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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:リアニメイトに潜むもう一つの策(レガシー)
最近中国の三国時代を描いた某漫画を読んでいるのだが、軍師・諸葛亮孔明が登場してからは彼のもたらすクールすぎる策によりありとあらゆることが解決していく……もはやチートの域だ。今なお世界中で語り継がれる天才軍師、クールすぎる……マジックにも《伏竜 孔明》があるぞ。統率者戦とかで使ってみよう。
ということでマジックのクールさを語る当コラム、今回は孔明という至高の軍師の紹介からスタート。孔明もそうだが、作中で軍師たちは基本的に二段構えかあるいはそれ以上の策を用いたものが勝利する。相手がこちらの策に気付きそれに対応してくるところを異なる策で打ち崩す。この戦術はマジックにも応用できる。何かに特化したデッキを用意し、対戦相手の注意をそこに引きつけ、別の策で叩く!これぞ兵法の必勝法。今回はそんなクールな二段構えのデッキを紹介しよう。フォーマットはレガシー。膨大なカードから組まれるデッキはただでさえ強力だが、2つの策を擁すればさらにクールなものに!
4 《新緑の地下墓地》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《Bayou》 2 《地底の遺体安置所》 3 《沼》 -土地(14)- 2 《ダウスィーの虚空歩き》 2 《残虐の執政官》 1 《偉大なる統一者、アトラクサ》 4 《グリセルブランド》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(10)- |
4 《水蓮の花びら》 4 《暗黒の儀式》 4 《思考囲い》 4 《陰謀団式療法》 4 《暴露》 4 《納墓》 4 《再活性》 4 《動く死体》 4 《浅すぎる墓穴》 -呪文(36)- |
レガシーの「リアニメイト」!このアーキタイプの歴史も長い。クリーチャーの質が向上し始めた2010年以降、特に《グリセルブランド》のリリースがこのデッキを一段も二段も押し上げた。《納墓》で埋めて《再活性》などで釣り上げる……ただそれだけのシンプルな動きでサイズと能力が優れたクリーチャーを早期ターンに降臨させ、一気に制圧する。《グリセルブランド》や《偉大なる統一者、アトラクサ》は手札の補充と、《再活性》などで減ったライフを補充できる絆魂が強力で、これらで殴り勝てればそれで良し、ダメなら補充した手札でもう1回大物釣りを行うまで。《水蓮の花びら》《暗黒の儀式》とマナ加速も備えているので1ターン目にクールに勝負を決めることもザラだ。
このデッキのリアニメイト手段は定番の《再活性》《動く死体》、そして《浅すぎる墓穴》だ。この墓穴は釣り上げるクリーチャーが固定されており、墓地の一番上にあるクリーチャーを戦場に戻す。昔のカードにはこういった墓地の並びに意味をもたらすカードがあったため、レガシーやヴィンテージでは今でも墓地の順番を変更するのはルールで禁じられている。カードがルールを定義する、実にクールじゃないか。そしてこの変則的な手段でリアニメイトされたクリーチャーは速攻を持つ。ターン終了を迎えると追放されてしまうのだが、一度でも攻撃できればそれでよいではないかというわけだ。たった2マナと軽くインスタントなのもクール。そう、このインスタントという点を活かせば他の手段で釣り上げられないものだって蘇らせられる。
《引き裂かれし永劫、エムラクール》は墓地に落ちると能力が誘発し、他のカードと共にライブラリーに帰っていく。リアニメイトを禁ずるためにもつけられている能力だが、これが誘発し解決する前に《浅すぎる墓穴》でエムラクールを釣って即座に攻撃!滅殺6で戦場を粉々に粉砕しつつ大ダメージを叩き込もう。この奇襲プランと、先述のグリセルブランドなどで強い盤面を維持するプラン、どちらを選んでもクールだぜ。
……しかしながらこのデッキの持つ2つの策というのはリアニメイト先が複数種類用意されているという意味ではない。答えはサイドボードにある。先ほどは意図的にその内容を伏せてメインデッキのみを紹介していたのだ。では満を持してそのサイドを……
サイドボード(15)
3 《虚空の力線》
4 《大霊堂の戦利品》
4 《煙霧の連鎖》
4 《ウィザーブルームの初学者》
墓地対策の《虚空の力線》はそれとして、残りの12枚はあまりサイドボードに名を連ねるタイプのカードじゃない。《大霊堂の戦利品》は残り2種類を手に入れるためのサーチであるので、重要なのは《煙霧の連鎖》《ウィザーブルームの初学者》だ。《煙霧の連鎖》はカードを2枚捨てさせるが、これの対象となったプレイヤーはこれをコピーすることができる。連鎖の名の通りお互いの手札が空になるまで泥仕合になるわけだが……一旦置いておいて。《ウィザーブルームの初学者》は呪文を唱えるかコピーするかで誘発する魔技の持ち主。その能力は対戦相手のライフを1点失わせてこちらは1点得るというドレインを行う。さてこの2枚、組み合わさることでゲームに勝利することが可能だ。
どういうことかというと、実は《煙霧の連鎖》は自分自身を対象にして唱えることができる。自分が対象になっているのでコピーすることを選択でき、そのコピーの対象も自分にする。これを延々と臨む数だけ繰り返すことが可能なわけだが、ここまで言えばクールな皆はもうお気づき。この無限コピーで初学者の魔技を無限に誘発させて、無限ドレイン!対戦相手のライフを吸い尽くして勝利だ。このコンボは墓地を一切用いないため、対戦相手がサイド後のゲームで墓地対策を仕込んできた場合、それをあざ笑うかのように煙霧初学者コンボでフィニッシュ!これぞ二段構えの策、孔明の罠だ。相手のやることをすかして勝つ、これぞまさにCool Deck。
メインを何かに特化させたデッキにして、サイド後に異なる要素を盛り込んで勝利を狙う。特にコンボデッキにとっては効果的なアプローチ、クールな構成が思いついたら皆も実行してみよう。綺麗に形にするのが難しくとも、まずはトライ!
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Become a great tactician!!
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