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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

こぼれ話:『ドミナリア』 その1

Mark Rosewater
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2018年5月14日

 

 私は各セットごとに、記事を1本か2本、新セットに関するまだ答えていない質問に答える一問一答のために使っている。今回は、『ドミナリア』についての質問に応える番だ。

 私がツイートしたのはこんな内容だった。

諸君からの『ドミナリア』に関する質問に応える記事を1本か2本書く時期がやってきた。質問は1ツイートにまとめてくれたまえ。よろしく。#WotCStaff

 

 いつもの通り、可能な限り多くの質問に答えようと思うが、以下のような理由によって答えられないこともある。

  • 文章量の都合で、答えられる質問の数には限界がある。
  • すでに同じ質問に答えている場合がある。最初に来た質問に答えるのが通例である。
  • 私が答えを知らない質問もあるし、正しく答える資格がないと思われる質問もある。
  • 将来のセットのネタバレになるなど、さまざまな理由で答えることができない話題もある。

Q: どのキャラクターを『ドミナリア』で再登場させるか、どうやって決めましたか?

 

 いくつかの因子が存在した。

#1 ― 生きているかどうか。

 『ドミナリア』は、最後に我々がドミナリアを訪れた『時のらせん』から60年後の世界を舞台にしている。(『マジック・オリジン』でリリアナのオリジン・ストーリーの舞台になっていたのはドミナリアだが、それはこれよりもずっと昔の話である。)そして、『時のらせん』ブロックで登場していたキャラクターの多くは、時間魔法を通じて呼び出されていたのであって、つまりそれよりももっと古い時代の存在だったということを忘れないでもらいたい。ドミナリアの有名人の多くは、単純にもう生きていないので登場させるという選択肢に入らなかったのだ。ただし、過去のキャラクターに繋がりがある新しいキャラクターとして子孫などを作ることは可能だった。

#2 ― 今回訪れる場所で生活しているかどうか。

 ドミナリアは非常に広い次元である。カードを通じて独特の環境を作るため、我々は訪れる場所を絞ることに決めていた。キャラクターの中には、我々が訪れない場所にいる(そして、その場所を離れる理由がない)者もいた。そして、将来の再訪においては彼らが登場する機会もあるだろう。

#3 ― 今回の物語に関わっているかどうか。

 伝説のクリーチャーがすべて物語に関係しているわけではないが、我々は、物語そのものにおいて重要であるか、あるいは物語に重要な場所の世界構築に重要であるキャラクターを優先した。

#4 ― そのキャラクターはどれほど人気があるか。

 ファンがそのキャラクターを登場させて欲しいと思っていればいるほど、そのキャラクターが再登場する機会は多くなる。その好例が《不死身、スクイー》である。彼は物語にはまったく関わっていないが、ユーザーが登場を求めていることがわかっていたのでセットに入れることにしたのだ。

#5 ― 入れるべき枠に収まるかどうか。

 この最後の分類は、我々がいつも強く意識しているものではあるが、一方でプレイヤーが見落としがちなものである。例えばそのキャラクターが白青だとして、すでに白青でもっと優先順位が高いキャラクターがいたとしたら、枠が足りないという理由でそのキャラクターは使わないことになる。カードの枚数には限りがあり、中でも多色カード(伝説のクリーチャーは多色であることが多い)ではそうである。そして、このことから難しい選択をすることになる。

 これらすべてを踏まえて、使うか使わないかには多くの因子が影響していたのだ。幸いにも、『ドミナリア』は評判がいいので、将来再訪する可能性は高くなっている。そうなれば、今回は採用されなかったキャラクターの中からも登場するものが出てくることだろう。


Q: このセットに個人的に入れたいと思ったドミナリアの要素の中で、入れられなかったものはありますか?

