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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

選択せよ その1

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選択せよ その1

Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru

2018年2月12日

 

 先週、第3回グレート・デザイナー・サーチの第1の課題であるエッセイ問題を解説した。今週は第2の課題、選択問題について解説を始めよう。そのために、まずは諸君全員に試験を受ける機会を与える。そのための方法はこうだ。まず試験を受け、その後で答え合わせだ。答え合わせの後に読み進めれば、答えについての解説を読むことができる。この試験は非常に長いので、解説は複数週に渡ることになる。楽しそうだと思うかね?

※訳注:日本公式サイト版では、1問ごとに「解答」ボタンを押すと正解と解説が表示されるようになっています。解説がまだついていない後半部については、日本語版では掲載していません。来週をお楽しみに。


1.このカードに一番ふさわしい色は何か。

〈喧嘩腰の生存者〉
-(点数で見たマナ・コスト(CMC): 6)
クリーチャー ― ○○
5/5
威迫、果敢

 

 威迫の1種色は黒と赤である。果敢の1種色は青で、2種色は赤である。従って、この2つの能力が重複する色は赤だけである。

2.このカードに一番ふさわしいレアリティは何か。

〈喧嘩腰の生存者〉
-(点数で見たマナ・コスト(CMC): 6)
クリーチャー ― ○○
5/5
威迫、果敢

 
  1. コモン
  2. アンコモン
  3. レア
  4. 神話レア

 第1問から、これは赤のクリーチャーであることがわかっている。これは5/5で2つの能力を持っている。赤のコモンには5/5でしかも有利になるキーワードを2つ持っているのは大きすぎるのでコモンとは考えがたい。特にエキサイティングとも言えないので、レアや神話レアとも考えがたい。高いレアリティのカードはもう少し何か持っているものである。そのため、このカードにもっともふさわしいレアリティはアンコモンである。

3.〈喧嘩腰の生存者〉のキーワードの1つを他のものに変えるとする。変更後のカードが単色でありえなくなるのは、以下のどの組み合わせに変更した場合か。

〈喧嘩腰の生存者〉
-(点数で見たマナ・コスト(CMC): 6)
クリーチャー ― ○○
5/5
威迫、果敢

 
  1. 先制攻撃、果敢
  2. 呪禁、果敢
  3. 絆魂、威迫
  4. 威迫、警戒

 先制攻撃は白赤。果敢は青赤。従って、Aは赤単色でありうる。呪禁は青緑。果敢は青赤。従って、Bは青単色でありうる。絆魂は白黒。威迫は黒赤。従って、Cは黒単色でありうる。威迫は黒赤。警戒は白緑。従って、Dは単色ではありえないのでこれが正解となる。

4.この多色カードに一番ふさわしい色の組み合わせは何か。

〈少し都合をつけて〉
-(CMC:4)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それのコントロールを得る。それをアンタップする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受け、速攻と呪禁とトランプルを得る。

 
  1. 白青
  2. 青赤
  3. 黒緑
  4. 赤緑
  5. 白黒

 これは少し難問だ。他のクリーチャーのコントロールを得て、それをアンタップして、ターン終了時まで速攻をつける、のは赤の能力である。呪禁は青と緑の能力である。トランプルは赤と緑の能力である。従って、選択肢の中から、青赤と赤緑の2つの組み合わせがありうることになる。赤緑のほうが良い選択なのは、2色のカードに能力を持たせるにあたってデザインでの微妙なやり方によるものである。3つの能力を与える場合、1つは1色目が1種色か2種色(赤の速攻)、1つは2色目が1種色か2種色(緑の呪禁)、そして1つは両方が1種色か2種色(赤緑のトランプル)にする。こう考えると、このデザインは青赤よりも赤緑ということになる。

5.このカードに一番ふさわしいレアリティは何か。

〈少し都合をつけて〉
-(CMC:4)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それのコントロールを得る。それをアンタップする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受け、速攻と呪禁とトランプルを得る。

