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鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」

第19回:Paulo Vitor Damo da Rosaの「Caw-Blade」をリプレイ!

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鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」

2011.06.07

第19回:Paulo Vitor Damo da Rosaの「Caw-Blade」をリプレイ!


 こんにちは&お待たせしました!

 今週から、また以前のようにMagic Onlineのプレイ動画を使ってデッキの動きを紹介していきますね。
 今回紹介するのは、この週末にシンガポールで行われたグランプリの優勝者である、PVことPaulo Vitor Damo da Rosaの「Caw-Blade」です。

 「Top8に《精神を刻む者、ジェイス》が何枚」という話を聞くことが多かったのですが、新たなるファイレクシア参入後は同じCaw-Bladeでも、「問題はそこではない」と言っても過言ではないほど、全く違うデッキに生まれ変わっていました。

Paulo Vitor Damo da Rosa「Caw-Blade」
グランプリ・シンガポール2011・優勝 / スタンダード[MO] [ARENA]
5 《
4 《平地
4 《金属海の沿岸
4 《天界の列柱
3 《氷河の城砦
2 《墨蛾の生息地
4 《地盤の際

-土地(26)-

4 《石鍛冶の神秘家
4 《戦隊の鷹
1 《聖別されたスフィンクス

-クリーチャー(9)-
4 《定業
3 《呪文貫き
4 《マナ漏出
1 《神への捧げ物
2 《乱動への突入
3 《四肢切断
1 《饗宴と飢餓の剣
1 《戦争と平和の剣
1 《殴打頭蓋
1 《ジェイス・ベレレン
4 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(25)-
1 《太陽のタイタン
3 《失脚
2 《糾弾
2 《神への捧げ物
2 《瞬間凍結
1 《剥奪
1 《天界の粛清
1 《四肢切断
1 《審判の日
1 《殴打頭蓋

-サイドボード(15)-

 《殴打頭蓋》と《戦争と平和の剣》という二つの装備を得た《石鍛冶の神秘家》。

 そして、《糾弾》や《失脚》とは違い、能動的に動けるインスタントの除去《四肢切断》。

 デッキリストの些細な変化がまさかこれほどとは。その違いをご覧に入れたいと思います。


vs. 「ボロス」 メインデッキ戦

http://www.youtube.com/watch?v=gVnC4M2qfBI

0:00
 十分な土地に、《石鍛冶の神秘家》。
 思うに、このスタンダード環境最強のコンボだろう。
 特に焦って《定業》する意味もないので、《天界の列柱》からゲーム開始。

0:27
 対戦相手も《石鍛冶の神秘家》と、シンガポールの決勝と同じマッチアップだ。
 持ってこられた装備は《戦争と平和の剣》だったが、つまりハンドに《殴打頭蓋》があるということ?

0:51
 さらに2枚目の《石鍛冶の神秘家》で《肉体と精神の剣》を探されるが、こちらもエンドに《殴打頭蓋》からの《石鍛冶の神秘家》。
 環境を支配しているのは、《精神を刻む者、ジェイス》ではなく、間違いなく《石鍛冶の神秘家》ですね。

1:49
 《戦争と平和の剣》と《殴打頭蓋》が揃ってしまえば、ボロスには細菌トークンでしかブロックされない。
 こうなってしまうと、メインではどんなクリーチャーも火力で対処されず、しかもダメージがプレイヤーへ通ると意味不明なライフ回復。
 あとはゲームに勝つまでの時間の問題?

2:26
 一瞬、《骨溜め》にびっくりしたが、さすがに6/6警戒、絆魂、プロテクション(赤)(白)の生物は止められない。
 こちらのライフはゆうに40超えで、《精神を刻む者、ジェイス》を唱えるまでもなくターンを終え、そしてゲームも終えた。


vs. 「エルフドラージ」 サイドボード後

http://www.youtube.com/watch?v=m1gG_cWv_5Q

0:05
 白マナさえあれば完璧なハンドだだったところを、《定業》で《平地》だけでなく《四肢切断》も発見!
 最高のカードで序盤からプレッシャーをかける!

0:22
 《石鍛冶の神秘家》から、《殴打頭蓋》ではなく《饗宴と飢餓の剣》を選択。
 軽除去とカウンターをしっかり持っているので、手札破壊する十分な時間があると判断した。

0:29
 対戦相手も良い動きなのだけど、こちらのデッキに入っているカードすべてがただただ強い。
 レベルアップした《ジョラーガの樹語り》を、《失脚》でいなしながら、次のターンへの準備としてマナを残す。

1:01
 2枚目の《草茂る胸壁》でマナを伸ばされるが、こちらも2枚の《四肢切断》を持っている。
 この対戦ではライフはあまり必要ないので、4ライフの支払いもマナに比べれば安いものだろう。
 《石鍛冶の神秘家》に《饗宴と飢餓の剣》を装備させてアタックに行くと、《自然の要求》で装備を狙われるが、そこは《瞬間凍結》!
 もし、このタイミングで相手の対応が無くても、ダメージ時の能力が誘発したときにマナをプールに浮かせつつ、能力を解決することで、《瞬間凍結》と《四肢切断》の両方を隙無く構え続けられるだろう。
 まさに、Caw-Bladeな動きだ。

1:26
 予定外に《内にいる獣》を唱えられ、《饗宴と飢餓の剣》を対処されるが3/3トークンは十分な戦力。
 さらにトップデックは《精神を刻む者、ジェイス》と、やりたい放題。カードが軽いのになんてデッキが強いんだ。


vs. 「ボロス」 サイドボード後

http://www.youtube.com/watch?v=xIpDYc8YWrc

0:23
 相手は1マリガンだが、《石鍛冶の神秘家》から《殴打頭蓋》となかなか。
 こちらも《石鍛冶の神秘家》で応戦したいが、もちろん《稲妻》で即除去される。

1:01
 再度《石鍛冶の神秘家》で、《戦争と平和の剣》を探す。
 ここで、相手の行動は《戦隊の鷹》2枚と、数で押されはするものの問題なし!
 生き残った《石鍛冶の神秘家》で《殴打頭蓋》を出し、こちらも《戦隊の鷹》を並べて盤面の立て直しを図る。

2:51
 同じカード同士の相打ちがたくさん起こるが、絆魂でライフが返ってくる。
 時間を稼げばその分こちらに有利になってくるので、とてもありがたい。

3:22
 《戦争と平和の剣》の一撃で、一気にライフが安全圏まで回復!
 息切れしている対戦相手を前に、3枚目の《石鍛冶の神秘家》でさらに《殴打頭蓋》をサーチした。

4:00
 ついに相手が《殴打頭蓋》の回収マナを残さずに使ってしまった。
 このチャンスを逃すことなく、《神への捧げ物》で《戦争と平和の剣》、《殴打頭蓋》を破壊!
 これで残りのライフは38と、NPH以前では考えられないほどの回復だ。


 このリプレイをご覧いただければ、今のスタンダードは《精神を刻む者、ジェイス》ですら重たい環境になってきたことが伝わると思います。

 新しいセットが加わり、デッキが強力になるほど進むスタンダード環境の高速化。
 このスピードアップのトレンドに乗るか、それとも逆らうのか、みなさんどうします?


 また、今週末はミラディンの傷跡ブロック構築のプロツアー・名古屋が開かれます。
 次期スタンダードを担うデッキのひな形が競う場では、どんなアーキタイプが活躍するのでしょうか?
 是非、高橋優太のブロック構築解説記事を読みながら待っていてくださいね!

 それではまた来週!


2011年日本選手権予選

プロツアー・名古屋

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