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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

デザイン演説2019

Mark Rosewater
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2019年8月26日


 

 2003年に私が主席デザイナーになったとき、私は、アメリカ大統領の一般教書演説になぞらえた、前年のマジックを振り返りデザインについての感想を分析する記事を毎年書こうと決めた。これが、私の15本目の「デザイン演説」の記事になる。(2005年に始めたのは、その年が私が管轄したものが初めて世に出た年だったからである。)過去の14本の記事は以下の通り。

 この記事の構造は次の通り。まず最初に、昨年のマジックのデザイン全体について語り、1年間の良かったところと教訓の両方を詳述していく。その後、各ブースター製品について、同じように良かったところと教訓を見ていこう。その前に、毎回同じ質問をすることにしている。

 この1年のマジックのデザインはどうだったか。

 私は、「非常に良かった」と答えよう。『ドミナリア』は、さまざまな理由で開発部の大きな転換点だった。1つ目に、デザイン/デベロップという工程から、展望デザイン/セットデザイン/プレイデザインというモデルに変更し、これによってマジックのセットを作る方法は改善されたと私は感じている。無駄になる作業は減り、完成品はさらに洗練された優れたデザインの(そしてさらに楽しい)セットになった。

 2つ目に、プレイデザイン・チームの創立により全体としてのプレイ環境を高める助けになった。カードを禁止することを減らすだけでなく、カードの強さがそのセットの楽しいところと大きく重なるようなセットを作ることが可能になったのだ。

 3つ目に、脅威への対策を増やしてそれらの対策の多くをリミテッドで使えるように低いレアリティに入れるなど、より良いマジックのゲームプレイにつながる理念の転換を行なった。

 4つ目に、デザイン上の限界を押し広げることにさらに意欲的になった。これによって生まれたのが、この1年の2大成功、『灯争大戦』と『モダンホライゾン』である。

 さて、それでは昨年のマジックのデザインを見ていこう。

マジックのデザイン全体

良かったところ
  • 開発部は適切な複雑さのレベルを見つけつつある

 2年前、「デザイン演説」の記事で、複雑さが少し高くなりすぎていると言った。昨年は、過剰に対策した結果、複雑さが低くなりすぎていると言った。そして今年は、ちょうどいい値を見出し、最適だと思われるようなセットを作ることができたと言えることを嬉しく思う。

 この成功の鍵となったのは、複雑さの線をコモンに合わせ、ただし複雑さの合計はアンコモンに合わせたことだと思われる。これによって、通常ならレアになるようなセットのテーマにあったものをアンコモンに引き下げ、そのテーマの開封比を高めることができるのだ。この好例が、『灯争大戦』のプレインズウォーカーであろう。アンコモンのプレインズウォーカーは、それ単体では、通常のセットではレアになるだろうが、そのレアリティを引き下げることができたことによって『灯争大戦』に(特にリミテッドで)プレインズウォーカー・テーマを吹き込むことができたのだ。

 もう1つ、引き下げの理由になったのが、コモンの、複雑さを高めることなしに実用性を高める助けとするため、特に対策カードの、パワーレベルを引き上げるという意図である。

  • プレイヤーの希望を叶えるのがうまくなっている

 マジックのデザインの中で、プレイヤーが欲しがるカードを作るというのは大きな部分を占めている。それを達成することは、複数のレベルにまたがる工程なのだ。第1に、プレイヤーたちと意思疎通をして彼らが望んでいるものが何かを知るシステムが存在しなければならない。第2に、有機的にそれらのテーマの多くに的中させることができるようなセットを作らなければならない。第3に、プレイヤーの需要に実際に合ったカードを作れるように、デザインをやり通さなければならない。これは非常に複雑な流れだが、私はこれは我々が得意なことの1つだと信じている。

 この例として『モダンホライゾン』を挙げよう。我々はかなりの時間を費やして、プレイヤーの需要にもっともよく応えるどのテーマを使えるかを理解し、そして多相、スリヴァー、忍者、氷雪といった長年のプレイヤーの望みであった多くの要素をセットに詰め込んでいったのだ。

