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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

「プレイ・ブースター」とは?

Mark Rosewater
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2023年10月16日

 

 このたび、セット・ブースターとドラフト・ブースターは1つに合わさり、我々が「プレイ・ブースター」と呼ぶ新型ブースターになる。この記事では、こうなった理由を説明し、新たなプレイ・ブースターの内容を紹介し、マジックへの導入について詳しい情報をお伝えしよう。

プレイ・ブースターはどのように生まれたのか

 話は2018年にさかのぼる。「Studio X」(我々はテーブルトップのマジックを担当する部署をこう呼んでいる)は、プレイヤーがマジックの何を楽しみ、何がプレイヤーに効いていないかに関する大量のデータを日々精査している。すると時折、我々がマジックの作り方を再考するきっかけになるデータを見つけることがあるのだ。今回見つけたデータは、「ブースターを開封するプレイヤーの大部分は、それを使ってリミテッド・フォーマット(ドラフトやシールド)をプレイしない」というものだった。なるほど、と我々は思った。リミテッドでプレイすることに縛られないなら、もっと開封するのが楽しい、異なる種類のブースターがあるのでは?とこの疑問がセット・ブースターの誕生につながり、それは『ゼンディカーの夜明け』で登場することになった。そしてセット・ブースターがデビューを飾る直前に、私はそれを諸君に紹介する記事を書いた。それまでのブースター・パックは、ドラフト・ブースターへと名前を変えた。

 余談だが、現在のブースターにはコレクター・ブースターもある。コレクター・ブースターを購入するプレイヤーはこの製品を楽しんでいるため、こちらについては変更を加える計画はない(セットごとに内容が調整される製品であるため、大局的に見れば進化を続けるとも言えるだろう)。今回の記事ではセット・ブースターとドラフト・ブースターについて語るため、以後コレクター・ブースターを話題に挙げることはないが、決して忘れているわけではない。コレクター・ブースターには大きな変化がないため、特に語ることがないのだ。

 さて、セット・ブースターは大成功を収めた。プレイヤーたちは複数のレアが手に入るチャンスがあることや、フォイル仕様のカードが必ず出現する枠、それから「ザ・リスト」のカードが出現する可能性があること、アート・カードが手に入ることなどを楽しんだ。我々は開封をより楽しめるブースターを作り上げ、我々の顧客はそちらの方を購入したいと明確な声を上げたのだ。だがそれゆえに、セット・ブースターはいくつかの問題を起こし始めた。以下に詳しく見てみよう。

問題1――セット・ブースターがドラフト・ブースターを覆い隠してしまった

 セット・ブースターは、プレイヤーたちにとって一番の選択肢になった。それはわずかにという程度ではなく、圧倒的であったことを強調しておこう。これはつまり、多くのプレイヤーがどのブースターを購入するか選ぶ際にセット・ブースターを選んでいるということだ。問題は、セット・ブースターはリミテッドでのプレイ用に設計されていないことだ。だから例えば、セット・ブースターしか在庫を置いていない店舗ではドラフトのイベントを開催できない。規模が小さな市場では、2種類のブースターを印刷するという選択がとれないところもある。その場合は1つを選ばなければならない。そこでもセット・ブースターの方が売れるため、そちらへ傾倒していったのだ。しかしそれは、その市場ではドラフト(やシールド)がプレイされないことを意味する。多くのプレイヤーが唯一の選択肢であるセット・ブースターでリミテッドをプレイしようと試みたが、それはリミテッド用に設計されていないため、リミテッドのプレイ体験は著しく落ちたものだったのだ。

問題2――在庫管理上の問題を引き起こす

 簡単にではあるが、店舗のマジック製品の取り扱い方はこうだ。店舗は製品Aを購入し、それを売る。それからその売り上げを使い製品Bを購入する。製品Bを売ったら、その売り上げで今度は製品Cを購入する。なんらかの理由で製品を売り切れなかったら、それは在庫へ積まれ、次の製品を購入するための資金に変換されない。それが多く起こると、店舗にとって大きな問題になる。(注:この基本的な流れは、我々からマジック製品を購入し店舗へ売る問屋にも当てはまる。)

 かつて、店舗が購入できるブースターはマジックのセットごとに1つしかなかった。だから店舗はそれを購入した。現在はセットごとにドラフト・ブースターとセット・ブースターがある。顧客の多くはセット・ブースターを好むのだが、コミュニティを育み、店舗の収入を増やすリミテッドのイベントにはドラフト・ブースターが必要だ。それぞれのブースターをどれくらい仕入れれば良いのだろうか?セット・ブースターが多すぎてドラフト・ブースターが足りない場合、リミテッドのイベントを開催できなくなり、店舗の損失につながる。だがドラフト・ブースターが多すぎてセット・ブースターが足りない場合も、顧客が求める商品を切らしてしまい、店舗の損失につながるのだ。

