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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
オープンの日迫る!③ラクドス想起(モダン)
「プレイヤーズコンベンション横浜2023」で開催されるオープンイベントに向けて、モダンのデッキを紹介するシリーズを続けさせていただいている。早くも第3回、今回は……オープンのフィーチャーマッチでも登場頻度が高いことになるんじゃないかと睨んでいるデッキを紹介しよう。
モダンというフォーマットがスタンダードやパイオニアと決定的に異なるのは、特殊セットが使用可能という点。『モダンホライゾン』『モダンホライゾン2』と、モダンのためにデザインされた専用セットを使える!そのため、スタンダードを経由する通常セットには採用しにくいメカニズムや、カードパワーの高い新作カードが参入して環境を定義づける1枚として存在感を示している。
中でも今、暴れているのがインカーネーション。インカーネーションとは顕現を意味し、このタイプを持つクリーチャーはいずれもカード名が漢字の熟語になっているのが特徴だ。事象や精神状態がクリーチャーとして形になったというイメージを持ってくれればどういった連中なのか伝わるかな。
特に『モダンホライゾン2』のインカーネーションはサイクルを形成する5色のすべてがトーナメントでの実績を持ち活躍している、正真正銘のパワーカードたちだ。戦場に出た際に何かボーナスを得られる誘発型能力を持ち、ただの戦闘要員ではなくゲームに大きなインパクトを与えてくれる。そして、想起能力。想起コストで唱えたクリーチャーは戦場に出た後に生け贄に捧げることになる。使い捨てになってしまうが、通常コストで唱えるよりも安く手軽に運用できて能力を誘発させてその恩恵を受け取れる。インカーネーションらの想起コストは手札から同色のカードを追放するというもので、マナが不要な代わりにカード計2枚を消費するという形になる。《孤独》でクリーチャーを除去したり《緻密》で打ち消し的なことを行うなど、緊急時を捌けるのであれば手札で損をしても良いという考えのもとに想起で唱える。臨機応変に運用できるカードとして大変に魅力的だ。
今回のデッキはこの想起持ちインカーネーションが主役だ。その名も「ラクドス(黒赤)想起」。このデッキは想起の強みを100%味わい尽くす貪欲な構築が施されている!
4 《血染めのぬかるみ》 4 《湿地の干潟》 2 《血の墓所》 1 《聖なる鋳造所》 4 《黒割れの崖》 3 《沼》 -土地(18)- 4 《敏捷なこそ泥、ラガバン》 4 《ダウスィーの虚空歩き》 2 《戦慄の朗詠者、トーラック》 4 《歴戦の紅蓮術士》 4 《悲嘆》 4 《激情》 -クリーチャー(22)- |
3 《思考囲い》 3 《稲妻》 3 《終止》 1 《コラガンの命令》 4 《不死なる悪意》 2 《フェイン・デス》 2 《マラキールの再誕》 2 《血染めの月》 -呪文(20)- |
3 《仕組まれた爆薬》 3 《摩耗 // 損耗》 2 《碑出告が全てを貪る》 2 《屍呆症》 2 《未認可霊柩車》 1 《シェオルドレッドの勅令》 2 《敵対するもの、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
土地でないカードを選び捨てさせる万能ハンデス《悲嘆》、そして4点の割り振りダメージ除去《激情》。これらの黒赤インカーネーションを4枚ずつ採用し、対戦相手のゲームプランを崩していくコントロール能力の高いデッキだ。
そしてそれと同時に、スピーディーな攻めも実現させている。それを可能としているのが想起と黒のインスタントの組み合わせだ。マナを払わずに想起で唱えたインカーネーション、その生け贄に捧げる能力を解決する前に《不死なる悪意》《フェイン・デス》《マラキールの再誕》らでこれを対象にする。
その後生け贄となったインカーネーションは、上記のインスタントのもたらした死亡時に墓地から戦場に戻る能力で即座に復活。そしてそのまま戦場に定着する!これらでガンガン攻撃していくのがこのデッキのメインコンセプトだ。特に《不死なる悪意》《フェイン・デス》の2種は戻したクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せるオマケ付きだ。
これにより《悲嘆》は4/3威迫と攻撃を通しやすい優秀な攻め手に。そして《激情》に至っては4/4二段攻撃という圧巻のフィニッシャーに!これらのクリーチャーを早ければ1ターン目には用意できる、スピード重視のモダン環境において輪をかけて開幕からクライマックス感を演出する……「ラクドス想起」とは超攻撃的なコントロールといった具合だ。
ホライゾン系のカードで黒と赤とくれば、かーなーり、かなり!強いカードが軽いマナ域に揃っている。やはりモダンの1マナ域最強の座に君臨する《敏捷なこそ泥、ラガバン》!このお猿が使えるのが強みだよな。
攻撃が通れば宝物生成に対戦相手のライブラリーからカードを奪うと、1マナとは思えないほどの働きぶりを見せるぶっ壊れクリーチャーだ。これを巡る攻防がモダンでは重要であり、それゆえに1ターン目から捨てさせたり除去できる《悲嘆》《激情》が輝きを放つというものだ。インカーネーションのサポートを受けて、こちらのラガバンのみが機能する盤面を確保出来たらそのまま勝利と相成るだろう。
《ダウスィーの虚空歩き》は2マナパワー3にしてシャドーというブロックがほぼされない回避能力持ち。そして対戦相手の墓地に落ちるカードを追放するので、《悲嘆》をはじめとするハンデスで捨てさせたものを再利用させない徹底っぷり。
なんだったらこっちがそのカードを使う勢いで、アドバンテージ勝負は譲る気一切なし!《戦慄の朗詠者、トーラック》や《思考囲い》でも捨てさせまくって、対戦相手の手札も墓地も常に空っぽにしてやろう。
黒と赤のコンビネーションで対戦相手のあらゆる勝ちパターンを潰す!本来手札を追放するという軽視できないコストの支払いを、《不死なる悪意》などでチャラにするどころか一気にフィニッシュまで持っていく!「ラクドス想起」は盤面でやりたい放題大暴れ!横浜にもワルいやつらが大集結して縦横無尽にゲームを支配してくれそうだ。
さあ、オープンの参加者枠は定員に達しているかもしれないが、会場やビデオカバレージで是非観戦してね!黒と赤が激闘にさらなる火をつける!
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