  • より良いデザインを作る助けとなる新しい道具を採用した

 これはかなり舞台裏の話だが、より良いセットを作るための極めて重大な部分である。基本的に、セットを作る中であらゆる要素をデザインが使える道具として見るという姿勢のことだ。これは何年も続いてきた流れではあるが、昨年になってその理念を完全に受け入れたと私は感じている。

 例えば、並べ入れは、ブースターに入っているカードを、バランスが取れていて無作為な組み合わせにするための道具である。『灯争大戦』でプレインズウォーカー・テーマが成功した中には、我々が複雑な並べ入れを使ってどのブースターパックにもプレインズウォーカーが1枚、該当するレアリティの枠に存在する(つまりブースター内にプレインズウォーカー専用枠を作る必要がない)ようにしたことがある。

 もう1つの例として、新しいデザイン空間を強化するための要素としてカード枠を積極的に用いるということを挙げよう。昨年の利用はささやかなものだったが、これからこれらの道具がさらに活用されることになるのを諸君も目にすることだろう。

教訓
  • セット間のシナジーをもっと使うことができた

 ここ数年の大きな変化の1つが、伝統的なブロック構造からの脱却であった。その変化の大きな副次効果として、各セットにそれぞれの道具箱があることが多いのでスタンダード内のメカニズム的テーマの数が増えている。この変化の悪影響として、それぞれが別々の方向に進んでいるので複数のセットを組み合わせてプレイするのが難しくなった。この問題への解決策は、お互いに矛盾するのではなく協力して働くように、デザインがセット間のメカニズム的シナジーを増やすことである。

  • 間隔調整にもっと時間をかける必要がある

 昨秋よく耳にした不満の1つが、『ラヴニカのギルド』と『ラヴニカの献身』の間隔についてのものだった。この春から夏によく耳にした不満の1つが、『灯争大戦』と『基本セット2020』の発売(と、その間の『モダンホライゾン』の発売)が近すぎたことだった。我々は、セットに息継ぎの余地を与え、同時に新しいドラフト環境があまりにも長い間提供されないようなことがないように向上させなければならない。その一環として、セットの発売を全体に均等にすること、対象ユーザーの異なる製品を上手く組み合わせていくことが含まれる。

『ラヴニカのギルド』と『ラヴニカの献身』

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 この2つのセットは一緒にデザインされたものであり、大きな単位としてまとめて扱われているので、これらについては一度に話していくことにしよう。

良かったところ
  • ギルドを上手く仕上げた

 ラヴニカのセットの第1の仕事は、10個のギルドを期待通りに作ることである。ラヴニカをラヴニカたらしめているものであり、この目標のためにかなりの時間が費やされたのがわかる。各ギルドに明確なメカニズム的特徴があり、それを扱うキーワード・メカニズムがある。これら2つのセットについては、お気に入りのギルドの自分の作りたいデッキでの働きについて満足している人たちからの称賛の声が多かったのだ。

  • すべてのメカニズムが上手く働いた

 もう1つ多かった称賛の声が、ギルドのメカニズムが上手く働いたというものだった。それらの大部分は派手ではなかったが(これについては後述)、機能的で実用的だった。それらは色の重なるギルドとうまく相互作用し、そのためプレイヤーはギルドのデッキを組むことができたのだ。

  • プレイヤーが気に入る、セット全体の雰囲気ができた

 過去のラヴニカのセットでの不満の1つが、物語がほとんどないということだった。確かに、すべてのギルドが活動しているのは描かれていたが、その世界で起こっている大きな問題について知ることはできなかったのだ。『ラヴニカのギルド』と『ラヴニカの献身』は、この観点で違いがあった。「冷戦」の雰囲気をはっきりと打ち出しており、何か暗くて邪悪なことがその次元に起こっているということが明らかだったのだ。ニコル・ボーラスが一体どんな存在なのかを知らなくてもそれが善良ではなく次元全体が危機に瀕しているということが感じられたのである。