問題3――ドラフト・ブースターが見捨てられ始めた

 2番目の問題が1番目の問題を悪化させた。2種類のブースターを取り扱うことは店舗の負担となり、やがて彼らはセット・ブースターを購入することを選ぶようになった。リミテッドが犠牲になるのはわかっているが、ビジネスを継続するための犠牲ならばやらざるを得なかったのだ。我々は「Studio X」にてさまざまな未来予想を行っているが、このまま時間が経てば、ドラフト・ブースターは存在しなくなるに違いないという意見が出てきた。市場は、核となるブースターを2種類必要としていなかったのだ。

 リミテッド、特にドラフトは、マジックのエコシステムの大きな部分を占める大事な要素だ。先述した通り店舗の活動において重要なものであり、コミュニティを築く大きなきっかけになる。プレイヤーが新たなセットを体験するプレリリースも、リミテッドで行われる。それから、プレイヤーがこのゲームを長く楽しむのにも欠かせない。我々のデータが示すには、このゲームを長くプレイしている人ほど、そのプレイ機会においてリミテッドが占める割合が大きいという人が多い。マジックの大きな強みの1つは、楽しむ方法が多岐にわたることだ。リミテッドは大多数のプレイヤーがこのゲームに接する方法ではないのかもしれないが、リミテッドをプレイする多くのプレイヤーにとっては、リミテッドが基本的な楽しみ方だ。ドラフト・ブースター、ひいてはリミテッドのプレイ機会が消失するのは、プレイヤーにとっても店舗にとっても大きな問題になるのだ。

問題4――市場に混乱を起こす

 よく似ているがまったく同じではないという2製品があることで、いくつかの問題が起こっている。その1つが、人々がこの2製品を混同していることだ。セット・ブースターを買うつもりがドラフト・ブースターを買ってしまうことや、あるいはその逆もあるかもしれない。私自身、リミテッドをプレイしようとブースターを開けたらセット・ブースターだったことが何度もある。そしてこの問題は、プレイヤーだけに留まらない。店舗からも、発注したブースターと異なるブースターを受け取ったという話を何度も聞いている(これはもしかしたら、混同というよりは在庫上の問題かもしれないが)。

 また定番のブースターが2種類あることで、それぞれのブースターの製品紹介や内容など我々が伝えなければならない情報が2倍になっている。例えば、片方のブースターから出現してもう片方からは出現しないカードがある。そこへカードのバリエーションについての情報も加わり、伝えるのも理解してもらうのも非常に難しくなっているのだ。

問題5――マジックのブースターが望まれないという状況を起こしている

 例えば、店舗が現行セットのブースターを賞品にしたイベントを開催するとしよう。参加者の中には、賞品としてセット・ブースターをもらってその場で開封を楽しみたいという人がいるだろう。その一方で、賞品として受け取ったドラフト・ブースターでさらにドラフトを楽しみたいという人もいる。通常、お知らせの簡略化や在庫上の理由から、店舗オーナーとしては1種類のブースターを賞品としたいはずだ。ブースターが2種類あることで、そこに葛藤が生まれる。「これじゃない方」のブースターを受け取り、腹を立てるプレイヤーもいるだろう。

 だがプレイヤーは本来、自分を「セット・ブースター型」や「ドラフト・ブースター型」だと考えていない。彼らはマジック・プレイヤーであり、我々はそんな彼らが購入するにしても、賞品として得るにしても、プレゼントとして受け取るにしても、それがどのブースターであれ嬉しい気持ちになってほしいのだ。

問題6――ブースターを購入する人全員がその魅力をすべて味わえない

 セット・ブースターとドラフト・ブースターによるエコシステムでは、顧客はすべての体験を味わえない。セット・ブースターを購入すればリミテッドをプレイできず、ドラフト・ブースターを購入すれば複数のレアが手に入るなどのクールな要素を逃すことになるのだ。プレイヤーが両方の魅力を味わえない理由などあるだろうか?