 
  1. コモン
  2. アンコモン
  3. レア
  4. 神話レア

 一時的奪取は赤がコモンで扱うものである。ただし、この呪文では更にそのクリーチャーを強化し、速攻以外に追加で能力を2つ(呪禁とトランプル)与えている。奪取と強化以外に3つ能力を与えるので、コモンではやらないようなものになっている。この効果は構築よりもリミテッド向けに見る。そして直前のカード同様レアや神話レアにするような派手さには欠けている。それらを総合して、このカードはアンコモンにすることになる可能性が最も高い。

6.この色の組み合わせを変えないとして、このカードに加える変更の中で一番ありえないものはどれか。

〈少し都合をつけて〉
-(CMC:4)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それのコントロールを得る。それをアンタップする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受け、速攻と呪禁とトランプルを得る。

 
  1. 「ソーサリー」を「インスタント」にする。
  2. 「速攻」を「二段攻撃」にする。
  3. 「+1/+1」を「+2/+2」にする。
  4. 「呪禁」を「このターン、それは可能ならブロックされなければならない。」にする。
  5. 「トランプル」を「それはパワー2以下のクリーチャーによってはブロックされない。」にする。

 この呪文から速攻をなくしたら、奪ったクリーチャーで攻撃することができなくなる。そうなるとこの呪文は有用とはいえなくなり、また直感にも反することになるので、Bが正解となる。Aも頻繁に行なうことではないが、まれに行なうことがある。Cはカードパワーを高めるためにすることがある。DとかEは、適切な色の割り当てに合致する能力への変更であり、問題はない。

7.以下の文章のうち、白の理念に従う人物が一番言わなさそうなのはどれか。
  1. 「構造のないシステムは失敗が決まっているシステムだ。」
  2. 「邪悪は事前に止められなければならない。」
  3. 「あなたが本心から動いているなら、悪い結果はありえない。」
  4. 「大きな集団を生き残らせるために個人が傷つくことはある。」
  5. 「暴力は決して好まれるものではないが、必要なときもある。」

 白は秩序を信じ、「本心から動く」のは赤がするような混沌なことだと考えている。つまり、Cが正解である。Aは、白は構造を信じているので問題ない。Bは、白は強い倫理的理由がある限り、事前に行動することを正当とするので問題ない。Dは、白は全体の価値を個人よりも重く見るので問題ない。Eは、白は既知の脅威を止めるために軍隊を使うというように、場合によっては暴力を必要な道具として許容するので問題ない。

8.以下の文章のうち、青の理念に従う人物が一番言わなさそうなのはどれか。
  1. 「行動は思考の後にのみあるべきだ。」
  2. 「すべての人は何にでもなりうるものだ。」
  3. 「変化を恐れることは危険だ。」
  4. 「道具はあらゆる社会で重要な要素である。」
  5. 「人を形作るのは経験よりも遺伝子である。」

 青は、生まれよりも育ちが重要だと信じているので、Eが正解である。Aは、青は人は行動の前に考えるべきだと信じているので問題ない。Bは、人間は何にでもなりうる素材の状態で生まれてくるという青の信念に近いので問題ない。Cは、青は実際に変化を許容し、本質的に危険なものだとは考えていないので問題ない。Dは、青は人がその可能性に到達するための方法の1つである道具(マジックで言えばアーティファクト)を信じでいるので問題ない。

9.以下の文章のうち、黒の理念に従う人物が一番言わなさそうなのはどれか。
  1. 「成功と失敗の違いは、必要なことをする意志にある。」
  2. 「私はシステムを作らない。ただそれから利を得る方法を理解するだけだ。」
  3. 「私が行く道を決めるのは私だけだ。」
  4. 「他者を自分よりも優先しなければならないこともある。」
  5. 「弱者にも意味はある。強者のための資源だ。」
 
