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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
いざイクサランの洞窟へ:《千の月の鍛冶場》を使ったコントロール(スタンダード)
『イクサラン:失われた洞窟』の全カードがいよいよ今週末(2023年11月17日)発売開始となる。MTGアリーナでは日本時間15日よりリリースということで、今週は新セットを遊びまくる一週間になること間違いなし。そして次週末にはプレイヤーズコンベンションも控えており、参加予定のプレイヤーはより一掃気合いを入れてこのセットがもたらす新環境と向き合うことになるはず。当コラムでも新セットの影響を最も色濃く受けるスタンダードを中心に、新しいカードがもたらす未知なるデッキの可能性を探求していく所存だ。
それでは今回はまず、白のカードから……リストを見てビビッときた1枚から。
《千の月の鍛冶場》!変身すると《千の兵舎》という土地になる、白いアーティファクトだ。兵舎はかの有名なマチュピチュをモチーフとしているのだろう、天空にそびえる遺跡は雰囲気抜群だ。その兵舎の中枢である《千の月の鍛冶場》はノーム・トークンを生成する。これはクリーチャーとアーティファクトの数を参照し、それに等しいパワー/タフネスを持つ。とりあえずは鍛冶場とトークン自身で2/2は確定、他にもいくつかの該当パーマネントを展開して、5/5以上になればマナ効率に優れた戦闘力となってくれる。
そしてそういったノームやパーマネントを5つタップすることで、兵舎へと変身。この土地が加えたマナでクリーチャーやアーティファクトを唱えると、ノームがどんどんと生産される……毎ターンのようにノームが生成されれば、対戦相手にとってはどうしようもない状況に。この鍛冶場、是非とも使ってみたい!
1 《皇国の地、永岩城》 3 《廃墟の地》 4 《ミシュラの鋳造所》 15 《平地》 -土地(23)- 4 《野心的な農場労働者》 1 《第三の道のロラン》 3 《セラの模範》 2 《鋼の熾天使》 -クリーチャー(10)- |
4 《骨化》 2 《軍備放棄》 2 《太陽降下》 1 《告別》 4 《婚礼の発表》 2 《忠義の徳目》 4 《キャンディーの道標》 1 《アイレンクラッグ》 2 《マイトストーンとウィークストーン》 1 《侵略樹、次元壊し》 2 《放浪皇》 2 《永遠の放浪者》 -呪文(27)- |
1 《軍備放棄》 2 《割込み》 1 《邪悪を打ち砕く》 2 《第三の道のロラン》 1 《一時的封鎖》 2 《大群退治》 1 《告別》 1 《忠義の徳目》 1 《侵略樹、次元壊し》 1 《機械の母、エリシュ・ノーン》 1 《鋼の熾天使》 1 《大天使エルズペス》 -サイドボード(15)- |
というわけで既存のデッキを見渡してみると、最近の白単色のコントロールが《千の月の鍛冶場》採用デッキの候補になるだろうか。《骨化》《告別》と各種パーマネントを除去できて、《婚礼の発表》《放浪皇》と攻防両面で強力なカードの揃っている白。色事故も起こさない白単色で運用されるコントロール、安定感を好むプレイヤーが多いのか、スタンダードでも一定の支持を得ているね。
《永遠の放浪者》もまた盤面のコントロールと、勝ちに行くときとの両方で活躍するプレインズウォーカーだ。クリーチャー1体ずつ残しての全体生け贄、二段攻撃の侍展開と6マナだけあってパワフル!この放浪者と組み合わせて輝くのが《マイトストーンとウィークストーン》。アーティファクトを唱えるためのマナを加えるこのパワーストーンと、放浪者と一見無関係に見えるが……放浪者の[+1]能力。クリーチャーかアーティファクトを追放して、それのコントローラーのターン終了時に戻すという……疑似的な除去として使えるこれ。実は自身のパーマネントに対して使うと、それらが戦場に出た時に誘発する能力を再利用できるという側面も持っている。これで《マイトストーンとウィークストーン》を使いまわせば、-5/-5修正か2枚ドローを毎ターン繰り返すことが可能!
