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Making Magic -マジック開発秘話-
『戦争』行為 その2
2022年11月7日
『兄弟戦争』の話をする2週目にようこそ。先週、このセットの展望デザインの話をした。今週は、セットデザインについての話をしよう。チームのメンバーを紹介し、展望デザインの提出したものからこのセットが印刷に至るまでを見ていくことになる。
『兄弟』の絆
いつもの通り、リード・デザイナー、今回の場合はヨニ・スコルニク/Yoni Skolnikにデザイン・チームを紹介してもらう。(ただし最後のヨニについての項目は私が書いた。)
アリ・ニー/AriNieh
セットデザインに入ったときからチームの期間のほとんどの間、アリはチームの一員でした。彼女が展望デザイン・チームをリードしていた時期にも私たちは協働していて、セットデザイン中もその協力関係を続けることはかけがえのないものでした。
セットデザインの最初の数か月、私たちは密に協力して展望デザイン中に作られたメカニズムの反復工程と、セットの複雑さを管理するためのさまざまな選択肢の組み合わせを試しました。メカニズムやテーマの組み合わせが決まると、彼女の役割はこのセットが兄弟戦争の物語やテーマを正しく表現するという目標に沿い続けるようにすることに変わっていきました。メカニズムやゲームプレイの実装の細かなことに深く深く掘り進んでいくにつれ、その類のことは見失いがちなものです。
展望デザイン・リードとこのように良い関係を保ち、何年もとい何か月にも及ぶような長期の対立や深刻な破滅につながる不和を心配する必要がまったくないことは楽しいことでした。
ブライアン・ホーレイ/Bryan Hawley
ブライアンは展望デザイン・チームから引き継いで1か月ほどセットデザインに関わりました。当時、デザインにおける彼の第一の仕事は、展望デザイン・チームでプレイデザインの代弁をすることでした。展望を完全に構築された構造に組み上げる上で、彼の経験は非常に有意義なものでした。それを素早く効率的にすることは、私たちが文脈内であらゆる側面を検証できるように完成形のセットをプレイする感覚を正しく得られるプレイテストを可能にするために必須でした。
クリス・ムーニー/Chris Mooney
クリスは展望デザインからセットデザインに移り変わったころにチームに参加しました。その期間、私たちの第一の焦点は展望デザインが提示したメカニズムやテーマを、ドラフトのためのアーキタイプの完全な構造へと広げることでした。クリスの最大の貢献はこのセットに兵士部族を加えたことで、これは兵士には軽いコストでつけられる装備品1つの存在がきっかけとなりました。そのカードは最初のデザインが作られてから印刷に到るまでそのままで、兵士のアーキタイプを私たちが見るあり方の基本になりました。
ザック・エルシック/Zac Elsik
ザックはブライアンの抜けた後のプレイデザイン代表で、リミテッドのプレイテスト期間のバランス調整と私たちのメカニズムが構築でどう働くかの評価をしてくれました。いつでも常識を飛び出す準備ができていたプレイデザイナー兼カードデザイナーとして、私はザックのことを高く評価しています。この時点でセットに彼を招いて、デザイン初期に素早く変わりゆくセットの側面を実装する方法についての考えを提案できるようにしたのは特に素晴らしいことでした。
デイブ・ハンフリー/Dave Humpherys
デイブはセットデザイン・リードの達人で、このセットがあまりにも複雑になっていてもっと洗練されたメカニズム群が必要だという初期の批判的評価を私が理解するために欠かせない協力をしてくれました。
当時、彼は、このセット同様アーティファクト・テーマを濃く持っているスタンダードのセット『神河:輝ける世界』のデザインのリードの終盤でもありました。アーティファクトやそれに言及したカードは難しいことがよく知られていて、その難関をどうするかという計画を立てる上でデイブにかなり助けてもらったのです。
メーガン・スミス/Megan Smith
メーガンは、リミテッドの構造を作ってこのセットでの構築向けのデザインについて考える方向性を定義し始める数か月の間、セットデザイン・チームに所属していました。彼女の最大の寄与は、蘇生メカニズムの使用やセット内の(完全)無色カードについての考えをまとめることを助けてくれたことでした。メーガンはエターナル・フォーマットのファンで、「レトロ」感を持たせることに強く焦点を当てたセットに欠かせない観点をもたらしてくれました。
そのレトロ感の中で、私は、マジックの初期に使われていたけれども使われなくなったデザイン空間を掘り下げる必要があるとわかっていました。その大きな部分が、マナの否定と監禁効果でした。メーガンはそれらの効果をプレイすることが好きで、したがって邪悪なので、その掘り下げにおける有用な仲間でした。極悪に手を染めた人間として、私は愚かなことをすることを臆面なく楽しめます。究極的には、正義の勢力が勝ち、それらのごく一部だけが印刷に到りました。しかしながら、悪党の皆、私たちはまだミーガンの最後を見ていないのです。(ムハハハハ!)