 以上の理由で、「Studio X」は変更が必要であることを認識した。しかし解答はシンプルだが、それを実行するのは困難だった。我々は再び、核となるブースターを1つに戻す必要があった。それはプレイ・ブースターと名付けられた。我々が目指したのは、ドラフト・ブースターのプレイ体験とセット・ブースターの楽しい開封体験を合わせることだった。そこで大きな疑問が出てくる――どうやってそれを実現するのか?

 セット・ブースターの方が人気の製品であることから、我々はセット・ブースターでプレイできる方法を見つけるというアプローチで問題に取り組むことに決めた。我々が洗い出した主な課題は以下の通りだ。

課題1――カードが足りない

 セット・ブースターには、プレイ可能なカードが12枚封入されている(加えてアート・カードとトークン・カードが入っている)。ドラフト・ブースターには、プレイ可能なカードが15枚入っている。セット・ブースターをリミテッドで使用できるものにするなら、プレイ可能なカードの総数を増やすしかなかった。そこで我々は、アート・カードとトークン・カードを1つの枠に収め、プレイ可能なカードが出現する枠を2つ増やした。

課題2――色のバランスが取れていない

 セット・ブースターが初めて登場した際に、我々は「関連したカード」という形でコモンとアンコモンをブースターの1つの要素とし、個別のカードがテーマ的な関連性を持つようにした。その関連性はクリーチャー・タイプかもしれないし、共通のクリエイティブ要素があるのかもしれないし、あるいは一緒にプレイすることでうまく噛み合うのかもしれない。カードに関連性を持たせることで色のバランスは取りにくくなるが、セット・ブースターはリミテッドで使用するものではないため、大きな懸念にはならなかったのだ。加えて、プレイヤーが楽しんでいることに関するアンケートを行ったところ、セット・ブースターのあらゆる特徴の中でこれが最も低い評価を受けていた。そのため関連するコモンやアンコモンは廃止することにした。ブースターをリミテッドで使用できるようにするなら色のバランスを取ることも必要になるため、プレイ・ブースターではそうするのだ。

課題3――レアリティの比率を変える必要がある

 ドラフト・ブースターには(通常)コモン10枚とアンコモン3枚、レアや神話レア1枚が封入されている(フォイル仕様のカードは常に出現するわけではないため。含まれていない)。セット・ブースターに入っているのは、コモン3~6枚とアンコモン3~6枚、レアや神話レア1~4枚だ。セット・ブースターの楽しさを守るために、我々はカードが出現する枠にバリエーションを持たせる必要があった。そのためブースター1パックから出現する各レアリティの枚数を完全に固定することはできないものの、コモンの枚数を増やす必要があった。また、レアや神話レアが1~4枚出現する可能性は残したかった。それこそ、プレイヤーがセット・ブースターを好む最大の理由だからだ。詳しくは、後段にて新たなプレイ・ブースターの内容を見ていくときに説明しよう。

課題4――セットの作り方を変える必要がある

 我々がどのようにセットをデザインするかは、そのセットをブースターに詰める方法に大きく左右される。レアリティの楽しみ(つまりパックを開封する際に期待できる各レアリティの枚数)を変えたり、各枠にバリエーションを追加したり、「セット外」のカードを追加したりすることは、どれもそのセットがどのようにプレイされるかに影響する。そのため我々にも、そのセットの組み立て方を変えることが求められるのだ。プレイ・ブースターに関するすべての変更の中で、これが一番大きかった。我々は、マジックのセットの作り方を考え直す必要に迫られた。開発部はこれに多くの時間を割くことになったのだ(デザイン構造がどのように変化したのかについては、『カルロフ邸殺人事件』のプレビューの際に詳しく語ることにしよう)。

 さて、我々が何を変更したのか説明したところで、新たなプレイ・ブースターの内容を具体的に見ていきたい。(以下に、プレイ・ブースターの構成を詳しく取り挙げていく。特定のカードやレアリティの出現率や、特定の枠から出現する特定の種類のカードなども確認できる。これらの情報は、プレイ・ブースターが初めて登場する『カルロフ邸殺人事件』においては正しいものだが、セットごとに変わる可能性もある。つまり以下はプレイ・ブースターの枠の一般的なパターンになるものの、細部はセットごとに異なるかもしれないというわけだ。新セットの各種製品やブースターの内容についての詳細は、基本的には引き続き「『セット名』をコレクションする」記事にてお伝えする予定だ。)

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第1~6枠:コモン

 これらの枠からはすべて、メインセット収録のコモンが出現する。セット・ブースターでも最大6枚コモンが手に入る可能性があったが、その代わりアンコモンやレアや神話レアが追加で手に入らなかった。なおこれらの枠のコモンにはセット・ブースターのときのような関連性はない。一方で、これらの枠からブースター・ファン仕様のコモンが出現する可能性がある。