 

 山ほどある。展望デザインで私は、あらゆるものを少しずつ入れた、寄せ集め的な方向性でセットを作ろうとしていた。しかし、テーマを組み上げていくにつれ、リミテッドとさまざまな構築フォーマットの両方において、セットの中でテーマに集中する必要があるということが明らかになり、1枚だけのものを仕込む場所がなくなったのだ。

 このセットにはまだ多くのものが存在しているが、私が1枚だけでも入れたいと思うほど好きだったのになくなったものもある(ツリーフォーク、ヴィーアシーノなど)。最初は『ドミナリア』には小型セットが続く予定だったということを思い出してもらいたい。計画では、それを使ってブロック内に1枚だけのものをもっと多く入れるつもりだったのだ。


Q: コモンのシンボルとアンコモンのシンボルがほとんど区別できないのはなぜですか?

 

 これはよくある、ある問題を解決しようとしたら別の問題にぶつかってしまったという例である。エキスパンション・シンボルへの制限の1つが、お互いに区別できるものでなければならないというものである。プレイヤーがカードを見て、それがどのセットのものかを区別しようと思ったときに、答えが1つだけに絞れることは重要なのだ。『ドミナリア』のエキスパンション・シンボルは、ベナリアの盾である。マジック史上で、盾をエキスパンション・シンボルにしたことが1度ある。初代『ミラディン』ブロックの『ダークスティール』がそうだ。

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左が『ダークスティール』のエキスパンション・シンボル、右が『ドミナリア』のエキスパンション・シンボル

 この2つの盾は、どちらも同じ黒一色で描くのでなければ簡単に区別できる。この問題を解決するため、我々は『ドミナリア』ではコモンに白を使うことにした。これは今後のエキスパンション・シンボルはそうするというわけではなく、このセットにおける変更である。

 大きいサイズであれば、コモンとアンコモンのエキスパンション・シンボルは区別できるように見えたが、カードのサイズに縮小すると、我々が予想していたよりもいくらか似てしまっていたのだ。

 コモンとアンコモンを区別できないという問題が起こった場合、カードの一番下に書かれているカード・コードでもレアリティを知ることができる。「C」と書かれていればコモンで、「U」と書かれていればアンコモンである。(「R」ならレアで「M」なら神話レアだ。)この問題について多くの意見が寄せられており、今後このような失敗を繰り返さないように共有されている。


Q: どのカードを再録するか、どうやって決めましたか?

 

 展望デザインで『ドミナリア』には普通のセットよりも多く、また強い再録を入れるということを決めたが、個別の選択は何にも増してパターンを決めるためのものだった。

 我々は、意外な再録を試した。セットデザインは、その中の多くを入れ替え、また他の意外な再録を試した。ある時点で、我々は強烈な再録を大量に試し、その中には工程を経て残ったものもあるが、多くは残らなかった。ここで何を試したかについて伝えるのはやめておこう。長年に渡る経験から、私は、望まれているものが途中でボツになったということを伝えると何よりも苛立ちを募らせる結果になるということがわかっているのだ。ここでは、我々は非常に大胆にいろいろなことを試したのだと伝えれば充分だろう。


Q: セットが発売されてから、メカニズムを再録すべきかどうかを判断するまでにはどれぐらいの時間がかかりますか?

 

 例えば(『ドミナリア』に関して言えば)英雄譚や歴史的などを再録することができるかどうかがわかるまでどれぐらいかかるか、ということを聞きたいのだと思う。その答えは、本当にすぐ、だ。セットの発売から1か月のうちに、我々は何が好評で何が不評だったかを非常に正確に掴むことができる。

 もう1つ興味深い質問としては、もう一度使いたいと思うメカニズムを再録するにはどれぐらい間を置けばいいか、というものがある。その答えは2つある。1つ目は、積極的な方法だ。しばしば、我々は何かを試し、そしてそれが非常に気に入ったのでそれに関する諸君の感じ方を知る前に再録を決めるという大胆な選択をすることがある。機体や果敢がこの例にあたる。

