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Making Magic -マジック開発秘話-
バトルを選べ その3
2023年4月24日
これは、『機械兵団の進軍』の36のバトルを取り上げてそれらがどのようにデザインされたかを語る、三部作のその3だ。(その1、その2)それぞれについて、その次元の話をして、なぜその色にしたか、第1面の「入場」効果(ETB)として選んだ効果、バトルを倒した時の第2面で得られるものとして選んだカードについて見ていこう。カードについて、コレクター番号順に見ていくことにする。先週の最後は多色だったので、今日はその続きだ。
《アモンケットへの侵攻》
《アモンケットへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
アモンケットへの侵攻が戦場に出たとき、各プレイヤーはそれぞれカード3枚を切削する。その後、各対戦相手はそれぞれカード1枚を捨て、あなたはカード1枚を引く。(カード3枚を切削するとは、自分のライブラリーの一番上にあるカード3枚を自分の墓地に置くことである。)
主な舞台にしたセット:
『アモンケット』『破滅の刻』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
バスリ・ケト、サムト
アモンケットは、エジプト神話をもとにした次元である。そこを舞台にした物語の中で、ニコル・ボーラスは永遠衆と呼ばれるゾンビの軍団を作った。物語の終わりにこの次元の大部分が破壊されたので、バトルとして使えるものは限られていた。最終的に、我々は第2面として永遠衆を作ることに焦点を当てることにした。それによってメカニズムが絞られ、このバトルの色が決まった。青黒である。(コピーするのは青で、捨てさせるのは黒で、切削は青黒だ。)
第2面のゾンビは、自分の墓地にあるクリーチャーの、4/4のゾンビ版を作る『破滅の刻』からの永遠メカニズムをもとにしている。入場効果は、永遠衆が必要とする墓地のカードを切削と手札破壊で増やすものである。
《アズゴルへの侵攻》
《アズゴルへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
アズゴルへの侵攻が戦場に出たとき、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはクリーチャーやプレインズウォーカーのうち1体を生け贄に捧げ、1点のライフを失う。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
アズゴルは、『プレインチェイス(2012年版)』のカード《灰の偶像のねぐら》1枚で登場している。
ここには火山が描かれており、クリーチャーを生け贄に捧げるメカニズムとゾンビを生成するメカニズムを持っている。これは暗い次元に思える描写で、当然黒赤の次元になる。定義されていることが非常に少ない次元に関しては、クリエイティブ・チームがそこから広げることがありうる。アズゴルは、灰のゾンビで溢れた暗い火山の次元になった。
生け贄がこの次元の鍵なので、入場効果を生け贄効果にするが、このカードをデッキに入れたくなるようにその影響を受けるのは対戦相手にした。第2面は灰のゾンビにしたかったので、ゾンビ・エレメンタルになった。そして、第1面と同じデッキで使うことを考えて、パーマネントが墓地に置かれるたびに利益が得られるようにしたのだ。
《エルガモンへの侵攻》
《エルガモンへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
エルガモンへの侵攻が戦場に出たとき、宝物・トークン1つを生成する。その後、あなたはカード1枚を捨ててもよい。そうしたなら、カード1枚を引く。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
そもそも、『アルファ版』のルールブックで、リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldはウォーゼル/Worzelとトミル/Thomilの対戦の話を書いていた。その対戦の舞台になっていたのが、エルガモン次元だったのだ。その話の中で舞台については殆ど触れられていなかったので、その次元についての情報は多くない。カードで登場していたのは、『プレインチェイス(2012年版)』の《トルーガの密林》だけだった。
この次元カードにはクリーチャーは描かれておらず、自然と高い崖だけが描かれていた。つまり、この次元はクリエイティブ・チームにデザインが委ねられたことになる。彼らはサイなどの野生生物に溢れた次元を作ることにした。これはアンコモンなので、第1面を、バトルに焦点を当てた加速テーマである赤緑のアーキタイプで使えるサイにすることにした。このカードは手札のカードを捨てて、このアーキタイプで使う土地やバトルを手に入れられられるようになっている。第1面は全般的に有用な、宝物・トークンを生成して赤ルーター(捨ててから引く)ができるようになっている。赤ルーターが、第1面と第2面をつなぐものになっているのだ。
《カラデシュへの侵攻》
《カラデシュへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
カラデシュへの侵攻が戦場に出たとき、飛行を持つ無色の1/1の飛行機械・アーティファクト・クリーチャー・トークン1体を生成する。
主な舞台にしたセット:
『カラデシュ』『霊気紛争』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
