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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ボロス果敢:ピアの実力、判明(パイオニア)

岩SHOW

 結局どのカードが強かったのか?どのカードが各フォーマットに大きな影響を与えたのか?その答えはなかなか出るものではない。セットが出てすぐに結論を出すのはちょっと時期尚早。後からその真価が判明するカードも見つかるものであり、なんだかんだでセットの全容が判明するまでには……1年ぐらいかかるかもな。構築フォーマットと一口に言っても、スタンダードからパイオニア、モダン、エターナルと環境の幅は広いもの。スタンダードで目立たないカードが別フォーマットで大活躍なんてこともザラにあるし、その逆も然り。皆も各セット、各カードを長い目で見ることを忘れずに。

 ……なんて言いつつ、あるセットのあるカードについてはちょっと結論が。5月にリリースされた『機械兵団の進軍:決戦の後に』。この一大決戦のエピローグを描いたセット、スタンダードを経由するセットとしては異例のカードの少なさ、50種類。なので、普通のセットよりもその全容を解明するのに時間はかからなかったようだ。『決戦の後に』に関して競技プレイヤーたちが出した結論は……《復興の領事、ピア・ナラー》はガチ!

Stephen Dykman - 「ボロス果敢」
NRG Series $10,000 Showdown(チーム構築) 9位 / パイオニア (2023年7月9日)[MO] [ARENA]
4 《聖なる鋳造所
4 《戦場の鍛冶場
3 《感動的な眺望所
2 《針縁の小道
7 《
-土地(20)-

4 《損魂魔道士
4 《僧院の速槍
4 《復興の領事、ピア・ナラー
4 《砕骨の巨人
-クリーチャー(16)-
4 《火遊び
1 《棘平原の危険
4 《岩への繋ぎ止め
3 《無謀なる衝動
3 《レンの決意
3 《舞台照らし
4 《熊野と渇苛斬の対峙
2 《スカルドの決戦
-呪文(24)-
1 《湧き出る源、ジェガンサ》(相棒)
2 《スカルドの決戦
2 《傑士の神、レーデイン
2 《引き裂く流弾
2 《高山の月
2 《安らかなる眠り
2 《ゴバカーンへの侵攻
1 《摩耗 // 損耗
1 《邪悪を打ち砕く
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 《復興の領事、ピア・ナラー》は2色の伝説ではあるが2マナ2/3と扱いやすいスペック。そして肝心のその能力。追放領域から土地を戦場に出したり呪文を唱えると、飛行機械を生成できる。1/1飛行のこのトークン、ピアの能力でさらに速攻を得てすぐさま攻撃可能だ。この能力はテキストを読んでみるだけでも結構強そうな感じはしていたが、『決戦の後に』リリースから2ヶ月以上経って、デッキリストにその名を見る機会がグッと増えてきた。それもパイオニアにおいて!というわけでこのリストはパイオニアの「ボロス(白赤)果敢」!ピアの能力を最大限に発揮させる構築を分析していこう。

 果敢デッキということで、デッキの主軸は低コストで果敢能力を持ったクリーチャー。スタンダードでもお馴染みの《僧院の速槍》、そしてパイオニアの赤いアグロの低コストの定番中の定番である《損魂魔道士》!いずれも1マナ1/2、クリーチャーでない呪文を1枚唱えれば果敢で2/3にパンプアップする。最序盤に相手がクリーチャーを出してきても攻撃しやすいタフネス高めが嬉しく、3/4、4/5なんかになればより高いマナ域のクリーチャーにブロックされても打ち倒せる。《火遊び》や《岩への繋ぎ止め》のような低コスト除去でこれらの攻撃をアシストし、一気に殴り倒すスピード重視の戦術こそパイオニアの果敢デッキの特徴だ。

 これまでの「ボロス果敢」には《賢い光術師》などを採用して最序盤にライフを一気にもぎ取ることを重視したリストが多く見られたが、今のトレンドはそれらのやや不安定だったり中・長期戦に入ると役目を果たしにくいカードと入れ替えで《復興の領事、ピア・ナラー》を採用している。そしてピアのポテンシャルを100%引き出してやるため、追放領域からカードをプレイするための手段がたっぷりと設けられている。

 スタンダードでもピアと組み合わせられる《無謀なる衝動》《レンの決意》は2マナと軽く、最大でカード2枚分のアドバンテージを提供してくれる。この手数の増加に、さらに飛行機械のボーナスが付くと最高だ。後続のクリーチャーなり追加の除去なりを引き込みながら攻め手も追加し、オマケに果敢も誘発させてバシバシ攻撃していこう。2マナのこれらも強いのに、絢爛の条件を満たせば1マナで唱えられる《舞台照らし》はハマれば格別。これだけのアドバンテージ供給源にピアがれば、多少のロングゲームになろうとも息切れせずに攻勢を持続できるというものだ。

 これらの追放領域からのプレイをサポートするカードの中でも最上位に君臨するのが《スカルドの決戦》!計2ターンに渡って追放した4枚のカードがプレイできるため、これがもたらすアドバンテージは即ち勝利への直通便ッ!ただ土地を出したり呪文を唱えられるだけでなく、Ⅱ章とⅢ章の能力では呪文を唱えることで+1/+1カウンターをクリーチャーに乗せられる。これが……むっちゃつえーんだ。これが暴れ回ったスタンダードをリアルタイムで経験していない人には、ぜひパイオニアで、その気絶するような強さを体感してほしいね。カウンターをばら撒く能力と、ピアの飛行機械生成&速攻付与の噛み合いっぷりといったら……。

 対戦相手をボッコボコにする脅威の追放シナジー(相互作用)、忘れちゃいけない《砕骨の巨人》。2マナで《踏みつけ》で唱え、序盤の小型クリーチャー除去に使い、さらに出来事能力で追放されているこれを巨人として再度唱えることで1枚で2度美味しい。もはやパイオニアの赤いデッキのことごとくに採用されているため、「単純にただただ強いカード」として認識されているが……これも追放領域を経由するカードということを今一度認識しておこう。巨人と共に飛行機械が飛び出す、2度どころか3度美味しい超絶コスパに早変わりだ。

 リリースから時間を経てこそセットの真価は分かるというもの。しかし『機械兵団の進軍:決戦の後に』に収録されている《復興の領事、ピア・ナラー》が強い!これはこの夏に判明した紛れもない事実だ。パイオニアのデッキを紹介したが、ぜひスタンダードなどでも彼女の能力をフル回転させられるデッキを組んでみて欲しい。追放領域を制する者がゲームを制する!

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