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Making Magic -マジック開発秘話-
『時のらせんリマスター』の試練
2021年3月1日
『時のらせんリマスター』プレビュー記事へようこそ。これから、この製品がどのように作られたかを解説し、それからこのセットに入っている数枚のカードをご紹介しよう。楽しみにしてもらえれば幸いである。
可能性のリマスター
この話の始まりは、2014年にさかのぼる。「Magic Online」には解決に取り組んでいる問題があった。デジタルではテーブルトップよりも大量のゲームをするのがはるかに簡単なので、早くにコンテンツを消費してしまうのだ。そのため、「Magic Online」には何か追加のコンテンツを作らなければならなかった。この要求にはいくつもの条件が課せられていたが、中でも最大のものは新規カードを作ることはできないということだった。新しいコンテンツは、すでにプログラムされているカードを使って作らなければならなかったのだ。一体どうすればそれができるのか。
彼らが考えついた手法は、過去のブロック(当時は3セット・ブロックが標準だった)の3セットを取り上げ、それを以下のことができるような新しい1つの大型セットにまとめるというものだった。
- そのブロックの特徴を再現する。
- 楽しいリミテッド体験になる。
- プレイヤーが手に入れたがっているカードを提供する。
かなりの調査を経て、彼らは『テンペスト』ブロック(『テンペスト』『ストロングホールド』『エクソダス』)を使うことに決めた。私はこの製品のデザイン・チームには参加していなかったが、私は『テンペスト』のリード・デザイナーであり(私が初めてデザイン・リードを務めた製品である)、『ストロングホールド』や『エクソダス』のデザイン・チームにも所属していたので、彼らは私のところに相談に来た。『Tempest Remastered』は2015年に「Magic Online」で実装された。数年後、「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」も同様の問題が生まれ、『アモンケットリマスター』や『カラデシュリマスター』が2020年に実装されている。
数年前、ガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verheyはテーブルトップでのサプリメント・セットの新しいアイデアを考える任務についた。プレイヤーから頻繁に届けられていた意見が、アイデアのもとになった。過去のドラフト環境をそのまま再生産してプレイヤーがその環境でドラフトをできるようにするのはどうだろうか。ガヴィンはそのための方法を探すことにした。
一方、我々は「Canoe」というコードネームのプロジェクトを始めていた。これは(私を含む)数人のデザイナーが週1回集まり、将来に向けての大局的なデザインのアイデアを投げるという2か月間のプロジェクトだった。このプロジェクトの中で生まれたアイデアの1つが、「セットを改装する」というものだった。その原動力は、可能性はあったのにうまくできなかったセットを取り上げ、それに現代の道具を駆使して再挑戦するというものだったと思う。
ガヴィンは最終的にこの2つのアイデアを組み合わせ(古いセットを、何らかの形で更新して再訪する)、そしてこれは『Tempest Remastered』がしたことにたどり着いたのだと気づいたのだった。ブロック内のすべてのカードを取り上げ、ブロック全体を濃縮してドラフト可能なセット1つにする。こうすることで過去のドラフトのいいところを再訪でき、同時に現在のデザインの道具の利点を活かす形で再構築できるのだ。(これは『アモンケットリマスター』や『カラデシュリマスター』よりも前の話だということを記しておくべきだろう。別々の時系列で進んだ結果、たまたまそれら2つの製品のほうが『時のらせんリマスター』より先に世に出ただけなのだ。)テーブルトップで『リマスター』セットを作る時期が来た。
唯一残された大問題は、どのブロックを使うべきかということだった。ガヴィンは、デザイナーが組み合わせて新しいものを作る余地が広くなるように3セット・ブロックを望んだ。『リマスター』セットでは新しいカードを作ることはできず、そのブロックに含まれていたカードを使うことしかできないということを思い出してもらいたい。また、通常は、そのブロックに含まれていなかった古いカードを追加することもできない。しかしこれから見ていく通り、『時のらせんリマスター』のデザイン・チームはその制限を回避する方法を見つけ出していた。ガヴィンは5つの候補を選び(この候補は『時のらせんリマスター』が成功を収めた時に次の『リマスター』製品で選ばれる可能性が高いので、これらが何なのかは公開できない。)、そしてどれがいいか奈落/The Pitで聞き始めたのだった。その流れについて雰囲気を伝えるため、ガヴィンが伝えてくれた製品設計者のマーク・ヘゲン/Mark Heggenとの会話を紹介しよう。