チャンドラ、ドビン、サヒーリ
カラデシュはチャンドラの出身次元で、スチームパンクとインドからの着想をもとにした次元である。この次元は発明を中心にしていて、メカニズム的にはアーティファクトを濃く扱っている。『カラデシュ』のセットで機体を初登場させたが、この次元が初登場したのは『マジック・オリジン』で、アーティファクト関連の色である青赤の2色だった。カラデシュは、2色の組み合わせが確定している次元の1つである。
第1面の入場効果はカラデシュ特有のトークン、飛行を持つ1/1の無色の飛行機械・トークンを生成する。第2面は「アーティファクト関連」テーマを持つ機体で、そのどちらもカラデシュらしさを出している。第1面で生成したトークンは第2面の機体に搭乗することができるので、シナジーも良い。
また、このカードは物語も連想させるものになっている。サヒーリはカラデシュ出身で、色々なものを改善するのが好きだ。彼女はイクサランに渡って恐竜に関連するプレインズウォーカーのファートリに出会った。そして、サヒーリとファートリは非常に親しくなった。第2面に描かれている機体はサヒーリがデザインしたものであり、イクサランで見た恐竜に濃く影響されている。サヒーリとファートリの関係性を連想させるちょっとしたものになっているのだ。
《ケイレムへの侵攻》
《ケイレムへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
ケイレムへの侵攻が戦場に出たとき、クリーチャー最大2体を対象とする。ターン終了時まで、それらは+2/+0の修整を受け警戒と速攻を得る。
主な舞台にしたセット:
『バトルボンド』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
ケイレムは、2人組同士が戦うフォーマットの双頭巨人戦を基柱としたサプリメント・ドラフト・セットの『バトルボンド』で初登場した次元である。この次元の住人はスポーツやゲームが好きで、大観衆の前で戦うための武勇の場と呼ばれる巨大スタジアムがある。(興味深いことに、この名前は新しい開発部の近くにある会議室の名前になっている。)プレイヤーがそうするように人々も協力し合うというテーマを扱うため、武勇の場での戦いは必ずチーム戦だ。『バトルボンド』ではデッキ内のカードも協力できるよう、「~との共闘」メカニズムまで導入している。この次元の中心は完全に戦いなので(ただし娯楽面はあるが)、これを赤白にした。
第1面の入場効果も第2面も、ケイレムらしい協力というテーマを濃く扱っている。入場効果は2体までのクリーチャーを+2/+0し、2つの能力を与える。第2面は協力すると強くなる2体のクリーチャー・トークンを生成する。なお、第1面第2面ともにアートは武勇の場を舞台としている。
《ローウィンへの侵攻》
《ローウィンへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
ローウィンへの侵攻が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールしていてパワーがX以下でありエルフでないクリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。Xはあなたがコントロールしている土地の数に等しい。
主な舞台にしたセット:
『ローウィン』『モーニングタイド』『シャドウムーア』『イーブンタイド』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
ローウィンは、常にローウィンであるとは言えない奇妙な次元である。ときどきシャドウムーアに変わり、それに伴って次元のすべてのものが変わるのだ。ローウィンとシャドウムーアは二面性を持っており、ローウィンが明るい側、シャドウムーアが暗い側である。現時点で、この次元はこのバトルに書かれている通りローウィンである。『ローウィン』小ブロックには、エレメンタル、エルフ、フェアリー、巨人、ゴブリン、キスキン、マーフォーク、ツリーフォークの8つのクリーチャー・タイプに集中した濃いクリーチャー・タイプ・テーマがあった。
ほとんどのクリーチャー・タイプは2色に集中していたので、テーマの可能性に繋がった。ローウィンの中で最も有名なクリーチャー・タイプはおそらくいたずらなフェアリー(青黒)と、頑固なエルフ(黒緑)だろう。エルドレインのバトルでどうしても第2面をフェアリーにしたかったので、ローウィンはエルフを扱うことにした。そのためこのカードは、ローウィンのエルフの色である黒緑になった。また、ニッサの灯が点った次元として『マジック・オリジン』で登場していたローウィンの色でもあった。
ローウィンのエルフは、自分たちの完全さに他者が及ばないと感じていることで有名なので、そのフレイバーを反映して入場効果はエルフでないものを除去するものになった。ゲーム進行に伴って広がるよう、土地を使う拡大効果にした。土地は、ゲーム進行に伴って増えていくもっとも自然な要素である。第2面はエルフ・戦士で、土地によって拡大する。ただし、その効果によって拡大するのはパワーやタフネスになっている。
《モアグへの侵攻》
《モアグへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
モアグへの侵攻が戦場に出たとき、あなたがコントロールしている各クリーチャーの上にそれぞれ+1/+1カウンター1個を置く。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