メリッサ・デトラ/Melissa DeTora
メリッサはデザインの中期にチームに所属していました。彼女はプレイデザイナーとして競技に強いと同時に、カジュアルあるいは新しいプレイヤーのこともよく理解しているので、彼女をチームに迎えることをいつも高く評価しています。その広い専門性から、彼女は複雑さを抑えて構築向けのデザインやプレイテストも視野に入れながらスムーズでバランスの取れたリミテッドのゲームプレイを作ることができるのです。
このセットのデザインの末期に、新しくメリッサをリーダーとしたカジュアルプレイデザイン・チームが結成されました。工程の後期でしたが、メリッサ率いる新チームと協力して統率者戦向けのアピールや良いゲームプレイのバランスのためにこのセットのカードを磨き上げたのは素晴らしいことでした。
ベン・ウェイツ/Ben Weitz
ベンはプレイデザイナーとしてウィザーズに入ってすぐ、セットデザインの中期のこのチームに配属されました。ゲームデザインの初心者ではありましたが、マジックのゲームプレイに関する深い洞察はすぐに有用さを示し、彼はしっかりと取り組みました。デザイン技術の素早い成長に加え、ベンは兄弟戦争の大ファンとしても有用で、彼がこのセットに大きな貢献を果たせるタイミングで参加したのは僥倖でした。
ベンは最後までこのチームに残り、その後もプレイデザイナーとしてこのセットに関わりました。プレイデザインの他のメンバーが次のスタンダード・セットに焦点を移しても、ベンは修整が可能な最後の日まで『兄弟戦争』を磨き続けたのです。私は、その熱心さに関して、彼の仕事を特にありがたく思っています。
ダニエル・ホルト/Daniel Holt
ダニエルは統率者デッキの展望デザインをリードするため、このセットに慣れるためにほんの一時期だけチームに参加していました。彼をデザイナーとして、そして新鮮な視点としてチームに迎えたのは素晴らしいことでした。マジックのカードをデザインすることに加え、ダニエルは素晴らしいグラフィックおよびUXのデザイナーでもあり、彼が試作メカニズムのためのカード枠をデザインしてくれたことでメカニズム的に複雑な要件の舵取りをする努力については本当に感謝しています。
アンドリュー・ブラウン/Andrew Brown
アンドリューはデザインの後期に、バランスの取れたプレイのためにこのセットを調整する助けとして参加しました。チームのメンバーの中で、彼は兄弟戦争の物語に最も疎く、だからこそこのセットのフレイバーがその深い歴史を知らない人にどう映るかを見る有用なテストケースになりました。
彼はあまりにも無知だったので、チームに入って1か月以上経ったある日の会議で「え、ウルザとミシュラって兄弟なの?」と聞いたほどでした。
その発言で私たちは絶句し、会議は5分ほど脱線することになりました。
コーリー・ボーエン/Corey Bowen
コーリーは、リミテッドのバランスとスタンダード向けのデザインの終盤に入った頃、『兄弟戦争』チームに最後に参加しました。すばらしい統率者戦製品をリードしていないときは、コーリーはアイデアや熱意の源なので、スタンダード・セットに参加してもらうのは楽しいことです。彼は特に終盤、ゲームプレイの細部で迷いがちな時には有用です。マナ・カーブやアーキタイプの表に出てこないセットのエキサイティングな側面を見失わないようにするために、彼の新鮮な視点は重要でした。
ヨニ・スコルニク/Yoni Skolnik