教訓
  • 充分な革新が行なわれなかった

 『ラヴニカのギルド』と『ラヴニカの献身』に関して私が考える最大の問題は、『ラヴニカへの回帰』ブロックでの問題と同じもの、つまり初代『ラヴニカ』ブロックで作られたラヴニカの雰囲気を再現しただけで、そこに何の革新もなかったことだった。どちらの再訪も、14年前の『ラヴニカ』を作ったときのデザイン手法を繰り返しただけだったのだ。(半分多色/半分混成の分割カードなどの)ちょっとした追加こそあったが、現在のデザインの目を通してあの世界を再び描いたとは到底言えなかった。今回は『灯争大戦』が限界を大きく押し広げることがわかっていたので意図的にそうしたが、何年も後にラヴニカに戻るときには、何らかの形でメカニズム的に作り変えることができることを期待している。

  • メカニズムに活力が足りなかった

 すべてのキーワード・メカニズムは上手く働いたが、それらのどれも人の目を引き腰を浮かせるようなものではなかった。「これは違うぞ」「これは奇妙だがとても芳醇だ」といったオーラをまとってはいなかったのだ。これの一部は、ギルドのセットという性質に由来する。メカニズムが5つ必要なので複雑さは低く抑えざるを得ず、ドラフトの需要からメカニズム的に特定のギルドを重ねる方向になったことも選択肢を狭めた。それを踏まえて、私は、少なくとも数個のギルド・メカニズムについてはもう少し派手さがあればよかったと思っている。(そして近頃私は、ギルドの創造性を扱うイゼットのメカニズムがお気に入りだ。)

  • 『ラヴニカの献身』のリミテッド環境は『ラヴニカのギルド』ほどの深みがなかった

 これもまた、ドラフト・プレイヤーから受けたよくある苦情の1つである。『ラヴニカのギルド』は、ドラフトを繰り返せるように作られており、多くのプレイヤーが『ラヴニカの献身』もそうあってほしいと願っていた。

『灯争大戦』

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良かったところ
  • プレイヤーが大いに気に入るプレインズウォーカー・テーマができた

 『灯争大戦』にはプレイヤーに好かれる要素が多かったが、中でも一番がどれかは明白だった。プレイヤーは、すべてのパックからプレインズウォーカーを手に入れることを楽しんだのだ。プレイヤーは、アンコモンやレアのプレインズウォーカーを楽しんだ。混成プレインズウォーカーを楽しんだ。常在型能力を持つプレインズウォーカーを楽しんだ。(ただし、後述するある側面については好まれなかった。)プレインズウォーカーそれぞれに得意呪文が1つ(か2つ)あったことを楽しんだ。日本語版のアート違いプレインズウォーカーを楽しんだ。大量のプレインズウォーカーが登場するリミテッドのゲームを楽しんだ。このテーマに関するあらゆることをとても楽しんだのだ。

  • 事件をテーマにしたセットであるということが強く明白に描かれた

 私が初めて『灯争大戦』のことを「事件をテーマにしたセットである」と言ったとき、多くのプレイヤーはそれが一体何を意味するのか理解できなかった。しかし、実際にセットが発売されてカードすべてを通じて綴られた物語を見ると、プレイヤーの反応は上々だった。多くのプレイヤーから、このセットは今までで初めて、プレイしているカードの裏に物語があるのだとはっきり伝わってきたセットだったという声が届いている。また、プレイヤーは、このセットにプレインズウォーカーや伝説のクリーチャーという形で(中には、長年待ち望まれていた者もいる)物語の登場人物が濃く描かれていることを楽しんだのだ。

  • 増殖と動員

 このセットの名前付きメカニズム2つもまた、非常に上手く働いた。プレイヤーが増殖を楽しんでいたのはわかっていて、最終的にそれを再録する方法を見つけたのは素晴らしいことだった。多くのプレイヤーが今回それを楽しんだと発言しているが、増殖は(『ミラディンの傷跡』ブロックと違い)弱体化ではなく強化に寄せたものになっていた。動員が高評価を受けたことにも、私は非常に満足している。動員は(ボーラスの不死の軍勢という)物語上の必要性を満たすためにデザインされたものだったので、最終的に非常に独特の雰囲気を持ったそれまでにないものになったのだ。

