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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:チャネル・ストーム&ローナ・ヘリックス(特殊フォーマット&パイオニア)

岩SHOW

 9月5日、ついにMTGアリーナの「禁止解除ヒストリック」イベントが終了した。嗚呼、夏祭りが終わったんだな……このイベントは本当にクールだった。『エルドレインの森』リリースまでアリーナでやることがないな……というプレイヤーも、このイベントでアリーナを堪能できたのではないかな。禁止解除ヒストリックについては以前にもこちらで紹介した回をご覧になっていただければ。

 僕はこのイベント開始時にガッツリとプレイしてからしばらく触れてはいなかったが、最終日に感謝を込めて何度かプレイ納め。また何かのシーズンとシーズンの境目に開催されるその日まで、さらばクールすぎたカード達よ……というわけで、前回このフォーマットを取り上げたその直後に見つけた、強くて!楽しくて!そしてクール!そんなリストをご紹介。

BinarySoloistMTG - 「チャネル・ストーム」
禁止解除ヒストリック / ヒストリック (2023年8月22日)[MO] [ARENA]
4 《マナの合流点
4 《草むした墓
4 《花盛りの湿地
3 《育成泥炭地
2 《ハイドラの巣
2 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《
-土地(21)-
 
-クリーチャー(0)-
4 《彩色の宝球
4 《彩色の星
4 《暗黒の儀式
4 《チャネル
4 《悪魔の教示者
4 《チーム結成
3 《一つの指輪
4 《苦悶の触手
4 《精神の願望
4 《大いなる創造者、カーン
-呪文(39)-
1 《彩色の宇宙儀
1 《街並みの地ならし屋
1 《隔離するタイタン
1 《一つの指輪
1 《王神の立像
1 《真髄の針
1 《液鋼の塗膜
2 《石の脳
3 《夏の帳
3 《思考囲い
-サイドボード(15)-
X より引用)

 

 《チャネル》!この狂ったマナ加速を4枚デッキに放り込めるのはこのフォーマットだけだ。この期間に骨の髄まで味わい尽くすしかないって!というわけで、このリストはとにかくクール。ライフを変換して得る無色マナの使い道、それは《大いなる創造者、カーン》!このプレインズウォーカーは兎に角あらゆるフォーマットで引っ張りだこ。サイドボードからアーティファクトを手札に加えられるという、デッキの引き出しを増築する能力はやはり唯一無二のもの。このクールなカーンを使って持ってきて、《チャネル》から唱えるのが……。

 《彩色の宇宙儀》!7マナと非常に重たいが、無色マナを5つも加えるマナ加速の鬼。そして何より重要なのが、どんな色マナも他のマナで支払えるようになるという能力!これにより《チャネル》から得たマナで有色の呪文が唱えられるように!

 そうやって何でも唱えられるような状況を作りだしたら《精神の願望》を唱える。ストーム能力によりこのターンに唱えられた呪文の数だけコピーされ、ライブラリーの一番上のカードを追放してマナ不要で唱えられるようになる、混沌をもたらすソーサリー!これでさらなる願望に繋げて、大量ストームからデッキの中のカードを全て唱える勢いで呪文の連打。最終的に《苦悶の触手》に繋げて勝利する。触手はストームが致命傷を与える段階になくとも、とりあえず唱えてライフを回復し、チャネル用のマナを補充するという使い方もする。

 このリストのメインデッキと、サイドボードに《霊気貯蔵器》を加えたものを使用して勝利を重ねることが出来た。ライフ回復がそのままマナの確保に繋がり、フィニッシャーも兼ねるクールな置き物だ。2ターン目にコンボが完成する率も高く、こりゃあ《チャネル》、あらゆるフォーマットで禁止&制限に指定されているのも当然だなと再確認。コンボが決まった瞬間のクールさといったらこの上ないものなので、またこの奇跡のフォーマットがやってきたら皆も「チャネル・ストーム」を使うことを強くオススメしておこう。

 カーンによるサイドボードからのサーチ、そして《霊気貯蔵器》によるライフ獲得と豪快な50点砲。このクールな組み合わせは最近他のフォーマットでも活躍していた。パイオニアだ。このリストもまたクール、ということで今週はクールなデッキを二本立て!

genmatsu - 「ローナ・ヘリックス」
Magic Online Pioneer Challenge トップ8 / パイオニア (2023年9月2日)[MO] [ARENA]
4 《マナの合流点
4 《英雄の公有地
4 《繁殖池
2 《草むした墓
4 《花盛りの湿地
4 《植物の聖域
3 《樹皮路の小道
2 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《
-土地(28)-

4 《ラノワールのエルフ
3 《エルフの神秘家
4 《森の女人像
3 《楽園のドルイド
4 《眷者の神童、キナン
4 《侵攻の伝令、ローナ
2 《帳簿裂き
1 《迷い子、フブルスプ
3 《偉大なる統一者、アトラクサ
-クリーチャー(28)-
4 《ニッサの誓い
4 《撤回のらせん
3 《モックス・アンバー
4 《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー
4 《大いなる創造者、カーン
1 《伝承の収集者、タミヨウ
4 《銅纏いののけ者、ルーカ
-呪文(24)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》(相棒)
2 《致命的な一押し
1 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント
2 《思考囲い
1 《白鳥の歌
1 《否認
1 《モックス・アンバー
1 《霊気貯蔵器
1 《願い爪のタリスマン
1 《真髄の針
1 《トーモッドの墓所
1 《機能不全ダニ
1 《マイトストーンとウィークストーン
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

回転

 一見何をするかわかりにくいかもしれないが、これは「ローナ・ヘリックス(らせん)」。《侵攻の伝令、ローナ》は伝説の呪文を唱えるとアンタップする。この能力を活かした独特な動きを見せる、つまりは超COOLなコンボである。ローナを対象に《撤回のらせん》を唱える。これでローナをタップすれば土地でないパーマネントを手札に戻せるようになる。これで《モックス・アンバー》を戻しては唱えなおし、ローナがアンタップされ、アンバーからマナを加えて、そのアンバーをローナで戻し……無限ループの完成だ。そのマナでカーンを唱えて貯蔵気を引っ張ってきてドカン!コンボ成立のための要求枚数はそれなりではあるが、仕組みを一度確認すれば誰にでもわかりやすい、イージーでファンタスティックなコンボだ。

 カーンはアンバーをサーチする手段にもなっており、これによりメインデッキにはアンバー3枚+カーンで計7枚のコンボパーツが投入されていることに。こうした僅かな水増しがデッキのクールさに違いを生むのだなぁ。

 無限マナからの勝利手段としては《眷者の神童、キナン》も用いる。彼の能力を延々と起動し続けて《偉大なる統一者、アトラクサ》に繋げるのだ。アトラクサからカーンが公開されればそのまま貯蔵器まで繋いで終了!捲れなければまた危難を延々と起動し続けるのみだ。《ラノワールのエルフ》などの大量のマナクリーチャーやアンバーのマナ生産量も大きく向上させ、そこから得たマナで能力起動→アトラクサと繋いでローナや《撤回のらせん》といったコンボパーツをかき集めるという動きも度々目にすることになるだろう。キナンはマジでクールな1枚なので、未体験の人は一度は彼を使ったデッキを考えて、実際に組んで、そのオンリーワンな妙技を味わってほしいね。

 今週は《大いなる創造者、カーン》が絡んだ独創的なコンボデッキの扉を開いた。いずれもクールで、そして強いデッキだ。『エルドレインの森』でも皆がクールなコンボを見つけられることを願って……。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Search from your sideboard!!

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