ガヴィン:もう1つあるんです。
マーク・ヘゲン:いいけど、さっきの奴を超えるのは難しいでしょう。さっき、5点中の5点をつけましたよ。
ガヴィン:『時のらせん』ブロックはどうでしょう。
マーク・ヘゲン:5点中の100万点ですね。それが正しいかどうかはわかりませんが、私は好きですし、あれ全部をまとめて1つに入れるのは奇抜すぎて素敵に聞こえますね。
ガヴィンが尋ねた5つのセットの中で、『時のらせん』ブロックは圧倒的な支持を受けた。それは、熱心なプレイヤーたちの間で人気のあるドラフト環境だった。それは、これまでに存在した中で最も複雑な、スタンダード内のドラフト環境だった。『モダンホライゾン』で、複雑なドラフト環境を提供するサプリメントを求めるユーザーがいるということがわかっていた。(そのアイデア全部が『時のらせん2』として提案されたものだったことを思い出してくれたまえ。)それらのセットの濃密さは、同時に、デザイナーが洗練するための選択肢を増やしてくれるのだ。最後に、そこには様々なフォーマットでプレイされているカードが大量に入っており、プレイヤーが再録を喜ぶのは間違いなかった。決まりだ。作るセットは『時のらせんリマスター』だ。
「時」
このセットは『Project Cupcake』というコードネームが与えられ(おそらくこれが非常に退廃的な製品だからだろう)、ベン・ヘイズ/Ben Heyesがリード・デザイナーになった。デザイン・チームは、レギー・ヴァルク/Reggie Valk、メーガン・スミス/Megan Smith、JC・タオ/JC Tao、クリス・ムーニー/Chris Mooneyだった。最初にしなければならなかったことが、3セット・ブロックを1つの大型セットに押さえ込むことだった。基本土地やタイムシフトの再録カードを除き、そのブロックには626枚のカードが含まれていた。(『次元の混乱』や『未来予知』のタイムシフト・カードはそのブロックのために新しくデザインされたものだったので、数に入っている。)『時のらせん』には281枚(コモン121枚、アンコモン80枚、レア80枚)、『次元の混乱』には165枚(コモン60枚、アンコモン55枚、レア50枚)、『未来予知』には180枚(コモン60枚、アンコモン60枚、レア60枚)のカードが含まれていた。神話レアというレアリティが初登場するのはその2年後、『アラーラの断片』のときである。
これらすべてを、通常の大型セットぐらいの枚数に絞り込まなければならない。つまり、半分以上のカードを取り除かなければならないということになる。(『時のらせんリマスター』は最終的に289枚のセットになった。)デザイン・チームが最初にしたことは、余計なものをすべて取り除くことだった。『時のらせん』は15年前の製品であり、古いデザイン技術を大量に使ってデザインされたものである。つまり、リミテッドでも構築でも充分な役割を果たしていなかったカードが大量に存在していたのだ。ベンによると、この最初の選抜によって「驚くほど進んだ」という。
余計なものを取り除いたあと、次にすることは各色にどんなリミテッドのテーマがあったかの記録だった。チームはテーマを確認し、どれが一番扱われていてどれが一番楽しそうかを判断した。全体として、どのテーマに取り組むべきかは明らかだった。それらのどのテーマにも当てはまらないカードは除外の候補になった。コモンやアンコモンでは、そのカードが特に象徴的なものでない限り、このセットからは除外された。レアは、リミテッド環境にはあまり影響を与えないことから、構築フォーマットに与える影響や要求が除外するかどうかに基づいて1枚ずつ判断された。
次に取り組むべきことは、スリヴァーだった。『時のらせん』ブロックでは、43体の新しいスリヴァーが登場していた。スリヴァーは5色すべてに渡り、多くはサイクルとして登場している。初期のプレイテストでは、デザイン・チームはすべてのスリヴァーを残していた。これによっていくつかの問題が生じた。まず、『時のらせん』ブロックのスリヴァーが作られた当時はすべてのスリヴァーは対称的であり、つまりすべてのスリヴァーが自軍のスリヴァーだけでなく戦場にいるすべてのスリヴァーを強化するようになっていた。これによってリミテッド環境は複雑になっていて、しかもスリヴァー・デッキによって、対戦相手の穴埋めに入れているスリヴァーも強化されてしまうという不快な状況が作られていたのだ。2つ目に、膨大な数のスリヴァーがすべての色にあることで、あまりにも多くのゲームが似たものになってしまう。3つ目に、その膨大な数のせいで、他のクールなものの多くがセットから追い出されていた。解決策は、スリヴァーの数を減らし(最終的には25枚になった)、スリヴァーをリミテッドで最高のゲームプレイに繋がると思われる色に制限することだった。最終的には赤、緑、白に絞られた。(多色スリヴァーの中には青や黒を含むものもある。)
