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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!:殿堂に憧れ抱きグリクシス(スタンダード)

岩SHOW

とことんやって来たんだなぁ……

 「プロツアー・機械兵団の進軍」のフィーチャーマッチを観ての感想だ。今回のプロツアーはこの「とことん!スタンダー道!」を書いている身としても他にもまして興味のあるスタンダード!一体どんなデッキやサイドボードが選択されているのか?世界中から集ったトッププレイヤーたちの決断が気になってね……で、観終わったあとが冒頭のデカ文字。当たり前のことかもしれないが、フィーチャーで激闘を繰り広げたプレイヤー達は各々スタンダードととことん向き合ってきた猛者の集いだ。それぞれが手にしたデッキ、披露したプレイングはすべてスタンダードという険しい道をとことん突き詰めた末のもの。改めて全出場選手にリスペクトを。

 さて、今回紹介するデッキは……まずは個人的に大リスペクトしてやまないLSVことルイス・スコット・ヴァーガス/Luis Scott-Vargasが同プロツアーで使用したものを。スタンダードラウンドの開始を告げる第4ラウンドのフィーチャーにて大暴れしたあのデッキだ。

殿堂のチョイス!
ルイス・スコット=ヴァーガス - 「グリクシス・リアニメイト」
プロツアー・機械兵団の進軍 / スタンダード (2023年5月5~7日)[MO] [ARENA]
1 《地底の大河
1 《シヴの浅瀬
4 《黒割れの崖
2 《闇滑りの岸
2 《
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
4 《嵐削りの海岸
2 《硫黄泉
1 《憑依された峰
4 《ザンダーの居室
1 《天上都市、大田原
1 《難破船の湿地
-土地(26)-

2 《偉大なる統一者、アトラクサ
2 《原初の征服者、エターリ
2 《死体鑑定士
4 《税血の収穫者
-クリーチャー(10)-
1 《削剥
3 《切り崩し
2 《勢団の銀行破り
4 《ギックスの残虐
4 《鏡割りの寓話
3 《アモンケットへの侵攻
2 《ナヒリの戦争術
1 《兄弟仲の終焉
3 《喉首狙い
1 《シェオルドレッドの勅令
-呪文(24)-
2 《ファイレクシアの肉体喰らい
2 《光素を漁る者
1 《ギックスの命令
1 《兄弟仲の終焉
3 《強迫
2 《石術の連射
1 《削剥
2 《軽蔑的な一撃
1 《喉首狙い
-サイドボード(15)-

 プロツアー殿堂顕彰者のLSVが選んだのは「グリクシス(青黒赤)リアニメイト」!《ギックスの残虐》のⅢ章にて墓地から大型クリーチャーを釣り上げるリアニメイト戦術を内蔵した中速のデッキだ。

 戦闘面でも天下無敵、手札を大量補充することでマナコストを踏み倒すために仕込みが必要というリアニメイトの弱点も解消する《偉大なる統一者、アトラクサ》が登場して以降、黒と赤の2色を軸としたリアニメイトが大きくシェアを獲得した。残虐のための黒と、釣るクリーチャーを捨てるための《鏡割りの寓話》などを多数持った赤という組み合わせだね。

 このリストはグリクシス、青が足されている。《死体鑑定士》のような優秀なカードが得られ、サイドボードにも《軽蔑的な一撃》などの選択肢が増えるため、黒赤の中速に青を足すのを好むプレイヤーは多かったが……ことリアニメイトに関して、『機械兵団の進軍』参入により大幅な強化を得た。

回転

 《アモンケットへの侵攻》の獲得だ。3枚の切削をお互いに行い、対戦相手には手札を1枚捨てさせる。計7枚のカードが墓地に落ちるので、これを見て《ギックスの残虐》も舌なめずり。またドローもついてくるので、手札を減らさずにリアニメイトの下準備が出来る、優秀なバトルだ。

 これだけでも十分とも言えるが、さらにその第2面《ラゾテプの改宗者》は墓地のクリーチャーのコピーとなる変則的なリアニメイトである。自己完結!アトラクサなどの勝負を決める1枚に化けさせてガッチリアドバンテージを得よう。このコピーとなる際に墓地のクリーチャーを追放したりなどしないのもとても偉い。その後リアニメイトする二の矢三の矢の邪魔はしないということだ。

