/+1カウンターを1個置く。エリックは、この教導が「逆のことをしている」と考えた。つまり、能力を持つクリーチャーにカウンターを置きたいと考えたのだ。そこで彼は、教導と鏡合わせのようなメカニズムとして『イニストラード:真紅の契り』で訓練をデザインした。
変身する両面カード
c. ウィザーズが作成した別のゲームのメカニズムを参考にした。
『イニストラード』のデザイン・チームが狼男のフレイバーを再現しようとしていたとき、トム・ラピル/Tom LaPilleがあるアイデアを提案した。それはウィザーズが作成した別のゲーム『デュエル・マスターズ』で彼が見たものだった。ウィザーズはアメリカで数年間『Pokémon Trading Card Game』を販売していたが、任天堂が自社でこの製品を販売するための会社を設立したため、日本のトレーディング・カードゲームの販売を新たに開始しようとした。しかしよいカードゲームが見つからなかったため、独自のカードゲームを作ることにした。開発部の5人のメンバー(私もその1人だ)が日本市場向けに『デュエル・マスターズ』をデザインした。我々は当初このゲームが3~5年続けばよいと考えていたが、今では20年以上続いている。
両面カードは『イニストラード』だけではなく、『マジック』全体にとっても非常に適したメカニズムであり、多くのセットに採用されるようになった。
不死
b. 妻のローラ/Loraとの会話の中で思いついた。
《》
以下に詳細を書いていく。私が『闇の隆盛』に取り組んでいたとき、「このセットは人間に焦点を当てすぎている」というフィードバックを受けた。モンスター達は、私たちが期待したレベルの複雑さを持っていなかった。『マジック』のセットをプレイする楽しみの一つは、すべてのロールになれることだ。モンスターとなってプレイするのは非常にクールな体験でなければならない。そのため、我々は楽しいと感じられるモンスター・メカニズムが必要だった。デザイン・チームはさまざまなアイデアを試したが、どれもうまくいかなかった。
ある夜、私は家で黙々と考え込んでいた。妻のローラは、私が問題解決に取り組んでいるのを見て、何に悩んでいるのかを尋ねてきた。交際中、私とローラは一緒に『マジック』をプレイしていたため、彼女は遊び方を知っていた。以下が私たちの会話だ(少しだけドラマチックに脚色している)。
ローラ「それで、何に悩んでいるの?」
私「ホラーのお決まりのパターンを表現したいんだ。映画で主人公が怪物を倒し、生き残ったことに喜んでいる。でも、実はその怪物がまだ死んでいないことに彼らは気付いてしまう、ってパターンがある。知ってるかな?」
ローラ「もちろん知っているわ。」
私「これを表すメカニズムを作りたいんだけど、よいアイデアがなくて困っているんだ。」
ローラ「似たような既存のメカニズムはあるの?」
私「あるよ、頑強って名前のメカニズムが。クリーチャーが死亡したとき、-1/-1カウンターが置かれていなかったら、-1/-1カウンターが置かれた状態で帰ってくるんだ。」
ローラ「それを使えばいいんじゃないの?」
私「それはできないんだ。このセットには-1/-1カウンターがないんだ。」
ローラ「どんなカウンターが『ある』の?」
私「+1/+1カウンターかな。」
ローラ「それを使えば?」
私「ああ、それだ!最高だ、ありがとう!」