犠牲》[EMA

 黒は利己的で、決して他者を自分の利害よりも上に置くことはない。Dが正解である。Aは、黒は他者がしないことをする意志が成功の鍵だと信じているので問題ない。Bは、黒はシステムの利益を得ることを非常に重視しているので問題ない。Cは、黒は自由意志の信奉者なので問題ない。Eは、黒は弱者のことも使うべき道具だと見ているので問題ない。

10.以下の文章のうち、赤の理念に従う人物が一番言わなさそうなのはどれか。
  1. 「失敗はいかなる代償を払っても避けるべきだ。」
  2. 「最大の後悔はしたことではなくしなかったことに関するものだ。」
  3. 「人生は散らかったものだ。」
  4. 「情熱のない人生は生きていない人生だ。」
  5. 「ルールの数は少なければ少ないほど良い。」

 赤は人生の散らかりっぷりを受け入れており、失敗することも問題とはしない。Aが正解である。Bは、赤は行動と自身の衝動に従うものなので問題ない。Cは、赤は人生を混沌だと思っているので問題ない。Dは、赤は情熱で動くものなので問題ない。Eは、赤はやりたいことをやらせないルールのようなものを嫌うので問題ない。

11.以下の文章のうち、緑の理念に従う人物が一番言わなさそうなのはどれか。
  1. 「適応というのはゆっくりした工程だ。」
  2. 「すべての生命は繋がっている。」
  3. 「楽しみのための殺害も生命の一部に過ぎない。」
  4. 「幸福のための鍵は、世界の意味を受け入れることである。」
  5. 「生まれつき役割は定められている。」

 緑は殺害も生命の自然な一部だと思っているが、娯楽のためにそうすることは緑の支持するあらゆるものに反するものである。Cが正解である。Aは、緑は適応を時とともに自然に起こる自然な工程で強制されるものではないと思っているので問題ない。Bは、緑は生命の網を信じており、自然が全てを繋ぎ合わせると信じているので問題ない。Dは、緑は万物の現在のあり方が正しいものであり自然が万物を正すのだと学ぶことが幸福のための鍵だと信じているので問題ない。Eは、緑は人生における役割を定めるのは育ちではなく生まれだと信じているので問題ない。

12.ラヴニカのセットで喊声メカニズムを再録するとしたら、そのメカニズムに最もふさわしいギルドはどこか。
  1. アゾリウス
  2. ボロス
  3. グルール
  4. ラクドス
  5. セレズニア

 喊声(このクリーチャーが攻撃するたび、ターン終了時まで、他の攻撃クリーチャーはそれぞれ+1/+0の修整を受ける。)は、複数のクリーチャーで攻撃することを勧める戦闘メカニズムである。また、軍隊というフレイバーも持っている。この2つのことから、このメカニズムに最適なのはボロスである。このメカニズムはグルールやセレズニアともメカニズム的にいくらかのシナジーを持つが、ボロスに比べると劣る。

13.ソーサリーよりもインスタントでよく見かけられる効果はどれか。
  1. 直接ダメージ
  2. 手札破壊
  3. 土地破壊
  4. 土地フェッチ(自分のライブラリーから土地を探す)
  5. リアニメイト(墓地からクリーチャーを戦場に出す)

 この設問の実際の鍵は、ほとんどソーサリーに限られるのはどの効果なのかを見極めることである。ほとんどの手札破壊をソーサリーにしているのは、対戦相手がカードを引いた直後にロックするようなことをしてほしくないからである。ほとんどの土地破壊をソーサリーにしているのは、呪文を唱えたのに対応してインスタント速度の土地破壊を使うと混乱するプレイヤーがいるからである。ほとんどの土地フェッチをソーサリーにしているのは、土地がプレイされるのはメイン・フェイズの間にしたいからである。ほとんどのリアニメイトをソーサリーにしているのは、突然防御的に使われたくないからである。それと対照的に、直接ダメージはいつもインスタントで使っているので、正解はこれである。

