タイプ行に「吸血鬼/Vampire」が印刷された初めてのカードは、1993年『アルファ版』の《センギアの吸血鬼》である。２枚目がその２年後の『アイスエイジ』で《クロヴの吸血鬼》。《貪欲なる吸血鬼》はその後、1996年の『ミラージュ』。その翌年の『テンペスト』で印刷された《スカイシュラウドの吸血鬼》が４枚目になる。その後、５枚目（と６枚目と７枚目）の吸血鬼が登場するのは、マジックが始まって８年経った2001年の『オデッセイ』である。《悔悟せる吸血鬼》、《忍び寄る吸血者》、《吸血ドラゴン》が登場している。数年後のクリーチャー・タイプの更新によって、初期の吸血鬼らしいフレイバーを持った数枚のカードに吸血鬼が追加されている。

　クロウヴァクスが印刷された当時、伝説のという特殊タイプは、レジェンドというクリーチャー・タイプだった。そして、わずかな例外を除いて、クリーチャーはクリーチャー・タイプを１つしか持たなかった。クロウヴァクスを吸血鬼にするために、ルール文に「呪われたクロウヴァクスは吸血鬼として扱う。」と書く必要があったのだ。

　《悔悟せる吸血鬼》と《勇敢な行為》はどちらもマーク・テディン/Mark Tedinの手による大きなアートの一部である。

　２つ目のクリーチャー・タイプが印刷されている初めての吸血鬼は、『オデッセイ』の《吸血ドラゴン》である。吸血鬼・コウモリはまだ印刷されていないが、『イニストラード』の《金切り声のコウモリ》//《忍び寄る吸血鬼》は一方の面がコウモリでもう一方の面が吸血鬼である。『エクソダス』の《吸血犬》は印刷当時は猟犬だった。クリーチャー・タイプの大更新の際に、吸血鬼のクリーチャー・タイプを得た。（そして後に犬になった。）初めての吸血鬼・スケルトンは、『ギルドパクト』の《骸骨の吸血鬼》である。

　複数枚の伝説のクリーチャー・カードになっている（少なくとも１枚以上が）吸血鬼は、７人いる。

• アノワン ― 《遺跡の賢者、アノワン》（『ワールドウェイク』）、《遺跡の盗人、アノワン》（『ゼンディカーの夜明け』統率者）
• センギア男爵 ― 《Baron Sengir》（『ホームランド』）、《闇の男爵、センギア》（『統率者レジェンズ』）
• クロウヴァクス ― 《呪われたクロウヴァクス》（『ストロングホールド』）、《隆盛なるエヴィンカー》（『ネメシス』）、《隆盛なる勇士クロウヴァクス》（『次元の混乱』）
• ドラーナ ― 《カラストリアの血の長、ドラーナ》（『エルドラージ覚醒』）、《マラキールの解放者、ドラーナ》（『戦乱のゼンディカー』）、《最後の血の長、ドラーナ》（『ゼンディカーの夜明け』）
• カリタス ― 《ゲトの血の長、カリタス》（『ゼンディカー』）、《ゲトの裏切り者、カリタス》（『ゲートウォッチの誓い』）
• ミリー ― 《猫族の戦士ミリー》（『エクソダス』）、《呪われたミリー》（『次元の混乱』）、《ウェザーライトの決闘者、ミリー》（『統率者（2017年版）』）
• オリヴィア ― 《オリヴィア・ヴォルダーレン》（『イニストラード』）、《戦争に向かう者、オリヴィア》（『イニストラードを覆う影』）

　《捕らわれの宿主》（『戦乱のゼンディカー』）はエルドラージ・末裔を生成する。《殺戮の専門家》（『イニストラード：真夜中の狩り』）は人間を生成する。《シルバークイルの牙、フェリーサ》（『統率者（2021年版）』）は墨獣を生成する。霊気装置を生成する吸血鬼はいない。

