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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

イゼット・シング:エクスプローラーに変化が来る!(パイオニア)

岩SHOW

 先日発表されたマジックの今後に関するアナウンスで、今後のMTGアリーナの向かう方向が一部発表された。

 MTGアリーナではエクスプローラーが紙のカードのパイオニアと同様のフォーマットになるべく、カードが追加されるタイミングが公開。今年の終わりには『エクスプローラー・アンソロジー』の第2弾が登場する。

 20枚の再録カードからなる特殊セットのアンソロジー系。前回は……《霊廟の放浪者》《エルフの神秘家》といった軽量クリーチャー、4マナ全体除去の中でも最もオーソドックスな《至高の評決》などが再録。細かくニッチな役目を担うカード群という感じだったので、次のセットには派手でデッキの中核となり、今エクスプローラー環境では成立していないがパイオニアでは活躍している、そんなデッキを組ませてくれる顔ぶれに期待したいね。

 具体的にどのカードが良いかって? 例えば……。

Ssjoku - 「イゼット・シング」
CMC P7 Cup 優勝 / パイオニア (2022年10月14日)[MO] [ARENA]
3 《
4 《蒸気孔
4 《尖塔断の運河
3 《嵐削りの海岸
4 《河川滑りの小道
1 《ストーム・ジャイアントの聖堂
1 《天上都市、大田原
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
-土地(21)-

4 《氷の中の存在
2 《厚かましい借り手
1 《パルン、ニヴ=ミゼット
-クリーチャー(7)-
4 《考慮
4 《選択
2 《急かし
1 《呪文貫き
4 《焦熱の衝動
2 《炎恵みの稲妻
1 《棘平原の危険
3 《衝動
2 《一日のやり直し
1 《神々の憤怒
1 《集団的抵抗
1 《プリズマリの命令
2 《時を越えた探索
4 《覆いを割く者、ナーセット
-呪文(32)-
1 《船砕きの怪物
3 《丸焼き
2 《霊気の疾風
2 《否認
2 《ギルドのタブレット
3 《神秘の論争
1 《神々の憤怒
1 《時の支配者、テフェリー
-サイドボード(15)-
mtgtop8 より引用)

 

 このパイオニアの青赤2色(イゼット)のデッキの主役には、ぜひとも参戦していただきたいね。その名は《氷の中の存在》!

回転

 その名の通り氷漬けの塊を船で引いてきたイラスト。そしてその第2面、変身をすると《目覚めた恐怖》となりその船を粉々にする甲殻類の大怪物が。

 そしてこれは後に《船砕きの怪物》と呼ばれることになる。

 7/8というパワー・タフネスにパーマネントを手札に戻す能力、そしてイラストを担当するアーティストも同一人物。よく見ると《目覚めた恐怖》の裏側が見えている姿というのがよくわかるので再確認してみてね。

 無茶苦茶強い《船砕きの怪物》が氷の中から解き放たれるシーンを表現したカードだけあって《氷の中の存在》もまた超強力なカードだ。2マナ0/4という防御的なスペックだが、インスタントかソーサリーを唱えれば氷カウンターが減っていく。計4回唱えて0個になれば、《目覚めた恐怖》に変身だ。

 ホラーでないクリーチャーを全て手札に戻すというえげつない戦場リセット能力で更地にしつつ、すかさずパワー7の攻撃をお見舞いする! 一気に超攻撃的スペックに変貌し、相手のライフを詰め始める。この存在を早いターンに戦場に出し、軽いインスタント&ソーサリーを連打し、スピーディーにスムーズに変身させる。これが「イゼット・シング」だ。

 「イゼット・シング」はその特性上、デッキパーツのほとんどが非クリーチャー呪文、その中でも、もちろんインスタントとソーサリーに固めて構成されている。

 特に重要と言えるのが軽量ドロー呪文。1~2マナでカードを引いたり手札に加えたりする呪文は、この手の複数行動を求めてくるデッキの肝である。

 これらはカードを1枚引いたり加えたりするものなので、ドローと言っても手札が増えるわけではない。アドバンテージという観点で見れば稼げているわけではないが、手札が減らないという点が重要なのだ。デッキをぎちぎちに呪文で満たすために、土地の枚数は抑え目になっている。これを探し当てて確実にマナを伸ばし、それが十分にあるならば有用な呪文を探しに行くってのがこれら軽量ドローの役目だな。その上で《目覚めた恐怖》が変身すれば、これらの呪文の価値は何倍にも高まるというものだ。

 恐怖が目覚めればクリーチャーは根こそぎ吹き飛ばせるが、それだけを期待してクリーチャーを放置していると間に合わないことも多発するので《焦熱の衝動》のような除去は必須である。

 その中でも注目すべき1枚は《厚かましい借り手》。

 出来事では《些細な盗み》として2マナのバウンス(手札に戻す)という疑似除去として機能する。そして追放されたこれを借り手として唱えて戦場に出した後に、恐怖を目覚めさせて全体バウンスすると借り手が戻ってもう1回《些細な盗み》で唱えるチャンスが。こういう細かいテクニックを積み重ねて勝つのがこの手のテンポデッキの妙。1枚のカードに付加価値をどれだけつけられるか?

 それと同時に《パルン、ニヴ=ミゼット》や《覆いを割く者、ナーセット》&《一日のやり直し》のコンボのように、カードパワーで押す要素もしっかり搭載。パワフルなデッキに仕上がっているぞ。

 果たしてエクスプローラー環境を変えるアンソロジーに何のカードが収録されるのか? さらにその先の2023年には『イニストラードを覆う影・リマスター』もやってくるので、《氷の中の存在》をアリーナで暴れさせる時は迫ってきているのかもしれない!

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