次は、初代『時のらせん』ブロックで、リミテッドで問題を起こしたカードがどれかを見ることだった。全体の理念として、尖った部分を落としすぎないようにすることにした。『時のらせん』ブロックの楽しい部分には、リミテッドで手に入れられる狂ったカードが含まれているのだ。ある1枚のカードには、特に注意が必要だった。『時のらせん』ブロック全体でドラフトをしたことがある諸君には、この1枚のカードが何なのかわかっているだろう。
《大量の芽吹き》は、『未来予知』のコモンのクリーチャー生成呪文である。これは、同一のブロックに存在したことのない、常磐木でないキーワードを組み合わせるという「組み合わせ」カードの中の1枚であった。(バイバックは召集で支払える追加コストなので)召集とバイバックは相性がよさそうに見えたので、私は1枚のカードに両方を持たせたのだ。デザインした時点では、可愛らしくて無害に見えたのだ。このカードは後にドラフトで大問題となった。いったん回りだしたらほぼ止めようがないのだ。(充分な苗木・クリーチャー・トークンを作ったら、マナを必要せずに新しいクリーチャーを作り始めることができるのだ。)
デザイン・チームはこのカードをアンコモンにしたが、それでも問題が生じた。次にこのカードをレアにした。それでも問題が生じた。彼らは神話レアにすることを検討したが、それはさらに大きな問題を引き起こすと気が付き、セットから除外することにしたのだった。
デザイン・チームは他に2つの決定をした。1つ目が、すべてのカードを現行のカード枠で作るということ。『次元の混乱』や『未来予知』のタイムシフト・カードはそれぞれ独自のカード枠だった(詳しくは後述)。しかし、それらのカード枠が意味するものはその本来のセットの外では混乱することがわかっている。つまり、初めて現行のカード枠で作られるカードが存在する、ということである。(旧枠の話は次の章でする。)
もう1つの決定は、カラー・パイに関するものだ。『時のらせん』ブロックと言えばカラー・パイに干渉したことで有名である。例えば『時のらせん』では、かつてはその色にあったがすでに離れていた能力を持つカードが何枚も存在している。『次元の混乱』では、カラー・パイが違う形で実装された、もう1つの現実をテーマとしていた。『未来予知』はありうる将来のカラー・パイの実装を扱っていたが、その中にはまったく起こらなかったものもあった。デザイン・チームは、それらのカードを入れても問題ないかどうか話し合った。最終的に、カラー・パイの乱れも初代『時のらせん』ブロックの楽しみの一部だと判断し、残すことにした。(なお、すべてのカードが再録なので、新しくカードが使えるようになるフォーマットは存在せず、つまりカラー・パイへのさらなる損害は発生しないということを書き添えておこう。)
多くのプレイテストと調整を経て、最終的に諸君全員がプレイすることができる289枚のセットができた。初代『時のらせん』ブロックを体験したことがない諸君はお楽しみに。体験したことがある諸君、諸君が知っているその楽しみをさらに現代のデザイン技術を使って向上させているのだ。
今日はここまで、ではなくて。
おまけを手に入れる
もう1つ、初代『時のらせん』ブロックといえば忘れられないものがある。『時のらせん』は初めてボーナス・シート(ゲームプレイに多様性をもたらすためにブースターに通例1枚だけ入っていた追加シートのカード)が採用されたセットなのだ。このブロックでは、それをタイムシフト・シートと呼んでいた。その内容は次の通り。
『時のらせん』では、旧枠で印刷された121枚の過去の再録カードからなるタイムシフト・シートがあった。マジックのカード枠が初めて変更されたのは『基本セット第8版』で、『時のらせん』のタイムシフト・シートで再録されたカードはすべてその変更以前のものである。ボーナス・シートのカードは各ブースター1枚ずつで、(黒、銀、金でなく)紫のエキスパンション・シンボルが描かれていた。
『次元の混乱』では、45枚のタイムシフト・シートがあり、それらのカードはどれもそのカードの効果を持ったことがない新しい色に変更されて再録されていた。『次元の混乱』のフレイバー上、それはもう1つの現実である今であり、カラー・パイは違うように割り当てられていた。(ただし色の理念は変化していない。)このタイムシフト・カードは、そのもう1つの現実からの「再録」である。これらは新カードだったので、『時のらせん』のタイムシフト・カードよりも高い確率で存在していた。各ブースター・パックには、コモンのタイムシフト・カードが3枚、アンコモンまたはレアのタイムシフト・カードが1枚入っていた。それらは『基本セット第8版』のカード枠を調整した、新しいカード枠が使われていた。
『未来予知』では、81枚のタイムシフト・シートがあった。これらは、あり得る未来からの「再録」であり、マジックにまだ存在していないメカニズムやテーマやクリエイティブ要素を誇示するものだった。その中には、のちのセットで「初登場」したカードも存在している。(これらのミライシフト・カードや再登場を果たしたものについて詳しく知りたい諸君は、この記事(その1、その2、その3)を参照のこと。)ミライシフト・カードはブースター内の通常のカードに混ざっており、ブースター1つにつき、5~10枚のミライシフト・カードが入っていた。これらのカードは、未来風のカード枠になっていた。