14.このカードの、デザイン面から見た最大の問題は何か。

〈長期的巨大化〉
{2}{G}
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+3の修整を受ける。次のあなたのアップキープの開始時に、ターン終了時まで、そのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。その次のあなたのアップキープの開始時に、ターン終了時まで、そのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。

 
  1. この呪文は軽すぎる。
  2. この呪文は、3ターンの間目印なしで記憶しなければならない。
  3. 戦闘中に使えるようにするため、インスタントであるべきだ。
  4. エキサイティングにするため、時間とともに効果が弱まるのではなく強まるようにすべきだ。
  5. 最初のクリーチャーが死んでいるかもしれないので、別々のクリーチャーを対象に取れるようにすべきだ。

 開発部は記憶の問題を非常に意識している。自分のターンを超えて何かが続く場合、それを記憶する助けとなるものを提供することが多い(カウンターを置く、オーラにする、など)。〈長期的巨大化〉は3ターン以上残り、しかも効果が毎ターン変化する。そのため、Bが正解である。他の選択肢はどれも、記憶の問題ほど重要なものではない。

15.このカードが混成クリーチャーだったとしたら、何色か。

〈面妖〉
-(CMC:4)
*/*
瞬速
[カード名]のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの手札にあるカードの枚数に等しい。

 
  1. 白青
  2. 黒赤
  3. 青黒
  4. 青赤
  5. 緑青
 
シミックの成長室》[IMA

 瞬速は青が1種色、緑が2種色である。(最近、我々は黒も2種色にするという実験を始めたが、私のブログを読んでいる諸君以外は誰もそんなことを知らないだろうと思う。)「マロー」能力(パワーとタフネスはそれぞれ手札にあるカードの枚数に等しい)は、青と緑である。従って、正解はEである。

16.このカードに一番ふさわしいレアリティは何か。

〈面妖〉
-(CMC:4)
*/*
瞬速
[カード名]のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの手札にあるカードの枚数に等しい。

 
  1. コモン
  2. アンコモン
  3. レア
  4. 神話レア

 このカードは我々が「可変のサイズ」と呼んでいるサイズを持っており、サイズが常に変わり続ける。我々は通例、コモンでは可変のサイズを扱わない。プレイヤーは、マロー能力のことが好きである。また、そのクリーチャーはかなり大きくなることができる。そのため、我々はこのレアリティを下げるのではなく上げる傾向にある。また、この点数で見たマナ・コストはリミテッドではなく構築向けになっている。瞬速を加えたことが、これをアンコモンよりもレアにふさわしいものにするひと押しになっている。神話レアにするほどの派手さはない。神話レアにするには、マロー能力と、瞬速よりも革新的なものを組み合わせる必要があるので、レアが正解となる。

17.このクリーチャーの色を変えることなく追加することができる能力は何か。

〈面妖〉
-(CMC:4)
*/*
瞬速
[カード名]のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの手札にあるカードの枚数に等しい。

 
  1. ターン終了時に、[カード名]をアンタップする。
  2. [カード名]は2体以上のクリーチャーによってはブロックされない。
  3. [カード名]は可能ならブロックされなければならない。
  4. [カード名]が対戦相手1人にダメージを与えるたび、カードを1枚引く。
  5. クリーチャーが1体死亡するたび、[カード名]の上に+1/+1カウンターを1個置く。

 Aは、青の能力であるが、緑の能力ではない。緑にもクリーチャーをアンタップすることはできるが、クリーチャーに持たせるのではなく呪文がすることである。BとCは、緑の能力であるが、青の能力ではない。Eは黒の能力であり、まれに緑でも見かけられたことがある。『アラーラの断片』でサイクルの一部として青にあったことがあったと思うが、これは伝統的に青がすることではない。Dは我々が「好奇心」と呼んでいるものであり、青と緑で常々使っている能力なので、これが正解となる。