 2つ目は、もっと注意深い方法だ。この場合、我々はユーザーからの反響を待つことになる。(上述の通り、それにはそれほどの時間はかからない。)我々は2~3年先の仕事をしているので、この場合にはメカニズムの再録には最低でもそれだけの時間がかかるということになる。しかもそれは、我々がすぐに再録したいと考えた場合だ。もっとよくあるのは、それが成功した場合に、再録しようと考えるもののリストに追加し、そしてそれを使うのにふさわしい場所を見つけるまで待つ、ということである。こうなると、再録には2年から10年以上まで、どれだけの時間が開くこともありうる。一般論としては、落葉樹でないメカニズムの再録には少なくとも5年以上かかることが多い。(時々例外もある。)

 しかし、英雄譚や歴史的は、通常のメカニズムとは異なっている。厳密に言えば、英雄譚は新メカニズムではなくエンチャントのサブタイプである。もし好評であれば、実際そうでありうるけれども、理論上は、落葉樹メカニズム、つまりどのセットでも採用できる道具となることになる。歴史的というメカニズムが成功すれば、我々は「包括」という新しい技術を今後も使うということになるだろう。新しいものを別のフレイバーで包括したものが登場するほうが、歴史的そのものが再登場するよりも先になるのではないかと私は考えている。


Q:よくある質問をしたいと思います。《嵐雲のカラス》は何でいないんです?

 

 不真面目な答え:しーっ、こっちが気づいてるっていうのは内緒なんだ。

 真面目な答え:非常に弱いからである。リミテッド向けの格付けに従うと、Cに分類される。現在、我々はセットにCのカードを多くしすぎないようにしている。これはそれらのカードはドラフトで役立たずになりがちで、デッキ構築やゲームプレイが同じことの繰り返しになる結果につながるだけだからである。《嵐雲のカラス》だけについて、そのジョークをセットに入れることがリミテッドへの打撃よりも優先されるかどうかに限った話をするなら、我々は、優先されない、という判断をした。


Q: 伝説のソーサリーがあるのに伝説のインスタントがないのはなぜですか?

 

 計画では、サイクル1つだけにすることになっていた。(セットデザインの初期に作られて、その後で多色の6枚目が追加された。)そして、それらを大きく重く派手な呪文にしたかったので、インスタントよりもソーサリーがふさわしいものになったのだ。大きな呪文になった理由は、単に派手さだけの問題ではなく、それを唱えたいと思った時点で伝説のクリーチャーや伝説のプレインズウォーカーが戦場にいる可能性が高くなるようにするためでもある。

 また、我々がこの類のサイクルを扱うときは、機能的に似たようなものにしてプレイヤーがその働きで混乱しないようにすると同時に、サイクルにまとまりを持たせるようにしている。(4枚と1枚で、サイクルの4枚が同じように働いてもう1枚だけが違うようにすると、プレイヤーの中にはいらだちを覚える人が出てくるものなのだ。たまにそういうことをすることもあるが、それは非常に強い理由があるときだけである。)

 伝説のインスタントはルール上は問題なく働くので、伝説のソーサリーが好評だったならいつの日か、もしかしたらドミナリアに再訪したときに、試すことになるかもしれない。


Q: リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldと働くとき、「憧れのスターだ」と感じたことはありますか? 彼のデザインにうまくいかないものがあったとき「駄目だ」と伝えるのは難しいですか?

 

 私はリチャードと知り合いになって25年近く経つので、「憧れのスターだ」という時期はもう過ぎている。しかし、初めて会ったときにはそれを経験している。興味深いことに、デザイン・チームの他のメンバーのほとんど(アーロン/Aaron以外)はそれまでにリチャードに会ったことがなかったか、会っていてもほとんどやり取りをしたことがなかったので、彼らの多くは最初、多少は憧れのスターを見る目で見ていた。

 しかし、デザインにおいては、かなりの時間をともに過ごし、多くの会話を交わすことになるので、彼らもすぐにリチャードのことを単にチームの一員だと見るようになった。私は、必要なときにリチャードに「駄目だ」と伝えることには何の問題もない。


Q: なぜヤヤは火を使わないんですか?

