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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

暗黒物質襲来!ラクドス月影の飛躍(モダン)

岩SHOW


 10月初週、プレイヤーズコンベンション横浜が開催された。このイベント内で行われたチャンピオンズカップファイナル。すっかりお馴染みとなった日本と韓国のエリアにおける王者決定戦であり、プロツアー参加権利をかけた予選でもある……このトーナメントと並行して、世界中でも地域チャンピオンシップが開催され、プロツアーを目指して激闘が繰り広げられる……フォーマットはモダン。前回プロツアーの記憶も新しいこのフォーマットにて、どんなデッキが活躍するのか……皆イメージを膨らませたことだろう。

 「イゼット果敢」「ネオブランド」「ピナクル親和」「繁殖鱗コンボ」「エルドラージ・ランプ」「ボロス・エネルギー」……色々と有力デッキが思い浮かぶが……このデッキを想像していた人はどれだけいるのだろうか?ほぼノーマークの状態から現れたこのアーキタイプは、チャンピオンズカップファイナルでトップ8入賞、そしてカナダの地域チャンピオンシップで上位32名に進出と、存在感を示したのだった……そのデッキの名は「ラクドス(黒赤)月影」!

中村 修平 - 「ラクドス月影」
チャンピオンズカップファイナル シーズン5ラウンド1 / モダン(2026年10月3~4日)[MO] [ARENA]
2 《沼》
1 《乾燥台地》
1 《山》
1 《新緑の地下墓地》
2 《大音声の劇場》
3 《血の墓所》
4 《血染めのぬかるみ》
3 《湿地の干潟》
-土地(17)-

4 《通りの悪霊》
2 《カザド=ドゥームのトロール》
4 《暗黒物質の操り手》
4 《月影》
4 《逸失への恐怖》
4 《ネザーゴイフ》
4 《探偵のフェニックス》
-クリーチャー(26)-
4 《思考囲い》
4 《稲妻》
1 《致命的な一押し》
1 《虚無の呪文爆弾》
1 《血染めの月》
4 《ミシュラのガラクタ》
2 《邪悪な熱気》
-呪文(17)-
1 《致命的な一押し》
1 《外科的摘出》
1 《虚無の呪文爆弾》
1 《血染めの月》
1 《コジレックの審問》
3 《黒曜石の焦がし口》
2 《墓掘りの檻》
2 《溶融》
1 《鋳塊かじり》
2 《ぎらつく氾濫》
-サイドボード(15)-
 

 その名の通り黒と赤2色、主役は《月影》。1マナ威迫持ちの……7/7と印刷されているが、実際は-1/-1カウンターが6個乗っているので1/1からスタートするクリーチャー。これはパーマネント・カードが自分の墓地に落ちることでカウンターが取り除かれてサイズアップするという唯一無二の挙動を見せる。モダンであればこの能力を誘発させて育てるのは難しくない。まずはパーマネントの生け贄。《血染めのぬかるみ》のように生け贄に捧げてほかの土地をサーチするフェッチランドは、マナ不要で手軽に起動できる。《ミシュラのガラクタ》もマナ不要で、相手や自分のライブラリートップを見た上でドローが出来るので、手札を減らさずに《月影》をサイズアップできる。また、手札から捨てるというのも有用なアプローチだ。《通りの悪霊》《カザド=ドゥームのトロール》のサイクリングや、《逸失への恐怖》の能力でパーマネント・カードを捨てることも、手札の総数事態を減らさずに打点を高める手段になる。

 そしてこの《月影》と共に相手を攻めるのが同じく黒い1マナの《ネザーゴイフ》。墓地のカードタイプを参照するので、フェッチランドやガラクタやサイクリングを行えば……簡単に3/4以上のサイズになってくれることだろう。

 