「Planeswalker」は「The Brothers' War」の続きとなる小説であった。ザンチャというキャラクターの目を通して、戦後のウルザを追っている。小説の中で、ウルザとザンチャはファイレクシアンから逃げていて、断片と呼ばれるもののせいでドミナリアに戻ることはできなかった。最終的にたどり着いた次元の1つがモアグだったのだ。この次元は「田舎」と定義されており、「豊かな土壌や温暖な気候、活気ある文化の快適な世界」と描写されていた。モアグは初代『プレインチェイス』の《Fields of Summer》で登場している。
これもデイブ・ハンフリーズ/Dave Humpherys率いるセットデザイン・チームがカラー・グリッドを埋めるために深掘りした次元である。緑白なものが必要で、モアグはそれにふさわしい程度に牧歌的だったのだ。クリエイティブ・チームはドライアド・クリーチャーに焦点を当てることに決め、デザイン・チームは第2面でそれを使った。これはアンコモンなので、組み合わさる単純な効果を採用した。第1面は自軍のクリーチャーそれぞれに+1/+1カウンターを置き、これは緑白の「広く並べる」戦略に合致している。第2面はドライアドで、これも+1/+1カウンターを扱うが、すべてに一度にではなく時間とともに(ターンに1回)である。暗い次元と対照的に、モアグは明るくなるように作られている。
《ニューカペナへの侵攻》
《ニューカペナへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
ニューカペナへの侵攻が戦場に出たとき、あなたはアーティファクトやクリーチャーのうち1つを生け贄に捧げてもよい。そうしたとき、アーティファクトやクリーチャーであり対戦相手がコントロールしている1つを対象とする。それを追放する。
主な舞台にしたセット:
『ニューカペナの街角』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
エルズペス
ニューカペナは、エルズペスの出身次元である。かつて天使に支配されていたが、(前回の)ファイレクシアの侵攻のお陰でデーモンのファミリーに支配されるようになっていた。ニューカペナは弧3色(カラー・ホイールで隣り合った色3つ)の陣営を軸にした次元の1つだが、無色のバトルや5色のバトルはそれぞれ1つにしたかったので、これは2色のバトルになることになった。
我々は、第2面を様々なものにすることは重要だと考えていた。第2面が装備品であるバトルが最低1つ必要で、ニューカペナはそれにちょうどいいと思われたのだ。(他の候補は神河だったが、それは忍者にしたかった。)ニューカペナはどの色にもできたので、2色バトルのアンコモンのサイクルに収めようとした。その色のドラフト・アーキタイプに合うものにする必要があった。最終的に、白黒が一番ふさわしいとなったのだ。
白黒のアーキタイプはファイレクシアンに関するものだったが、バトルにおいて名前でそれを指すようにはしたくなかった。妥協点として、白黒の装備品は特定のクリーチャー・タイプを指すことなく、同じクリーチャー・タイプを多くプレイすることで利益を得られるようなものになった。ニューカペナに大量にあることから、武器としてフレイバー付けした。このドラフト・アーキタイプは大量の培養を使うので、第1面の入場効果はアーティファクトやクリーチャーを1つ生け贄に捧げて対戦相手のアーティファクトやクリーチャー1つを追放するものにした。これによって、変身していない培養器・トークンを使って対戦相手の最大の脅威を取り除くことができるのだ。
《新ファイレクシアへの侵攻》
《新ファイレクシアへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
新ファイレクシアへの侵攻が戦場に出たとき、警戒を持つ白青の2/2の騎士・クリーチャー・トークンX体を生成する。
主な舞台にしたセット:
『ミラディン』『ダークスティール』『フィフス・ドーン』『ミラディンの傷跡』『ミラディン包囲戦』『新たなるファイレクシア』『ファイレクシア:完全なる統一』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
コス
新ファイレクシアは、別の次元として始まった唯一の次元である。最初はミラディンで、人工の金属入りの次元で、濃いアーティファクト・テーマがあった。2回目の訪問では、この次元はファイレクシアンにゆっくりと侵略されていることがわかった(これは最初の訪問のときに仄めかされていた)。そしてそのブロックの終わりに、新ファイレクシアに変貌を遂げたのだ。(旧ファイレクシアは、また別のファイレクシア人の一団によって作られたものであった。)
侵略者たちの次元なので、「新ファイレクシアへの侵攻」があるべきかどうかという議論はあった。ファイレクシアンは他のすべての次元を侵略しているのだ。しかし、ここで描くべき重要な物語上のポイントがある。その大きな出来事の1つが、テフェリーが彼の出身次元のザルファーを開放できるようになったということである。テフェリーは彼の灯を失い、取り戻すことはできなかった。これはテフェリーの物語で重要な部分である。物語上、テフェリーはザルファーを開放し、それで新ファイレクシアを攻撃した。これがこのバトルで注目される部分である。
先述の通り、我々は第2面に様々な種類のパーマネントを入れる方法を探していた。プレインズウォーカーはどうだろうか。そして、ザルファーによる新ファイレクシアへの攻撃を描いたバトルの第2面をテフェリーにするのはクールだろうと気がついたのだ。そうなると、テフェリーの色である白青にしなければならない。これは、アンコモンのサイクルに含まれない2色バトルの1枚である。