(ここからマーク筆)本流のセットのセットデザインをヨニがリードしたのは今回が(『基本セット2020』『ストリクスヘイヴン:魔法学院』に続く)3回目となる。世にはセットデザインをリードするすべての製品で展望デザイン・チームに参加している。ヨニが可能なことの境界を調べるために展望デザインで何を試せるのかを常に掘り下げていくことやセットデザインでそれらの考えを最適化するために尽力することを私は評価している。今日の記事で見る通り、『兄弟戦争』にはセットデザインで直面することになる複雑さの問題があった。ヨニはデザインの中核を見つけ、セットにとって有益でない複雑さを切り落とす素晴らしい仕事をした。私は『兄弟戦争』のデザインの仕上がりに大変満足していて、私が展望デザインを務めたセット(コードネーム『Tennis』)で今現在彼がしている仕事に注目しているのだ。
大いなる『兄弟』
さてそれではまず展望デザインからセットデザインに提出されたメカニズムを思い出してもらおう。
- 合体(コモンの5組を含む)
- パワーストーン
- 試作
- 強襲
- 屑鉄/Scrap ― 屑鉄N(N, あなたの墓地にあるこのカードをソーサリーとして追放する:アーティファクト1個を対象とする。永続的にそれはこれのこれ以外のすべての能力を得る。)
展望デザインの主な目的は、セットデザインにセットの青写真と、そして理想的にはその青写真からセットを作り上げるために必要なすべての道具を提供することである。我々は、セットデザイン・チームにセットを作る上での柔軟性を与えることになるので、必要以上のものを提供することが最適だと学んできた。展望デザインが必要なものだけしか提供しなかった場合、ボツにしなければならなくなった時に問題になるのだ。すなわち、提出文書に印刷されたより多いメカニズムが書かれているのは工程上正常なのである。
セットデザインの最も一般的な始まりは、展望デザインから提出文書を受け取り、それを少し手直ししてプレイすることである。そのプレイテストで、セットデザイン・チームが一番拡張したいのはそのデザインのどの要素で切り捨てるべきはどの要素かの感覚をつかむのだ。
これから、上述の5つのメカニズムについて見ていき、セットデザイン中の進化について語ろう。順番は、このセットのデザイン中の時系列になるべく則るようにした。
屑鉄/Scrap
屑鉄は展望デザイン提出文書にある中で最も冒険的なものだった。そのため、展望デザイン・チームは代替のメカニズムとして蘇生を含めていたのだ。これは展望デザインがよく使う技法である。何か限界を押し広げるようなことを試すが、その後、実行可能な(そしてほとんどの場合安全で実装が簡単な)代替のメカニズムを提示するのだ。
屑鉄は変容のある意味での副産物としてデザインされた。ウルザとミシュラの物語では、彼らは、古の機械を掘り出し、そして現代の発明や戦争行為という新しい目的のために使う。つまり、一回破壊されたアーティファクトを取り出し、もう一度使っただろうということである。屑鉄は、ジョニー/ジェニーのメカニズムとスパイクのメカニズムの交点だった。多くのクールなコンボが可能になったが、一方でカードを最適化する手法にもなった。プレイ感もよく、素敵なゲームプレイの瞬間を作ったのだ。そしてどうなったのか。2つのことが起こった。
1つ目は、複雑さの問題だった。セットデザイン・チームはすべてのメカニズムでプレイして大いに楽しんだが、その後で上層部とプレイテストをしたところ、その評価は「複雑すぎる」というものだった。あまりにも多くのものを詰め込みすぎていたのだ。飛び抜けて複雑なメカニズムが屑鉄だった。そしてすぐに使える代替として蘇生があり、メカニズム的にもクリエイティブ的にも置き換えが可能だった。
2つ目の問題は、屑鉄は再利用できる能力に強さがあるので、小型クリーチャーでしか意味をなさないということだった。『兄弟戦争』の物語は基本的に、巨大なアーティファクト・クリーチャー同士の戦いである。屑鉄は間違った方向に向かわせていたのだ。また、発明というものを扱っていたが、発明は物語の一部ではあるけれどもヨニ率いるチームが焦点を当てたいものではなかった。これらさまざまな理由から、屑鉄は没になり、蘇生に差し替えられたのだった。
