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Making Magic -マジック開発秘話-
エルドレイン・チェック その3
2019年10月7日
過去2週(先週、先々週)をかけて『エルドレインの王権』のカード個別のデザインの話をしてきた。伝えるべき話は大量にあるが、もう1記事で扱うべきだろうと思う。
《むかしむかし》
これも、その名前からトップダウンでデザインされたカードである。緑にしたのは、このカード名がいかにも緑だったからだ。緑は運命と世界における自分の役割を務めることの色だ。
最初のバージョンでは、初期手札に引いたときに効果を発揮する、力線のような働きをしていた。その後、力線と似ているが、いくらか異なるメカニズム空間だと感じられる、最初に唱える呪文ならコストなしで唱えられるというものになった。最初にしたいと思うことで緑らしいことをさせたかったので、これをクリーチャーか土地を手に入れられる「衝動」(開発部語で、自分のライブラリーの上から特定枚数のカードを見て、その中から1枚を手に入れられるというもの。切り直しを減らすための試みの一環として、今日の「教示者」はこうなっていることが多い)呪文にした。
《群れの笛吹き男》
おとぎ話を元にしたクリーチャーの長いリストの中に、ハーメルンの笛吹き男があった。彼は笛を吹くことでネズミを呼び出すことができるのだ。物語の中で、彼は街を訪れて魔法の笛でネズミを街の外に連れ出すことで一掃するが、街の人がその仕事の報酬を支払わなかったので、彼は街の子どもたちを連れ去ってしまったのだ。これはやりがいのある元ネタだ。最初のデザインはこうだった。
〈笛吹き〉(レア)
{3}{B}
クリーチャー ― 人間
あなたのアップキープの開始時に、黒の1/1のネズミ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
ネズミ3体を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とし、そのコントロールを得る。
2/3
この基本的なデザインは2要素からなっていた。彼がネズミを呼び出すことができるということと、人間を誘い出すことができるということを示したかったのだ。最初に、彼に黒の1/1のネズミ・クリーチャー・トークンを生成する能力を与えた。アップキープに生成するのは妥当な速度で、レアとして充分だと感じられた。2つ目の能力は、黒ではあまりしない、クリーチャー奪取を扱うものだった。黒はクリーチャー奪取の3種色であり、つまり時々やることがあるということになる。これはまさに使うべきところだと感じられた。この能力を使う回数を制限するため、ネズミ3体を生け贄に捧げることとひもづけた。
セットデザインは基本構造を保ったまま、多くの変更を加えた。まず、ネズミを毎ターンただで手に入れられるのではなく、そのために{1}{B}を支払わなければならなくした。ネズミを毎ターン1体に制限するため、タップをコストに追加した。しかし、最大の変更は、クリーチャー奪取能力にかなりのマナの支払いが必要にしたことだった。結局のところ、マジックには他にも大量のネズミがおり、プレイテスト中にクリーチャーを簡単に奪えすぎるということがわかったのだ。この能力のコストにもタップを加えることで、ターンに奪えるクリーチャーも1体だけになった。その後、このカードがネズミを使うことを明らかに推奨しているので、ネズミに威迫を与える、ネズミを助ける常在型能力を持たせた。これによって、クリーチャーを奪う以外の勝利手段が手に入ることになったのだ。単純に大量のネズミを作り、それで相手を埋め尽くしてしまうことができる。最後に、このクリーチャーを{3}{B}2/3から、{1}{B}1/3にした。これによって、少し早く出してネズミを作り始めることができるようになったのだ。
最後にもう1つ触れておきたいことは、このクリーチャーのクリーチャー・タイプである。『エルドレインの王権』で、呪文の暗黒面を表す、新しい呪文使いのクリーチャー・タイプを増やすことにしたのだ。最終的に邪術師/Warlockになり、笛吹き男はそれにふさわしいと思えたのだった。
《七人の小人》
私の『エルドレインの王権』に関する最初の計画では、実際に7枚の小人をセットに入れることになっていた。私がそれをクリエイティブ・チームに初めて提案したとき、彼らはそれは良くないアイデアだと強く伝えてきた。カードはファイルを出入りし続けるもので、セット内に特定の種類のカードがちょうど何枚あるのかを厳密にコントロールすることは想像するよりも難しいのだ。また、クリーチャー7枚というのは多くの枠を取ってしまう。1枚のカードで、七人の小人を連想させるようにする方法はないだろうか。
