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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
Wild Deck野生大発見‼《狼の試作機》デッキ(パイオニア&エクスプローラー)
毎週金曜日はクールなデッキをお届けする「今週のCool Deck」をお届けしておりますが、今週は番組を変更して「Wild Deck 野生大発見‼」をお楽しみください。
こんにちは!多元宇宙のワイルドを求める地質調査員、ショーイワです。今回僕はイニストラードへと来ています。この次元にはワイルドのシンボルと言えるある生き物が沢山生息しています。それは……狼!
驚異的な嗅覚と忍耐力に基づいた追跡能力、群れでの狩りを行う高い知能と統率力、脚力や鋭い牙であっという間に獲物をしとめる姿――獰猛さと美しさ、かわいさと家族の絆と、様々な要素を併せ持った大変に興味深い動物です。一言でまとめるなら、う~ん、ワイルド!
野生の魅力にあふれる狼の観察をするべく、我々スタッフはケッシグの森林地帯にてキャンプを行うことに。ここの狼は危険なのでは?とご心配の方もいらっしゃるでしょう。ご安心を、現地のレインジャーの方にもガイドをお願いしています。ベテランのサバイバリストの面々は、屈強な肉体と夜を生き抜く知恵を併せ持ったこの上なく頼もしい存在です。これぞワイルド・スペシャリスト!
さて、そんなガイドの主導のもと、狼の様子を観察していた我々ですが……ガイドにもよくわからないモノと遭遇することになりました。それは木々の間から顔をのぞかせる狼……に見えたのですが。
その身体にカメラをズームすると……レンズがとらえたのは、ロボット?大きく口を開けた頭部と、機械以外の何物でもない胴体とのアンバランスさに、我々はある種、野生にはない独特のワイルドさを感じました。そしてこのワイルドな物体は……全く微動だにせず棒立ちです。
一体これが何なのか?近隣の人々に聞き込み調査を行ったところ、眼帯をした顔色の悪い外科医風の男性から有力な情報を得ました。どうやらアレは、ルーデヴィックという天才錬金術師が創造したものであるとのことです。ルーデヴィックはこの悪夢的なようでコミカルさも感じられるものを夢で見て、それを実際に形にしたとのことで……これに特に名前はなく、《狼の試作機》とのことでした。
この《狼の試作機》について調べてみると、なんと2マナにして5/5と追随するものがほとんどいない驚異的なスペックの持ち主だということが判明しました。と同時に、大きな弱点も見つかったのです。この試作機は、自分と対戦相手、少なくともそのどちらかが手札にカードを持っていないという状況にならなければ戦闘を行えないのです!攻撃もできなければブロックも不可能で、つまりはスペックが宝の持ち腐れ。我々スタッフが遭遇した個体が何もせずに棒立ちしていたのは、一同が手札にカードを持っていたからでした。誰かが手札を持っていなかったらと思うと、ゾッとしますね。
さらにこの試作機、今現在MTGアリーナでも出会うことができます。『イニストラードを覆う影・リマスター』に収録されているのです。しかもレアリティが元々のレアからアンコモンにダウングレードされており、これはプレイヤーにとって非常に嬉しいこと。アンコモン・ワイルドカードで4枚揃えることができるのですから!今回はこのワイルドな試作機を早速4枚引き換えて、アリーナ内におけるパイオニアの位置を務めるフォーマット、エクスプローラーのデッキを組んでみたので紹介させていただきましょう!
