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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

白単の中速・低速デッキ:強いデッキをド真面目に紹介!(スタンダード)

岩SHOW

 いよいよ『機械兵団の進軍』の新カードの情報も出始めたので、ここらでスタンダードを振り返ってみよう。そんなわけで早速リストから。

Yiren Jiang - 「白単ミッドレンジ」
龙盾杯S2赛季总决赛 Cycle 2 RC 3位(6-0-2) / スタンダード (2023年3月25日)[MO] [ARENA]
15 《平地
4 《道路脇の聖遺
2 《解体爆破場
2 《廃墟の地
1 《皇国の地、永岩城
-土地(24)-

2 《野心的な農場労働者
2 《神憑く相棒
2 《第三の道のロラン
2 《セラの模範
2 《聖域の番人
2 《鋼の熾天使
-クリーチャー(12)-
4 《軍備放棄
2 《骨化
2 《邪悪を打ち砕く
1 《告別
3 《勢団の銀行破り
4 《婚礼の発表
2 《永岩城の修繕
4 《放浪皇
1 《華やいだエルズペス
1 《永遠の放浪者
-呪文(24)-
3 《スクレルヴの巣
2 《集団失踪
2 《痛烈な一撃
2 《黄昏の享楽
2 《一時的封鎖
2 《未認可霊柩車
1 《告別
1 《骨化
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 こちらは白単色のミッドレンジ、ないしコントロールと呼ばれるリスト。『ファイレクシア:完全なる統一』のリリース前の環境よりスタンダードでは定番デッキとなり高いシェアを誇っている、一大派閥と呼べるアーキタイプだ。白いコントロールと言えばパーマネント対処に長けた白を、青や黒といったカードアドバンテージ……手札を増やすことに長けた色と組み合わせるのが一般的。だがここ最近のスタンダードでは白単色でも十分にアドバンテージを稼げるので、色を足さなくても完成度の高い中速~低速のデッキを組むことが可能だ。

 コントロール重視のデッキにおいて最も重要なのは、なんだかんだ言ってもパーマネント除去。むしろそれをしっかり行えるデッキこそがコントロールであるとも言える。

 現在スタンダードの白が誇る除去は《軍備放棄》《骨化》と軽くてクリーチャーを捌くための手段がしっかり整っている。これらに加えて攻撃クリーチャーを討ち取りつつライフ回復&ブロック役を作り、それ自身がゲームで勝利する手段にもなる《放浪皇》……これぞ盤石の布陣。

 クリーチャーやプレインズウォーカーだけでなく、エンチャントやアーティファクトにも《邪悪を打ち砕く》《第三の道のロラン》《告別》と揃っているので盤面を綺麗なまま保つことができる。白単は対戦相手ののびのびとしたゲーム展開をぶった切り、ずるずると遅いデッキのペースに引き込んでいく。

 対戦相手のカード1枚に対してこちらもただカード1枚で対処していくだけでは、息が切れてしまう。なのでカードを引いたりする、冒頭で触れたアドバンテージを獲得する要素もコントロールにとっては重要になってくる。

回転

 《勢団の銀行破り》《婚礼の発表》は共にカードを引けて、クリーチャーも確保できる。ロングゲームを戦う上で、これらがもたらす恩恵は計り知れない。また、ただコントロールしていくだけでなくライフを攻めていく展開においてもこれらのカードは効果的であり、ミッドレンジ(攻めとコントロールの両方で立ち回れるデッキ)においても重宝される。

 これらのパーマネントを採用しつつ、単色故に土地のスロットに無色マナしか加えられないものを取り入れる余裕もあるので、《道路脇の聖遺》をしっかりと運用できるのもこのアーキタイプの魅力。

 土地が2枚ドローになる、この事実がゲーム終盤では大きな武器になる。多色デッキでは真似できない土地構成もまた単色デッキを手にしてこそ味わえる楽しさなのだ。

 コントロール寄りのデッキにとって、マナスクリュー(土地が置けないゲーム展開)は致命傷になり得る。たった1ターンの遅れが、ゲームを決定づけてしまうのだ。

回転

回転

 それを避けられるカードを持っているのも白単のセールスポイント。《野心的な農場労働》《永岩城の修繕》と《平地》を手札に加えられて、同時に戦場を支える戦力になれるカードが2・3マナ域に並んでいるのは無視できない強みってわけだ。これらのおかげでしっかりと4ターン目に《放浪皇》を構えたり、《黙示録、シェオルドレッド》を《軍備放棄》できるだけの《平地》を並べたり……重くてカードパワーが高いカードに繋げるための、送りバント的な役目を果たすカードはとっても大事。

 そしてフィニッシャー――ゲームを終わらせる1枚の枠も、他の色に頼らずに白のみで十分に用意できる!しかも天使というのが素晴らしいね。

 《聖域の番人》はトークンも並べることで《絶望招来》1枚で処理しきれないし、盾カウンターで《喉首狙い》などでも簡単に処理しきれないという、6マナ支払う価値ありのタフさがたまらない。5/5飛行と攻撃させても一流で、かつドローも狙えると隙がない。さらに《鋼の熾天使》はキーワード能力を付与、とくに絆魂でのライフ回復で攻めのデッキの心をへし折る。終盤に6マナで唱えて良し、早いターンであれば試作で3マナ3/3として運用して良しで手札のお荷物になりにくいのが嬉しい1枚である。

 ……と、スタンダード環境の代表的なデッキ「白単ミッドレンジ/コントロール」を振り返ってみたところで。いや~珍しく大真面目に主要デッキを紹介した気がするな、とそれはともかく、次回はこのデッキと同じく白単色でありながら、ベクトルが大きく異なるリストを紹介させていただこう。それじゃあまた明日!

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