私はこの問題に別の観点から取り組んだ。このカードで描きたいものは厳密に言えば何なのか。七人の小人だ。1枚のカードでそれを描くにはどうすればいいか。赤の1/1の小人・クリーチャー・トークンを7体作るソーサリーにすることはできるが、そのネタは3匹の熊ですでにやっている。卓上に7枚の小人・カードを並べる手助けをしたらどうだろうか。1枚ではできない。それは、デッキ構築上4枚までに制限されているからだ。いや、しかし、その制限は絶対ではない。7枚、それも任意の枚数ではなくはっきりと7枚を、デッキに入れられる小人・カードを作ったらどうだろうか。これは掘り下げ甲斐のある空間だと思われた。最初のデザインはこうだった。
〈ドワーフの坑夫〉(コモン)
{2}{R}
クリーチャー ― ドワーフ
デッキには「[カード名]」という名前のカードを7枚まで入れることができる。[カード名]が戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーから[カード名]という名前のカード好きな枚数を探し、公開し、あなたの手札に入れ、その後、あなたのライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
2/2
この最初のデザインは、同じカードを手に入れることができる《戦隊の鷹》のようなカードの影響を強く受けたものである。デッキ内に7枚入っていて手札の上限が7枚なので、1回ですべての小人を集めることはしないことが多くなり、デッキから探したり切り直したりする回数が多くなることになる。最終的に、我々は7枚制限は気に入ったが、別の方向に進むことにした。
掘り下げた方向性の1つは、《疫病ネズミ》系の、枚数を増やせば増やすほど強力になるというものだった。これは心躍るものに思われ、また、戦場に出している枚数に基づいてカードのパワーが高まるので、7枚全部をデッキに入れることを推奨するものだった。《疫病ネズミ》のさまざまな調整版を試したあとで、最終的に、基本的に《疫病ネズミ》そのままの文章で赤にしたものに落ち着いた。《疫病ネズミ》がいくらか弱すぎたことはわかっていたので、最初の版のコストは{2}{R}ではなく{1}{R}だったと思う。後にセットデザインで2/2にした。七人の小人が勝利を収める物語を聞きたいものである。
《糸車》
私のプレビュー記事で、おとぎ話では複数の物語に同じものが出てきていることに気が付いたという話をしたことを覚えているかもしれない。その気付きのもとになったのが、このカードのデザインだったのだ。初期に、トップダウン・デザインで使うための元ネタを膨大なリストにまとめた。そのリストにあったカードの1枚が、眠り姫に出てくる糸車だった。それを彼女が指に刺し、その結果眠りの魔法に囚われてしまうのだ。このデザインは非常に単純だった。クリーチャーをタップするアーティファクトだ。(このセットでは眠ることはタップされることで表されている。例として、《魔法の眠り》がそうだ。)
その後、私は、まったく異なる糸車がおとぎ話に登場していることに気が付いた。ルンペルシュティルツキンの糸車だ。ルンペルシュティルツキンが麦わらを金に紡ぐために使う道具である。これもまた単純なデザインだ。(初期の〈金のガチョウ〉同様の)金・トークンを生成するアーティファクトを作ることができた。さて、どちらにすべきだろうか。どちらも古典的なおとぎ話のものをもとにしている。明快な答えはすぐに出た。両方をやればいいのだ。このカードを他のカードと差別化する方法は何か。両方のことをするカードを作るために、重複するフレイバーを使えばいいのだ。この糸車を使って、誰かを眠らせることも、金を作ることもできるのだ。私は常々、他のセットでは作れないようなデザインを見つけたときにどれほど心が踊るかという話をしてきている。このフレイバーだから、通常は無関係に感じられるものをつなぎ合わせることができるのだ。重複する元ネタ空間を使うことで、興味深いカードデザインを作ることができる。
このデザインの最初のバージョンはこうだ。
〈糸車〉(アンコモン)
{4}
アーティファクト
{3}, {T}:「金」という名前で無色のアーティファクト・トークンを1個生成する。それは「このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ。
{1}, {T}:クリーチャー1体を対象とし、それをタップする。
金は後にこのセットから取り除かれたので、金を生成する能力はより直接的に、好きな色1色のマナを生成するものに置き換えられた。
《塔への閉じ込め》
これもまた、展望デザインのかなり初期にデザインされたトップダウンのカードである。コモンの白には《平和な心》や《拘引》系のカードが必要で、これがフレイバー的にふさわしいと思ったのだ。少しだけ調整が必要だった。トップダウンのデザインを非常に魅力的にするものの1つが、めったに見ないものであったとしてもフレイバーに富んだ追加の文章を持っていることである。最初のデザインはこうだった。
〈高い塔に閉ざされて〉(コモン)
{2}{W}
エンチャント ― オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントしているクリーチャーは攻撃できず、到達を持ち、飛行を持つクリーチャーしかブロックできない。
