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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
Niv to Light:コンベンションのもとに(パイオニア)
いや~良かったよ。いやいや良かった良かった。本当に良かった……語彙力完全枯渇、どうも岩SHOWです。
これを書いている本日は11月28日月曜日。そう、当コラムでもひたすらに推してきたイベント、プレイヤーズコンベンション愛知2022が終わった、その翌日。
このイベントに対する歓喜の声はSNSとかで散々ッぱら目にしてきて食傷気味かもしれないが……本当に良かったもの。何度でも言わせてちょうだい!
正直に言うと、3年ほど前、年間に大小さまざまなマジックのイベントが日本中で開催されていた頃。もはや1~2か月に一度は他県へと出張していたので、ちょっとお腹いっぱいになっていたんだよな。もちろんその時も毎回楽しかったけど、日常になりすぎていて、いろいろな感覚が麻痺していたというか……感動が薄れていたね。
そこから突如イベントが行われなくなり、今度は逆にないのが日常になってしまった。そして2年9か月ぶりに、かつて「グランプリ」や「マジックフェスト」と呼ばれたイベントを継承する「プレイヤーズコンベンション」が開催された。
僕は今回、このコンベンションの名を冠する「プレイヤーズコンベンションオープン 2022 supported by 日清食品」というトーナメントに関するお仕事をするために会場へ。800名近い参加者が朝の9時からテーブルにズラッと並び、シャッフルをしてゲーム開始の準備をしながらジャッジのアナウンスに耳を傾ける……かつては見慣れすぎた光景ではあるが、時を経て改めて目にすると壮観だったねぇ。昔はこれの何倍も参加者がいたというのも、普通のことだと思っていたがものすごく恵まれていた時代だったなだなぁと。過ぎ去ってからその尊さが分かる。日常ってそういうもんだ。
僕はオープンのフィーチャーマッチを担当させていただいて、2日間に渡って毎ラウンド激闘を観戦させてもらった。フォーマットはパイオニア。久しぶりの誰でも参加可能な大規模イベント、かつてのグランプリにあたるオープン。場内では招待制となる「チャンピオンズカップファイナル サイクル1」も同時開催。どちらもフォーマットはパイオニアということで、それぞれの結果に差が出るのかはとても気になるところだった。
結果から言うとどちらのイベントも優勝者が使用していたのは「ラクドス・ミッドレンジ」。黒と赤の攻撃的なカードを中心に組まれたデッキだったわけだが……トップ8という視点で見ればその結果は異なるものとなった。8名中実に6名がこのラクドスを使用していたチャンピオンズカップに対して、オープンではなんと同デッキ使用者は1名に留まる形に。7種類のデッキがひしめくバラエティ豊かな顔ぶれとなった。
参加者人数に大きな差がある分、マイデッキに強いこだわりを持ったプレイヤーが多くなったというのは容易に想像がつくが、そういったプレイヤーたちがラクドスを押しのけて勝ち上がってきたというのが興味深い。
そんな個性的なデッキが揃った「パイオニア・ショーケース」とでも言いたくなるトップ8のデッキの中でも、フィーチャーマッチにて僕の心をガシッと鷲掴みしたデッキが。それはオジュタイに始まり、シルムガル、アタルカとタルキール次元の龍王たちが居並ぶ光景。それらを束ねるのはあの5色のドラゴン!
