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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ドラゴン・レッド:新星到来(スタンダード)

岩SHOW


 『久遠の終端』新カード、皆はもう試してみたかな?色々と新要素が詰め込まれたセット、実際に自分自身の手で試してみないとわからない新メカニズムの数々。最近のマジックは特にテキストを読むだけではどれだけゲームで活躍するのかわからない、未知の要素が強めのカードが多くなっているからね。そんなに強くもないだろうぉと思っていたカードが無茶苦茶強い!というケースが増えている、そんな風に個人的には感じているし、周りの声もそういった意見が多く聞かれる。なので、カードは自分で使ってみる!これに限るね。

 

 そんな『久遠の終端』の新カードの中でも、使ってみたいと強く感じた1枚が《新星のヘルカイト》。宇宙のドラゴン、ビジュアルが最高じゃないか。5マナ4/5飛行&速攻と、過去に活躍したドラゴン達と比べてスペックも申し分なし。戦場に出た時に対戦相手のクリーチャーに1点ダメージ、たった1点?と思うかもしれないが、これがあるとないとじゃ天と地の差だ。タフネス1のトークンにブロックされて攻撃をしのがれる、がっかり展開を防げる可能性が高いし、高タフネスの持ち主にも《噴出の稲妻》など他のダメージ呪文を絡めれば致命の一撃になり得る。そして!このヘルカイトは新能力のワープを持っているッ!

 

 本来マナ総量5の中堅クラスのコストを持ったクリーチャーが、ワープであれば3マナで唱えられる。3マナでパワー4の速攻、マナ効率で言えばバツグンだ。ワープには制限があって、ターン終了時に追放される。その追放されている状態からまた正規のコストを支払って唱えなおせるというわけで……これ、かつての名カード《ヴィーアシーノの砂漠の狩人》なんかを思い出すよなぁ。その世代にはグッとくるカードなので、ずっと使いたいと思っていた。実際にプレイしてみるとワープのメリットが非常に大きく「こういうカードをプレイしたかった」と実感できる品質に仕上げられていて感動したよ。

 そんな《新星のヘルカイト》の良さを可能限り引き出そうという意欲的な構築のデッキを発見!今回はスタンダードの新たな赤単の形「ドラゴン・レッド」をご紹介ッッ!

Bertram - 「ドラゴン・レッド」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2025年7月30日)[MO] [ARENA]
20 《
4 《不安定な断層
-土地(24)-

4 《狂信的扇動者
4 《雇われ爪
4 《龍へと昇る者、サルカン
4 《財宝使い、マグダ
4 《叫ぶ宿敵
4 《マグマのヘルカイト
4 《新星のヘルカイト
4 《双つ口の嵐孵り
-クリーチャー(32)-
4 《噴出の稲妻
-呪文(4)-
2 《削剥
2 《メテオストライク
3 《紅蓮地獄
4 《除霊用掃除機
4 《運任せ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 ドラゴンと言えばタルキール!ということで『タルキール:龍嵐録』より《龍へと昇る者、サルカン》が満を持して登場だ。このサルカンは自身が2マナと軽くて扱いやすく、戦場に出る際に手札のドラゴンを見せたり戦場に他のドラゴンが居ればその後見が得られる。ドラゴンの後見を得ると宝物を生成し、後続の展開を後押し。そしてドラゴンが戦場に出ると+1/+1カウンターと飛行を得る。このクリーチャーを活かすためには、唱えやすい軽いドラゴンが不可欠。タルキールがリリースされたタイミングではそれに該当するカードが少なかったのだが、この度3マナで唱えられる《新星のヘルカイト》のリリースはまさしく待望の1枚であり、このようなデッキが組まれるに至った。

 新星の他にも《マグマのヘルカイト》などを見せながら2ターン目にサルカンを展開することで、追加のマナを得て安定した動きを実現。宝物という形なので前兆目当てで採用している《双つ口の嵐孵り》もいざとなれば戦場に駆り出せる。赤単でありながら白いドラゴンを用いることが可能なのは実に面白い作りだ。

 

 また宝物というトークンは《財宝使い、マグダ》のためにも機能する。対戦相手やそのパーマネントなどを呪文や能力で対象に取ることが悪事を行うというアクションに該当し、これを行うことでマグダは宝物を生成。この宝物を3つ生け贄に捧げて蠍でありドラゴンである4/4飛行・速攻のトークンを呼び出すというのがマグダの能力の全容である。そしてこの生け贄に捧げる宝物はマグダ以外で用意してもOKなので、サルカンが後見を得てもたらすものも使ってハイスピードにドラゴンを射出可能となっている。そのドラゴンによってサルカンもパワーアップするので、真に噛み合った2枚なのである。

 そんなマグダのためのカードはデッキにあれこれ用意されているが、最高の効率を誇るのが《不安定な断層》。対戦相手の基本でない土地を破壊する地味シブ系の土地、これは対戦相手の土地を対象に撮るために悪事を働いており、かつこれ自身が宝物を生成するオマケ付き。1枚で2つの宝物を生み出せるため、ドラゴンの召喚も目前というわけだ。《狂信的扇動者》《雇われ爪》などスピーディーに攻め込むためのクリーチャーらもマグダを後押しするので、これらを使って増得たマナを使ったりドラゴンを繰り出したりして、ゲームを思うがままに進めよう!

 新能力のワープを持ったクリーチャーの中でも《新星のヘルカイト》は使いやすく強力なドラゴンであり、今後目にする機会が増えていくことになるだろう。超新星の到来で《龍へと昇る者、サルカン》のようにより強く輝くカードも出てくるかもしれない。新カードや既存カードをくまなくチェックして、新たな戦術を見つけ出そう!

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