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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
兄弟戦争開戦直前! 緑単編(スタンダード)
さあ今回も前々回、前回に引き続き、『兄弟戦争』リリース後のスタンダードのデッキを考えてみよう。
赤単・黒単と続いたので今回も単色デッキでいきたいなと。その色は……緑単だ。
緑単色のデッキは『団結のドミナリア』環境で存在感を示せたかというと……他の4色に比べるとインパクトが弱かったね。ローテーション前、ちょうど1年くらい前の環境だと「緑単アグロ」は最強格のデッキの1つだった。
《群れ率いの人狼》《老樹林のトロール》《エシカの戦車》……早々たるメンバーが早期決着を可能にしていた。《ヤスペラの歩哨》《冬を彫る者》などのマナ加速も充実して、4マナのカードもスムーズに唱えられる、《レンジャー・クラス》で手札切れにも強い、クリーチャー除去も《吹雪の乱闘》《豊穣の碑文》と高品質、消耗戦にも《不詳の安息地》《ハイドラの巣》で耐性あり……アグロデッキに求めるものがとにかく揃っていた。あの頃は贅沢だったなとさえ思えるなぁ……
上述のカードはすべてローテーションで失われているため、ローテーション直後は寂しく感じたものだ。しかし別れあれば出会いあり、ローテーションにより新たなカードが輝く、それこそがスタンダードの楽しさだ。
《ラノワールの壌土語り》《クウィリーオンの獣呼び》《茨橋の追跡者》と優秀なスタッフは今でも揃っている。《ウルヴェンワルドの奇異》《活力を穢すもの》とパンチ力もある。
では緑単に何が足りないのか? それは単色で組む理由だ。
《群れ率いの人狼》《老樹林のトロール》《不詳の安息地》といった以前の緑単の主役たちは、2色以上のデッキで運用は難しく、単色でデッキを組んだからこそのご褒美的な存在だった。『団結のドミナリア』ではこれらのようなシンボルが色濃かったり単色を推奨するようなカードがなかったため、緑単のデッキを見る機会は少なかった。白との2色デッキなど、多色の中で緑はそのパワーを示していたからね。決してカードが力不足だったというわけではないのだ。
では『兄弟戦争』では単色を推奨するカードが現れたのか? それが……出てきたんだなこれが。しかも歴史あるカードだ。《ブランチウッドの鎧》!
初出は『ウルザズ・サーガ』でまさに『兄弟戦争』と重なる時系列に登場したオーラだ。その後基本セットに5回も再録される常連で、今回は4年ぶりの再録。
これをつけられているクリーチャーは森の数だけ強化されるという、わかりやすくそして強い能力! 《ウルヴェンワルドの奇異》につければトランプルでガシガシダメージを叩き込めて一瞬で対戦相手をノックアウトできる! というわけで森をずらりと並べるデッキ=緑単を組む理由がやってきたのだ。いや~「緑単アグロ」ユーザーからすると嬉しい限りだね。
《ブランチウッドの鎧》といえば、同世代で活躍した緑のオーラも思い浮かべてしまう。《怨恨》だ。
これはオールタイムで見ても最強格のオーラで、我々はいつでもこの名品が還ってくるのを待っている……という願いは今回は叶わなかったが、その遺志を継いだ1枚が。《無鉄砲》!
まずカード名が素晴らしい。そしてこのオーラがもたらす修正は《怨恨》のそれと同じ。パワー+2とトランプル、どんなクリーチャーでもこれでエースに昇進だ。
《怨恨》は墓地に落ちると手札に戻るという能力を持ち、つけたクリーチャーが除去されても何度も戻ってくるというそのしぶとさが強みだ。オーラの弱点をしっかりカバーしているからね。
そしてこの《無鉄砲》には……そこまでのしぶとさはないが、戦場から墓地に落ちれば1枚ドロー! 代わりのカードでここはなんとかという姿勢、グッド!
トランプル付与ということでブランチウッドで伸ばしたダメージをブロックされてもしっかり押し通す。『兄弟戦争』環境の緑単はオーラでぶっちぎるぜ!
22 《森》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 -土地(24)- 4 《ラノワールの壌土語り》 4 《クウィリーオンの獣呼び》 2 《祝祭の出迎え》 4 《茨橋の追跡者》 2 《墓所のうろつくもの》 4 《ウルヴェンワルドの奇異》 2 《活力を穢すもの》 4 《土の勇者》 -クリーチャー(26)- |
4 《無鉄砲》 2 《尾の強打》 4 《ブランチウッドの鎧》 -呪文(10)- |
3 《機能不全ダニ》 2 《強情なベイロス》 3 《タミヨウの保管》 2 《尾の強打》 3 《用心棒の荒事》 2 《未認可霊柩車》 -サイドボード(15)- |
というわけで配信しつつカードリストを眺めながら制作したリストがこちら。その節はご意見ありがとな!
既存のカードを中心に、この度加わるオーラ2種を盛り込んだ形だ。新カードはほぼコモンとアンコモンなので、環境最初期にも組みやすいデッキだと思う。
が、これだけは採用させてくれ、神話レアより《土の勇者》!
このカードのこと、初見では脳が正しく理解していなかったんだが……唱えるのに支払った{G}{G}につき+1/+1カウンターが3個置かれて戦場に出る。3個、3個だぞ3個。2個と思っていたら3個じゃないか。ということはミニマムでコストを支払ったとして{G}{G}{G}{G}の4マナで……8/8? マジで? ちょっとデカすぎだろうよ!
というわけでたまらず採用。6マナ10/10とかになっても熱いし、さらに《ラノワールの壌土語り》《祝祭の出迎え》で白マナを用意できれば戦場を強化できるチャンスも……というテクニカルなムーブも決められるぜ。というわけで《土の勇者》! 発売前の僕のイチオシってことで。デカいことは良いことだ、《無鉄砲》で強引にダメージ通していこうぜ。
サイドボードには新たなエンチャント・アーティファクト対策である《機能不全ダニ》、そして《ヴェールのリリアナ》対策に《強情なベイロス》を。
リリアナは後手のゲームでは特に苦にするカードのひとつだと思うので、その裏をかいてベイロスで強襲を仕掛けよう。
《用心棒の荒事》はブランチウッドのサイズ修整のおかげでかなりのダメージが狙えて、以前よりも《黙示録、シェオルドレッド》を仕留めやすくなった1枚でもある。今後に期待できるね。
というわけで新セットリリース直前の恒例企画、デッキを作ってみようシリーズ……いつも通り粗いリストではあるが、何かアイディアだけでも拾ってもらって皆がステキなデッキを組んでくれれば幸いだ。『兄弟戦争』リリースされたら、スタンダード遊びまくるぞッ!
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