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《山》 1 《森》 4 《寓話の小道》 2 《ジアトラの試練場》 1 《ジェトミアの庭》 3 《スパーラの本部》 2 《インダサのトライオーム》 2 《ゼイゴスのトライオーム》 2 《サヴァイのトライオーム》 2 《神聖なる泉》 1 《聖なる鋳造所》 2 《陽花弁の木立ち》 1 《湿った墓》 1 《水没した地下墓地》 1 《蒸気孔》 2 《繁殖池》 1 《血の墓所》 1 《森林の墓地》 1 《踏み鳴らされる地》 2 《根縛りの岩山》 1 《マナの合流点》 -土地(37)- 4 《森の女人像》 1 《嘘の神、ヴァルキー》 1 《無私の象形織り》 3 《創造の座、オムナス》 1 《ウィンドグレイスの魂》 3 《ニヴ=ミゼット再誕》 1 《嵐の憤怒、コラガン》 1 《龍王オジュタイ》 2 《龍王シルムガル》 1 《龍王ドロモカ》 1 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(19)- |
3 《消失の詩句》 2 《突然の衰微》 2 《戦慄掘り》 2 《成長のらせん》 1 《暗殺者の戦利品》 2 《プリズマリの命令》 1 《苦渋の破棄》 1 《轟音のクラリオン》 1 《コラガンの命令》 1 《底への引き込み》 4 《白日の下に》 4 《力線の束縛》 -呪文(24)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》 -相棒(1)- 2 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 2 《秋の騎士》 1 《致命的な一押し》 3 《ドビンの拒否権》 2 《神秘の論争》 2 《光輝の炎》 1 《虚空の力線》 1 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 -サイドボード(14)- |
《ニヴ=ミゼット再誕》を主役とした「Niv to Light」と呼ばれる5色デッキだ。
「to Light」とは《白日の下に》のこと。
このソーサリーに5色のマナを注いで、ニヴをはじめとするさまざまなカードを状況に合わせてサーチしてくるという、通好みのコントロールデッキである。
「パイオニアを知ろう! コントロール編」では5色のコントロールデッキとして《創案の火》を用いたリストを紹介した。実際に同トーナメントの予選ラウンドでも《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒として5色で組むことで《力線の束縛》のコストを最大減に減少させて《奇怪な具現》で大型クリーチャーを叩きつけるという、《創案の火》デッキのバリエーションが上位付近で存在感を発揮していた。
このリストはそれらとは異なり、《創案の火》は不採用。真面目にマナを支払って《白日の下に》で戦っていく、よりどっしりとした構成だ。
ニヴは戦場に出た時にライブラリーを10枚公開、そこにあるちょうど2色のカードを手札に加えられる。各色の組み合わせ1つにつき1枚、理論上最大10枚手札が増える!……まあそんなことはなくとも、2~3枚手札を補充できるだけで十分にアドバンテージは獲得できる。
《消失の詩句》《突然の衰微》などの2色の除去で序盤を凌ぎ、これらニヴから補充することで序盤から終盤までコントロールの手を緩めない。
そしてもうひとつ、このニヴから手に入れていくのが先述の龍王たち!
《龍王オジュタイ》は除去耐性とアドバンテージ獲得能力でニヴの代役的なフィニッシャーをこなす。《龍王シルムガル》はクリーチャーのコントロールを奪うシンプルな一文が高い必殺性を誇り、フィーチャーマッチでも逆転の契機となった。2枚採用からもこの龍王に対する信頼の高さがうかがえる。
《龍王ドロモカ》は自ターンに対戦相手が呪文を唱えられない強力な妨害能力と、ガッチリボディに絆魂でコントロールにもアグロにも強い。そして《龍王アタルカ》はダメージをばら撒いて盤面を掃除した上に高いパワーで上から殴ってゲームを終わらせる!
……唯一、龍王ではない時間軸のカードが採用されているのは《嵐の憤怒、コラガン》。
《龍王コラガン》よりもこちらの方がデッキの求める性能だということで、ドラゴンが2体ほど並んでいるところに疾駆能力から走らせれば一瞬でライフを0にしてしまえることだろう。タルキールの龍たちにはこだわるが、きちんとデッキに合った1枚を選んでいるところは、楽しむという点でも勝ちに行くという点でも、しっかりとこだわりを持ったデッキへの深い愛情を感じるね。
他のプレイヤーとは一線を画す構築で、初の開催となったプレイヤーズコンベンション、栄えある初代トップ8に名を連ねた「Niv to Light」。こういう最高にカッコイイデッキと出会えるから、大規模なテーブルトップのイベントは最高だ。
これからも開催されることを心から願っているよ、とりあえず来年3月! また楽しもうぜ!
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