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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

マーフォークとディミーア・テンポ:潮で縛れるもの一覧(タイムレス&スタンダード)

岩SHOW

 最近、MTGアリーナのオリジナルフォーマットであるタイムレスをよく遊んでいる。禁止カードが原則存在せず、激ヤバなカードたちが自由にプレイできる。本当にデンジャラスなものはデッキに1枚のみの制限カードという形で対処されるので、デッキが完全になくなってしまうという心配も少ない。マジックの歴史を彩った数々のカードが共演し、モダンやレガシーでもなし得ないデッキが組めるのが面白いのだ。そしてこのフォーマットで「強いな!」と感じたカードが……

 《ティシャーナの潮縛り》!このマーフォークは《もみ消し》と同じく誘発型能力と起動型能力を打ち消す能力を持っており、タイムレスではこれの対象がそこかしこにある。《死儀礼のシャーマン》や《ミシュラのガラクタ》の起動型能力を打ち消して計画を狂わせ、《オークの弓使い》や《ドラゴンの怒りの媒介者》の誘発を打ち消して、ただの1/1になる絵面は気分爽快。

 そして最も強烈な打ち消しは《汚染された三角州》などの、いわゆるフェッチランドの起動型能力を打ち消した時。生け贄に捧げることで対応するタイプの土地を持ってくる、多色デッキの必需品となっているこれらの土地を狙い撃ちして、3マナでインスタントの土地破壊として運用するとめちゃ強だ。なにせそれに3/2がついてくるのだから……

Takobyte - 「シミック・マーフォーク」
MTGアリーナ / タイムレス (2024年1月10日)[MO] [ARENA]
2 《溢れかえる岸辺
2 《繁殖池
3 《植物の聖域
2 《冠水樹林帯
3 《魂の洞窟
4 《変わり谷
2 《天上都市、大田原
3 《
-土地(21)-

4 《陥没穴の偵察
4 《海辺の斥候
4 《マーフォークのペテン師
4 《マーフォークのトンネル案内
4 《ヴォーデイリアの呪詛抑え
4 《真珠三叉矛の達人
3 《マーフォークの霧縛り
4 《ティシャーナの潮縛り
-クリーチャー(31)-
3 《広がりゆく海
3 《深根の巡礼
2 《王冠泥棒、オーコ
-呪文(8)-
3 《霧の呼び手
1 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅
2 《厚かましい借り手
2 《真髄の針
2 《呪文貫き
3 《虚空の杯
2 《未認可霊柩車
-サイドボード(15)-
AetherHub より引用)

 

 上記のようなマーフォークデッキで使ってやるのも良いし、クリーチャー・タイプにこだわらずとも青い構えるデッキに搭載しておくと良い働きを見せてくれる。《一つの指輪》の能力を打ち消した時などは天にも昇る心地になることだろう。

 そんな最高に気持ちの良いカードである潮縛りは、スタンダードでも活躍中。能力を打ち消す対象はなんでもOKで、その能力を打ち消した上でクリーチャーやアーティファクト、プレインズウォーカーであれば能力も失わせてしまう。これがめっちゃ仕事するんだよなぁ。たとえば……

  • 地底のスクーナー船》の搭乗を打ち消して、ただの置物に
  • 黙示録、シェオルドレッド》の誘発を打ち消してライフを回復させず、接死も失わせて攻撃を押し通す
  • 偉大なる統一者、アトラクサ》も手札を補充できず、ただの7/7になればまだ大人しいもの
  • 眠らずの小屋》などのクリーチャー化する土地は、攻撃時の誘発を打ち消す。そうするとすべての能力を失うので、ターンが終わりクリーチャーでなくなれば「マナを加えることすらできない土地」になってしまう
  • 分派の説教者》も攻撃時にトークン生成やドローができず、接死まで失って簡単にブロックされる
  • 離反ダニ、スクレルヴ》で除去を弾こうとしてもティシャーナはそれを許さない。ライフを払い損という展開に持ち込めればなおよし

 こんな具合に、ありとあらゆるいやがらせができてしまう!これほど頼もしいカードもなかなかないぞ。さあ、スタンダードならこんなデッキで潮縛りを躍動させてやろう!

Nokeyboardgaming - 「ディミーア・テンポ」
スタンダードイベント(41名規模) 優勝 / スタンダード (2024年1月6日)[MO] [ARENA]
4 《地底の大河
4 《闇滑りの岸
4 《難破船の湿地
3 《不穏な浅瀬
2 《ミレックス
1 《天上都市、大田原
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
3 《
3 《
-土地(25)-

4 《遠眼鏡のセイレーン
4 《大洞窟のコウモリ
4 《フェアリーの黒幕
3 《ヨーグモスの法務官、ギックス
3 《分派の説教者
3 《ティシャーナの潮縛り
2 《黙示録、シェオルドレッド
2 《復活したアーテイ
-クリーチャー(25)-
2 《切り崩し
4 《喉首狙い
1 《かき消し
3 《地底のスクーナー船
-呪文(10)-
2 《苦痛ある選定
2 《切り崩し
2 《軽蔑的な一撃
2 《強迫
1 《ぎらつく氾濫
1 《漆月魁渡
2 《否認
2 《寄生性掌握
1 《黙示録、シェオルドレッド
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 青黒(ディミーア)のテンポデッキだ。軽量クリーチャー多めで割とアグロよりの構築で、飛行持ちを早いターンから展開してライフを詰めていく。潮縛りは強力なカードではあるが、これが真価を発揮するシチュエーションというものは実は限られている。劣勢を覆してくれるようなカードではないのだ。こちらが残りライフ数点と追い詰められている状況下で、アトラクサなどのクリーチャーの能力を打ち消しても依然として劣勢というものである。即除去されて能力を取り戻されて、ということも考えられる。

 それを踏まえた上で、どんな状況なら強いのか?それはもちろん、こちらが押しているシーンということ。有利な状況を蓋するカードと捉えて、タイムレスのマーフォークのように攻めるデッキで使うことを考えよう。その点、このようなテンポデッキで用いるのはかなり有効だ。カード1枚の効果は薄くとも、打ち消しや除去、《大洞窟のコウモリ》などで相手の思い通りの展開をさせずに手数で押し切るテンポ重視のデッキは、まさしく潮縛りの居所としてうってつけ。テンポの化身とも呼べる《復活したアーテイ》も抱えて、これらで優雅に捌きつつ攻撃を通していく……華麗なプレイングを好むなら、ティシャーナを備えた青黒にトライだ。

 各種トリックを用いてテクニカルな動きを披露するマーフォークらしいデザインの《ティシャーナの潮縛り》。ハマれば危険なこのカード……対峙する側は、ちょっと意識することで効果的に使わせずに済むケースもある。このようなカードを巡る思考の攻防こそ、マジックというゲームの醍醐味だ。縛り切って無力化させるか、ただの3/2に留まらせるか、さあ今日も駆け引きを楽しもう!

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