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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!ラクドス・アグロ&手堅いオルゾフ(スタンダード)

岩SHOW

今年はめちゃくちゃスタンダードやったぞ~ッ!

 やあ皆おはようこんにちはこんばんは!元気にやってるかな?マジックの構築フォーマットの中でも最も長い歴史を持ち、定番のものとなっているスタンダード。そんなスタンを愛するプレイヤー、チャレンジしてみたい初心者、誰もかれも分け隔てなく皆で楽しむぞ!そんな意気込みで始めた「とことん!スタンダー道!」。2023年内更新分はこれでラストだ。次にこの道場で会う時には正月でなまった感覚を取り戻すために、とことんビシバシいっちゃうぞ!とまあ先のことは置いといて。皆に言いたいことがある……ありがとうッ!このノリについてきてくれた全ての人に感謝だ。

 スタンダードを盛り上げるために何かしてほしいというリクエストから始まったこのコーナーだが……今では様々なイベントが開催され、スタンダードも随分と活性化したなと実感しているよ。ただまだまだ、スタンの奥深さはもっともっとこんなもんじゃないぞ!かつて2,000人規模のイベントが開催されていたあの熱気をもう一度、そしてかつてないレベルに到達するその日まで……鍛錬あるのみ!ゥ押忍ッッ!では早速一つ目のデッキ紹介いってみよう。

とことん!ラクドス道!
André Boucher-frappier - 「ラクドス・アグロ」
ストアチャンピオンシップ トップ8 / スタンダード (2023年12月8日)[MO] [ARENA]
4 《硫黄泉
4 《黒割れの崖
2 《憑依された峰
4 《不穏な火道
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
4 《
4 《
-土地(24)-

4 《太陽の執事長、インティ
4 《税血の収穫者
4 《大洞窟のコウモリ
2 《しつこい負け犬
1 《剃刀鞭の人体改造機
3 《地質鑑定士
2 《墓地の侵入者
3 《黙示録、シェオルドレッド
1 《骨集めのドラコサウルス
-クリーチャー(24)-
3 《苦々しい勝利
2 《切り崩し
2 《シェオルドレッドの勅令
1 《ナヒリの戦争術
1 《強迫
3 《ヴェールのリリアナ
-呪文(12)-
2 《未認可霊柩車
1 《削剥
2 《兄弟仲の終焉
2 《切り崩し
3 《強迫
2 《窃取
1 《ファイレクシアの闘技場
1 《シェオルドレッド
1 《ギックスの残虐
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 黒と赤の2色。このカラーリングの中速デッキはスタンダードでまた支持を集め出しているところで、このリストもそれに分類されるが……ちょっとアグレッシブな方に寄せている仕様だ。

 3マナ以下の優秀なクリーチャーと除去、それらを発見する《地質鑑定士》の組み合わせで序盤から中盤にかけて盤面を優位に築き上げ《黙示録、シェオルドレッド》などで蓋をして盤石の体制に。この中速デッキの戦い方に、さらに序盤から仕掛けていく《太陽の執事長、インティ》を4枚採用。手札を捨てればクリーチャーの強化及びライブラリートップを追放してそのターン唱えられるという衝動的ドローを提供してくれる。《大洞窟のコウモリ》を強化して絆魂で回復していくのは安心感があるし、捨てても痛くないカードがいくつかデッキには採用されているので、アグレッシブに手札を入れ替えていきたいところ。攻撃前のメインフェイズで大きく動かないなら、インティで土地を追放してもプレイできるように不用意に土地を戦場に出さないように気を付けたい。またインティは自身の能力以外で手札を捨てても衝動的ドローが誘発するので《見捨てられたぬかるみ、竹沼》《反逆のるつぼ、霜剣山》らの魂力を起動、あるいは《不穏な火道》《ヴェールのリリアナ》などで手札を捨てることも積極的に狙って、アドバンテージを確保しながら攻めるべし!

 《苦々しい勝利》、このインスタントについての認識は改めなければいけないようだ……と個人的に感じている。プレビューで公開された時には「《喉首狙い》もあるしアーティファクト・クリーチャーも破壊したけりゃ《冥府の掌握》もあるしな」「プレインズウォーカーも《シェオルドレッドの勅令》で事足りるんじゃないか」なんて考えていたな……なんだかんだいって追加コスト痛いだろ!と。手札を捨てるというコスト、現行スタンダードでは活かすのが思ったよりも簡単だった。

 まず先述のインティ。手札を捨てて、それでインティを誘発させてライブラリートップを追放。不要な土地なんかを捨ててもっと良いカードが飛び出したなら、《苦々しい勝利》のデメリットは苦いものではなく一気に甘美なご褒美に。また《しつこい負け犬》《剃刀鞭の人体改造機》はこちらとの相性も良く、これらを捨てつつテンポ良くクリーチャーを除去して一気に攻撃を通していきたいところだ。勿論余裕があればライフを支払ってカード1枚で相手のクリーチャーorプレインズウォーカーを討ち取るのが一番。特に手札が空の状態でトップデッキしても唱えられるオプションになってくれているのは助かるね、この手の追加コストカードの中でもかなり使いやすいものだ。また《喉首狙い》で《地底のスクーナー船》を対象に取れずにそれこそ苦い思いをするゲームも多かったので、メイン除去がこのインスタントと入れ替わる形になった構築には納得だ。おみそれしました!