18.マジックの初めてのゲームを終えたばかりのプレイヤーがいる。以下のうち、一番意識すべきことはどれか。
  1. お気に入りのカードができたかどうか。
  2. ほとんどのカード・タイプと、ほとんどの常磐木キーワードを見たかどうか。
  3. マジックの奥深さを感じたかどうか。
  4. 自分のデッキに入っているカードを理解したかどうか。
  5. もう一度プレイしたがっているかどうか。

 新規プレイヤーがもう一度プレイすることに興味を示さなければ、何も意味はない。つまり、最初のゲームの最大の目標は、プレイヤーの興味を惹き、もっとプレイしたいと思わせることである。他の選択肢も重要なことではあるが、これには及ばない。

19.スパイク向けのカードをデザインするにあたって、以下のうち一番重要なのはどれか。
  1. マナ・コストが低いこと。
  2. カード・アドバンテージを生むこと。
  3. 非常に自由度が高いこと。
  4. スパイクが対戦相手を打ち負かしたと感じるようにすること。
  5. そのデッキの性質をスパイクに伝えること。

 スパイクを満足させるための鍵は、彼らの技術を示す道具を与えることである。そのための最善の方法は、強いプレイヤーの手にある時によりうまく働き、スパイクが自分の判断で勝ったと感じられるようなカードを作ることだということがわかっている。そのため、Dが正解となる。

20.デザインが、あるカードのことを「イベントでのプレイには遅すぎる」と考えている。どういう意味か。
  1. このカードのせいでイベントで時間切れになるマッチが多すぎる。
  2. このカードを使うプレイヤーがイベントでプレイ時間を多く独占しすぎる。
  3. 〔遅いプレイ〕の疑いがあるとして対戦相手があまりにも頻繁にジャッジを呼ぶことになる。
  4. これに関してコメントがあまりにも多く必要となり、カバレージに問題が生じることになる。
  5. ゲームに15ターン以上かかるようになる。

 我々が何かを「イベントでのプレイには遅すぎる」と言う場合、我々は大局的に見ている。我々はイベントを運営するのを難しくするような選択をしているのだろうか。下した決定が、例えば組織化プレイのような、マジックの別の側面に与える影響を理解することもデザインの一部なのである。この問題においては、ラウンドにかかる時間であり、従って正解はAとなる。

21.君は次の『統率者』のデッキを手がけている。最も重要な目的は以下のうちどれか。
  1. 色が均等に配分されている。
  2. 統率者を見た人が新しいデッキを組みたいと感じる。
  3. 各デッキに斬新なテーマがある。
  4. レガシーやヴィンテージ向けの新しいカードをデザインする。
  5. 人気のある統率者戦デッキを元にしたデッキになっている。
 
統率の塔》[C17

 この設問は、『統率者』デッキを作る動機を理解しているかを問うものである。最大の目標は、統率者戦を奨励することである。そのため、新しいデッキを触発するようなカード(主に統率者)を作りたいと考えているのだ。我々はある程度色の均衡を考えるが、同じであることは重大ではない。新しいテーマを探しはするが、人気のあるテーマを再利用することは問題ない。初期には、レガシーやヴィンテージ用のカードを作っていたが、それは様々な問題を引き起こした。デッキはオリジナルでもいい。既存のテーマに基づくものである必要はない。従って、正解はBである。

22.以下のクリーチャーのうち、普通のスタンダード範囲のドラフト・フォーマットで一番弱いのはどれか。
  1. {1}{G}で2/2
  2. {3}{G}で4/4
  3. {5}{G}で6/6
  4. {7}{G}で8/8
  5. {9}{G}で10/10

 ここでの最大の制限は、そのカードをどれぐらいの頻度でプレイすることができるか、である。コストが大きくなると、それをプレイできる機会は減っていく。そのため、{9}{G}で10/10というのが最弱となる。