　《吸血鬼の勇者》（『イクサランの相克』）は接死だけを持つ。《尊大な吸血鬼》（『ポータル』）、《歓喜する空渡り》（『イクサランの相克』）、《軍団の飛び刃》（『イクサラン』）、《吸血鬼の亡霊》（『イクサランの相克』）は飛行だけを持つ。《司教の兵士》（『イクサラン』）、《血の暴食》（『基本セット2021』）、《夜の子》（『基本セット2010』）、《マルコフの上流階級》（『イニストラード』）、《ヴィズコーパの吸血鬼》（『ラヴニカの献身』）は絆魂だけを持つ。速攻だけを持つ吸血鬼はいない。

　『基本セット2010』は、コモンに吸血鬼が《夜の子》と《吸血鬼の貴族》の２枚いる初のセットである。

　《ネファリアの災い、ジェリーヴァ》（『統率者（2013年版）』）はＪから始まり、《不死の援護者、ヤヘンニ》（『霊気紛争』）はＹから始まり、《鼓動盗み、ザグラス》（『ゼンディカーの夜明け』）はＺから始まるが、Ｕから始まる吸血鬼・カードは今の所存在しない。

　《吸血鬼の夜鷲》は、『統率者（2011年版）』、『基本セット2013』、『モダンマスターズ 2017年版』にいるが、『ワールドウェイク』にはいない。《吸血鬼の夜鷲》がいたのは１つ前のセット『ゼンディカー』である。

　ドラーナは、ゼンディカーの吸血鬼第１世代で唯一の生き残りである。

　自分自身以外のすべての吸血鬼に継続的に＋１/＋１を与えるクリーチャーは５枚ある。《蠱惑的な吸血鬼》（『基本セット2011』）、《ミルクルの死の僧侶》（『フォーゴトン・レルム探訪』）、《軍団の副官》（『イクサランの相克』）、《流城の隊長》（『闇の隆盛』）、《血に飢えた血王》（『基本セット2020』）である。

　初代『イニストラード』では、吸血鬼デッキは赤黒のエントリーセットで「血の謝肉祭」という名前だった。

　『闇の隆盛』のブースター・ボックスの中心は、吸血鬼のソリンだった。リリアナは、『イニストラード』と『異界月』のブースター・ボックスに描かれていた。ジェイスは『イニストラードを覆う影』のブースター・ボックスに描かれていた。

　トップダウンのセットでは、我々が手掛けているトップダウンのものが何であるのか誰にでもわかるように、プレイテスト・カードの名前を元ネタから取ることが多い。その後、クリエイティブ・チームが独自の解釈を与え、その元ネタのマジック版を作り上げるのだ。オリヴィアは、ドラキュラ伯爵という名前だった当時に、『イニストラード』の社内レア投票で優勝している。（ウィザーズ社員なら誰でも投票できる社内レア投票は、プレイヤーがどのレアや神話レアを特に気に入るかを我々が見定める助けになっている。）

　白黒赤で使える吸血鬼は、271種類に及ぶ。青黒赤では、244種類になる。黒赤緑では、234種類になる。白青黒では、227種類になる。

　ソリンは《エドガー・マルコフ》の孫である。

　《神出鬼没な拷問者》（『イニストラードを覆う影』）は青のカード《陰湿な霧》になる。《血流の学部長、ヴァレンティン》（『ストリクスヘイヴン：魔法学院』）は緑のカード《樹根の学部長、リセッテ》として唱えられる。《ヴォルダーレンの下層民》（『異界月』）は無色のカード《血統の撤廃者》になる。単色の両面吸血鬼の中に、第２面が赤のカードであるものはない。

　血の祭りが行なわれるのは、イクサランである。

　《呪われたミリー》（『次元の混乱』）は吸血鬼・猫である。《喉追い》（『モダンホライゾン』）は吸血鬼・忍者である。《ニルカーナの亡霊》（『エルドラージ覚醒』）は吸血鬼・シェイドである。吸血鬼・エルフはまだ印刷されていない。ただし、いつの日か登場させたいものだ。