クリーチャーを塔に閉じ込めるのでそれで攻撃することはできなくなるが、高いところにいるので飛行クリーチャーをブロックできる、という発想である。フレイバー的には素敵だ。問題は、人々がこれを《平和な心》のように扱い、ブロックできなくすると思い込んで、飛行クリーチャーで攻撃してしまい、ただラプンツェルの餌食になってしまうことである。いつも言う通り、プレイヤーが同じプレイ上の失敗を繰り返すなら、それはそのデザインがどこか間違っている兆候であることが多いのだ。
新しいバージョンでは、《平和な心》系ではなく《拘引》系(攻撃、ブロックに加えて起動型能力も禁止する)に移行し、フレイバーに従って飛行を持たないクリーチャーにだけエンチャントできるようにした。飛行クリーチャーを塔に閉じ込めることはできないのだ。通常、白が飛行クリーチャーを止めることには問題はないが、フレイバーが非常に強いのでこれをカードに加えることにしたのだ。これをエンチャントの制限にしたのには2つの理由があった。1つ目に、このエンチャントを何につけられて何につけられないのかを明確にすること。そして2つ目に、こうすることで《飛行》効果(クリーチャーに飛行を与える効果)によってこのエンチャントから脱出させることができるようになること(クリーチャーが飛行を得たら、飛行を持たないクリーチャーしかエンチャントできないこのオーラは外れる)である。
また、《パイ包み》は最初《平和な心》/《拘引》系カードだったことも指摘しておきたい。展望デザインでは、特にトップダウン・デザインをしている場合、どちらがいいかを見るために特定の効果を複数実装することがあるのだ。ちなみに、これは《パイ包み》が白から黒に移った理由の1つである。
《真実の愛の口づけ》
《魔法の眠り》を封鎖カードにしたので、次にすることはそこから脱出できるようにする呪文を作ることである。もちろん、それは「真実の愛の口づけ」に決まっている。最初のデザインはこうだった。
〈真実の愛の口づけ〉(コモン)
{W}
インスタント
エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。3点のライフを得る。
エンチャントだけを破壊できるようにしたのは、当時、〈真実の愛の口づけ〉で開放したいのがそれだけだったからである。《ガラスの棺》を作ったのはその後だった。《ガラスの棺》がアーティファクトなのは完璧にそうなのだが、〈真実の愛の口づけ〉で眠り姫は救えても白雪姫は救えないというのはおかしく感じたので、このカードをエンチャントだけでなくアーティファクトも破壊できるように変更した。
我々は、このセットでライフを得る効果を幸せになることの描写として使っているので、ライフを得るおまけが気に入っていたが、セットデザインはこのカードを点数で見たマナ・コスト的に《自然への回帰》(『エルドレインの王権』の《帰化》)と差別化したかったので、ライフを得る効果からカードを引く効果に変更した。(白には、他の色同様、キャントリップが存在する。)また、元ネタを逆転させるのが好きなので、このカードでは男性が女性を解き放つのではなくその逆にした。
《意地悪な後見人》
(編訳注:このカードの日本語版には誤訳があります。詳しくはこちらをご確認ください。)
このカードは、トップダウンの悪い継父/継母である。おとぎ話では、親が再婚したら、その相手は子供の人生を悲劇にするような悪人だと相場が決まっているのだ。これを一体どうやってマジックのカードで表現するのか。まず最初に色から考えた。残酷さ、狭量さ、虚栄心――まさに黒だ。必要なのは、他のクリーチャーを傷つけて自身を強化するクリーチャーだった。最初のバージョンはこうだった。
〈邪悪な継母〉(アンコモン)
{2}{B}
クリーチャー ― 人間・ならず者
{B}:あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-1/-1の修整を受け、ターン終了時まで、これは+1/+1の修整を受ける。
2/2
このデザインは、基本的にはシェイドだが、強化するためには傷つけるための他のクリーチャーが必要とするもの、というアイデアに基づいている。これの強さは、他者を傷つけることから来ているのだ。これはいかにも継母である(おとぎ話の継母的な意味である、念のため)。
非常にフレイバーに富んでいるが、盤面を複雑にしてしまう。攻撃するなら、〈邪悪な継母〉がどれだけ大きくなれるかを見るだけでなく、そうするためにはどのクリーチャーを小さくしなければならないかを考えなければならない。このカードはやがて、同じフレイバーを保ちながら把握しやすいような形に変更された。今は、このカードは入場効果として何かにダメージを与えるようになっている。相手が小さければ死ぬが、そうでなければそのターンだけ弱体化して死にやすくなる。そして、大きくなるのではなく、カードを引くことができるようになったのだ。
《意地悪な狼》