3 《ハイドラの巣》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 17 《森》 -土地(22)- 4 《エルフの神秘家》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《狼の試作機》 4 《ガイアの眼、グウェナ》 4 《恋煩いの野獣》 4 《鉄葉のチャンピオン》 2 《不屈の神ロナス》 3 《クルーグの災い魔、トラクソス》 4 《原初の飢え、ガルタ》 -クリーチャー(33)- |
3 《グレートヘンジ》 2 《ビヒモスを招く者、キオーラ》 -呪文(5)- |
-サイドボード(0)- |
手札が空じゃないと攻撃できない、というデメリットとどう向き合うか?これが唯一にして最大の課題なわけですが……黒や赤の手札を捨てるという戦術と組み合わせることも試してみたのですが……やっぱり手札が空という状況はそうも簡単に作れるものじゃなく、作れてもややオーバーキル気味だったりで……だったらもう「攻撃できなくても良いんじゃないか?」という逆転の発想。配信しながらデッキを作っていたのですが、視聴者の方々からもアイディアを募集し、試してみた中で最もしっくり来たのがこの緑単!《狼の試作機》が攻撃できなくても良い、そんな考えで組まれたデッキは……
まずは《グレートヘンジ》と組み合わせるというところからのスタート。ヘンジは戦場に出るクリーチャーのサイズアップとカードドローという、クリーチャーを繰り出すデッキが欲しいものをまとめて提供してくれるスゴすぎるアーティファクトです。
9マナと超ヘビー級のコストながら、自身がコントロールするクリーチャーの中での最大パワーを参照し、その分コストが軽減されます。かつてのスタンダードでは《恋煩いの野獣》から4ターン目ヘンジという動きをよく目にしたものです。今回はエクスプローラーでこのワイルド・ムーブを再現。コストパフォーマンスに優れるパワー5以上のクリーチャーの中でも、試作機は2マナと最軽量!この軽くてデカくて、そして何よりも「大抵スルーされる」というのが強みになるのです!他のコスパに優れたハイスペックなクリーチャーは、対戦相手もすかさず除去してくることでしょう。しかしこの試作機は……2ターン目に出てきたところで、ほぼほぼ無害。スルーされることでヘンジのコスト軽減役を戦場に保ちやすくなるという、デメリットを非常にポジティブに受け止めた発想には拍手を送ったものです。実際安定してヘンジの設置から莫大なアドバンテージを稼ぎ出せたので、意外と実践向けの組み合わせなのかも?とか思ったり。
そしてもう一つ、試作機デッキに欠かせないと気付かされた1枚が《ガイアの眼、グウェナ》。彼女と試作機はまさしく出会うべくして出会った黄金の組み合わせ……というのは言い過ぎかもしれませんが。ともかくこの2枚は相性良好。グウェナが能力で加えるのはクリーチャーを唱えるための2マナ。これを使って試作機を唱えると、グウェナは+1/+1カウンターが乗ってアンタップ!素晴らしい。ここからさらに次の試作機へ、さらに次の試作機へ……そうこうしているうちにグウェナがマッチョに成長し、戦闘もこなすスーパーウーマンに様変わり!大量展開により手札を消費すれば、試作機も攻撃できるかも?できなくても《グレートヘンジ》と合わされば、《鉄葉のチャンピオン》から無限にも感じる大量展開を体験できるでしょう。う~ん、ワイルド!
緑という色には他にもクリーチャーのサイズが大きければ大きいほど、恩恵を受けられるカードが用意されています。中でもパワーの合計値を参照してコストを軽減する《原初の飢え、ガルタ》のために試作機を投入することは大いに価値があります。2体並べばそれだけでガルタは緑マナ2つまでコストが軽減されるというのだから驚きです!《不屈の神ロナス》はパワー4以上のクリーチャーをコントロールしていれば戦闘に参加できるので、狼を添えて神の本領を発揮していただきましょう。
このデッキには上記の2枚のように伝説のクリーチャーが複数採用されています。だからこそ《クルーグの災い魔、トラクソス》まで採用してしまいましょう!パワーがデカければ良い、というのであればこのトラクソスを外す手はないでしょう。4マナ7/7、桁違いのスペックであらゆる相手を粉砕……するにはこのお寝坊さんを起こす必要があります。なので、歴史的な呪文(アーティファクト、伝説、英雄譚)を唱えましょう、伝説のクリーチャーと共にこの巨大構築物をアンタップするのは……そう、アーティファクトである《狼の試作機》なのです。パワー5とアーティファクト、両方を満たす試作機はやはり最高傑作……なのでしょうか。
今回は狼の調査に訪れた結果、狼の頭部を持った謎のロボットとワイルドな遭遇を果たしました。皆さんにも『イニストラードを覆う影リマスター』でワイルドな出会いがあることを願って……次のWild Deckに出会うまで……ごきげんよう!
――焚火を囲むスタッフの背後に佇む、棒立ちの試作機がクローズアップされて終了――
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