23.以下のクリーチャーのうち、普通のスタンダード範囲のドラフト・フォーマットで一番強いのはどれか。
  1. {1}{G}で2/2
  2. {3}{G}で4/4
  3. {5}{G}で6/6
  4. {7}{G}で8/8
  5. {9}{G}で10/10

 {1}{G}で2/2は、マナ・カーブよりもやや下になる。通常、緑で{1}{G}ならもう少し強くなる。{5}{G}で6/6は強いが、6マナ必要になり、ゲームの終盤まで揃わないことが多い。{7}{G}や{9}{G}はほとんどの時間、手札で腐ることになる。従って、{3}{G}で4/4というのが正解になる。

24.セットのリードが、そのセットから黒のインスタントの除去呪文を取り除き、その代わりとなりうるデザインを作るように指示した。デザインする上で一番重要なのは以下のうちどの性質か。
  1. 黒のカードであること。
  2. 革新的なカードであること。
  3. インスタントであること。
  4. 強力なカードであること。
  5. 除去カードであること。

 セットのリードが黒の穴埋めを求めたのであれば、黒であること以上に重要な性質は存在しない。同じ機能を持つことができればそれはいいことだが、そうでなければセットのリードが他のカードを調整してその問題を解決することができる。

25.緑のコモンのクリーチャーが白のクリーチャーよりもいくらか効率的であるのはなぜか。
  1. 緑は青と黒の敵対色であるから。
  2. 緑のプレイヤーは強力なクリーチャーが好きだから。
  3. 白は黒と赤の敵対色であるから。
  4. 白の除去のほうが強いから。
  5. そういうものだから。

 緑と白はどちらもクリーチャーに重点を置いた色だが、白は緑よりも対策カードが多く、そのためデッキ全体としての強さにおいてクリーチャーに頼る部分は少なくなる。緑の、特にコモンにおける大きな利点は、もっとも効率的なクリーチャーがいることである。

26.通常のセットで、コモンのクリーチャーが2番目に少ない色はどれか。

 セットにおいてクリーチャーが多い方から少ない方に並べると、通常はこうなる(目標とする割合も併記する)。

  • 白 (62%)
  • 緑 (59%)
  • 黒 (56%)
  • 赤 (53%)
  • 青 (50%)

 従って、2番目に少ない色は赤である。

27.以下の緑のキーワードのうちで、使う場合にデザインが一番注意を払わなければならないのはどれか。
  1. 接死
  2. 呪禁
  3. 到達
  4. トランプル
  5. 警戒

 列記された5つのキーワードのうちで一番問題があるのは呪禁であり、従って最も慎重に使われている。

 
殺戮の暴君》[XLN
28.我々は、2色のうちどちらか1色の単色カードでできるカードを2色カードとして作ることは避けるようにしている。それを踏まえて、飛行と警戒を持つ2色の4/4のクリーチャーがいる(他の能力は持っていないものとする)。以下のどの色の組み合わせがこのクリーチャーに最適か。
  1. 白青
  2. 白黒
  3. 緑白
  4. 青黒
  5. 黒緑

 飛行は白と青が1種色、黒が2種色である。警戒は白が1種色、緑が2種色である。どちらの能力も白単色で可能なので、このカードでは白は使わない。従って、白青、白黒、緑白は除外となる。青黒では警戒が存在しないので、Eの黒緑が唯一の選択肢となる。

29.以下のうち、セットにおいて一番重要な性質はどれか。
  1. 学ぶのが簡単である。
  2. プレイして楽しい。
  3. 戦略的な深みがすごい。
  4. 強力なカードがある。
  5. ストーリーに合っている。

 このポイントは非常に重要なので、複数の設問で取り上げている。マジックの第一の目標は、楽しいこと、プレイヤーがプレイするのを楽しむようにすることである。確かに戦略的な深みや強力なカード、ストーリーにあっていることも必要だし複雑さを意識する必要があるが、セットがプレイして楽しくなければ何の意味もないのだ。