教訓
  • レアや神話レアの爆弾カードが多すぎた

 このセットに関して耳にした不満の中で最も多かったのはこれである。プレイヤーは一般に今回のリミテッドのゲームプレイが大好きだったが、永遠神を筆頭にしたコモンやアンコモンでほぼ対策できないレアや神話レアの多さは嫌っていた。この問題は、リミテッドで強力なレアや神話レアを減らすのではなく、低レアリティの対策カードを増やすことで解決できた可能性がある。

  • プレインズウォーカーの常在型能力の一部は忘れられがちだった

 プレインズウォーカーは全体として好評だったが、1つ、よくある不満を生み出していた。すべてのプレインズウォーカーが常在型能力を持っていて大量のプレインズウォーカーがいたので、常在型能力の中にはあまり頻繁に発生しないものもあり、把握しておくのが非常に難しくなっていたのだ。この問題が最も顕著だったのが《覆いを割く者、ナーセット》である。

 そう頻繁には意味を持たないが、意味を持つときには大打撃となる能力を持つアンコモンのプレインズウォーカーである。振り返ってみると、アンコモンの常在型能力にはもう少し気を使うべきだったと思われる。

  • 【検閲】がカードにならなかった

注:この節には物語上のネタバレが含まれます。(クリックで表示)

『モダンホライゾン』

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良かったところ
  • プレイヤーが楽しめる『時のらせん』のような良さを持ったセットにできた

 イーサン・フライシャー/Ethan Fleischerと私が『モダンホライゾン』を売り込んだとき、我々は複雑さが高く郷愁を誘うセットを望む顧客がいると主張した。確かに『時のらせん』ブロックはスタンダードで使えるようにするには少しばかりやりすぎだったが、サプリメント・セットとしては行けると確信していたのだ。そう、我々は正しかった。『モダンホライゾン』は大成功を収めた。このセットのファンは、40以上の常磐木でないメカニズムがすべて混じり合っているこのセットに惚れ込んだのだ。重要なのは、これが万人向けではないにせよ確実に顧客がいて、その顧客がこれを熱愛してくれたことである。

  • このセットのフレイバーは非常に芳醇だった

 このセットのメカニズムが深く郷愁を誘うものだったように、フレイバーもそうだった。このセットでは、マジックの歴史上の人物、場所、事件を大量に引用していた。ついに黒枠カードになったウルザ、ヨーグモス、セラ、パシャリク・モンス。また、ほとんどすべてのアートやカード名やフレイバーテキストには、プレイヤーが調べ尽くせるようにイースターエッグが詰め込まれていた。全体として、世界のヴォーソスたちは『モダンホライゾン』にかなり満足したのだ。

  • 長い間待ち望まれていたテーマを提供した

 私がしていることの1つに、プレイヤーから届いていた多くの要求を記録するというものがある。1つの世界を作り上げる上での制限的性質から、1つのセットであまりにも多くの需要に応えることが難しいことは多いが、『モダンホライゾン』にはそのような問題はなかったのでスリヴァーと忍者と多相と氷雪を入れることができた。プレイヤーが、二度と見ることはできないだろうと思っていたメカニズムを再訪できた。また、プレイヤーがずっと望んでいたカードを何枚も作ることができたのだ。私が持っているチェックリストの項目は多いが、その多くにチェックをつけることができたのだ。

教訓
  • セット名が人々の誤解を招いた

 これはこのセットに関して受けた不満の中で抜きん出て大きいものだった。「時のらせん2」的な、複雑さの高い、郷愁に富んだセットをデザインしたが、その名前(と、初期に我々が出した情報)は、このセットはモダンを最大化するものだという予想を生んだ。確かに、これは史上初の直接モダン入りするセット(だからセット名にモダンが入っている)で、モダンにカードが投入されるようにかなりの時間を費やしたセットだが、このセットはそれだけではなく、正しく予想させるためにもっと良い方法があったに違いない。

  • このセットでのドラフトは、罠にはまりやすすぎた

 このセットの複雑な性質から、さまざまなことが起こっていた。これは、誰かがあるカードを初期にピックし、ドラフトするのに充分な量の補助がないテーマを暗示していると思い込むようなドラフトではよく起こる問題になった。これは、このセットの奇妙で1枚限りという性質がかなりの部分で特徴であるので、簡単に解決できる問題ではない。おそらく、もう少し時間をかけて、何がドラフトで成立して何が成立しないのかをドラフト・プレイヤーに知らせることはできたのではないだろうか。