　青黒赤の吸血鬼の統率者は２枚あり、《疫病の女王、ガルザ・ゾル》（『コールドスナップ』）と《ネファリアの災い、ジェリーヴァ》（『統率者（2013年版）』）である。白黒赤の吸血鬼の統率者は３枚あり、《エドガー・マルコフ》（『統率者（2017年版）』）、《血滾りの司令官、リシア》（『統率者（2017年版）』）、《悪鬼追い、マシス》（『統率者（2017年版）』）である。黒緑青の吸血鬼の統率者は１枚で、《最初に堕ちし者、ラヤミ》（『統率者（2019年版）』）である。現時点で、白青黒の吸血鬼の統率者はいない。

　名前にファルケンラスを含むカードは12枚あり、《エインジー・ファルケンラス》《ファルケンラスの貴種》《ファルケンラスの駆除屋》《ファルケンラスの過食者》《ファルケンラスの匪賊》《ファルケンラスの貴族》《ファルケンラスの打ち抜く者》《ファルケンラスの闘技士》《ファルケンラスの拷問者》《ファルケンラスの後継者》《ファルケンラスの鉤爪》である。名前にマルコフを含むカードは８枚あり、《マルコフに選ばれし者》《エドガー・マルコフ》《マルコフの刃の達人》《マルコフの十字軍》《マルコフの戦慄騎士》《マルコフの上流階級》《マルコフの大将軍》《ソリン・マルコフ》である。名前に流城を含むカードは８枚あり、《流城の継承者》《流城の血泥棒》《流城の隊長》《流城の死刑囚》《流城の導師》《流城の貴族》《流城の密教信者》《流城の巡回兵》である。名前にヴォルダーレンを含むカードは６枚あり、《ヴォルダーレンの末裔、フロリアン》《オリヴィア・ヴォルダーレン》《ヴォルダーレンの伏兵》《ヴォルダーレンの決闘者》《ヴォルダーレンの下層民》《ヴォルダーレンの刺剣士》である。

　名前が４単語の吸血鬼は大量に存在する。５単語の吸血鬼は１枚で、《最初に堕ちし者、ラヤミ》（『統率者（2019年版）』）である。しかし、最長の名前は６単語で、《薄暮薔薇の棘、ヴィト》（『基本セット2021』）である。

　『アルファ版』の《センギアの吸血鬼》の文には、「カウンター」と「ターン」と、驚くべきことにキーワード処理になるはるか前の「死亡」が使われていた。このカード自身のことは単に「吸血鬼/Vampire」と呼んでいたので、「センギア」という語は使われていない。

　興味深いことに、吸血鬼を低いレアリティに登場する特徴的なクリーチャー・タイプにするということは、初代『ゼンディカー』のデベロップ中に決まった。デザイン・ファイルには、コモンやアンコモンに吸血鬼はいなかったのだ。詳しくは、2009年の吸血鬼特集の記事「Care for a Bite?（リンク先は英語）」を参照のこと。

　《薄暮の饗宴者》（『異界月』）」は昂揚を持つ。《シルバークイルの牙、フェリーサ》（『統率者(2021』）は教導を持つ。《魂の収集家》は変異を持つ。残念ながら、貪食を持つ吸血鬼はまだ存在しない。

　『フィフス・ドーン』の《メフィドロスの吸血鬼》である。

　このフレイバー・テキストは《自堕落な後継者》のものである。

• 《血に狂った新生子》:「古参の吸血鬼が注意深く食事を選ぶのに対し、新参者は最初の臭いに狂乱する。」
• 《ファルケンラスの匪賊》:「闇を忍び行くことも無ければ、引き寄せる囁きも無い。 彼らは狩りの俊敏さと栄光で餌食を得る。」
• 《流城の貴族》:「賢明な王は臣下の中を歩く。」