第7枠:コモンまたは「ザ・リスト」のカード

 ほとんどの場合(8回中7回、あるいは87.5%)、この枠からは7枚目のコモンが出現する。しかし8回に1回の割合(12.5%の確率)で「ザ・リスト」のカードが手に入る。「ザ・リスト」の背景にある理念は、スタンダードにカードを加えることなくパック開封をよりエキサイティングにするために選ばれたカード群であることだ。

 これまで、「ザ・リスト」は昔のカードの再録がほとんどだった。プレイ・ブースターでは、「ザ・リスト」の収録カードに少し手が加えられることになる。例えば最初のプレイ・ブースターの「ザ・リスト」には、我々が「スペシャル・ゲスト」カードと呼ぶ、そのセットとテーマ的に結びついた再録カードに新たなアートを用意するカードが10枚収録される予定だ。「スペシャル・ゲスト」の扱いは、セットごとに異なる。(『イクサラン:失われし洞窟』にはプレイ・ブースターはないが、そこで「スペシャル・ゲスト」がデビューする。それがどのようなものになるのか、知ることができるはずだ。)

 それから「スペシャル・ゲスト」に加えて、新規アートが用意されない再録カードが40枚リストに収録される。そのうち30枚がコモンやアンコモン、10枚がレアや神話レアだ。「ザ・リスト」はこれまでの300枚から、数を減らすことになるだろう。

 最初のプレイ・ブースターにおいて、この枠から出現するカードの出現確率は以下の通り。

  • 87.5%――メインセット収録のコモン 1枚
  • 9.38%――「ザ・リスト」収録の通常再録のコモンやアンコモン 1枚
  • 1.56%――「ザ・リスト」収録の通常再録のレアや神話レア 1枚
  • 1.56%――「ザ・リスト」収録の「スペシャル・ゲスト」カード 1枚

第8~10枠:アンコモン

 これらのアンコモン専用枠は、セット・ブースターにあったものとまったく同じだ。この枠からは常に、メインセット収録のアンコモンが出現する。他の枠からもアンコモンが出現する可能性はあるが、この3枠からは変わらずアンコモンが手に入る。コモンと同様に、これらの枠のアンコモンにはセット・ブースターのときのような関連性はない。また、これもコモンと同様に、これらの枠からブースター・ファン仕様のアンコモンが出現する可能性がある。

第11枠:レアや神話レア

 この枠はセット・ブースターとドラフト・ブースターの両方にあったものだ。この枠からは、メインセット収録のレアや神話レアの出現が保証されている。7回中6回はレアが出現し、7回中1回は神話レアが出現する割合になっている。それから、ブースター・ファン仕様のレアや神話レアが出現する可能性もある。

第12枠:土地

 この枠からは常に、メインセット収録の基本土地やコモンの土地が出現する。(『カルロフ邸殺人事件』にも基本土地がある。)20%の確率でフォイル仕様の土地が出現し、80%の確率で非フォイル仕様が出現する。

第13枠:非フォイル仕様の不特定カード

 この枠からは、メインセット収録カードのほぼすべてに出現する可能性がある。どのレアリティでも出現する可能性があり、ブースター・ファンが出現する可能性もある。どのカードが出現するにしても、非フォイル仕様だ。なおセット・ブースターでは非フォイル仕様の不特定カード枠は2つだったが、プレイ・ブースターでは1つになっている。

第14枠:フォイル仕様の不特定カード

 第13枠とほぼ同じだが、出現するカードがフォイル仕様になっている。

第15枠:プレイ可能でないカード

 この枠からは、さまざまなものが出現する可能性がある。トークンや補助カード、広告カード、アート・カードが手に入るのだ。トークンや補助カードの裏面は、広告になっている場合が多い(補助カードが両面でないなら)。MTGアリーナの広告カードは、基本的に両面とも広告だ。アート・カードには、アーティストのサインやプレインズウォーカー・シンボルが箔押しされたバージョンも存在する。

 この枠から出現する各カードの出現確率は以下の通り。

  • 65%――トークン/補助カード/広告カード
  • 30%――アート・カード
  • 5%――サイン入りのアート・カード

 さてプレイ・ブースターの内容を見てきたところで、セット・ブースターやドラフト・ブースターと比較して、違いをまとめよう。

セット・ブースターとの違い

  • プレイ可能なカード +2枚
  • コモンやアンコモンに関連性なし
  • 非フォイル仕様の不特定カード -1枚
  • プレイ可能でないカード -1枚(セット・ブースターでは、トークンとアート・カードが別枠だった)
  • アート・カードの出現が3回に1回の割合に(セット・ブースターには常にアート・カードが封入されていた)

