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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジェスカイ・オパス:いつまでも輝ける場所(パイオニア&エクスプローラー)

岩SHOW

 個人的にMTGアリーナ限定のフォーマット、エクスプローラーには感謝している。

 そりゃあ一刻も早く全てのカードが揃ってパイオニアに移行するに越したことはないが、そこに至るまでには時間がかかる。全部そろってパイオニア、ではなくとりあえず今すぐにでも始められるところから、と新しいフォーマットを開始してくれた姿勢には拍手だ。

 カードというものは手に入れたからには末永く使い続けたいもの。スタンダードをローテーションで去ったカードの使い道、いつまでも輝ける場所としての受け皿はひとつでも多いに越したことはない。

 これまではヒストリックがその役割を担っていたわけだが、このフォーマットは特殊セットが多数リリースされた結果、かなりのパワーカードが集結するちょっとした魔境となり、結果としてデッキ選択の幅が狭まったと個人的には感じている。

 そこで、エクスプローラーの登場で多くのカードにまたチャンスが巡ってきたことは本当に嬉しいことだね。ヒストリックで組んでいたけどもあまり勝てなくなってしまった、というデッキも、エクスプローラー仕様にちょっとした改造を施すことでまた楽しみながら勝ちに行くことができるかもしれない。

 今回のデッキもそんな可能性を感じさせてくれる良いサンプルかなと感じたね。というわけで早速リストをば。

Killa Dub - 「ジェスカイ・オパス」
エクスプローラー(BO1) (2022年5月27日)[MO] [ARENA]
5 《
1 《平地
4 《神聖なる泉
4 《氷河の城砦
4 《連門の小道
1 《ヴァントレス城
1 《天上都市、大田原
1 《皇国の地、永岩城
3 《寓話の小道
-土地(24)-

4 《奔流の機械巨人
-クリーチャー(4)-
4 《かき消し
3 《信仰の繕い
2 《ジュワー島の撹乱
4 《吸収
4 《記憶の氾濫
4 《巻き直し
4 《残骸の漂着
3 《崇高な天啓
4 《マグマ・オパス
-呪文(32)-
Killa Dub氏のTwitter より引用)

 

 エクスプローラーのBO1ランク戦仕様のデッキだ。いきなり種を明かせば、このデッキは《奔流の機械巨人》と《マグマ・オパス》とのコンボを主軸としている。ヒストリックでも一時期かなり流行った戦法だが、今ではかなり数を減らしたようだ。

 オパスを手札から捨てて宝物を得て、そのマナ加速から6マナと決して軽くはない機械巨人を1ターンでも早く降臨させ、墓地のオパスを唱えてめちゃくちゃする……という勝利へのルートを想定しているわけだ。

 この2枚と土地以外のカードもすべてインスタントで構成されているのがこのリストの特徴で、とにかく「見てから動く」を徹底している。

 相手に先に動かせてからそれに対応するという戦い方は、常に選択肢を突き付けられるので難しくはあるのだが、ハマればすべてをコントロールしきって自分の思った通りのゲーム展開に持ち込めるとこの上なく気分が良いものである。つまりは相手にどれだけ妨害で嫌がらせできるかってことだな(笑)。

 《かき消し》《吸収》《巻き直し》……とにかく打ち消しの連打で相手の要所を弾き、思った通りのゲームプランは進めさせない。

 クリーチャーは危険なものは絶対に打ち消して、そうでないものは《残骸の漂着》でまとめて処理。

 中途半端な面々は巨人オパスコンボで薙ぎ払い、そこから巨人とエレメンタルで一気に勝ちに行く。

 対戦相手のターンしか動かないという鉄の意志を感じるぜ。《吸収》4枚入りのリストなんて久しぶりに見たなぁ。これぞエクスプローラーの醍醐味。3点回復すれば実質的に小さなクリーチャーを除去したようなもんだ。こちらが攻勢に出るターンに持ち込むまで、最も効率の良いカードの使い方をして生き延びることを考えよう。

 オパス以外に機械巨人から拾って唱えるもの、デッキ内のすべてが選択肢なので状況によって変わるものではあるが……《崇高な天啓》というカードのポテンシャルを最大限に発揮できるのがこのデッキということは覚えておこう。

 モードを可能な限り選んで味わえるインスタント、これの「自身のクリーチャーのコピーする」という部分を活かすなら機械巨人でしょう、と。コピーの機械巨人でオパスなどをまた唱えて、笑っちゃうくらいのアドバンテージを得てしまおう。さらに「土地でないパーマネントを戻す」モードで機械巨人を戻すと……墓地の天啓をおかわりしてこの動きをもう1回! さすがにここまで好き放題されると投了だ。

 パーマネントが手札に戻ったらコピーできないのでは?と思うプレイヤーもいるかもしれないが、呪文の解決前であればコピー元の対象がいなくなると問題が起こるが、呪文の解決中であれば問題なく処理されるのだ。覚えておこう。

 環境が固まってきたヒストリックで勝てなくなったデッキがあるなら、エクスプローラーに切り替えるという選択肢もある。1枚でも多くのカードに活躍の場が与えられるように。顔見知りがいつまでも元気なら、嬉しくなってくるだろう? カードに対する僕の気持ちも同じだ。

 エクスプローラーとその先に待つパイオニアが、MTGアリーナのすべてのカードに対する安住の地になることを願っているよ!

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