今週のラダーチャレンジ!

 MTGアリーナのランク戦、通称ラダーにおいて筆者岩SHOWが実際に使用したデッキを紹介するコーナー……なんだけど、最近スタンダードの調子がすこぶる悪くてね……オカルトな話ではあるが、マジックはどうやったって流れが悪いタイミングがある。やたら土地ばかり引いたと思ったら今度は全く引かない。土地27枚のデッキで何回マリガンしても3枚目の土地が引けず、土地20枚のデッキで7枚目の土地を引いてしまう……引きムラが激しすぎるとストレスになって、プレイングも訳が分からないことをしてしまいがちに。

 運も集中力もない、そんなどうしようもない時は、普段やっていないフォーマットをやる!あるいはマジック自体を少し休んで違うことに熱中する!そうやって流れが穏やかなものになると信じて待つに限る。というわけでスタンをさぼってました、スンマセン!でもいつまでもそういうわけにもいかないので、ここは手堅い雰囲気のデッキを探してプレイしようかなと……丁度いい手堅さのリストと出会った。

NOOBERVESCENCE - 「オルゾフ・ノー・ラフィーン」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2023年12月7日)[MO] [ARENA]
4 《コイロスの洞窟
4 《砕かれた聖域
4 《眠らずの城塞
2 《皇国の地、永岩城
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
2 《ミレックス
5 《平地
4 《
-土地(26)-

1 《野心的な農場労働者
4 《大洞窟のコウモリ
2 《下水王、駆け抜け侯
3 《黙示録、シェオルドレッド
-クリーチャー(10)-
2 《切り崩し
3 《喉首狙い
2 《執念の徳目
2 《邪悪を打ち砕く
4 《永岩城の修繕
4 《婚礼の発表
4 《忠義の徳目
3 《放浪皇
-呪文(24)-
2 《切り崩し
1 《苦痛ある選定
2 《寄生性掌握
1 《太陽降下
1 《邪悪を打ち砕く
2 《強迫
3 《ゴバカーンへの侵攻
3 《剃刀鞭の人体改造機
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

回転

 これは手堅い、安定感がビシビシと伝わってくるオルゾフ(白黒)の中速デッキだ。このカラーリングはクリーチャーだけでなくあらゆるパーマネントの除去・手札破壊や各種コスト増加などの妨害に長け、対戦相手の動きを抑圧しつつこちらはクリーチャーを展開して攻めるというデッキを代々得意としている。これもその例に漏れず《邪悪を打ち砕く》などどっさり積まれた除去と《大洞窟のコウモリ》などで対戦相手のスムーズなゲーム展開を足止めしつつ、《婚礼の発表》などで盤面を構築していく。

 このデッキ、構成要素を見ると《策謀の予見者、ラフィーン》率いるエスパーカラーのデッキから青を抜いたもの、という事実が理解できる。エスパーも手堅く強いデッキだが、欲張らずに2色に抑えたことで各種マナトラブルが起きることを極力回避しようとした結果生まれたリスト……なのではないかな。「オルゾフ・ノー・ラフィーン」とでも呼ぼうか。その手堅さは引き算から弾き出されたが故のものである!

 クリーチャー・カードは10枚と少なく見えるが、実はトークンを生成するカードが計17枚。これだけあればクリーチャーが展開できないということはないだろう。このデッキは決して重量級のコントロールではない。対戦相手の動きを捌いているだけでは勝てず、攻めるターンと妨害するターンをきっちりと作って、確実に勝利に進んでいかなくてはならない。受け身になりすぎずにトークンらを展開し、対戦相手を攻撃するという意識をしっかり持つこと。これが大事だと感じたね。

回転

 プレイしてみて感じたのは、あらためて《永岩城の修繕》って強いカードだなと。まず《平地》を持ってこれる。手堅い、超手堅い。確実にマナを伸ばして続くターンのアクションを強くしてくれる。そしてⅡ章では墓地から2マナ以下のパーマネントを拾うことができる。これで《大洞窟のコウモリ》を拾う動きもめちゃ手堅てぇ。コウモリは序盤に相手の展開を減速させつつ除去の的になるというのが定番ムーブである。このコウモリを中盤にて再利用することで、対戦相手の手札を再確認しつつ最もプレイされたくないカードを足止めさせる。また除去の的になったとしても、それはそれで《永岩城の修繕》自体がクリーチャーとなった時に弾除けになってくれるのでOKというもの。《修繕する建築家》でトークンを量産しつつ《忠義の徳目》でジャキジャキ強化していく動きは、手堅過ぎて精神衛生にすこぶる良い。悪かった流れもこれで良くなってくれるかなと、心に平穏をもたらしてくれる良いデッキだったぞ!マジックのバイオリズムが荒れ模様の人は手に取ってみることをオススメしよう!マジ、手堅い。

 さてと、では締めの挨拶。今年からはじまった「とことん!スタンダー道!」。長く険しいスタンダードという道、一体どこまで進んでいけるやら。ただ、いつでもスタンダードはそこにある。自分のペースで歩んでいけば良いさ!2024年もスタンダードをとことん遊び、とことん楽しんで、充実した1年にしようじゃないか。それじゃあ……年末年始、家やショップでゆっくりまったりスタンダード……やっちゃいますか!また来年ッ!

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