盤面を掃除して手札も満たして、コントロールの望む理想郷を築き上げるのを大きく後押し!派手さはなくとも確実に効く、ボディブローのようなこのコンボは対戦してて心が折れるよな……自分で使うと最高に気分が良いことは間違いない。
最近の白単色のコントロールでは、1マナ圏に《キャンディーの道標》を採用する形が見られる。最序盤、能動的に動かないデッキなのでこのキャンディーで占術するという動きを取り入れ、自身のターンをなるべく何もしないで終わる無駄な時間にならないように工夫されている。占術も序盤は土地が欲しい、終盤はゲームを動かすカードが欲しいというニーズに応えるドローをもたらす可能性がある。そしてマナに余裕があるタイミングで生け贄に捧げれば、3点の回復とドローをもたらす。五臓六腑に染みわたる、この能力で一服いれることで難所を乗り切り盤面の支配を確実なものとするのだ。
《マイトストーンとウィークストーン》《キャンディーの道標》など実はアーティファクトを中核に据えていたりする「白単コントロール」。このデッキをベースに《千の月の鍛冶場》を採用したデッキを組んでみよう!先述の《永遠の放浪者》と鍛冶場を組み合わせれば、毎ターンこれを追放して戻してと繰り返すことでゴリゴリマッチョなサイズのノームを連打できるってことだもんな。これが決まれば盤面の支配を握るのも待ったなし!
そんな発想から着手して、先ほどのリストをベースにとりあえずこんな形でやってみたいなと……。
1 《皇国の地、永岩城》 1 《隠された中庭》 3 《廃墟の地》 4 《ミシュラの鋳造所》 15 《平地》 -土地(24)- 3 《野心的な農場労働者》 1 《クチルの側衛》 1 《第三の道のロラン》 2 《セラの模範》 2 《鋼の熾天使》 1 《飛翔する砂翼》 -クリーチャー(10)- |
2 《骨化》 2 《失せろ》 1 《軍備放棄》 2 《太陽降下》 2 《不安定な象形橋》 4 《婚礼の発表》 4 《キャンディーの道標》 1 《宝物の地図》 1 《アイレンクラッグ》 2 《千の月の鍛冶場》 2 《マイトストーンとウィークストーン》 2 《放浪皇》 2 《永遠の放浪者》 -呪文(27)- |
-サイドボード(0)- |
とりあえずまとまり切らなかったので61枚デッキ!個人的には1枚ぐらいはみ出ても気にしない派。それはさておき、《永遠の放浪者》と《千の月の鍛冶場》や《マイトストーンとウィークストーン》の組み合わせを取り入れた白単色のアーティファクト寄せコントロール。このタイプのデッキを組むなら《不安定な象形橋》は採用したいところだ。
唱えて戦場に出したなら、パワー2以下のクリーチャーが対戦相手の戦場に1体は残ってしまうが、クリーチャーをまとめて破壊する能力を持っている。アーティファクトとして戦場に残るので鍛冶場と組み合わせられるし、これ自体も“アーティファクトで作製”という能力を起動してやると変身。《砂渦の歩く彫像》へと姿を変えれば、パワー5の飛行クリーチャーとしてタフな戦力になってくれる。この彫像は対戦相手に呪文を唱えるか攻撃するか、自分のターンでできることをどちらかに制限するというコントロール性能の高い能力の持ち主。ただでさえ1体のクリーチャーにしか攻撃されない放浪者が、めちゃくちゃ硬くなる難攻不落の城と化す!5マナという高コストではあるが《マイトストーンとウィークストーン》で支払うことで、同一ターンに後続のアクションも狙えるぞ。《太陽降下》という超強力な全体除去があるスタンダードだが、アーティファクトという特性を活かせる《不安定な象形橋》も試して、両者の良いとこどりを狙いたいね。
今セットのコモンに含まれている、土地サイクリングを持った恐竜たち。いずれも高コストの大型クリーチャーであり、序盤はサイクリングして土地を手札に加え、終盤には普通に唱えて戦力として用いる。一見リミテッド向けのカードにも見えるが、構築フォーマットでもこういうカードをデッキに1・2枚ほど潜ませておくと土地を引かない自体を防ぎつつ、単に土地の枚数を増やすわけではないので土地を引きすぎる事態も和らげられる。とても便利な存在なので、次のスタンダード環境では中速~低速のコントロールなどにはこれらの恐竜を採用し、ストレスの少ないスタンダードライフを過ごしたいなと今から画策している。中でも白の《飛翔する砂翼》は高タフネスの飛行持ちで、即座に3点回復とそれなりに戦力になってくれる。放浪者でグルグル回してライフを危険水域から逃すという必死のプレイングもなんともそそられるものがある。
そんなわけでこの翼竜も盛り込んだコントロール。リリース前に考えたリストなのであくまでサンプル、皆のデッキ作りの参考に少しでもなればというものなので、皆はもっと良いアイディアが思いついたら是非それを形にしてみてね。いやぁもう始まるんだな、イクサランのシーズンが。ここから年末まで、マジック漬けで突っ走るしかないって!
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