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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
「トライオーム」で5色デッキ:治安の悪さもご愛敬(パイオニア&エクスプローラー)
最初に手に入れた多色土地って覚えてるかい?
僕は中学生の頃、「パックがカッコイイ」という理由だけで欲しくなってお小遣いを貯めて買った『アイスエイジ』から出てきた《地底の大河》だったかな。
ずっとほしかった土地の初代イラスト、雰囲気も抜群で気分がとても昂揚した。立て続けに同バージョンの《硫黄泉》も手に入ったので、これらを使って念願の多色デッキを組んだものである。
たった2枚加わっただけでマナ基盤が安定するわけでもないのに、それでも基本土地主体の構成から脱却できたことは嬉しかったなぁ。
当時はそれらのように、ダメージを受けるペナルティ付きのものが多色土地の主流だった。時代が移り変わって、昨今はタップ状態で戦場に出るという形で行動を遅れさせるが色マナには不自由させないぞというデザインが主流に。『ニューカペナの街角』の一家の長の名が付いたレア土地はその典型だね。
戦場にはタップ状態で出るのが確定、その代わり3色のマナを手に入れることができる。そしてただ色マナを得られるだけでなく、基本土地タイプを3つ持っている。土地が不要ならサイクリング能力で捨ててカードを引ける……と良いことづくし。
これらの土地は『イコリア:巨獣の棲処』にて登場した同デザインの3色土地の色違いのものとなっている。イコリアのものはすべて「○○のトライオーム」という名前だったので、プレイヤーの間ではニューカペナのものもひっくるめてトライオーム・サイクルと呼ぶのが半ば定着しているようだ。
10種類のトライオームが出揃ったことで、これらすべてを採用したデッキなんかも組めるようになった。トライオームはいずれもただ3色が出るというだけでも便利なものだが、基本土地タイプを活かしてより良く運用することが可能だ。
たとえばフェッチランドとの組み合わせ。《汚染された三角州》からは《ジェトミアの庭》を除くすべてのトライオームを戦場に出すことができるなど、1枚の土地から5色のマナすべてにアクセスすることが可能となる。
《古き神々への拘束》も森タイプを持つすべてのトライオームをサーチ可能、すなわち5色どれでも好きな色を確保可能。
《孤立した礼拝堂》など戦場にある土地タイプを参照してアンタップ状態で出る他の多色土地との相性も良し。というわけでトライオーム10種をてんこ盛りした豪華絢爛な5色デッキ……あったよ!
1 《山》 1 《インダサのトライオーム》 1 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《サヴァイのトライオーム》 1 《ケトリアのトライオーム》 1 《ラフィーンの塔》 1 《ザンダーの居室》 1 《ジアトラの試練場》 1 《ジェトミアの庭》 1 《スパーラの本部》 1 《聖なる鋳造所》 1 《蒸気孔》 1 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《神聖なる泉》 1 《氷河の城砦》 1 《神無き祭殿》 1 《断崖の避難所》 1 《寺院の庭》 1 《湿った墓》 1 《水没した地下墓地》 1 《繁殖池》 2 《内陸の湾港》 2 《硫黄の滝》 1 《草むした墓》 1 《根縛りの岩山》 -土地(28)- 4 《創造の座、オムナス》 4 《ニヴ=ミゼット再誕》 1 《スカラベの神》 -クリーチャー(9)- |
4 《暗殺者の戦利品》 4 《表現の反復》 4 《成長のらせん》 4 《暴君の嘲笑》 4 《蔓延する窃盗》 3 《轟音のクラリオン》 -呪文(23)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》
-相棒(1)- 4 《ドビンの拒否権》 4 《眼識の収集》 3 《裁きの一撃》 1 《轟音のクラリオン》 2 《選別の儀式》 -サイドボード(14)- |
MTGアリーナ、エクスプローラーの「5色ニヴ=ミゼット」デッキだ。
トライオーム10種……には《ラウグリンのトライオーム》のみが足りないが、他9種が並ぶリストは圧巻だ。トライオームと《血の墓所》などのショックランドと《硫黄の滝》など土地タイプを参照する面々で、5色すべての運用がバッチリ。これで《ニヴ=ミゼット再誕》も楽々運用可能。
ニヴは戦場に出た際に多色のカードを手札に加えられる。最大で10枚!……なんてのは夢物語だが、4枚くらいはザラに弾き出してしまう。
この圧倒的なアドバンテージ獲得能力を武器に、《暗殺者の戦利品》《轟音のクラリオン》など多色ならではの優秀なパーマネント除去で盤面をコントロールし続ける5色デッキは、パイオニアやヒストリックなどのフォーマットで人気を得ている派閥だ。
トライオームの増加でマナ基盤はかなり締まったニヴデッキ。しかしそれは同時に、タップ状態で戦場に出る土地が増えたということも意味する。
いかに強いカードと言えども唱えられなければ意味がない。そのために、1ターンでも早くニヴや《創造の座、オムナス》といったパワフルなカードに行き着くための工夫も重要になってくる。
《成長のらせん》は必須だな。
手札の枚数を減らさずに土地を戦場に出せるので、トライオームをこれでザクザク出して戦場を潤わせていこう。インスタントなので《暗殺者の戦利品》を構えつつ、何もなかった際に唱えるという運用が可能。土地が十分なゲーム終盤でも、とりあえずカードが1枚引けるので完全な無駄ドローにはなりにくいという点が嬉しい。
そして……もうひとつ採用されているマナ加速がこのリストの最大の特徴だ。《蔓延する窃盗》!
マジックの全カード名の中でも勘弁してほしいランキング上位に食い込みそうな物騒な1枚だが、能力は夢にあふれている。多色の呪文を唱えると宝物が生成されるので、土地がタップ状態で出ることで生じるタイムラグが緩和してくれる可能性がある。
それだけでなく、宝物生成後に5色のマナを支払えば、秘匿していたカードをマナの支払いなく唱えられる! ここからニヴや《スカラベの神》などの怪物カードがポンと飛び出し、ゲームを終わらせるという寸法だ。これはエクスプローラーをやっているなら一度は決めてみたい動きだ。
スタンダードで《蔓延する窃盗》デッキを組もうにも組めなかったというプレイヤーは、エクスプローラーやパイオニアにてこのエンチャントの活路を見出してみると良いかもしれない。
多色のギルドが統治する都・ラヴニカの守護神的な存在であるニヴは、同じく多色の一家が支配する街であるニューカペナとは相性が良いのかもしれない。そういうフレイバー的な楽しさもある「5色ニヴ=ミゼット」。トライオームの追い風を受けているのはこのデッキだけでなく、他にも3色以上のデッキを組むのであれば安定感抜群の土地サイクルの力を借りるところから始めてみよう!
追伸:これは《表現の反復》が禁止される前に作成されたリストだ。この枠は何か別の2色のカードに置き換えよう。ドローの穴埋めなら《沁みついた耽溺》、《消失の詩句》で除去を増やすってのもありか。各々のアイディアで新環境の多色デッキを彩っていこう!
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