 この《ラゾテプの改宗者》を得るためにはバトルに攻撃して守備値を減らさねばならない。《鏡割りの寓話》のゴブリンや《税血の収穫者》で攻撃するのが理想的だが、もっと時短、攻撃せずに変身させてしまうという方法もある。そう、《ナヒリの戦争術》だ。このダメージ呪文はバトルも対象に取れるので、5点のダメージを与えてすかさず第2面へ!守備値4に対して余剰ダメージが1点入るので、ライブラリーの一番上のカードを追放してプレイできるというオマケまでついてくる。フィーチャーでも3ターン目侵攻、4ターン目のこれで土地を捲って置くというすべてを手に入れるプレイを見せつけてくれたね。

今週のラダーチャレンジ!

回転

 僕もそれなりにスタンダードをやることで、《アモンケットへの侵攻》というカードのポテンシャルに惚れ込んでしまっていた。アトラクサに加えて《原初の征服者、エターリ》のような暴君と呼ぶにふさわしいカードが手に入ったので、これらで好き放題に暴れる方法を模索した結果、ラゾテプはかなりアツいなと。LSVらの調整チームがこれの変身のために《ナヒリの戦争術》を選んでいたのは流石だと唸らされた。僕はまた違う赤いカードでこの守備値にダメージを与えていたのだが、これは併用させていただこうと美味しく取り入れさせてもらった。

 以下がプロツアー直後にラダー(MTGアリーナのランク戦)で使い込んでいるマイリストだ。

岩SHOW - 「グリクシス・ラプター」
スタンダード (2023年5月11日)[MO] [ARENA]
4 《ザンダーの居室
1 《ラフィーンの塔
1 《ジアトラの試練場
4 《黒割れの崖
4 《憑依された峰
2 《難破船の湿地
3 《硫黄泉
1 《天上都市、大田原
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
1 《
1 《
1 《
-土地(25)-

4 《税血の収穫者
3 《死体鑑定士
4 《猛り狂う猛竜
2 《原初の征服者、エターリ
2 《偉大なる統一者、アトラクサ
-クリーチャー(15)-
4 《喉首狙い
2 《ナヒリの戦争術
4 《鏡割りの寓話
4 《ギックスの残虐
4 《アモンケットへの侵攻
1 《カーサスへの侵攻
1 《フィオーラへの侵攻
-呪文(20)-
3 《強迫
1 《蝕むもの、トクスリル
2 《石術の連射
2 《兄弟仲の終焉
2 《削剥
1 《ぎらつく氾濫
2 《墓地の侵入者
1 《光素を漁る者
1 《沈黙の蜘蛛、琴瀬
-サイドボード(15)-

 《猛り狂う猛竜》!我が相棒はこの恐竜よォ!4マナ4/4速攻&トランプルと攻め攻めのスペックが頼もしい。こいつは攻撃を対戦相手に通すと、同じ値のダメージをプレインズウォーカーか……バトルに与えるッ!これでサクッと《アモンケットへの侵攻》を完遂し、エターリやアトラクサのコピーを生み出そう。

 グリクシスカラーのデッキはスタンダードでもお馴染みだが、このカラーリングの中速デッキから速攻持ちが走ってくることはほとんどなく、そういう点でも対戦相手の裏をかける。ライフを減らす手段としても頼もしく、使い五心地が個人的に最高なのだ。我が愛機「グリクシス・ラプター(猛竜)」を紹介できて嬉しい限り。

回転

回転

回転

 最初に作ったリストでは《アズゴルへの侵攻》を4枚採用していた。これはこれで除去性能に優れ、猛竜で殴っていれば勝手に《灰の死神》に。これもまた攻めに特化した性能でナイスガイなのだが……LSVの《ナヒリの戦争術》にあてられて入れ替え。残り2枚の枠も「アトラクサから全体除去を手札に加えたい」という欲求を満たすために《カーサスへの侵攻》《フィオーラへの侵攻》をお試し中。これらも守備値が4とラプター一撃圏内、手応え良し。

 LSVのような歴戦の勇士が用いるデッキというのは多くの人に影響を与える。僕のように影響を受けたプレイヤーは、憧れの選手目指してとことんスタンダードという道を突き進んでいただきたい。それじゃあ今夜も、スタンダード、バチバチにいっちゃうぞ!

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