30.以下のクリーチャー・キーワードのうちで、コントロール・デッキで一番価値があることが多いものはどれか。
  1. 先制攻撃
  2. 威迫
  3. 速攻
  4. 絆魂
  5. トランプル

 コントロール・デッキとは、ゲームの局面を支配する(つまり、対戦相手が簡単には勝てないような環境を整える)デッキである。コントロール・デッキの課題は、局面を支配するために必要な要素を準備できるようになるまで、ゲームの序盤を生き抜かなければならないということである。そのため、コントロール・デッキにはゲームを長引かせる助けとなる道具が必要となる。列記された5つのキーワードのうち、絆魂がその目標を最もよく達成している。

31.セット・デザインがドラフトをするとき、ほとんどの場合は8人ちょうどで行なう。なぜか。
  1. チームが8人だから。
  2. 現実世界でドラフトをする場合に一番よくある人数だから。
  3. 24パック入りの小型のブースターボックスを使うから。
  4. 8人がけのテーブルがあるから。
  5. スパイク4人、ティミー/タミー3人、ジョニー/ジェニー1人にしたいから。

 プレイテストの目標は、現実世界でプレイヤーが実際にやる体験でのゲームプレイを最適化するため、それを模倣することである。8人以外の人数でドラフトをすることはデータを歪めるような結果となり、8人でのドラフトに最適化されていない選択をしてしまうことに繋がる可能性がある。

32.デザインしたカードを、プレイ・デザイン・チームが気に入るようにしたい。マナ・コストをどうすべきか。
  1. プレイ・デザイン・チームの誰かに、コストを決めてもらう。
  2. よく似たカードを探して、それのコストより1軽くする。
  3. 気にしない。コストが適正でなければ、向こうで直してくれる。
  4. 壊れるレベルにならない限りで一番強いコストにする。
  5. 直感に従う。

 マジックを作ることは、共同作業である。それを最も良く達成するため、人々の長所を活かすことを学ぶ必要がある。私がコストを決めることはできるだろうか。もちろんできるが、パワーレベルを判断する能力を買われて雇われているプレイ・デザイナーほど上手くはない。彼らにまず尋ねることで、誤ったコスト付けがプレイテストに影響を与える危険性を減らすことができる。また、プレイ・デザイン(でなくても誰でも)に承認してもらいたいと思うなら、彼らを工程の間に絡ませることは助けになるのだ。

33.以下の常磐木キーワード能力のうち、コモンの白のクリーチャーに持たせるのに最もふさわしいのはどれか。
  1. 二段攻撃
  2. 瞬速
  3. 破壊不能
  4. トランプル
  5. 警戒

 二段攻撃と破壊不能はどちらも白が1種色だが、我々はそれらをコモンで大量に使わないようにしている。瞬速とトランプルは白が3種色であり、3種色はコモンでは使わないようにしている。警戒は白が1種色で、ほとんどのセットでコモンで使われている。Eが正解である。

34.以下のうち、打ち消し呪文系の青のデッキがスタンダードに及ぼすべき影響について一番よく表しているものはどれか。
  1. 打ち消し呪文を使うプレイヤーが対戦相手の行動を全て止めることができるスタンダードが一番楽しい。
  2. 打ち消し呪文を使うプレイヤーが局面を支配したらすぐに効率よく勝利できる方法があるスタンダードが一番楽しい。
  3. 打ち消し呪文を使うデッキが青単色であるスタンダードが一番楽しい。
  4. 打ち消し呪文を使うデッキが最強であるスタンダードが一番楽しい。
  5. 打ち消し呪文を使うデッキが競争力を持たないスタンダードが一番楽しい。