ドラフト・ブースターとの違い(フォイル仕様のカードを含まない通常のパックとの比較。ドラフト・ブースターからはおよそ3回に1回の割合でフォイル仕様のカードが出現していた)

  • レアや神話レアが最大4枚出現
  • プレイ可能なカード -1枚
  • コモン -3枚
  • 非フォイル仕様の不特定カード +1枚
  • フォイル仕様の不特定カード +1枚
  • 8回に1回の割合で「ザ・リスト」のカードが出現(ドラフト・ブースターからは「ザ・リスト」のカードは出現しなかった)
  • およそ3回に1回の割合でアート・カードが出現(ドラフト・ブースターからはアート・カードは出現しなかった)

プレイ・ブースターはいつ導入されるのか?

 プレイ・ブースターは『カルロフ邸殺人事件』にて初登場する。つまり『イクサラン:失われし洞窟』『ラヴニカ・リマスター』にはない。店舗の発注に影響を与えるため、早めに発表することになった。なおプレイ・ブースターはセット・ブースターと同じ価格で販売される予定だ。ただしプレイ・ブースターボックスにはドラフト・ブースターボックスと同じく36パック収められる(2箱で8人ドラフト3回分になる)。セット・ブースターボックスより6パック多いため、プレイ・ブースターボックスの方が価格が高いことには留意されたし。

 さて、新しい発表には疑問がつきものだ。ここで、予想されるいくつかの質問に答えておこうと思う。

プレイ・ブースターはドラフトの楽しさを減らしますか?

 開発部はそうならないと信じている。我々はプレイ・ブースターがドラフトに与える影響を把握するために数年にわたり力を尽くし、さらにそれに対応できるようセットの作り方も変更した。『カルロフ邸殺人事件』は、プレイ・ブースターを念頭に置いてデザインされ、バランス調整が行われた。新たなシステムに適応するために学ぶべきことはありますか?もちろんあるが、マジックは常に進化を続けているため、我々も適応するのは得意だろう。

プレイ・ブースターが平均してレアや神話レアの多いブースターなら、リミテッドにボムが増えることになるのでしょうか?

 レアや神話レアのパワーレベルを持つカードは増えることになるが、それに適応すること(低いレアリティのカードでもより多くの回答を得られるようにすること)は、開発部がセットのデザインにおいて調整していることの一部分である。すべてのプレイテストはこのことを念頭に置いて行われ、とても楽しいものだった。

プレイ可能なカードが14枚しかないのはなぜですか?

 プレイ・ブースターへの変更は、ブースターの組み立て方を考え直すきっかけになった。(ほとんどの)ブースターにプレイ可能なカードが15枚入っているのは、リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldが『アルファ版』でそうすることにしたからだ。それは、ドラフトのためのデザインというものが存在する以前のことだった。我々がプレイ可能なカードの枚数を色々と変えて実験した結果、14枚が我々の望むプレイ体験をもたらしてくれるのに最善であることがわかった。セット・ブースターでコモンの枚数を減らした理由の1つは、使われないカードが多すぎるというプレイヤーの不満に対応するためだった。プレイ・ブースターでは調整の一環として、ドラフトにおいて使用に耐えないコモンを少なくすることで15枚目の必要性を減らしている。

リミテッドのイベント参加費は上がりますか?

 その可能性は高いだろう。プレイ・ブースターの価格はドラフト・ブースターではなくセット・ブースターと同じであるため、リミテッドのプレイ環境のコストは少し上がることになる。しかしながら、レアや神話レアが追加で出現する可能性もあるため、ブースターの期待値も上がる。支払う額は少し増えるものの、ブースターから得られる価値も多くなるだろう。値段あたりのレアや神話レアの枚数は変わらない。

プレイが肝心

 現時点でプレイ・ブースターについて伝えなければならないことは、これですべてだ。本日の記事やプレイ・ブースターについて意見があれば、ぜひ聞かせてもらいたい。メール、各種ソーシャルメディア(X(旧Twitter)TumblrInstagramTikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。諸君の考えを心待ちにしている。

 それではまた次回、『イクサラン:失われし洞窟』プレビューでお会いしよう。

 その日まで、あなたが新たなプレイ・ブースターでパック開封とリミテッドを楽しめますように。

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