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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
グリクシス・スペルダンサー:踊らにゃ損、アドの舞(レガシー)
※当コラムは3月6日以前に書かれたものです。一部現在のレガシー・フォーマットと異なる箇所がございますがご了承ください。
いや~あったかいね。ぽかぽか陽気とまでは行かないが、1月2月と比べればもうすっかり春を感じる3月1日これを書いている。過ごしやすくなるとテンションも自然と上がってくるものだ。人間とはそういう生き物だと思う。厳しい季節を乗り越えて恵みの春がやってくる!マジックもこれから益々盛り上がっていく、そんな30周年の春が始まるね。暖かくなってくると身体を動かしたくなってくるもので、料理してる時にもちょっと音楽に合わせて小躍りしちゃったりね。踊り、といえば……『ファイレクシア:完全なる統一』ではダンスに関する新カードがもたらされたね。
《気まぐれな呪文踊り》だ。ファイレクシアンが優雅に、たおやかに踊っている姿が描かれている。とはいえカードとしては対戦相手にとって厄介な2マナクリーチャー。パワーが2でブロックされないという時点で結構な鬱陶しさ(誉め言葉)だが、これはさらにテクニカルな技を持っている。
非クリーチャー呪文を唱えると油カウンターが置かれる。ファイレクシアのカードにはこれを有効活用するものがあり、他のカードと組み合わせて油の数を活かしても良いのだが……この呪文踊りは自己完結している。攻撃を対戦相手に通してから油を2個取り除けば、次に唱えるインスタントかソーサリーをコピーすることが出来るというものだ。戦闘ダメージを与える条件は自身のブロックされない能力で解決済みなので、あとは油を貯めるのとコピーするための呪文をしっかりと唱えることがプレイヤーの勤めになってくるね。
この能力と相性が良いものはレガシーの打ち消し呪文だね。マナを支払わずに唱えられる《意志の力》や《目くらまし》などなど、2ターン目に呪文踊りを出しつつもそれを対戦相手の除去からしっかりと守る手段がレガシーにはある。これや《渦まく知識》《思案》など青のレギュラー陣を唱えることで油を充填し、これらのドロー呪文をコピーすることで手札を満たす。
特に《意志の力》の代替コストで吐き出した手札をリカバリーできるのが素晴らしいね。そんなわけでレガシーでの活躍が期待されていた呪文踊り、これを主役に据えたデッキリストを今回ピックアップ!
4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 2 《血染めのぬかるみ》 4 《Underground Sea》 2 《Volcanic Island》 1 《Badlands》 1 《神秘の聖域》 -土地(18)- 3 《気まぐれな呪文踊り》 2 《悪意の大梟》 3 《濁浪の執政》 -クリーチャー(8)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《表現の反復》(※) 4 《意志の力》 2 《目くらまし》 3 《軽微なつまづき》 3 《トーラックへの賛歌》 2 《稲妻》 2 《邪悪な熱気》 2 《殺し》 -呪文(34)- |
2 《否定の力》 1 《呪文貫き》 2 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《水流破》 1 《青霊破》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《邪悪な熱気》 1 《削剥》 2 《スプライトのドラゴン》 1 《悪意の大梟》 -サイドボード(15)- |
「グリクシス(青黒赤)スペルダンサー」!レガシーには低コストの非クリーチャー呪文が上述のもの以外にも数えきれないほど存在している。その中から《気まぐれな呪文踊り》と好相性の選りすぐりのスペル(呪文)が大集結!どれをコピーしても美味しい、そんなリストを目指したものだろう。
そのため、呪文踊りがやられるとデッキの魅力が大幅に減少してしまう。なので、これを守るための手段には抜かりなし。呪文踊りと共にやってきた新打ち消し、《軽微なつまづき》で《剣を鍬に》や《稲妻》は徹底的に対策だ。
このつまづきは他にもレガシーの代表的なデッキのことごとくが採用しているマナ総量が1か0の呪文を打ち消す万能な1枚でもある。ドローや手札破壊、コンボパーツにクリーチャーとこれで対処しつつ、油をしっかりと確実に用意していこう。
コピーして嬉しい呪文というのは、やはりアドバンテージに繋がるもの。レガシーで青の軽いアドバンテージ源と言えば……そう《表現の反復》(※)!これを唱えることで状況が一変する、2マナとは思えない驚異のアドバンテージ源であるソーサリーだ。これを呪文踊りから2連発なんてしてみたら、手札にカードが2枚加えられてさらに追放領域に唱えられるカードが2枚!手札が空の状態でターンを迎えても、終わる頃にはホクホクだよ。
また、相手のカードを失わせる形でアドバンテージ差を拡げるというのも効果的。《トーラックへの賛歌》!
一時期はレガシーでの手札破壊と言えばこれ、黒が挨拶代わりで投げつけてきたものだ。手札をランダムに2枚捨てさせるため、土地なども落としてゲームプランを大きく崩させる。これを呪文踊りでコピーすれば、無作為も何もあったもんじゃない、4枚も捨てさせられたら手札は空っぽだって!
手札ではなく盤面が押されている状況なら《殺し》で大掃除するのも気分爽快。ライフ4点の支払いは痛いが、マナを払わずに唱えられるというのは呪文踊り的には無視できないセールスポイントだ。
余談だが《表現の反復》のイラストも踊っているようだし、《トーラックへの賛歌》もかごめかごめのように踊っているバージョンが存在しているね。カード名も呪文踊りというパフォーマンスの世界にマッチしており、なんだか使っていて楽しくなってきそうだ。
呪文踊りではインスタントorソーサリーしかコピーできないが、油はそれ以外でも乗せられる。それ故に採用されているのが《ミシュラのガラクタ》。
レガシーでもお馴染みになった0マナドローで、特に《ドラゴンの怒りの媒介者》《帳簿裂き》と組み合わせることでこれらの能力を誘発させるという重要な役目を担っている。この2種類と相性が良いということは、つまり呪文踊りとも噛み合うってことだよな。油を増やして相手のトップを確認しつつドロー、隙のないプランニングを立てて踊りを完遂させるためにいい仕事をしてくれるだろう。また0マナで墓地のカウントも貯められるので《濁郎の執政》もフィニッシャーの枠に。土地や呪文を積極的に墓地に送って、執政の早期降臨を目指そう!呪文踊りだけに気を取られているとドラゴンに圧殺されるぞ!
能力でアドバンテージを稼ぎ出せれば、思わずこちらも踊りたくなる《気まぐれな呪文踊り》。使いこなせればこれほど気持ち良くなれるカードもないかもしれない。油の載せ方・クリーチャー除去からの防護・コピーして嬉しい呪文、こういったファクターを意識しながら、レガシーに限らず君もデッキを作ってみよう!
(※)追記
おいおい、プレイヤーズコンベンションから帰ってきて一息ついてたら突然の禁止制限告知!《表現の反復》はレガシーにて禁止カードに指定されることに。まあ確かに青と言えば赤も一緒に使って、反復唱えてりゃなんとかなる感はあったもんな。
というわけで呪文踊りとのドリームコンボは短い期間に終わったが……他にコピーするカードを探す楽しみが増えたと考えるのも一興かな?《ミシュラのガラクタ》や《ドラゴンの怒りの媒介者》でトップを確認している状態で《予報》を唱えるとかが2マナでお手軽に手札を稼ぐ方法で、アリかもしれないぞ!
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