 コントロール・デッキの最大の問題は、時間がかかりすぎ、イベントの長さに影響を及ぼすことになるということである。従って、スタンダードでは、コントロール・デッキが局面を支配したらすぐに勝利するのが望ましい。Bが正解である。Aは、我々はゲームプレイに押し引きを求めており、コントロール・デッキへの対策がありうることを望んでいるので、不正解である。Cは、我々はアーキタイプに多様性があって欲しいと思っており、より多くの色を使えるようにすることでその助けとなるので、不正解である。また、コントロール・デッキは打ち消し呪文だけではない。DとEは、我々はアーキタイプの強さが変動することを好んでいるので、不正解である。

35.スタンダードで見かけられる程度に強い緑のクリーチャーが持っているべきでない利点は以下のうちどれか。
  1. タップしてマナを出すことができる。
  2. アーティファクトやエンチャントを破壊することができる。
  3. 攻撃やブロックと関係なく複数枚のカードを引くことができる。
  4. 同じマナ・コストの他のクリーチャーよりもサイズが大きい。
  5. +1/+1カウンターを用いて、非常に大きいサイズになることができる。

 緑は、クリーチャーに関係している限り、カードを引くことができる。クリーチャーで、複数枚のカードを引けるようなカードであれば、対戦相手が対処する機会が増えるように戦闘に参加させることにすることにしている。他の4つの選択肢は、我々が使っているものである。

 
狩人の眼識》[M12
36.ラヴニカのセットでストーム・メカニズムを再録するとしたら、そのメカニズムに最もふさわしいギルドはどこか。
  1. イゼット
  2. オルゾフ
  3. ラクドス
  4. セレズニア
  5. シミック

 ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにこれより前に唱えられた呪文1つにつきこれを1回コピーする。あなたはそれらのコピーの新しい対象を選んでもよい。)は、インスタントとソーサリーにだけつけられるメカニズムである。イゼットはメカニズム的に、インスタントとソーサリーに重点を置いたギルドであり、このメカニズムにまさにふさわしい。

37.セットのシナジー・テーマで、使うには特定のカードを引く必要があるものがある。これの頻度はあまり高くない。以下のメカニズムのうち、その相互作用の頻度を高める役に立たないものはどれか。
  1. サイクリング
  2. 調査
  3. キッカー
  4. 占術
  5. 変成

 これは、必要なカードを引く能力を高める「カードの流れ」メカニズムと呼んでいるものについての設問である。サイクリングと調査は、追加のカードを引けるようにする。占術はカードの引きを最適化することで必要なカードを手に入れる機会を増やす。変成は教示者能力であり、直接自分のライブラリーから必要なカードを手に入れることができる。対照的に、キッカーは追加のマナを使うことができるようにするが、特定のカードを引く助けにはならない。

38.以下の『レジェンド』のデザインのうち、コストを変えて競技レベルのスタンダードのカードにするのに一番ふさわしいのはどれか。
  1. Acid Rain》[LEG]
  2. Arboria》[LEG]
  3. 土地税》[4ED]
  4. マナ吸収》[IMA]
  5. 主の存在》[USG]

 我々は色対策を弱体化させているので、森をすべて破壊するのはコストを変更したとしてもするようなことではない。《Arboria》[LEG]は、これまでデザインされた中で最も楽しくないカードの中の1枚であり、復活させようと考えるようなものではない。《土地税》[4ED]は何回もシャッフルする必要があり、白に認められる以上のカード・アドバンテージを与える。《主の存在》[USG]は白のカラー・パイを外れている。残るは、コストを変更すれば再利用できるような効果を持つ唯一のカード、《マナ吸収》[IMA]である。

これで半分

 この課題には多くの設問があるので、後半は来週に回さなければならないだろう。いつもの通り、諸君からのこの課題、解答、あるいはグレート・デザイナー・サーチに関する反響を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 第3回グレート・デザイナー・サーチに興味が湧いた諸君は、3月9日金曜日、第1回「ショー」をお楽しみに。

 それではまた次回、その2でお会いしよう。

 その日まで、この課題が多くの楽しい論争を呼び起こしますように。

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