  • プレイヤーはこのセットを充分な回数ドラフトできなかった

 このセットと『基本セット2020』とが時間的に詰まっていたこと、そしてブースターが高価だったことから、このセットをもっとドラフトしたかったが8人揃えることができなかった、というプレイヤーからの反響が大量に届いていた。時とともに、これが、マジックのセット間に小休止があるときにプレイヤーが注目するような類のドラフト環境になってほしいと私は願っている。

『基本セット2020』

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良かったところ
  • このセットのドラフトは非常に上手くいった

 『基本セット2020』に関して届いた最大の称賛の声は、ドラフトして本当に楽しいセットだというものだった。ヨニ・スコルニク/Yoni Skolnik率いるデザイン・チームは、面白いドラフトの選択肢と、基礎的な基本セットとしての働きを両立するような基本セットを作るためにかなりの時間を費やしたのだ。そしてそれは成功したようだ。

  • さまざまなフォーマットのカードを提供した

 この基本セットはスタンダードの第8セットだったので、プレイアブルなカードの比較対象が多い。それを低減するため、このセットにはスタンダード以外のフォーマット向けにデザインされたカードが含まれていた。ユーザーはそれに気づき、それを高く評価したのだ。楔の伝説のクリーチャーのサイクルを筆頭に、それらは多くの肯定的反響を生んだ。

  • メタゲームで主流ではないスタンダードのデッキ向けのカードを大量に入れた

 基本セットが上手くやってきていたこととして、他に、競技レベルに到っていなかったデッキ、特にその年のローテーションで落ちることになるテーマのデッキを強化するというものがある。(それらのテーマについては、もしやりすぎたとしても3か月でローテーションで落ちるのでかなり積極的になれるのだ。)プレイヤーはこれに気づき、それを高く評価したのだ。

教訓
  • このセットには特に濃いテーマがなかった

 これまで、基本セットには特に濃いテーマはなかった。(例外は『マジック・オリジン』だ。)しかし、『基本セット2019』はニコル・ボーラスをテーマとして、今年のチャンドラよりも多くの枠を割いて扱っていた。結果として、多くのプレイヤーが『基本セット2020』は少しテーマ的に薄いと感じたのだ。このことから、基本セットのテーマは、ほとんどない状態から『マジック・オリジン』に到るまで(あるいはさらにそれ以上まで)どの程度の濃さであるべきかという興味深い疑問が浮かび上がる。プレイヤーからの反響を聞くに、諸君の多くはテーマが濃いほうを好むようだ。

  • 一部のプレイヤーはプレインズウォーカー疲れを感じ始めている

 『灯争大戦』で語ったとおり、プレインズウォーカー・テーマは好評だったが、全員に好評なわけではなかった。チャンドラが3枚カード化されているというギミックは、プレインズウォーカーに満腹だったプレイヤーには不愉快なものだった。(ただし、プレインズウォーカーのファン、中でもチャンドラのファンには大好評だった。)

振り返って

 全体として、この1年はマジックのデザインにとって良い年だったと考えているが、プレイヤーたちは、我々が単に現状維持するときよりも境界を広げようとするとき、そして新しいものに挑戦しようとするときに夢中になってくれるようだという宿題が残っている。『灯争大戦』と『モダンホライゾン』はこの1年の中でも特殊なセットであり、どちらもデザイン的に非常に大きなリスクを冒していた。幸いにも、これから先で我々は過去の栄誉に満足せず、新しいことに挑んでいく。これからの1年のことを書くこと、そしてそれがどうなっていくのかが今から楽しみなのだ。

 いつも反響を楽しみにしているが、特にこの「デザイン演説」についてはなおさらである。昨年についての私の考えを述べた。諸君の(昨年のデザインについて、また私の受け止め方についての)考えを知りたいと思う。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrInstagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、……うん、少し我慢してくれたまえ。

 その日まで、あなたが昨年どうだったのかに楽しく思いを馳せられますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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