2017年、私は、カラー・パイ全体のメカニズム的概要を解説した「メカニズム的カラー・パイ 2017年版」という記事を書いた。その中で、こんなことを書いている。
《放逐する僧侶》能力(このカードが戦場に出たとき、クリーチャー1体/パーマネント1つを、このカードが戦場を離れるまでそれを追放する。)
1種色:白
2種色:青、緑これは特にリミテッドにおいて白の最も効率的な対策カードの1つである。多くはクリーチャーが持つ能力だが、他のパーマネントが持つこともある。この能力を持つのは必ずパーマネントで、多くはクリーチャーかエンチャントである。我々は青や緑でこの能力をクリーチャーを「食べる」というフレイバーで戦場に出たときの誘発型能力として使うことがある。
緑がこの効果を使ったことはなかったので、この項目はかなりの注目を集めた。これについてブログで聞かれたとき、私は、それは今手掛けているセットで試みていることだ、と説明したのだ。試みているカード、とは、まさにこれだった。最初のデザインはこうだった。
〈大きくて悪い狼〉
{3}{G}{G}
クリーチャー ― 狼
[カード名]が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールしていて[カード名]よりも小さいパワーを持つクリーチャー1体を対象とする。[カード名]が戦場を離れるまで、それを追放する。
3/3
フレイバーは単純だった。〈大きくて悪い狼〉が現れて、対戦相手の自分よりも小さいクリーチャーを1体食べてしまうのだ。(ここで「小さい」は、パワーが小さいもの、と定義している――ここで、入場効果に対応して《巨大化》することで〈大きくて悪い狼〉は大きなクリーチャーを食べることができるようになる。(訳注:なりません。そうであったなら、おそらくカード・テキストは「[カード名]が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それが[カード名]よりも小さいパワーを持つなら、[カード名]が戦場を離れるまで、それを追放する。」だったと思われます。)その後、〈大きくて悪い狼〉は、死亡したときに「クリーチャーを吐き出す」のだ。これは、赤ずきんとおばあさんが食べられてしまい、後に狩人が狼を殺して腹を切り開いたときに中で生きていた、というバージョンの赤ずきんの物語を踏まえたものである。
私はとてもフレイバーに富んでいると思っていたが、緑から離れすぎていると感じた人が多かったので、このカードは変更された。新バージョンは狼の危険を扱うため、これが「戦場に出た」ときに格闘し、食物・トークンで自ら強化できるようにした。〈大きくて悪い狼〉は赤ずきんや三匹の子豚の物語で最も有名なので、常に食物を狙っているというフレイバーは妥当に思われる。このカードが本質的に、食物・トークンに2つ目の能力を与えていることもお気に入りだ。
《切望するマーフォーク》
これもかなり初期にデザインされ、それほど変更されなかったカードである。最初のデザインはこうだったのだ。
〈恋煩いの人魚〉(コモン)
{1}{U}
クリーチャー ― マーフォーク
防衛
{U}:ターン終了時まで、[カード名]はこれの他のタイプに加えて人間・クリーチャーになり、防衛を持たないかのように攻撃できる。
2/3
実際、変更は数字が調整されただけである。2/3から3/2になり、起動コストは{U}から{1}{U}になった。私は、この防衛メカニズムを人魚だから攻撃できないということと、そして人間になってしっぽを失ったら(足を得たら)攻撃できるということへの関連付け方を面白いと思った。このカードは人間でない部族要素がこのセットに入る前のものだったが、人間にも人間でないものにもなれるこのカードの能力がその要素と上手く噛み合ったのだ。
《魔女のかまど》
このカードの最初のバージョンは、クリーチャー除去カードだった。クリーチャーを押し込むものとしてフレイバー付けられていた。(ヘンゼルとグレーテルを捕まえた魔女に対する彼らの扱いのように。)これは少しばかり恐ろしすぎたので、後にクリーチャーを食物・トークンに(つまりライフに)変化させるものになった。少しばかり恐ろしい話ではあるが、グリムのおとぎ話は本当は恐ろしいものなのだ。
「そして皆は幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」
これで『エルドレインの王権』のカード個別のデザインの話は終わりとなる。いつもの通り、今日の記事や『エルドレインの王権』全体についての諸君の意見を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、『エルドレインの王権』に関する諸君からの質問に答え始める日にお会いしよう。
その日まで、あなたの『エルドレインの王権』のゲームが魔法に守られたものでありますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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