 

 その理由のほとんどは、ヤヤのプレインズウォーカー・カードを、数多くあるチャンドラのプレインズウォーカー・カードと違う雰囲気にするためだった。チャンドラはその特徴としてダメージを与えることに特化しているので、我々は紅蓮術師のプレインズウォーカーを作るための別の方法を探したのだ。ヤヤのイメージとしては、プレイヤーが唱えるインスタントやソーサリーがすべて直接ダメージ呪文であり、ヤヤはそれをチャンドラとは少しだけ違う形で手助けする、というものである。


Q: ドミナリアの特徴が「歴史の次元」だとしたら、他の次元の過去を掘り下げることにはどういう影響がありますか?

 

 次元を掘り下げる上で最大の制約は、それぞれの次元を作るための時間がそう多くないということである。我々が次元を掘り下げていくのは、訪れるたびに新しい要素を加えることになるので、再訪することによるのがほとんどである。

 ドミナリアが「歴史の次元」というにふさわしいのは、大きな目で見たときに他のどの次元よりも多く再訪した次元だからである。ドミナリアと融合したラースを含めると、ドミナリアを舞台としたセットは30個を超える。ラヴニカとミラディンがそれぞれ6回で同率2位のはずだ。(そしてミラディンは本質的に別の次元になっている。)

 つまり、ドミナリアを「歴史の次元」にしたことによって何かを犠牲にしたということにはならない。我々がラヴニカを今後も再訪するとしても、ドミナリアに追いつくには何十年もかかるだろう。(しかもこれは我々が二度とドミナリアに再訪しないことを前提としている。)一言で言うと、我々は他の次元にも可能な限り深みを与えようとしているが、世界を作るための過酷な現実のせいで、現実的には他のどの次元もドミナリアに追いつくことはできないのだ。


Q: ガーフィールド博士のマジックに関する最初の展望と、このセットへの彼の関与は『ドミナリア』のメカニズム(の選択と変更)にどれぐらい影響を与えましたか?

 

 『ドミナリア』における我々の目標は、この次元のクールな要素と初期のマジックを、現在のデザインの観点から再現することだった。我々は初期のマジックのようなプレイにしたいと考えていたのではなく、初期のマジックの直感を再現したいと考えていたのである。リチャードをデザイン・チームに招いたことは、その観点から見てどの要素がうまくいって、どの要素がうまくいかないのかを判断する上で非常に助けになった。

 どのデザイナーもやることの1つが、自分の初期の仕事を振り返り、現在の知見と技術を前提にして今ならどうするかを考えることである。リチャードとの会話の多くが、彼が当時の必要性からやったことと意図を持ったデザインとの比較に関するものだった。この問題の好例は1枚のカードに凝縮されている。《リッチの熟達》だ。『アルファ版』で、リチャードは《Lich》というカードを作った。

 リチャードが、自分自身の屍を甦らせることで不死性を得た強力な魔術師であるリッチという概念を具体化したいと考えて作ったのが《Lich》である。リチャードは最初の《Lich》がメカニズム的にその展望を叶えたものだとは感じていなかったので、『ドミナリア』で、もう一度立ち戻ってその発想を再び形にしようとすることができたのだ。

 『ドミナリア』のデザインの多くは、ドミナリアのクールな要素を探し、それを現代マジックのデザイン技術を通して再び作る、というこのモデルに則っている。リチャードを展望の化身として迎えたことは、この仕事において本当に有用だった。


Q: このセットにどうしても入れたかったドミナリア史で、最終的に残らなかったものはありますか?

 

 本当に大量にある。実際、『Salad』というコードネームのセットが基本セットになったことで、物語の中でこの次元に大量に存在する文脈の1つに依存していた大部分は採用できなくなった。ドミナリアには大量の歴史が刻み込まれていて、それらすべてを1つのセットで使うことは単純に不可能であり、我々が示したものの多くもわずかに匂わせる程度である。

 ドミナリアを再訪する際には(するとしたら、ではない。私は『ドミナリア』が好評を収めると確信しているし、何度も再訪することだろうと思っている)、扱うべき物語や歴史的存在の宝庫が待っているのだ。


Q: 新しいセット/ブロックのシステムによって、過去にできなかった何を『ドミナリア』で成し遂げることができましたか?このセットは、2~3セット・ブロック・システムでも存在できましたか? 『ドミナリア』がこのシステムの最初のセットであることは偶然ですか、それとも『ドミナリア』はこのシステムに合わせて待っていたのですか?