展望デザイン(あるいはその前のデモ・デッキ)では大量の蘇生のデザインをしていたので、セットデザイン・チームはすぐにその置き換えが可能だった。そして、蘇生は、次に取り上げる別の問題の解決策にもなったのだった。
強襲
『兄弟戦争』は戦争の物語である。本質的に、対立が中心になる。メカニズムの多くは、機械の構築に関するものだった。展望デザイン・チームはこのセットも戦闘や攻撃が中心である必要があると気づいていたので、メカニズム的に攻撃を推奨する単純な方法として強襲が入れられていた。
セットデザイン・チームはこのセットで強襲が果たす役割を気に入ったが、単純化するという工程の中で、屑鉄を蘇生に置き換えた。そうする中で、彼らは攻撃的なものを追加したことに気がついた。蘇生は、本質的に、プレイヤーが墓地から戻したカードは1ターンしか残らないので、それを使うことを推奨するものである。アーティファクト・クリーチャーを戻したなら、攻撃しない理由があるだろうか。いずれにせよ、ターンの終わりには死ぬのだ。蘇生によってセットデザイン・チームが必要だと考えるだけの攻撃性が得られたので、強襲は取り除かれることになった(ただし、カード1枚単位のデザインは必要になった。)
合体
展望デザイン・チームは、ウルザ(白青)とミシュラ(黒赤)とティタニア(緑)の、レアや神話レアの組3つを提出した。セットデザイン・チームはそれらのカードそれぞれのデザインは改めたが、合体の組そのものはそのまま残された。
また、他にコモンの合体の組5つを提出していた。それぞれの組はアーティファクト・クリーチャーと呪文からなっていた。そのクリーチャーを唱えたときに呪文が墓地にあるか、あるいは呪文を唱えた時にアーティファクト・クリーチャーが戦場にあるなら、合体するのだ。それらの組は、ウルザやミシュラが普通の品物と普通の魔法を組み合わせて武器にしていたことを表していた。残念ながら、バランスを取りにくくする要素である複雑さと分散の両方を高めてしまうのので、没になった。
ヨニと話したところ、彼は、コモンの合体の組は将来のセットでおそらく可能だろうけれども、そのためにはセットの構造として、複雑さの懸念や大型アーティファクト・クリーチャーの戦闘よりも創意工夫というフレイバーが強くなってしまうことから『兄弟戦争』では不可能だったかなりのサポートが必要となると考えていた。
試作
試作の課題の中心にあったのは、この新メカニズムが実際にどう作用するか、そしてどのようなカード枠にする必要があるかだった。試作はもっとキッカー寄り、つまり追加でマナを支払うことでカードを強くするというものか、それとも分割カードやMDFCのように2つの呪文を1枚のカードに入れたものなのか。
プレイテストや議論を重ねたあとで、セットデザイン・チームは分割カード/MDFC的なほうがいいと判断した。つまり、試作コストで呪文を唱えたなら、それは試作のマナ・コストを持ち、そのため有色になるということである。機能を伝えるため、カード枠にもかなりの手間がかけられた。
パワーストーン
まず、展望デザイン提出文書にあったパワーストーン・トークンの働きはこうだった。(それは「{T}: {C}を加える。このマナは呪文を唱えるためには支払えない。」を持つアーティファクトである。)最初のアイデアでは、パワーストーン・トークンはアーティファクトを唱えるのではなく起動するために使うものとなっていた。物語上では、パワーストーンは兄弟2人がそれぞれのデザインしたものの動力として使うエネルギー源である。しかし、セットデザイン・チームがそれでプレイしてみたところ、それでアーティファクトを唱えられないのは不快だと気がついたので、パワーストーン・トークンをこう変更したのだ。(それは「{T}:{C}を加える。このマナは有色の呪文を唱えるためには支払えない。」を持つアーティファクトである。)
