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コラム

金子と塚本の「勝てる!マジック」

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第32回:プレイング編 ブラフ

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第32回:プレイング編 ブラフ

by 金子 真実 & 塚本 樹詩

登場人物:

金子 真実

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの人。塚本に押しかけられ突然弟子をとることになった。
Q. あなたがもしイニストラードの住人なら、どんなクリーチャーになっている?
A. 男は狼なのよ~♪ということで、狼男です。おにくおいしいです!焼き肉ください!

塚本 樹詩

マジック初心者。マジックの大きな舞台での活躍を夢見て、金子に弟子入りした。とにかく元気。
Q. あなたがもしイニストラードの住人なら、どんなクリーチャーになっている?
A. ゾンビになって海岸線をうろついている。両手を前に出してノロノロ歩きながら「あ~」とか「う~」とか低いうめき声をあげながら、ゆっくりと金子さんの元へと向かいます。

金子こないで!ぜったいこないで!

前回の勝てマジ!

いつの間にか金子に改造されハイスペックになった塚本は、状況を見て余裕がある時はリソースを蓄えて動く、不利な状況では勝ち筋を絞って思い切って動くということを的確に説明する。このままでは金子いらずの記事なってしまいそうだ!と思っていたが、ハイスペック塚本の様子がおかしくなって......。


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ロースペック塚本「もう駄目だ!!」

金子「冒頭からどうしたんですか?」

ロースペック塚本「どうして人間は仕事しているのですかね? 金子さんもっと偉くなって、仕事しなくても僕が贅沢に生きていけるシステムを完成させてくださいよ。」

金子「いや、僕がどんなに偉くなったとしてもそれだけは嫌ですね......」

ロースペック塚本「どうしてー!うあーん嫌だよー仕事したくないよー!!」

金子「前回からの落差が酷い......ロースペック過ぎる......。ともあれ今回はいろいろなパターンの戦闘からの発展として、『ブラフ』について話していきたいと思います。」

今回のケース

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金子「塚本さん、これどうしますか?」

ロースペック塚本「攻撃したらブロックされちゃいます!ターンエンドです!」

金子「まあそうですね、それはもちろん正しいです。ですが、過去にこんなシーンで攻撃してみたことがありましたよね?これは第27回の状況に酷似していますが、手札には《剛力化》みたいな巨大化呪文はありません。本来攻撃しないのがはっきりと『正しいプレイ』といえますが、このままだと手札の枚数的に不利になりそうです。だからこそ攻撃するという選択肢が出てくるんですね。攻撃することによって、この手札の土地を巨大化呪文だと勘違いさせることができます。こういった、相手を騙すプレイを『ブラフ』といいます。」

ロースペック塚本「でも、もしブロックされてしまったら逆にこっちが不利になりますよね?」

金子「はい、そういうリスクも間違いなくあります。ですが今回は第27回の状況に比べてこちら側に有利な条件が増えています。相手の土地が全てタップされていて身動きが取れない状況ですしね。自分が相手より優位であるポイントに気が付き、それを活かすこともプレイングの幅を広げるのには大事!とはいえ、上の盤面ならまだ勝負の行方はわからないし、攻撃しないのも安全な、正しいプレイだといえます。」

ロースペック塚本「確かに!それで今日はもう終わりですか?」

金子「ちょっと!返事だけ良くても駄目ですよ!まだまだありますよ!」

今回のケース その2

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金子「今度はブラフについて、相手の立場から見てみましょう。このシーン、相手が2/2のクリーチャーで2体とも攻撃して来たら、塚本さんならどうしますか?」

ロースペック塚本「相手の立場になってみると、やっぱりこういうことされると対応に困りますね......。《ドラグスコルの騎兵》を起動できるようになったらそのまま勝てそうなので、ブロックしないです。」

金子「そうですね、正直ブロックしないと思います。ですが相手も何も持っていなくても攻撃してくる理由があるのはわかりますか?

ロースペック塚本「巨大化系呪文を持ってると思わせられるから?」

金子「そういう面もありますが、一番の理由は、ターンが帰ってきて《ドラグスコルの騎兵》が能力を使えるようになってしまうと、相手にとって絶望的な状態になってしまうからですね。

 相手から見たとき、この《ドラグスコルの騎兵》に対処できない=負けに等しいです。ならば、この攻撃がブラフだと見破られてブロックされるというリスクも何もしない時のリスクとあまり変わらない。正直勝ち目の薄い状況ですが、だからこそリターンを手に入れるために行動を起こすんです。ここでライフを減らしておけば、次のカード次第では少しはチャンスが生まれるかもしれません。

 逆に、こちらとしては塚本さんの言ったとおり《ドラグスコルの騎兵》の能力でそのまま勝てそうです。そう考えると、ここでリスクのある行為(=ブロック)はしたくありませんよね? それがつまり、相手の攻撃をブロックしない理由になるわけです。」

ロースペック塚本「自分が不利なほど、相手が有利なほどブラフは成功しやすいってことですね!」

金子「まあ、実際はもっと複雑ですが、簡単にそう捉えても良いかもしれませんね。」

今回のまとめ

  • ブラフは必ず成功するわけでなく、失敗することもあることを忘れずに!
  • 不利なときこそ、ブラフに意味が出てくる。
  • ブラフはリスクのある行為。リスクを取らずに勝てる時は、安全に動こう。

ロースペック塚本「不利な場面でやりようが無さそうな時でも、取れる行動はあるんですね。」

金子「何もできない時に、本当に何もしないと、持っていないことを相手に悟られやすくなってしまうので、たまにはこういった風に行動に出たり、一考してみたりと変化をつけるのも大事ですね!とはいえ、この『ブラフ』というのはプロの間でも意見が分かれる行為。しなくてはいけない、するべき、というよりも、『こんな選択肢もある』くらいに覚えれば良いと思います。」

ロースペック塚本「はい!今日も勉強になりました! 金子さん、今日もこんなに頑張ってお疲れ様です。今日はもうゆっくり休みましょうよ。」

金子「いや、次回のことも話さなくては!」

ロースペック塚本「頑張りすぎるのも体に毒ですよ? 今日は特に僕が足を引っ張った分、頑張って疲れたでしょ?ね?」

金子「そんなことないです、いつもの仕事量と変わりません......うう......」

ロースペック塚本「金子さんが変な感じに......!!どこかで見たことある光景だぞ!!」

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ロースペック金子「そうですね、今日はもう終わりにしましょう!明日から3000日有休を取ることにしますね!」

破滅エンド!!

続く!

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