デザイン・チームは、このブロックのまさに象徴であったタイムシフト・シートが必要だということはわかっていたが、問題は、そこに何を入れるべきかだった。過去のタイムシフト・シートを単に再録するのはふさわしくないので、何かもう少し大胆なことをすべきだと考えたのだ。タイムシフト・カードが未来からのもので、ただし『未来予知』のミライシフト・カードのような我々の未来ではなく、『時のらせん』ブロックから見た未来からのものだとしたらどうだろうか。15年過ぎているので、再録できるカードは大量に存在している。
もう少しばかり興奮をもたらすため、そして初代タイムシフト・カードのカード枠違いという雰囲気を活かすため、これらのカードを『時のらせん』のタイムシフト・シートのタイムシフト・カードがしていたのと同じようにマジックの旧枠にするのはどうだろうか。これらのカードが初登場したのは2005年~2020年の間なので、旧枠で登場するのは初となるだろう。
デザイン・チームにとっての大きな課題は、タイムシフト・シートに入れるものを検討することとなった。『時のらせん』同様、シート1枚分、つまり121種類のカードにすることにした。カードを選ぶ際に、彼らが考慮したことは次の通り。
『時のらせん』ブロックから見た未来のカードか
『時のらせん』ブロックよりも後で発売された新カードでなければならない。
現在どこかのフォーマットでプレイされているか
デザイン・チームはよくプレイされているフォーマット(統率者戦、モダン、パイオニアなど)を確認し、明らかに多くのプレイヤーが欲しがっているカードを選んだ。
人気の統率者であるか
デザイン・チームは、人気の統率者を優先した。
リミテッドのテーマとうまく噛み合うか
すべてのブースターから出るということは、それらのカードはリミテッドで見かけられることになるということである。タイムシフト・シート用のカードを選ぶとき、デザイン・チームはそのカードがその色がリミテッドですることとどう相互作用するかを考えた。この優先度は低いが、カード・プールを狭めていくときに選ぶ助けにはなった。
ベンは、ある時点ではタイムシフト・シートに入る枚数の倍以上の候補があったと言っていた。彼らはシート用にさまざまな組み合わせを試し、無数の反復工程を行なったのだ。デザイン・チームが会議を行なった主な会議室には、『時のらせん』のボーナス・シートを額に入れて壁に飾ってあり、ベン率いるチームは発想の源としてよくそれを見ていた。彼らが話し合っていたことの1つは、ユーモラスな(だけれども弱い)カードをシートに入れることだった。『時のらせん』には、例えば{1}{W}で1/2のバニラ・クリーチャー、《従者》が入っていた。結局の、彼らはそれを採用しないことにした。121枚の中に入れたいカードはすでに大量に存在していたのだ。すべてのカードを、いずれかのプレイヤーは興奮するようなものにしよう。結局、タイムシフト・カードはブースターに1枚ずつ入り、フォイル版になる可能性もあることになった。
黒に戻り
今日の締めくくりの前に、すべて黒単色の3枚のプレビュー・カードをお見せしよう。1枚目は『時のらせん』からのカードだ。黒の、もっと黒を使わせようという性質を扱ったクリーチャー除去カードである。これはコモンで、リミテッドでも構築でも使われていた。さて、予想はできるだろうか。
予想がついたら(あるいは単純にすぐに見たければ)ここをクリックしてくれたまえ。
2枚目のプレビュー・カードは、『次元の混乱』を世界にお披露目するためにマジックのウェブサイトを乗っ取ったカードである。これ、大人気でよく使われていたカードのもう1つの現実バージョンであり、また大人気でよく使われていたカードである。
予想できた諸君は、ここをクリックしてくれたまえ。
最後に、『時のらせん』ブロックから見て少しだけ未来から来たタイムシフト・カードを紹介しよう。『ローウィン』のレアで、人気の手札破壊呪文だ。
予想できた諸君は、ここをクリックしてくれたまえ。
これらのカードがまもなく黒のデッキに入れられるようになるので、お楽しみに。
時の終わりに
さて、そろそろ今日の締めくくりの時間だ。『時のらせんリマスター』がどのようにできたのかの話を楽しんでもらえていれば幸いである。いつもの通り、今日の記事や『時のらせんリマスター』についての諸君の考えを聞かせてもらいたい。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、初代『時のらせん』ブロックについて諸君が気づいていないであろうデザインの詳細について語るときにお会いしよう。
その日まで、あなたがマジックの過去、現在、「未来」を楽しんでくれますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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