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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

瞥見オムナス:マジックで言葉を学ぼう(モダン)

岩SHOW

 マジックのカード名には、結構難しいフレーズが書かれていることがある。

 マジックを始めたばかりの子どもの時、僕らは《ゴリラの酋長》を「ごりらのそんちょう」と呼んで(読んで)いた。正しい読みが「しゅうちょう」とわかった今でも「ゴリそん」という愛称は心の中に残っている。

 マジックで初めて覚えた言葉というものはどれだけあるかわからないな。日常生活で使うことはほとんどないようなフレーズでも、知識として持っておくのは必ずや意味のあることだ。

 つい最近もマジックを通じて、瞥見(べっけん)という単語を知ったところだ。瞥見とはチラッと見ること。チラ見なんてのが日本語として定着している昨今、日常的な会話で「思わず瞥見した」なんてのはまず口にしないが……どこかでバシッと決められればカッコいいなと機会をうかがっている次第。

 どのカードで知ったかというと……《明日の瞥見》なる呪文から。

 このカードを主役にしたデッキリストを眺めている際に、そういや瞥見って?と気になってね。では、今回はその《明日の瞥見》デッキを紹介しよう!

Simon Nielsen - 「明日の瞥見」
MMM Showdown June 準優勝 / モダン (2022年6月25日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
1 《
1 《踏み鳴らされる地
1 《寺院の庭
1 《蒸気孔
1 《神聖なる泉
4 《霧深い雨林
2 《樹木茂る山麓
3 《沸騰する小湖
4 《カルニの庭
1 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《魂の洞窟
-土地(25)-

4 《忍耐
4 《発現する浅瀬
4 《断片無き工作員
4 《創造の座、オムナス
4 《激情
4 《波ふるい
-クリーチャー(24)-
3 《明日の瞥見
4 《鏡割りの寓話
4 《暴力的な突発
-呪文(11)-
2 《砕骨の巨人
3 《基盤砕き
3 《緻密
4 《神秘の論争
1 《活性の力
2 《死亡+退場
-サイドボード(15)-
cardmarket より引用)

 

 モダンにおける《創造の座、オムナス》デッキのバリエーションのひとつだ。4色オムナス、やっぱり強いぜ。

 モダンだと上陸2回目を簡単に誘発させる《霧深い雨林》などのフェッチランドが使えるとあって、このエレメンタルのポテンシャルをガンガンに発揮させることが可能となっている。2回目の上陸で黒以外の4色のマナを捻出し、圧倒的なマナの格差で対戦相手を圧倒する!

 そんなオムナスデッキの中でも上記のリストは言うなれば変化球。件の《明日の瞥見》と組み合わせるのだ。

 明日というちょっとした未来をチラ見するという名のこのソーサリーは、マナ・コストを持っていない。なので普通に唱えることはできず、待機から唱える形になる。その効果はかつての《歪んだ世界》と似ている。

 自身のコントロールするパーマネントをすべてライブラリーに戻し、その数だけのカードをライブラリーの上から見て、その中のパーマネントを全部戦場に出す。なかなかに豪快なセルフリセットであり、クセは強めな呪文ではある。

 これでオムナスとともに土地を3枚戦場に出すことが出来れば、上陸が3回誘発して4点回復・4マナ獲得・4点ダメージとフルコースを堪能できる。こんな明日はチラリどころかガッツリ拝みたいもんだぜ。

 さて、《明日の瞥見》は先にも述べたように待機呪文だ。待機コストは{R}{R}、2ターン目に待機させたとしても解決されるのは3ターンを経た5ターン目。これならまだ良いが、それよりターンが遅れれば遅れるほど、瞥見タイムも遅くなってしまう。あまりに遅いと瞥見する前に明日そのものが来ちゃうよ。

 そんなわけでこのデッキは待機で真面目に唱えようとはしていない。コストを持たない待機呪文? モダンでは続唱するものと相場が決まっている!

 《断片無き工作員》《暴力的な突発》を採用、そしてこれよりもマナ総量が小さいカードは《明日の瞥見》のみに留める。

 そうすることでこれら計8枚の続唱から公開されるのは100%瞥見になるというトリックだ。

 瞥見の下準備としてある程度のパーマネント数も確保したいところ。それにはオムナスの家族とも呼べる連中が活躍してくれる。エレメンタルだ。

 工作員以外のクリーチャーはすべてエレメンタルになっている。これにより《発現する浅瀬》の能力を誘発させまくる!

 ライブラリーの一番上が土地なら戦場に出せるので、それでパーマネントの数を荒稼ぎだ。土地でなくても手札に入るので、それがエレメンタルならそのまま展開すれば良い。

 エレメンタルと言えば、想起コストで軽く唱えられる面々。《忍耐》と《激情》はなんと代替コストでマナなしで唱えられる。浅瀬からそのまま唱えてすかさずアドバンテージを獲得だ。

 《波ふるい》はちょうどやることがない2ターン目を埋める、2マナの想起エレメンタル。

 想起クリーチャーは戦場に出ると即生け贄に捧げられるが、《波ふるい》は置き土産を残していく。手掛かり・トークンを2つだ。これはドローに使っても良いが、瞥見のためのパーマネント水増しとして申し分のないもの。2ターン目に手掛かり2つ並べるだけで、3ターン目の瞥見でパーマネントを5つも出せるチャンスになる。

 また想起持ちはその生け贄が誘発して解決されるまでは戦場にいるので、そのタイミングで《暴力的な突発》から強引に瞥見でライブラリーに戻すという作戦も。

 これらのエレメンタルはライブラリーから戦場に出てきても戦力として十分の「当たり」として、ゲームをにぎやかなものにしてくれるだろう。

 カードやデッキに対する知識も大事だが、マジックから学べるのはそれだけではない。字の読み方や意味、英単語、各国の文化などなど……そういう奥深さも伝えていくのがこのデイリー・デッキの使命だと勝手に解釈している。いっぱい遊んでいっぱい学ぼう!

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