 

 『ドミナリア』がこの3-1世界(毎年大型セット3個と基本セット1個が存在する世界)の最初にセットになったのは偶然であり、この変更の理由でもない。ドミナリアは3セット・ブロックであれ2セット・ブロックであれ、過去のシステムの下でも間違いなく使えた世界だ。この変更は、ここ数年起こってきた様々なことの結果として起こったことである。『ドミナリア』が展望デザインを経た最初のセットになったのは、単純に、順番で次のセットだったからなのだ。


Q: 神河での伝説関連の扱い方は、このセットにどれぐらい影響しましたか?

 

 『神河物語』ブロックの伝説テーマの扱い方は、いろいろとすべきでないことを教えてくれたという意味で非常に有意義だった。

「開封比(そのテーマがブースターから出てくる割合)」を低くしすぎないこと。

 『神河物語』は、「テーマがコモンに存在しないなら、それはテーマではない」という私の有名な言葉の元になっている。テーマが主にレアに存在するというだけでは、すぐに気がつけるものにはならず、リミテッドではほとんど存在しないようなものになる。『ドミナリア』はこの教訓を踏まえており、このセットを成立させるために歴史的と「ブースターに必ず1枚の伝説のクリーチャー」を組み合わせることが重要だった理由になっている。

アンコモンの伝説のクリーチャーの扱いに気をつけること。

 『神河物語』ブロックにもアンコモンの伝説のクリーチャーはいたが、その数は非常に少なく、デザイン的にも単純過ぎるものだった。テーマを作用するようにするために、そのテーマをプレイすることにかなりの深みを与えることができるようにレアの中から何枚かをアンコモン枠に引き下げるのだ。

伝説を助けるカードがテーマ以外でも働くようにすること。

 『神河物語』ブロックには、充分な伝説のクリーチャーがいた場合にだけ役に立つカードが多すぎた。『ドミナリア』には、伝説のカード、多くは伝説のクリーチャーと組み合わせることで強化されるが、組み合わせなくても働くカードが、特に低いレアリティに、大量に存在する。

伝説テーマを他のテーマと無関係なものにしないこと。

 『神河物語』ブロックには他にもメカニズム的テーマが存在したが、ほとんどの部分で、それは伝説テーマとうまく噛み合うものではなかった。それと対照的に、『ドミナリア』では他のあらゆるメカニズムがこのテーマとシナジーをもたらす助けになるようになっており、セット全体がこのテーマを際立たせるためのものになっているのだ。

 

 私は、失敗は成功の母、という話をよくする。この場合、特にすばらしい母ということになる。


Q: あなたや開発部は、また伝説関連にするという発想が出たとき、『ドミナリア』が『神河物語』のような大失敗になることを危惧しませんでしたか?

 

 成功したセットにあるすべてが良いものではないし、成功しなかったセットにあるすべてが悪いものではない。上述の通り、ここで重要なのは好評になる可能性があるとわかっているテーマ(そう、『神河物語』ができた当時は統率者戦はまだフォーマットとして生まれたばかりだったのだ)を取り上げることと、それを成立させるために現代のデザイン感覚を用いることである。

 『ドミナリア』に関して言えば、単に伝説の存在だけでなく歴史的を用いることでテーマを拡張し、他の要素もテーマを成立させるために用いることができるようにしていることが大きい。

今日はここまで

 そろそろ時間切れのようだ。しかしまだまだ答えていない質問があるので、来週、また諸君からの質問にお答えすることにしよう。いつもの通り、今日の私の答えについて諸君からの感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、その2でお会いしよう。

 その日まで、あなたが『ドミナリア』をたっぷりプレイし、そしてさらなる質問を見つけ出しますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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