 このデッキの赤い要素として外せないのが《探偵のフェニックス》!2マナ2/2飛行&速攻、扱いやすいスペックのカードだが、これは墓地に落ちてもなお嬉しい。証拠収集のコストを支払い授与で唱えれば、これをオーラとしてクリーチャーに貼り付けられる。そのクリーチャーのサイズを+2/+2にして飛行&速攻を持たせるという能力で、《月影》の打点をさらにアップ!また授与を付けたクリーチャーが戦場を離れてもオーラだったフェニックスはクリーチャーに戻り、戦場に居座る。アグロ一辺倒なデッキの、継続戦闘能力を阿高めてくれる、デッキにとっては大きなアクセントだ。《思考囲い》や《稲妻》などの除去で相手の動きを妨害しつつ、上記の軽量クリーチャーで攻める。それが「ラクドス月影」なわけだが……

 

 このアーキタイプがこのタイミングで飛躍したことには理由がある。『リアリティ・フラクチャー』発売週末に開催されたトーナメントで、他のデッキに先んじてこのデッキは新カードの恩恵を得ることに成功した。《暗黒物質の操り手》!これまた黒の1マナクリーチャーであり、戦場に出ると3枚のカードを切削して墓地に送り込む。これが上手くハマれば、《月影》や《ネザーゴイフ》をテンポ良く育てられるだろう。

 そしてこの操り手は、墓地のカード7枚ごとにパワーが2上昇するという面白い能力を持っている。7枚の時点で3/2、1マナとして十分優秀なスペックで……これが14枚となると5/2。1マナでパワー5はエグイ!21枚で7/2、最大パワーの月影に並ぶ!こんな1マナクリーチャーもなかなかいないぞ。新たな悪銭を問えてブラッシュアップされたデッキが、対戦相手のマークを潜り抜けて大きな結果を残すに至ったわけだ。

Gellert, Kyle - 「ラクドス月影」
Ottawa 2026-27 Round 1 Regional Championship / モダン (2026年10月3日)[MO] [ARENA]
4 《血染めのぬかるみ》
4 《汚染された三角州》
2 《湿地の干潟》
3 《血の墓所》
1 《大音声の劇場》
2 《沼》
1 《山》
-土地(17)-

4 《月影》
4 《ネザーゴイフ》
4 《暗黒物質の操り手》
4 《縫い師への供給者》
4 《逸失への恐怖》
4 《探偵のフェニックス》
4 《通りの悪霊》
-クリーチャー(28)-
4 《悪意の閃光》
3 《稲妻》
4 《思考囲い》
4 《ミシュラのガラクタ》
-呪文(15)-
2 《乱暴 // 転落》
2 《邪悪な熱気》
2 《溶融》
1 《溶鉄の崩壊》
1 《鋼と油の夢》
1 《墓掘りの檻》
1 《虚無の呪文爆弾》
3 《黒曜石の焦がし口》
2 《魔道士封じのトカゲ》
-サイドボード(15)-
(melee より引用)

 

 

 こちらはカナダの地域チャンピオンシップで利用されたもの。『リアリティ・フラクチャー』以前の「ラクドス月影」の色合いを濃く残した形になる。《縫い師への供給者》……これが元々3枚切削する役目を担っていた。これは戦場に出た時と死亡した時の両方で切削が可能で、これ1枚で最大で墓地を7枚増やすことが可能だ。そしてこれを《悪意の閃光》のコストに充てる。対戦相手のクリーチャーを除去しつつ、自分の墓地をゴリッと肥やす。このパッケージを残し、より《月影》《ネザーゴイフ》《暗黒物質の操り手》をサイズアップしやすくしている構成だ。上記のリストはこのスロットに除去や《血染めの月》、《カザド=ドゥームのトロール》などのカードが散らして搭載されており、より玄人好み・デッキリスト公開制のトーナメント向けの仕様になっているわけだな。

 どちらのリストも魅力的で、実際にプレイして肌に合うものを使用すれば良いだろう。興味を持ったなら、「ラクドス月影」で暗黒物質、ばらまいてみないか!?

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