思い出してもらいたいのは、このセットにおけるアーティファクトの展望は、最初のデモ・デッキからずっと、マナ・コストは不特定マナで、起動コストや誘発コストや代替コストのマナは有色を使う、というものであった。このテンプレートはセットデザインのほとんどの期間を通して使われたが、これは、1つを除いてすべてのアーティファクトが不特定マナ・コストを持つリミテッドに焦点を当てていたからである。プレイデザインが関わって、『兄弟戦争』が他のセットとどう相互作用するかを見始めると、ほとんどのセットに有色アーティファクトが存在していた。それらのアーティファクトともうまく噛み合うようにするため、テンプレートは最終形へと変更された。(それは、「{T}:{C}を加える。このマナはアーティファクトでない呪文を唱えるためには支払えない。」を持つアーティファクトである。)
セットデザイン中のパワーストーン・トークンに関するもう1つの大きな進化は、それらを戦場に出すときにタップ状態にするということだった。これには2つの理由があった。1つ目が、パワーレベルの問題である。即座にマナを増やすのは強く、そうなると重くする必要や使える条件に制限を掛ける必要がある。2つ目は、複雑さの問題である。パワーストーン・トークンがアンタップ状態で戦場に出てマナを出すとなると、マナの使用を最適化したいと考えることになり、計算が複雑になるのだ。複雑さを形付ける方法を探していたセットデザイン・チームは、これが進歩だと考えたのだった
『兄弟』の番人
さて、セットデザイン・チームが展望デザインから受け取ったものをどう扱ったかの話をしたところで、ここからは彼らがファイルに追加したものを見ていこう。
レアの命令
このセットの中心には戦闘機械がある。つまり、2つの重要なメカニズムはアーティファクトに持たせるべきである。そういうセットにおいては(テーマ的焦点をパーマネントに置くことになる)、セットデザイン・チームは派手なレアの呪文のサイクルを作ることが一般的である。
命令(4つの選択肢から2つを選ぶ)の初登場は『ローウィン』で、プレイヤーに人気だったのでそれ以降もいろいろなバージョンを作ってきた。しかし、初登場以来単色のサイクルは作っていなかったので、セットデザイン・チームはそれを追加することを考えたのだ。問題は、このセットにふさわしいと感じられるようにするにはどうすればいいかだった。それぞれが物語上の特定の人物を象徴する(白はカイラ、青はウルザ、黒はギックス、赤はミシュラ、緑はティタニア)というアイデアが浮かび、サイクルが作られた。
物語上の人物や出来事
展望デザインはこのセットで再現したいもののリストを作ったが、そのリストは少しばかり長過ぎることがわかった。セットデザイン・チームはクリエイティブ・チームと協力して、セットで再現する必要がある物語上のもの(ほとんどは小説由来)すべてを網羅したリストを作った。
キャラクターについては、それぞれの色を考え、そのキャラクターの性質をメカニズム的に再現したカードにする。物語上の出来事については、それを表すにふさわしい呪文を見つける。
『兄弟戦争』は70年以上に渡るので、語るべき物語は多い。この難しい点の1つが、物語の出来事が特定の方向に偏っていた時にセットの色のバランスを撮らなければならないということだった。つまり、新しい白のキャラクターを追加したり、緑にできる要素を増やすために例えばアルゴスを強調したりすることになる。
ドラフト・アーキタイプ
他のセット同様、主たるドラフトのアーキタイプを決める必要がある。このセットでは、2色のアーキタイプ10種だった。振り分けはこうなった。
白青(兵士関連)