　ドミナリア、イニストラード、イクサランにはそれぞれ吸血鬼・騎士がいるが、ラヴニカにはいない。

　信じられないかもしれないが、名前に「blood」を含む吸血鬼は57枚いる。それは以下の通りである。

• 《尊大な血王》（『エルドラージ覚醒』）
• 《血潮隊の司教》（『イクサラン』）
• 《血の芸術家》（『アヴァシンの帰還』）
• 《血の幼子》（『基本セット2014』）
• 《ヴィズコーパの血男爵》（『ドラゴンの迷路』）
• 《血の絆の吸血鬼》（『戦乱のゼンディカー』）
• 《血生まれの悪人》（『バトルボンド』）
• 《血の強盗》（『基本セット2020』）
• 《血に狂った新生子》（『イニストラード』）
• 《血に狂った聖騎士》（『イクサラン』）
• 《血に呪われた騎士》（『マジック・オリジン』）
• 《流血の鑑定人》（『アヴァシンの帰還』）
• 《恐血鬼》（『ゼンディカー』）
• 《血の暴食》（『基本セット2021』）
• 《血の間の僧侶》（『異界月』）
• 《血の宿主》（『基本セット2015』）
• 《血鞘の儀式者》（『ワールドウェイク』）
• 《血統の守り手》//《系統の王》（『イニストラード』）
• 《血統の屍術士》（『統率者（2017年版）』）
• 《ヴァーズゴスの血王》（『基本セット2012』）
• 《血狂いの吸血鬼》（『イニストラードを覆う影』）
• 《血霧の潜入者》（『ラヴニカの献身』）
• 《血の刺客》《》（『基本セット2012』）
• 《血の研究者》（『ストリクスヘイヴン：魔法学院』）
• 《血儀式の発動者》（『エルドラージ覚醒』）
• 《血の求道者》（『ゼンディカー』）
• 《血誓いの使用人》（『統率者（2017年版）』）
• 《血に飢えた敵対者》（『イニストラード：真夜中の狩り』）
• 《血に飢えた曲芸師》（『基本セット2020』）
• 《血の座の吸血鬼》（『エルドラージ覚醒』）
• 《税血の徴収者》（『イニストラード:真夜中の狩り』）
• 《心臓追い》（『統率者（2018年版）』）
• 《血の暴君》（『コンフラックス』）
• 《無神経な血魔道士》（『ストリクスヘイヴン：魔法学院』）
• 《果敢な血王》（『戦乱のゼンディカー』）
• 《カラストリアの血の長、ドラーナ》（『エルドラージ覚醒』）
• 《最後の血の長、ドラーナ》（『ゼンディカーの夜明け』）
• 《血の美食家》（『基本セット2019』）
• 《ゲトの血の長、カリタス》（『ゼンディカー』）
• 《センギアの純血、カザロフ》（『ドミナリア』）
• 《ケルゥの吸血者》（『タルキール覇王譚』）
• 《マラキールの血僧侶》（『ゼンディカーの夜明け』）
• 《マラキールの血魔女》（『ゼンディカーの夜明け』）
• 《湿地帯の血唱え》（『統率者（2021年版）』）
• 《オリヴィアの血誓い》（『イニストラードを覆う影』）
• 《血潮隊の聖騎士》（『イクサラン』）
• 《狂暴な吸血者》（『マジック・オリジン』）
• 《貪欲な求血者》（『イニストラードを覆う影』）
• 《威厳ある血王》（『基本セット2019』）
• 《流血の空渡り》（『イクサラン』）
• 《忍び寄る吸血者》（『オデッセイ』）
• 《流城の血泥棒》（『イニストラード：真夜中の狩り』）
• 《血の盗人》（『基本セット2015』）
• 《血に飢えた血王》（『基本セット2020』）
• 《血の調停者、ヴィシュ・カル》（『統率者（2011年版）』）
• 《ヴォルダーレンの下層民》//《血統の撤廃者》（『異界月』）