白青は騎士テーマを持っていて、ザルファーに騎士がいることは有名なので、このカードはそれを扱うものになる。入場効果は警戒を持つ大量の白青の2/2の騎士を出せるX呪文である。第1面は自軍の騎士を強化し、自軍の騎士やその他のクリーチャーをを使って脅威に対応できる能力を持つ。また、カードをろ過したり引いたりすることもできる。全体として、心躍るバトルになっている。
《パイルリーへの侵攻》
《パイルリーへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
パイルリーへの侵攻が戦場に出たとき、占術3を行う。その後、あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を公開する。それが土地や両面であるカードなら、カード1枚を引く。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
この次元の初登場は、小説「The Thran」だった。ダヴェッドがそのプレインズウォーカーとしての能力をヨーグモスに示すため、ヨーグモスをパイルリーに導く。その次元は巨大な球の内側にある深い森である。
この次元の初登場は、『未来予知』の《地平線の梢》だった。マジックの未来の可能性を示す、ミライシフト・カードの1枚だった。2度めの登場は、《Horizon Boughs》というDCIプロモ次元だった。どちらのカードにも、巨大な葉の上にいる小さい人々と鳥が描かれていたが、クリエイティブ・チームが従わなければならないのはそれだけだった。
この次元が緑なのは明らかだったが、最終的にもう1色は青になった(おそらく、次元が自然に球体になることはないことからこの次元が誰かに作られたものであると感じられたからだろう)。緑青のドラフト・アーキタイプは両面カードと変身を扱うものなので、バトルはそれをメカニズム的な出発点にした。入場効果は両面カードをプレイすることで利益を得られるものにして、土地でもよくした。第2面はその次元の新しいクリーチャーとして、巨大なビーストの板岩角を使った。これも、両面カードをプレイすることで利益が得られる。
《トルヴァダへの侵攻》
《トルヴァダへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
トルヴァダへの侵攻が戦場に出たとき、あなたの墓地にありバトルでないパーマネント・カード1枚を対象とする。それを戦場に戻す。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
ケイヤ
トルヴァダはケイヤの出身次元である。最初に取り上げられたのは小説「War of the Spark: Forsaken」だったが、初登場はコミック「BOOM!」だった。この次元の最も象徴的な性質は、空が青いひび割れで覆われていることである。ケイヤは、ニコル・ボーラスにその責任があると考えている。ボーラスは彼女の奉仕と引き換えに空を直すことを提案したのだ。このバトルは、ケイヤの色に合わせて、白黒にした。これはレアであり、アンコモンのサイクルの一部ではない。
第1面は白黒を組み合わせてできる(白で戻せるのがアーティファクト、エンチャント、土地、プレインズウォーカー、小型クリーチャー。黒はサイズを問わずクリーチャーを戻せる)、バトルでないパーマネントを戻すものにした。第2面は、物語上でトルヴァダのスピリットが領界路(次元間の通路)を通って新ファイレクシアに攻撃していることを描いている。このカードはスピリット・トークンを生成し、強化するのだ。
《キセレクスへの侵攻》
《キセレクスへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
キセレクスへの侵攻が戦場に出たとき、クリーチャー最大1体を対象とする。それをオーナーの手札に戻す。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
キセレクスは、現実を曲げる物理の奇妙な次元である。この次元の初登場は『プレインチェイス(2012年版)』に関連するDCIプロモ《無限への階段》である。
このカードは、アンコモンの白青のスロットに入った。そのドラフト・アーキタイプは、騎士を参照するクリーチャー中心のデッキである。入場効果を単純にしたかったので、バウンス効果にすることにした。第2面は騎士にする必要があった。最終的に、キセレクスの世界らしさを加えるために天使・騎士にして、白青デッキのフィニッシャーにした。このカードのパワーとタフネスはクリーチャーの数によって変わるようにしたので、このアーキタイプにまさにふさわしいものになった。それぞれの面のアートには、もとの次元のアートにあった、エッシャーのような階段が描かれている。
戦線が開かれた
これで3週に渡る36種類のバトルの話は終わりになる。いつもの通り、今日の記事や私が語ったバトルや次元、『機械兵団の進軍』そのものについての感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
来週は、『機械兵団の進軍:決戦の後に』のプレビューで、なぜ作られたのか、どうデザインしたのかの話をしよう。
その日まで、あなたが多くのバトルに勝利できますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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