ほとんどのセットでは、クリーチャー・タイプがメカニズム的に意味を持つようにすることが多い。ヨニがクリスを紹介する時に言った通り、このテーマはクリスが兵士を参照する装備品・カードをデザインしたことから生まれている。それはプレイ感がよく、兵士を参照することは戦争についてのセットにまさにふさわしかったのだ。それにも増して、兵士についてはここしばらくメカニズム的にあまり扱っていなかったので(愛のほとんどは戦士に注がれていた)、プレイヤーがずっと望んでいるとわかっていたものだった。
青黒(2枚目関連)
2枚目のカードを引くことで利益を得る青黒のコントロール・デッキである。このテーマは青赤のことが多いが、ギックスと第三の道というこの戦争にあまり関わりがなくそれぞれの目標のために調査をすることに焦点を当てている両者と重ねることがふさわしいテーマである。
黒赤(蘇生と生け贄)
黒と赤は、パーマネント、特にクリーチャーを生け贄に捧げることが多い色である。これと蘇生は相性がいい。このデッキは、本質的に攻撃的である。蘇生したクリーチャーで攻撃するのだ。死んだ後、蘇生して再び攻撃して、死ぬ前に生け贄に捧げて利益を得る。洗う。すすぐ。繰り返し。
赤緑(パワーストーン・ミッドレンジ・ランプ)
赤と緑は加速の色である。パワーストーンは中型のアーティファクト・クリーチャーを素早く出して攻撃する助けになる。重い法で唱えることができるので、これは混成を最もうまく使うアーキタイプの1つである。そのため、これは色違いのアーティファクト・クリーチャーをプレイすることが最も多いデッキの1つである。
緑白(アーティファクト入場関連)
このアーキタイプは、正式名のついていない、通称「アーティファクト上陸」を使い、カードやトークンとしてプレイされるあらゆるアーティファクトから利益を得る。多くのアーティファクトをプレイし、利益を得、そしてアーティファクト・クリーチャーの待遇で攻撃するのだ。
白黒(パワー3以下関連)
これも蘇生と噛み合うデッキであり、軽いアーティファクトやクリーチャーを参照するテーマと組み合わせて使い、それらをライブラリーや墓地から戦場に出す。
青赤(非クリーチャー・呪文関連)
青と赤は非クリーチャー呪文が最も多い色なので、このアーキタイプはそれを使ってアドバンテージを狙うテンポデッキである。フレイバー的には、第三の道の研究を表している。
黒緑(墓地関連)
黒と緑は通常最も墓地中心の色である。このアーキタイプは墓地を肥やすことが必要で、墓地にあるすべてのクリーチャーを数える。テーマ的には、これは、物語上で最も死に関連の深い2つの勢力であるギックスとアルゴスの重複部分を扱っている。
赤白(蘇生アグロ)
この2色にはプレイしたり蘇生で戻したりするのが最も軽いクリーチャーがある。その目標は、相手の準備が整う前に圧倒することである。
緑青(パワーストーン・大型ランプ)
赤緑同様、緑青もパワーストーンで加速して試作を活かす色である。緑青ランプでは大型アーティファクトをプレイするのは少しばかり難しく、赤緑より少し遅いが、長期戦では強くなる。
ああ『兄弟』
本日はここまで。『兄弟戦争』のセットデザインの話を楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り、今日の記事や『兄弟戦争』そのものに関して、諸君からの反響を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、『兄弟戦争』のカード個別のデザインの話を始める日にお会いしよう。
その日まで、あなたとあなたの兄弟がともにいられますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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